相続時精算課税制度の活用の仕方|正しい選択をして節税対策をしよう

August, 21, 2018

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相続時精算課税制度の正しい知識を

相続時精算課税制度という制度は聞いたことがあっても、詳しいところまでは知らないということはありませんか。
財産を親から子へ受け継がせるには贈与税がかかるのですが、その贈与の課税の仕方でも2通りの方法があります。

そんな贈与税の課税法を正しい知識として知ることで、節税対策にもなり、贈与する側も贈与を受ける側にもメリットがあることも。
昨今は生前贈与をするパターンも多いため、生前贈与したいなら、正しい知識を身に付けた上で、どのような課税方法で贈与を行うのか検討しましょう。

相続時精算課税制度とは何か

まずは、相続精算課税制度という制度がどのようなことなのかを見ていきましょう。
知識もなしに生前贈与するよりも知っておく必要があります。
あらかじめ相続時精算課税制度を知っておくことで、いざ生前贈与するときに役に立つでしょう。

生前贈与の際に選択できる贈与税の制度である

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母、もしくは祖父母から、20歳以上の子ども、もしくは孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税制度のことをいいます。
もっと詳しく説明すると、生前贈与するときは2,500万円まで贈与税を非課税になりますが、贈与者が死亡した場合はその人の遺産のみならず、過去に生前贈与した財産も含めて相続税を課税するという制度です。
贈与税はあくまで非課税であって、相続税は課税されてしまうのです。

また、もう1つの贈与税の課税方法となる暦年課税とは、1月1日から12月31日までの間にもらった財産の合計金額から、基本的に控除される額の110万円を差し引いた残額に対してかかる課税のことをいいます。
つまり、110万円以下の場合は贈与税がかからずに済みます。
相続時課税制度もしくは暦年贈与のどちらかを選ぶ必要があります。

贈与税の申告書の提出が必要になる

相続時精算課税を選択する子もしくは孫は、相続時精算課税制度を選択にした最初の贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの期間に、贈与税の申告書の提出が必要です。

贈与税の申告書の提出は、納税地を管轄している税務署長に対して行います。
そして贈与税の申告書を提出するときには、贈与を受ける者の戸籍謄本などの書類を、申告書に添付して提出することと決められています。

相続時精算課税制度を選択すると変更できない

増賊時精算課税制度は、贈与を受ける者である子もしくは孫が、贈与者である父母もしくは祖父母ごとに選ぶことができます。
しかし、一度、相続時精算課税制度を選択してしまうと、後からの変更はできません。

選択した年以降に贈与者が死亡するまで継続されて適用されますので、後から暦年課税へは変更できないとされています。

贈与税と相続税を通じ課税される制度である

相続時精算課税制度の贈与者である父母もしくは祖父母が死亡したときの相続税の計算上、相続財産の額に、相続時精算課税制度を適用した贈与財産の額を加算して、相続税がどのくらいかを計算していき、相続税と贈与税の差額を支払うとされています。

つまり、相続時精算課税制度は、贈与税と相続税を通じた課税がされるという制度となります。

相続時精算課税制度の適用対象について

相続時精算課税制度という制度は、相続税と贈与税が通じて課税される制度。
相続時精算課税制度の適用対象が決められています。
では、適用対象とはどのようになっているのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

適用の対象になる贈与者

相続税と贈与税を通じて課税される制度である、相続時精算課税制度の適用対象となる者は、贈与した年の1月1日において60歳以上の父母もしくは祖父母と定められています。
この60歳以上の父母もしくは祖父母という条件に当てはまらないと、相続時精算課税制度の適用対象とはなりません。
改めて年齢を確認して、相続時精算課税制度の選択をするようにしていきましょう。

適用の対象となる受贈者

相続時精算課税制度の適用対象となる者は、60歳上の父母もしくは祖父母であることに加え、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者のなかで、さらに贈与者の直系卑属である推定相続人、もしくは孫が相続時精算課税制度の贈与を受ける者としての適用対象となっています。

相続させる側、つまり贈与を受ける側の年齢を考えて、相続時精算課税制度を選択するかどうかを見極めていきましょう。

適用の対象となる財産等

相続時精算課税制度の適用対象となる財産に関しては、贈与財産の種類や金額、そして贈与の回数は制限が特にあるわけではありません。
つまりは、制限に関しては定められているわけではありませんので、そこのところは気にしなくても大丈夫でしょう。
財産がどのようなものであっても、贈与を何回も行ったとしても、特に問題があるわけではないということです。

相続時精算課税制度の適用手続きについて

相続時精算課税制度を利用するには、まずは適用手続きが必要になってきます。
相続時精算課税制度を選択しようとするなら、相続時精算課税制度の適用手続きを知識として覚えおきましょう。

相続時精算課税選択届出書を提出する

相続時精算課税制度を選択する場合、相続時精算課税選択届出書という書類を提出しなくはいけません。
さらに、この相続時精算課税選択届出書に加え、贈与税の申告をするときには他の書類を添付して提出することとされています。
その他の書類というのは、贈与を受ける者の戸籍謄本などの書類です。

相続時精算課税選択届出書を提出する場所は、納税地の所轄税務署です。

相続時精算課税は贈与者ごとに選択できる

相続時精算課税制度は、贈与者ごとに選択することができます。
1人につき、2,500万円の上限となっています。
さらに贈与を受ける者ごとにも選択することができます。

たとえば、祖父母から贈与を受けたとき、祖母の贈与は110万円以内だから暦年課税にして、祖父からの贈与は住宅のための資金だから相続時精算課税にする、というようなことができるということです。
ただし、これ以降に祖父から贈与を受けるときはずっと相続時精算課税が適用されるので、注意しましょう。

相続時精算課税に係る税額の計算について

相続時精算課税制度の税額の計算について見ていきましょう。
計算することで、相続時精算課税に係る税額がどのくらいになるかを知ることができます。
相続時精算課税の計算方法を覚え、税額がどのくらいになるかを算出していきましょう。

贈与税の計算方法

贈与税の計算の仕方は、特別控除額2,500万円を控除した後の金額に一律20%の税率を乗じて算出していきます。
2,500万円というのは限度額であり、もし前年以前に既に特別控除額を控除している場合には、残りの金額が限度額となります。

そして、相続時精算課税を選択した贈与を受ける者が、相続時精算課税にかかる贈与者以外の人間から贈与を受けた財産は、その贈与財産の額の合計金額から暦年課税の基本控除額110万円を控除して、贈与税の税率を適用して税額を算出します。

相続税の計算方法

相続時精算課税を選択した者にかかる相続税の額は、相続時精算課税にかかる贈与者が死亡した場合には、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の額と、そして相続などにより取得した財産の額の合計金額を参考に、計算した相続税額から、すでに納めた相続時精算課税にかかる贈与税の相当額を控除して算出していきます。

このとき、相続税額から控除しきれなかった相続時精算課税にかかる贈与税の相当額について、相続税の申告をすることで還付してもらうことができます。

相続時精算課税制度を選択するメリット

相続時精算課税制度と暦年課税という贈与に関する2通りの課税方法があります。
どちらを選ぶかで課税の仕方が変わりますが、相続時精算課税制度を選択するメリットを知ることで、自分自身がどちらを選ぶ方が得策なのかを知ることができます。

まずは相続時精算課税制度のメリットを知り、相続時精算課税制度を選ぶかどうかの参考にしてみてください。

2,500万円までの贈与は非課税で行なえる

贈与税の額は、贈与財産の額の合計額から、複数年にわたって特別控除額を利用することができ、特別控除額の限度額は2,500万円までと決まっています。
つまりは、2,500万円までの贈与は非課税で行うことができるということです。

贈与財産が2,500万円までの額ならば、相続時精算課税制度を利用すると良いでしょう。
しかし、もし2,500万円を超えるようであれば、一律20%の贈与税が発生しますので、相続時精算課税を選択した後は、贈与する金額にも気を付けていかねばなりません。
よく覚えておきましょう。

早期に多額の財産を贈与できる

相続時精算課税を選択することで、早期に多額の財産の贈与ができます。
相続時に相続税が発生しないとわかれば、税金がかからないというメリットは大きいでしょう。
また、早い段階で多額の財産を贈与することがスムーズにできるため、贈与をなるべく急ぐ方にも良いでしょう。

収益物件の贈与は相続税対策になる

収益物件の贈与の場合は、相続税対策となる可能性があります。
というのも、収益物件の贈与であれば、その収益はすべて贈与を受けた者のものとなるからです。
つまり、収益物件をあげた贈与者の財産が増えるのを防ぐことができるため、収益物件を贈与する者からしたら、これは相続税対だといえるでしょう。

値上り見込みのある財産の贈与は相続税対策になる

もし、どんどん値上がりしていく財産をずっと保有していくと、相続税が増えていってしまいます。
そうならないためには、早めの段階で贈与しておくことでメリットがあり、値上がった分の相続税を節税することができます。
贈与後に値上がった分に相続税がかかるわけではありませんので、値上がり見込みの財産を贈与する場合は相続税対策となります。

住宅取得等資金の非課税制度と併用できる

住宅取得などの資金には、非課税制度と併用することができます。
たとえば、住宅取得資金として両親などから贈与された場合は、非課税制度と併用して適用できるということです。
また、対象となる家屋は国内にあるものに限られています。
新築もしくは住宅取得、さらには増改築家屋の場合にはそれぞれ条件がありますので、その条件に合う家屋のみとなります。

相続争いを防ぐことができる

財産の相続の話となれば、相続争いがつきものではないでしょうか。
相続人同士での争いが起きれば揉めに揉めてしまいますが、相続時精算課税制度を利用すると相続争いを防ぐことができます。

相続させたい財産を将来的に相続人となる人間に、生きている間にあらかじめ贈与しておくことで財産の取り合いにはならないので、争いを防ぐというメリットがあります。

相続時精算課税制度を選択するデメリット

相続時精算課税制度を選択する上で発生するデメリットについてです。
メリットもあればデメリットもありますので、良い点だけではなく悪い点も知る必要があります。
その上で、どちら選ぶのか判断する材料にしましょう。

一度選択すると取り消しできない

贈与の課税方法を、相続時精算課税制度もしくは暦年課税のどちらかを選択する上で、相続時精算課税制度を一旦選択した場合は、選択した年以降はすべて相続時精算課税制度が適用されます。

一度選択したら暦年課税への選択はできず、取り消しもできませんので注意しなくてはいけません。
どちらの課税方法にするかは慎重によく考える必要があります。

申告の手間が増える

相続時精算課税制度を選択すると、贈与税の申告をしなくてはいけません。
相続時精算課税の申告をするにも、贈与の額の大小関係なく申告しなくてはいけないため、申告するという手間がかかるというデメリットがあります。

しかし、申告することに関して特別手間だと感じないのであればデメリットとはいえないでしょう。

生前贈与を受けた財産は物納できない

国税はお金で納付をすることが原則的ではありますが、相続税でお金で納付することが難しいという場合には、納税者による申請によって、納付が難しいという金額を限度にして一定の相続財産による物納にすることができます。

しかし、財産の生前贈与を受け、相続時精算課税もしくは非上場株式の納税猶予を適用している場合には、それらの対象となる財産には贈与者の死亡によって、贈与を受ける者が相続により取得したとみなされます。
つまり、この場合の財産は物納の対象にはなりませんので注意しましょう。
これらは法令で定められていることです。

小規模宅地等の特例の適用が受けられなくなる

相続時精算課税制度を使って土地を贈与した場合、「小規模宅地等の特例」というのが適用されなくなってしまいます。
もし土地を贈与する場合は、将来的なことをよく考えて検討していく必要があるでしょう。
この相続時精算課税制度を選択したことによって特例が適用できないということも、法令できちんと定められています。

不動産を贈与する場合コストが高くなる

相続や贈与には、金銭だけではありません。
なかには不動産を贈与することもあるでしょう。
もし不動産を贈与する場合は、コストがかかっていまします。
というのも、不動産の登記申請するときには、登録免許税という税金がかかり、この登録免許税が相続するときより高くなってしまために不動産取得税もかかってしまうからです。

相続するときに不動産を取得したときは、登録免許税が0.4%で済むのですが、生前贈与の場合は登録免許税が2.0%かかるとされています。
そこから不動産取得税もかかってしまうのです。

相続時精算課税制度の死亡に伴う取り扱いについて

人はどのタイミングで亡くなるかはわかりません。
年齢が上の人が基本的には先に亡くなっていきますが、それでも年齢が下の人が不慮の事故や病気などによって先に亡くなってしまうこともあります。

相続時精算課税制度で、贈与者よりも、贈与を受ける者が死亡した場合はどうなってしまうのか、その後の対応をどうしていくのかについて見ていきましょう。

贈与者より先に受贈者が死亡した場合

贈与者である父母もしくは祖父母が、贈与を受ける者である子もしくは孫に贈与した場合に選択できる贈与税の制度が相続時精算課税制度です。
しかし、もし贈与を受ける者が贈与者より先に亡くなってしまった場合、贈与を受ける者である相続人が2人以上いる場合は、相続する権利義務がその者に承継されます。

しかし、もし贈与を受ける者である相続人が、贈与者のみの場合、権利義務は承継されずに消滅することになるでしょう。

贈与者が贈与をした年に死亡した場合

贈与者が贈与をした年に死亡した場合、贈与したものは相続税の対象となるため贈与税の申告は特に必要ありません。
しかし、相続時精算課税選択届出書を提出する必要はあります。

相続時精算課税選択届出書の提出は、被相続人の入所地がある税務署で行いましょう。
相続時精算課税選択届出書の提出期限もありますので、期限を守って提出するようにしましょう。

相続時精算課税選択の特例について

相続時精算課税選択の特例について見ていきましょう。
相続時精算課税選択の特例とはどのようなことなのでしょうか。

さらに相続時精算課税制度のことを詳しく見ていき、相続時精算課税制度を選択したときのための知識としてよく覚えておきましょう。
そして、相続時精算課税制度を選択するときの参考にしてみてください。

親などから贈与された住宅取得資金は適用になる

父母もしくは祖父母から、住宅用の家屋の新築、そして住宅の取得もしくは増改築などの対価にあてるお金を贈与された場合、一定の要件を満たしているときには、贈与者がその贈与の年1月1日において60歳未満だとしても相続時精算課税を選ぶことができます。

両親や祖父母の年齢に関係なく適用を受けることができますので、もしこれらの条件で親などから住宅取得資金を贈与されたとしたら、相続時精算課税制度の適用対象になるということを覚えておきましょう。

受贈者は贈与者の直系の推定相続人又は孫である事

贈与を受ける者は、贈与者の直系にあたる推定相続人もしくは孫であることが重要です。
推定相続人とは、贈与者の子ども、もしくは孫のこと。

贈与者の推定相続人、もしくは孫にあたる存在ではない限り、相続時精算課税制度の適用対象とはなりませんので覚えておきましょう。
この条件に当てはまるかどうかを確認してから相続時精算課税制度を選択するようにしましょう。

年齢制限がある

贈与を受ける者にも年齢の条件があり、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であることが条件です。
贈与を受けた年の1月1日においてまだ20歳未満であれば、贈与を受ける者として条件が満たされないため適用できません。
贈与を受ける者の年齢を覚えておく必要がありますし、相続時精算課税の特例において年齢制限があるということも覚えておく必要があります。

住宅取得資金贈与の特例について

贈与者から住宅取得のための資金を贈与されるときの特例について見ていきましょう。
新築の家や家屋の増改築などにあてがわれる資金の贈与をされるための特例を知り、住宅取得資金を贈与するときの参考にしてみてください。

子や孫の住宅取得資金の贈与は非課税枠がある

贈与を受ける者である子、もしくは孫への住宅取得資金の贈与には非課税枠があり、非課税となるのは700万から1,200万円までとなっております。
省エネなどの住宅と、それ以外の住宅では金額が異なりますので注意しましょう。

例えば、2016年年1月1日から2020年年3月31日の省エネ住宅の場合は1,200万円ですが、それ以外の住宅は700万円となっております。
しかし、2020年年4月1日から2020年年3月31日、そして2021年年4月1日から2021年12月31日でも金額は異なり、それぞれ500万円の差があります。
さらに非課税枠の限度額も2016年から2020年の3月31日よりそれ以降は年々減っていきます。

既存の住宅ローンは特例の対象にはならない

住宅取得資金の特例は、すでにある住宅ローンの特例の対象にはならず、あくまで新たに住宅を取得するための資金援助に限られています。
ちなみに、取得した住宅にも条件があります。

  • 建築された後に一度も使用されたことのない家屋であること
  • 建築された後に使用されたことのある家屋で、その取得の日より前に20年以内に建築されている家屋であること
  • 建築された後に使用されたことのある家屋で、地震に対する安全性基準に適合するものであることにつき、一定の書類によって証明されている家屋であること
  • 上記の住宅条件に該当しない建築された後に使用されたことのある家屋で、その住宅用の家屋を取得した日までにそれ以降に住宅用家屋の耐震改修を行って一定の申請書などを都道府県知事に提出し、かつ贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修をして耐震基準に適合することとなったときに一定の証明書などで証明された家屋であること

というように、上記の条件に満たした住宅のみが、住宅取得資金の特例を受けることができます。
条件に当てはまるかどうかよく確認する必要がありますので、よく確認してから考えましょう。

受贈者は直系の子や孫でなくては特例は適用されない

住宅取得資金の贈与を受ける者は、贈与者の直系であることが条件です。
贈与者に対して直系の子もしくは孫のみが贈与を受ける者となり、住宅取得資金の特例の適用は、その直系の子もしくは孫だけとなります。
もし直系ではない甥や姪などに贈与しようとしても、相続時精算課税制度の適用対象にはなりませんので覚えておきましょう。

年齢制限がある

住宅取得資金の特例にも年齢制限があり、贈与を受ける者は、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であることが条件です。
もし20歳以上という条件を満たしていない場合には、住宅取得資金の特例の適用とはなりませんので、贈与を受ける者の年齢を踏まえて、年齢制限があるということを覚えておきましょう。

受贈者の所得制限がある

住宅取得資金の特例を受けるには、贈与を受ける者の所得も関係してきます。
贈与を受けた年の所得税にかかる合計所得金額が、2,000万円以下であることが条件です。

住宅取得資金の特例を適用させるには、まずは贈与を受ける者である子もしくは孫の所得合計金額が2,000万円以下であることを確認してから行いましょう。

期限内に新築または住宅を取得しなければならない

住宅取得資金の特例を適用させるには、住宅を取得する期限がありますので期限に注意しましょう。
住宅取得の期限は、贈与を受けた年の翌年の3月15日までとなっております。
この期限を覚えておき、住宅取得資金を贈与し、そして期限内に贈与されたお金で新築するか住宅を増改築するかしないといけません。
よく覚えておきましょう。

しかし、もし贈与を受けた者が住宅用の家屋を所有するということにならない場合は、住宅取得資金の特例は適用されませんので注意しましょう。

期限内に住居に居住しなければならない

住宅取得資金を贈与され、新築もしくは住宅家屋の増改築をした後は、期限内にその住居に居住しなくてはいけません。
その期限は贈与を受けた年の翌年3月15日までとなっております。
期限を忘れず、居住するようにしましょう。
もしくは居住することが確定しており、見込みがあれば特例を受けることができます。

しかし、贈与を受けた年の翌年12月31日までにその建築した家屋に住んでいなければ、住宅取得資金の特例を受けることができず、その際は修正申告が必要となりますので覚えておきましょう。

日本国内に住所を有していなければならない

住宅取得資金の特例を適用させるには、日本国内に住所を有していないといけません。
しかしこの場合、平成29年4月1日以後に住宅取得資金の贈与を受けた場合には、贈与を受けた者が一時的な居住者となり、贈与者が一時的な居住贈与者もしくは非居住贈与者である場合を除いた場合となっております。

また、贈与を受けたときに日本国内に住所をたとえ有しない人であったとしても、一定の場合には住所取得資金の特例の適用を受けることは可能です。

特例の適用を受けるためには手続きが必要である

住宅取得資金の特例を受けるためには、手続きが必要となります。
手続きは、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに非課税の適用を受けましょう。

また、手続きには、非課税の特例の適用を受けることが記載された贈与税の申告書に対し、戸籍謄本、登記事項証明書、さらに新築や取得の契約書の写しなどの一定の書類を集めて申告書に添付した上でに、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。
一定の書類を揃えて添付することを忘れないように注意しておきましょう。

相続時精算課税制度をお勧めする方は

相続時精算課税制度と暦年課税のどちらが自分に合っているのかどうかを判断して選択していくために、相続時精算課税制度をお勧めする対象について見ていきます。
当てはまることになれば、相続時精算課税制度の選択をお勧めします。

将来相続税がかからない方

本来は、相続をすれば相続税がかかってきますが、相続時精算課税制度を利用することで相続税がかからなくなります。
実際に相続ということになったときに、相続する財産が基礎控除の範囲内(3,000万円+600万×相続人数)に収まっていると、相続税を納める必要もなく、さらにはこのときに相続時精算課税も納める必要がなくなります。

つまり、相続時精算課税制度という制度は、将来的に相続税を納める必要のない人にとっては、贈与者である父母もしくは祖父母から実質的に税金がかからずに貰えるという制度となるのです。
将来的に相続税がかからないという方にはメリットとして大きいでしょう。

将来の相続税が少額な方

もし、110万円を超える贈与をしなくてはいけない場合、相続時精算課税制度の選択が有効となります。
将来的に相続税が少額な場合は、相続時精算課税制度を選択したほうが良いでしょう。

相続税は、プラスの財産からマイナスの財産を差し引きした相続財産に対して課税されます。
まずは、プラスとなる財産の金額と、マイナスの財産の金額がどのくらいになるかを確認しないといけません。
例に出すと、1億円の財産があるとして、借金が3,000万円あるとしたら、正味の相続財産は差し引いて7,000万円となります。

そして、相続税は一定額以上の相続財産がある場合にのみ課税されますが、相続税の基礎控除額を計算する必要があります。
相続税の基礎控除額の計算方法は、「3,000万円+600万円×相続人の数」で計算します。
例えば、相続人の数が3人いれば、「3,000万円+600万円×3=4800万円」ということとなり、この出た数字が相続税の基礎控除額となります。
基礎控除額が正味の相続財産よりも高い金額となった場合は、相続税は発生しません。

詳しい相続税の計算方法は、こちらの国税庁のホームページをご覧ください。

【参照URL:http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm

相続時精算課税制度の選択の判断は慎重に

贈与の課税方法の1つである相続時精算課税制度という制度。
そしてもう1つの暦年課税とどちらを選ぶかは、すぐに判断せずによく考えてから判断することが重要です。
というのも、1度相続時精算課税制度を選択してしまうと、それ以降に贈与者が亡くならない限り、すっと継続していくからです。

そして相続時精算課税制度には、メリットもありますが反対にデメリットもあります。
もちろん、暦年課税にもメリットやデメリットはあるでしょう。
しかし、どちらの課税方法を選ぶにせよ、よく考えて慎重に選ぶ必要があります。

1人で考えて判断せず、誰か家族の者や贈与を受ける者となる子もしくは孫ともよく相談してから、財産の贈与の課税の仕方をどうしていくかをこれから判断し、相続時精算課税制度にするのか、もしくは暦年課税にしていくのかを選択していきましょう。

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