気になるフラット35の審査|マイホームを買うとき必要なことは?

September, 04, 2018

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フラット35について

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利住宅ローンです。
将来が見えにくい現在、金利上昇のリスクがなく安定した資金計画を立てたい人や、質の高い住宅を取得し計画的に繰り上げ返済したいという人を中心に利用されています。

フラット35の特徴

最近では民間銀行の長期固定住宅ローンも充実してきましたが、それでもフラット35が利用しやすい・お得な場合もたくさんあります。
フラット35と民間銀行の住宅ローンを比べた場合の利点と不利な点を見てみましょう。

通常の住宅ローンと比べ審査基準が緩い

フラット35の特徴は何と言っても「審査基準の緩さ」です。
どの金融機関でも「前年度年収」「勤続年数」「借入時年齢」が主な審査項目ですが、民間の大手銀行では前年度年収200万円以上、勤続年数3年以上、借入時年齢70歳未満、ネット銀行では前年度年収400万円以上、勤続年数2年以上、借入時年齢65歳未満というように項目も多く内容もやや厳しめになっています。

フラット35は、前年度年収と勤続年収に規定はなく、借入時年齢は70歳未満となっているだけです。
ただ前年度年収が400万円以上であれば返済負担率が35%以下、400万円未満なら辺塞負担率30%以下に収まっているかどうかが基準になりますが、その他はおよそ民間銀行よりかなり基準が緩くなっています。

フラット35の利点

他にもフラット35には利点があります。
まず「フラット」の名称が示す通り、借り入れ期間中は金利が変動しないため返済計画を立てやすいこと、将来の金利変動リスクなしに安心して利用できます。

また、余裕があるときに返済する繰上げ返済にかかる手数料や、買い入れ時に必要な保証料が無料で、そもそも保証人そのものが必要ありません。
民間では当たり前の「団体信用生命保険(団信)」への加入が任意など手続きや手数料負担が少ないのも大きなメリットです。

フラット35の不利な点

フラット35の場合、メリットは逆にデメリットになるといえます。
もともと長期固定金利であるがゆえに変動金利や短期固定金利に比べると金利が高くなる傾向があり、もし市場の金利が下がっても変わらず返済額はそのままで、合計の支払い額が下がることはありません。

団信への加入が任意であるため、その代わりに「収入保障保険」に加入し、借入額にもよりますがほとんどの場合100万円を超える高額な保険料を支払わなくてはなりません。
また繰上げ返済手数料自体は無料でも、返済する金額はインターネットサービス「住・My Note」で10万円以上、金融機関窓口では100万円以上となるためおのずと難しくなってしまいます。

民間の金融機関による住宅ローンとは、物件に一定の条件がつくという点でも異なります。
床面積などフラット35の住宅技術基準に適合していなくてはなりません。

金利・手数料は銀行毎に異なるのでチェック

同じフラット35でも、金融機関によって金利や手数料には違いがあります。
住宅ローン専門機関「アルヒ」が提供している「スーパーフラット8」は最も金利が低く1.25%、手数料は借入額の2.160%、最低手数料は21.6万円です。

多くの金融機関の金利は1.35%で、手数料はそれぞれ、優良住宅ローンで借入額の0.8%(最低手数料10.8万円)、三井住友信託銀行で借入額の0.972%(最低手数料16.2万円)、みずほ銀行なら借入額の1.026%(最低手数料3.2万円)となっています。

ここから分かるように、金利はともかく手数料は利率も最低手数料もまちまちです。
金額が少なければ最低手数料が決め手になるでしょうし、多ければ利率が問題になります。
なじみの金融機関でも問題はありませんが、少しでも出費を抑えるなら情報を集めて検討するのが得策です。

親子リレー返済も可能

フラット35では子どもなど一定の条件を満たす人を後継者として2代で返済する親子リレー返済という制度があり、後継者の年齢をもとに借入期間を算出するため借入期間を長くすることができます。

親子リレー返済をするには、次の3つの要件全てに当てはまらなくてはなりません。
1つめが、申し込み本人の子や孫など直系卑属またはその配偶者で定期収入があること、2つめは、申し込み時の契約者本人の年齢が満70歳未満であること、3つめは後継者が連帯債務者になることです。

例として申し込み時、契約者本人が60歳3カ月、後継者が30歳3カ月の場合を比べてみましょう。
親子リレー返済を利用しない場合の借り入れ期間は80歳を返済完了年齢として最大19年までとなりますが、親子リレー返済では後継者が80歳に返済完了するとして計算すると49年。
そのため制度で最長期間である35年までと大幅に長期に設定できます。
契約者本人が高齢の場合、特に有効な制度だということがわかります。

フラット35の審査基準

いくら審査基準が緩いといっても、審査で落ちてしまう人もいます。
フラット35の審査で重視される点や、それをどうすれば審査に適合するのかを見てみましょう。

年齢制限がある

民間金融機関の住宅ローン審査では申し込み時の年齢より完済時の年齢の方が重視されますが、フラット35の審査では申し込み時の年齢が満70歳未満であるかどうかが基準になります。
そのため高齢であるために民間金融機関で審査に落ちた人でも通る可能性があり、さらに親子リレー返済を利用するなら、それ以上の年齢でも通る可能性があります。

日本国籍が必要

民間の金融機関と同じように、申し込む本人の国籍にも制限があります。
日本国籍を持つ日本人であるか、外国人でも日本での永住許可を持っていなくてはなりません。

現在の借入や返済状況も条件に

フラット35の審査では、返済負担率にも条件があります。
返済負担率とは、年収に占める1年間のローン返済額の割合のことで、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下でなくてはなりません。

1年間のローン返済額には、他の住宅ローンやカードローン、自動車ローン・教育ローン・クレジットカードのキャッシング・分割払い・リボ払い(1回払いのショッピング利用を除く)が含まれます。
年収は申込年度の前年の公的証明書に記載された金額をいい、源泉徴収票や確定申告書に記載された金額のことです。
給与所得以外に不動産所得や事業所得・配当所得・利子所得も含まれます。

物件に高い技術基準が求められる

民間では物件の市場価値が重視されますが、フラット35には国の住宅ローンとして「良質な住宅を増やす」という使命があるため、一定の技術水準をクリアしていることが重要。
物件の住宅としての技術基準も高いものが求められます。

例えば、原則として2つ以上の居住室(家具等で仕切れる場合も可)・炊事室・便所・浴室があること、住宅の外壁・天井または屋根・床下などに所定の厚さ以上の断熱材を施工していること、耐火構造・準耐火構造または耐久性基準に適合していることなど、住居の安全性・快適性に適合していなくてはなりません。

頭金は最低1割以上は必要

住宅ローンでは頭金も重要な意味を持ちます。
それだけ返済が容易になりますし、貸し倒れ(貸した金額が回収できなくなること)の可能性は低くなると考えられているからです。

フラット35では必要な金額のうち融資する金額の割合が9割を超えると、返済の確実性などをより慎重に審査されるため落ちてしまう可能性も高くなります。
スムーズに審査に通るためには、頭金は最低でも必要な金額の1割以上用意すると良いでしょう。

団体信用生命保険への加入は任意

民間の住宅ローンでは団信の加入が必須ですから、団信審査に通らなければ住宅ローン審査に通ることはありません。
しかしフラット35では団信への加入は任意です。
団信に通らないから審査に通らないということはありません。

その他のフラットシリーズ

フラット35以外にも、さまざまな面で優遇されるフラットシリーズはあります。
制度の目的により的確に合致した場合に利用できますから、今から住宅を設計するならあらかじめそれを狙って設計するのも良いでしょう。

高品質の住宅の取得ならフラット35S

フラット35Sは、フラット35の契約者が、省エネルギー性・耐震性などより質の高い住宅を取得することを条件に、借り入れ金利を一定期間引き下げる制度です。
金利Aプランなら当初の10年間、金利Bプランなら当初の5年間フラット35の借り入れ金利が年あたり0.25%低くなります。

対象となるのは、高い断熱性など省エネルギーに優れていること、高齢者の日常生活を行いやすくしたバリアフリー性に優れていること、強い揺れに対して倒壊・崩壊などしない程度の性能を備えていること、長期にわたり良好な状態であるための耐久性を備えていることです。
フラット35より金利Bプラン適合レベルが、金利Bプラン適合レベルより金利Aプラン適合レベルの方がより高性能とされ優遇されます。

長期優良住宅の取得ならフラット50

フラット50は長期優良住宅を対象とした最長50年の全期間固定金利住宅ローンです。
返済期間は36年から50年、金利は1.7%から2.2%です。
多くが1.7%であることから当面はこの金利が適用されると考えられています。

注意すべきはフラット35やフラット20の申し込みができる金融機関でも、フラット50を取り扱っていない場合があることです。
利用を検討しているなら、相談の段階で確認しておきましょう。

審査に通らない時は

どれだけ金利や支払い期間について良い条件だとしても、審査に通らなければ資金を得ることはできません。
フラット35は住宅金融支援機構が提供している住宅ローンですが、販売しているのは全国の銀行や信用金庫などの金融機関です。

審査はまず、販売窓口の金融機関が「事前審査」し、住宅金融支援機構が「本審査」をする2段階形式です。
フラット35の審査に通らなかった場合、どんなことが原因として考えられ、どのように対応すると良いのかを考えてみましょう。

事前審査に通らない要因

事前審査は、受け付けた金融機関がフラット35の本審査に回しても通らない見込みの高いものを足切りする審査です。
金融機関によって多少方針が違うため、いわゆる「甘い」または「厳しい」ということもあり得ますがそれほど大きく変わることはありません。

個人の信用情報や勤務先の情報を確認したり、借入額が多くないか、過去の返済遅延が多くないか、債務整理をしていないかといったポイントを審査しているだけだからです。

本審査に通らない要因

本審査に通らないなら、その理由はほぼ適合証明書ができない物件であるか、物件の資産価値に対して借入額が過大であるかのどちらかです。
住宅ローンはあくまでその物件を買うための金額だけのはずです。
借入が物件の価値以上であるということは、それ以外に使われる可能性があるととられ、審査に通らなくなってしまうのです。

審査を通すための対策

もし事前審査で落ちてしまったら、まずフラット35の申し込みき条件に正しく合致しているかどうかを再度確認しましょう。
例えば、直近2年間に返済遅延が2回以上あるなら、最後の返済遅延から2年経過するまで申し込みを待ち、借り入れ件数が多ければ返済して件数を減らし、勤続年数が半年未満なら半年以上になるまで待つなど、1つ1つ丁寧に適合できるよう対処しなくてはなりません。

適合証明書が取得できない物件なら、フラット35は諦めて他の住宅ローンを申し込むしかありません。
頭金を貯めたり親からの援助で自己資金を増やして借り入れ率を下げたり、物件を借入額に相当するほど資産価値の高い物件に切り替えるなどすれば審査に通る可能性は高くなります。

通常の住宅ローンが無理ならフラット35

フラット35は家を買うときの資金を調達するという点で金融機関の住宅ローンと変わりはありません。
しかしその目的や制度の違いから、審査や借入金額に制限があります。
また世の中の金利が下がった時にその恩恵を受けられなかったり、他の住宅ローンに比べ高い金利がかかるといった不利な面もあります。

しかし公的制度として、より高性能な住宅を手に入れる場合の金利の優遇や、親子2代に渡る返済ができるといった民間金融機関の住宅ローンにはない大きな利点もあります。

審査基準も大きく違うことから、民間の住宅ローンの審査に通らなかったという人でもフラット35なら通る可能性もあります。
物件の住宅としての性能などさまざまな要素が基準に適合するなら、また適合させることができるなら、むしろ適切かもしれません。
資金を調達するための有効な手段の1つとしてフラット35に申し込むのも良いでしょう。

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