個人型確定拠出年金の控除額を確認する方法と申請について

個人型確定拠出年金の控除額を確認する方法と申請について

投資 2018.02.09

節税メリットのある個人型確定拠出年金

まだ聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、個人型確定拠出年金とは、従来の年金制度に加えて登場した年金制度で個人や企業などの加入者が毎月一定額の年金を支払い、自分自身で運用していくというもの。拠出額を自分自身で設定できるので、節税メリットのある制度として注目されています。

加入を考えたとき、まず考えるのは「月々の拠出額をいくらに設定するか」。いくら拠出するかによって将来的に運用される金額も変動しますのでシュミレーションをすることが重要となります。

では実際、控除額を知るにはどのような方法があるのか、また、個人型確定拠出年金に加入した場合、年末調整や確定申告時にどのような手続きが必要となるのでしょうか。

個人型確定拠出年金の控除額を知る方法

ネットのシミュレーション計算で試算する

個人型確定拠出年金に加入することをお考えになるならば、まずは自分自身の年収に対してや将来的にどのくらい運用したいかなどの目標額に対する控除額をシミュレーションすることが重要です。「個人型確定拠出年金ナビ(通称:iDeCo(イデコナビ)」というサイトではインターネット上で気軽にシミュレーションすることができ、個人型確定拠出年金に加入した場合の税控除額を計算することができます。

まずは、自分自身の月収に対して、どの程度の金額が拠出できるかをおおまかに決めてみましょう。そしてネット上のシミュレーションを活用し、月々拠出する金額によってどの程度掛金が積み立てられるのか調べてみると、イメージが湧きやすくなります。

計算式に当てはめる

アナログな方法ではありますが、計算式に従って金額や税率を当てはめて控除額を調べるという方法もあります。金額を求めるには「年間の確定拠出金額+(所得税率+住民税率)」という式を活用すると控除額が算出されます。毎月拠出する額による年間の確定拠出金額に対し、所得税率と住民税率を掛け合わせることで運用できる金額を知ることができます。

所得税率は国税庁ホームページに掲載されています。また、住民税率は市区町村民税と都道府県民税が合わさったものを示しており、各市区町村・都道府県のホームページに掲載されています。

源泉徴収票を確認する

しっかりと確認したい方は、会社員の場合に毎年配布される源泉徴収票を確認し現在の所得税・住民税を合わせた「税金」の金額と個人型確定拠出年金に加入した場合の「税金」を求めることで、具体的な節税額を知ることができます。

源泉徴収票から所得税を算出する

1.「給与所得控除後の金額」-「所得控除の額の合計額」=「課税所得」

2.「課税所得」×「課税所得に対する税率」-「課税所得に対する控除額」=「所得税」

上記の手順で計算すると所得税が算出されます。課税所得に対する税率と控除額については国税庁ホームページに掲載されています。

つぎに、「住民税」を計算してみましょう。住民税は33万円、所得税35万円と「基礎控除」の額が異なります。そのため、「所得控除の額の合計額」から基礎控除差額の5万円を引いた金額で計算を行います。

源泉徴収票から住民税を算出する

1.「給与所得控除後の金額」-「所得控除の額の合計額(5万円引いた金額)」=「課税所得」

2.「課税所得」×「居住地の住民税率」=「住民税」

所得税と住民税の金額が算出されたら、この二つを足すと「税金額」がわかります。税金額がわかれば個人型確定拠出年金に加入した場合とどの程度節税できるのか比較することができます。

個人型確定拠出年金に加入した場合の税金額を算出するためには、年間の拠出額を設定する必要があります。例えば、毎月23,000円を掛金と設定した場合、年間27万6,000円。この金額を「所得控除の額の合計額」に足して計算をすることで税金額が算出されます。加入前の税金額から加入後の税金額を引いた金額が節税額となるのです。

現在の税負担を個人型確定拠出年金制度に加入することでどの程度軽減できるのか、具体的な数字を知り、将来設計をしながら個人型確定拠出年金への加入を考えることも大切ですね。

個人型確定拠出年金申告書の書き方

小規模企業共済等掛金控除に掛金を記入

年末調整の場合、あらかじめ加入者へ送付される「小規模企業共済等掛金払込証明書」の内容をもとに書類へ記入します。年末調整を行う際に記入する「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」書類の右下部分に「小規模企業共済等掛金控除」という項目があります。その項目中に「個人型又は企業型年金加入者掛金」という記入欄がありますので、その空欄部分に年間の拠出金額を記入します。

記入が終わったら、必要書類を添付し提出先へ出しましょう。

申告書番号13に掛金を記入

確定申告の場合、記入用書類「申告書B様式・第一表」の左下部出金額を記入します。また、「申告書B様式・第二表」も同様に13番目の項目「小規模企業等掛金控除」を記入する欄がありますので忘れずに記入するようにしましょう。なお、「申告書B様式・第二表」に記入をする際には掛金の種類を記入する欄がありますので、「個人型確定拠出年金」と書きます。

記入が終わったら、確定申告の期間内に必要書類を添付して税務署へ提出しましょう。

小規模企業共済等掛金払込証明書を備付

年末調整と確定申告それぞれの場合、どの部分にどのように掛金を記入するのかを説明しましたが、提出をする際に記入した書類と一緒に必ず提出しなければならない書類があります。個人型確定拠出年金に加入している場合、毎年10月から11月の間に国民年金基金連合会より「小規模共済等掛金払込証明書」という書類が送られてきます。

年末調整や確定申告の際、年間の掛金拠出額を記入する必要がありますが、この証明書を見ればすぐにわかりますので記入の際にも必要です。証明書内の合計金額の欄には支払いが確定した金額と、その後支払う予定の金額の合計が記載されています。年末調整と確定申告を行う際には、この合計額を記入しましょう。

また、小規模企業共済等掛金払込証明書は各種手続きの際には、書類に添付して提出することが義務付けられていますので、手続きを完了するまで大切に保管しましょう。

個人型確定拠出年金の控除を申請する時のポイント

会社員は年末調整で申請する

会社員や公務員の場合、個人型確定拠出年金の掛金を自身の口座から引き落としているなど、個人的に支払いをしている場合には申請の対象となります。年末に近くなると行われる年末調整の際に個人型確定拠出年金の年間の拠出金額を記入することで申請の手続きを完了できます。年末調整の書類を提出する際には、前項で述べたように「小規模共済等掛金払込証明書」を漏れなく添付しましょう。

個人事業主は確定申告で申請する

自営業などの個人事業主の方は、毎年一定期間行われる確定申告の期間内に申請する必要があります。申告書内の該当項目部分に年間の拠出金額を記入し、「小規模共済等掛金払込証明書」と一緒に税務署へ提出する、もしくはインターネットでの申告が必須となります。また、年末調整をし忘れてしまった会社員の方や、会社に勤めておらず年末調整の段階をふまない主婦の方も確定申告で申請をする必要がありますので、忘れずに実施しましょう。

事業主払込の場合は申告の必要なし

個人型確定拠出年金の掛金を支払う際、会社によっては掛金を給与から天引きできるところもあります。その場合には、あらかじめ事業主が拠出額を把握していることになりますので、年末調整や確定申告による申請は不要となります。

しかし、個人型確定拠出年金の掛金を個人払込にするのか事業主払込にするのかは、加入者自身が選択できるので必ずしも給与天引きが強制というわけではありません。

個人払込の場合は申告の必要がある

個人型確定拠出年金の掛金を、自身の口座から引き落とししているという方は年末調整による申請、もしくは確定申告の手続きを必ず行う必要がありますので、手続きの時期になったら忘れずに申請・申告をしましょう。

また、加入してから申請・申告までの期間が短く、拠出金額が少なかったとしても、きちんと手続きする必要があります。年末調整にしても確定申告にしても、手間が増えることには間違いありませんが、所得控除を受けられる機会ですので手間を惜しまずに手続きしてくださいね。

個人型確定拠出年金で賢く税負担を減らそう

近年、個人型確定拠出年金への加入者は増加傾向にあり、自分自身が年金を受給するときにどのくらいの額があれば安心かなど、自分の未来を自分で考えて運用できる点はおおいに魅力的。しかし、拠出した金額は60歳になるまで自分のもとへ返ってくることはありません。自分の収入や家族構成、将来設計をしっかり行ったうえで毎月の掛け金を決定することが必要といえます。

個人型確定拠出年金制度は取り扱う金融機関によってサポート体制やサービスの内容、手数料の金額が異なります。何十年も先までお付き合いする金融機関ですので、自分に合った会社を選択し、制度を上手に活用しましょう。

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この記事のライター UKANO 編集部

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