精神保健福祉士の気になる年収の基本相場と社会的役割を解説

August, 22, 2018

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ストレス社会に必要な精神保健福祉士の年収

臨床心理士とならんで、心理系の専門職である精神保健福祉士。
医療機関や介護施設、一般企業など幅広い領域で活躍しています。
現代人のストレスと向き合う精神保健福祉士の仕事内容と年収相場についてくわしく解説していきます。

性別や年代別に見た収入の格差についてもデータとしてまとめるとともに、資格取得のプロセスについても解説していきます。

精神保健福祉士の年収はどのくらいか

専門職のイメージが強い精神保健福祉士。
専門職であるだけに、収入面でもめぐまれているのでしょうか。
男女別、職域別、雇用形態別の年収データについて掘り下げていきます。

国家公務員に準じる平均年収となる

精神保健福祉士は心理系の専門職ということで、給与水準は基本的に国家公務員に準拠しています。
ただ、同じ資格をもっていてもキャリアや性別、勤務場所によっても具体的な年収が変わってきます。

基本給は安く賞与や手当面で優遇傾向にある

心理系の専門職でありながら、精神保健福祉士の基本給そのものはそれほど高いとは言えません。
全国平均としては400万円未満という人が多く、キャリアが浅いうちは300万円を下まわることもめずらしくありません。

男女別に見てみると、男性の平均年収が403万円であるのに対し、女性のほうが340万円前後と、男性のほうが稼ぎやすい職場であるといえそうです。

基本給はそれほど高くはないものの、専門職としてキャリアを積み、より上位のポジションに就くことで手当などの待遇もよくなり、基本年収のベースアップも期待できます。

雇用形態別の平均年収

正規職員として働くか非正規職員になるかによっても、平均年収が大きく変わってきます。
とくに男性の場合、正規職員では年収426万円、非正規では274万円とおよそ1.5倍近くの開きがあります。
年収で100万円というと月収換算で約10万円程度の差として表れますから、無視できない賃金格差といえます。

女性のほうも正規職員で368万円、非正規職員で239万円とやはり1.5倍程度の開きとなっており、男女ともに正規職員のほうが稼げる、ということになります。

就業場所別の年収

精神保健福祉士にかぎらず、専門職の場合、「どこに勤めるか」ということも重要なポイント。

精神保健福祉士のおもな職域としては、医療機関、介護施設、一般企業などがあり、職場の規模によっても福利厚生の充実度が変わり、トータルの年収にも差が出てきます。

病院で働く場合

病院で働く精神保健福祉士の場合、年収の基本相場は300万円から550万円となっています。
200万円以上の開きが出ているのは性別や勤続年数などの違いによるもので、同じ病院に長く勤めることで自然とベースアップしていき、さらに役職手当などを積み重ねることで基本給を手厚くすることができます。

病院で働く精神保健福祉士はおもに入院患者のメンタル面をトータル的にケアし、精神疾患の症状を継続的に観察することでよりよい状態に移行するサポートを行っています。

行政や行政に準ずる委託施設で働く場合

公務員としての側面をもつ精神保健福祉士は、行政およびそれに準ずる委託施設で勤務することができます。

平均年収は400万円前後で、必ずしも公務員の資格は必要ありませんが、公務員試験に受かっていると待遇面でも優遇され、年収のベースアップを期待することができます。

公務員資格の有無によっておもな業務内容が大きく変わることはありませんが、公務員も行政の専門職であり、両方の資格を取得しておくことによってより専門的なケースを担当できるようになり、将来的な年収の水準を底上げすることにもつながります。

障がい者施設や高齢者施設で働く場合

ここ数年は各方面でメンタルヘルスの重要性が認識されるようになり、介護施設でも精神保健福祉士を配置するケースが増えてきています。

介護施設で働く精神保健福祉士の基本年収は200万円から300万円程度であり、行政機関や一般企業で働く場合とくらべるとやや低い水準になっています。

収入面で比較するとメリットが薄いように思われるかもしれませんが、介護施設はハンディキャップをもつ人のサポートをする職場であり、「多様な人の心のケアをしたい」という志をもつ人にとってはやりがいをもって働ける職場であるといえます。

企業で働く場合

精神保健福祉士として、できるかぎり稼ぎたいのであれば、一般企業での採用をめざすのが近道です。
企業の規模にもよりますが、基本年収は300万円から450万円程度であり、上場企業ほど福利厚生も手厚く収入面でもめぐまれているといえます。

一般企業で働く場合、産業医と緊密な連携をとり、社員ひとりひとりのメンタル面を総合的にケアするのが、おもな仕事内容になります。

講座や講演を行う場合

精神保健福祉士としてキャリアを積み、社会的な実績が認められると、講座や講演などの依頼が舞い込むことがあります。

講演料の相場は知名度や実績、依頼内容によっても変わりますが、メディアに露出するクラスの精神保健福祉士になると1回の講演で1,000万円以上、というケースもめずらしくはないようです。

ただ言うまでもなく、精神保健福祉士の本分はクライアントとのカウンセリングやメンタルケアであり、講演が忙しくなって目の前の業務をおろそかにするようでは本末転倒と言わざるを得ません。

精神保健福祉士の仕事の内容

精神保健福祉士は専門職でありながら、具体的な仕事内容については一般的にはあまり知られていないのが現状。

精神保健福祉士とならんで、心理系の専門職として認識されている資格のひとつに臨床心理士があります。
ふたつの決定的な違いは、資格そのものの位置づけに起因します。

精神保健福祉士は国が認める国家資格ですが、臨床心理士はあくまでも公益財団法人が管轄する民間資格です。

また、精神保健福祉士がいわゆる精神障害のある患者さんのケアを担うのに対し、臨床心理士はもっと職域が広く、「何となく気分が落ち込んでいる」、「心が病んでいるかもしれない」という段階の人に対してカウンセリングを行い、より重篤な疾患に陥るのをふせぐ役割を担っています。

精神保健福祉士の資格を取得するには

精神保健福祉士は社会的ニーズの高い専門職であり、実際に働くためには専門機関でカリキュラムを修了し、試験に合格する必要があります。

4年制大学を卒業する

精神保健福祉士をめざすのであれば、まず、保健福祉系のカリキュラムを設置している4年制大学に通い、専門課程を修了する必要があります。

専門のカリキュラムは一般的な4年制大学にも設置されていますし、保健福祉系の単科大学にもありますので、門戸は広がっているといえます。

精神保健福祉士国家試験に合格し登録する

4年制大学を卒業し、専門課程を修了したら、年に一度行われる「精神保健福祉士国家試験」に合格し、精神保健福祉士として正式に登録する必要があります。

国家試験は筆記試験が中心となり、人体の基本構造から精神疾患の種類と治療法など、幅広い分野について深い知識が問われるため、現役受験でも合格はきわめて難しいと言われています。

キャリアアップで年収をアップさせるには

精神保健福祉士としてより効率よく収入をアップさせたいのであれば、ほかの専門資格を取得し、スキルアップをめざすことが近道となります。

社会福祉士の資格を取得する

介護施設で働くことを想定するのであれば、社会福祉士も合わせて取得しておくのがおすすめです。
社会福祉士の資格をもっていると介護全般の知識を身につけられますし、将来的にはケアマネージャーなどの道も見えてきますので、できることなら若いうちに取得しておきましょう。

介護福祉士の資格を取得する

介護現場での活躍も目立つ精神保健福祉士。
介護福祉士の資格を合わせて取っておくことで、現場の介護士の悩みも理解でき、情報共有もよりスムーズになります。
介護福祉士として実務経験を積んだあとに、あらためて精神保健福祉士の勉強をはじめる人も少なくないようです。

カウンセラーの資格を取得する

精神保健福祉士は臨床心理士とは異なり、基本的にカウンセリングなどは行いませんが、臨床心理系の専門知識を身につけておくことで、クライアントが抱える問題の本質をより深いレベルで理解できるようになり、多面的なアプローチを行うことが可能になります。

精神保健福祉士の活躍は今後も期待される

メンタルヘルスの重要性が一般企業でも理解されてきた時代。
精神保健福祉士の社会的な需要は今後もますます高まると見られています。
将来的なキャリアアップの道も見据えたうえで、若いうちから知識とスキルを深めておきましょう。

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