【相続時精算課税】贈与の前に知っておきたいメリットとデメリット

【相続時精算課税】贈与の前に知っておきたいメリットとデメリット

ビジネス 2018.08.22

相続時精算課税という制度がある

「相続時精算課税」という制度について、簡単に解説しますと、親の資産を受け継ぐときの贈与税に関する制度です。具体的には「生前贈与の場合は2,500万円まで贈与税を非課税にできますが、贈与した人が亡くなった場合は、その人が持っていた資産だけではなく、過去に生前贈与した資産にも相続税を掛ける」という制度です。
平成15年以降、贈与税の課税方法が二つに分かれました。一つは暦年贈与、もう一つは相続時精算課税制度です。通常の贈与税は暦年贈与で、1年の間で個人が受贈した合計額が年間110万以上になった部分について贈与税が掛かってきます。
一方の相続時精算課税制度は、特別控除があります。これによって所有資産を生前の間だけ。2,500万円までの税金を払わずに贈与することができる制度です。贈与の回数を何度かに分けたとしても2,500万の範囲に収まってさえいれば、特別控除を受けて贈与可能です。
2,500万を超えてしまえば、20%の贈与税が掛かることになります。2,500万以上の場合は、通常での贈与が税率45~55%であることを考えると、非常に安くなっているといえます。
しかしこの制度にはいくつもの利点と問題点とがあります。それをよく知っておかないと、後でとんでもないことになる場合もあるので、しっかりとこの制度について学んでいくことが大事です。
ではここからが、相続時精算課税の詳細についての話になっています。

相続時精算課税とはどのような制度か

具体的に見ていきましょう。平成27年に改定されたこの制度は、内容が複雑です。その上、どのような場合において適用されるのかがわからないため、これを利用している人も多くはないそうです。しかし利点がないわけではないので、使い方によっては役立つ制度であるとも言えます。

贈与税の課税には2種類ある

贈与税の課税には二種類あります。一つが「暦年課税」でもう一つが「相続時精算課税」です。前者は毎年110万円までは申告をする必要がなく、贈与税も掛かりません。一定の条件を満たせば相続時精算課税を選べます。

贈与する側とされる側の条件

贈与者に該当するのは、60歳以上の親や祖父母であり、受贈者は贈与者の相続人だと推定される20歳以上の子や孫です。これらの条件を満たしていなければ、相続時精算課税制度を受けることができません。

制度の導入主旨

相続時精算課税制度が作られた趣旨は「親から子の世代への贈与を潤滑に行うこと」です。それによって消費拡大を促し、経済の活性化を図ることを考えているそうです。
つまりは、早いうちに資産を受け継がせようという思惑が根底にある制度だといえそうですが、将来に相続税が発生しない家庭で、かつ早めに資産が欲しいという人でなければ利点はそこまでないともいえそうです。現実問題、生前に子や孫へ資産を受け継がせる方がどれほど居るのかも分かりませんし。

適用するための手続き

相続時精算課税制度を適用したいのならば、贈与を受けた年の翌年、2月1日から3月15日までの間に税務署へと書類を提出する必要があります。それは次の通りです。

  • 贈与税の申告書
  • 相続時精算課税選択届出書
  • 住民票の写し
  • 登記事項の照明書

これらの書類が決められた期限の間に提出されない場合は、その年の間は相続時精算課税制度が適用されません。贈与財産の価額が特別控除の範囲に収まり、納付が必要な贈与税がなかったとしても申告書の提出が要ります。

将来的に相続税の心配のない人や少しだけ相続税の負担が出る人向け

実際のところ、この相続時精算課税制度は節税をしたい人のためにあるものではなく、「将来的に相続税が発生しない家庭の人や、相続税の負担が僅かで済む人が、110万円以上の生前贈与をする必要がある場合の制度」です。
そのためこの要点を間違えて、「節税に使える」と思い込んでしまうと、後で取り返しのつかない事態になってしまうことも充分に考えられます。

相続時精算課税を一度選択すると撤回できない

一度でも相続時精算課税制度を選択すると、後で撤回することはできません。相続のときまで継続し、受贈者がこの制度の適用対象となるのです。
また、相続時精算課税制度を選択した贈与者以外からの贈与の扱いは、暦年課税が適用されます。贈与を受けた財産から110万を除き、この金額に税率を掛けて納付税額を計算するものです。

住宅購入資金として両親などから資金の贈与を受けた場合

この場合は相続時精算課税制度、または「相続時精算課税選択の特例」を選ぶことができます。相続時に清算するという前提のもと、資産の生前贈与を行いやすくするためだということは同じです。贈与枠が非課税枠を超えた場合は、20%の税率で課税されます。このとき、贈与税は相続税額から除かれます。

相続時精算課税制度のメリット

ここまでは相続時精算課税制度の概要について書きました。ここからは、相続時精算課税制度の利点と問題点について見ていきたいと思います。どちらかといえば問題点の多い制度なのですが、だからといって利点がないわけではありません。その利点を如何にして活用するかを考え、各自の状況に応じて上手くやってみてください。

2,500万円まで非課税で贈与可能

2,500万という高額のお金を、非課税で贈与することができます。この金額までは贈与税が発生せず、これを越えると20%の贈与税が出てきます。とはいえ20%であるため、まだましです。
暦年課税を選んだ場合は、年間で110万円しか除かれません。そのため110万以上、2,500万までならば、相続時精算課税制度のほうが贈与時に支払うことになる税金は安上がりで済みます。また、これによって贈与が容易になってきます。

財産移転がスムーズに進行できる

次に、相続時精算課税制度を使うことで財産を早めに移転することができます。相続税が掛からない段階での移転は迅速な動きとなります。

収益物件の贈与なら相続税対策につながる

贈与物件が収益を得る物件であるのなら、贈与後の収益は贈与者のものとなります。そのため、これを贈与することは贈与者の収益分が増えないため、間接的な相続税への対策となります。
賃貸物件のような収益物件を相続時まで持っていると、毎月の家賃が入ってきます。そこから経費を引き、残った金額はすべて手元に残ります。
この賃貸物件を生前贈与しておけば、入ってくる金額はすべて資産を受け継いだ人の財産となるので、相続税の対象にはなりません。相続税は1,000万円を超えた場合だと15%~55%まで税金が掛かります。そのため、相続税が数百万単位で大きく変化することもあり得ます。

生前贈与で遺産争いを防ぐ

生前贈与を行うことによって、資産争いを防ぐことができます。資産の額が大きな金額であればあるほど争いのもととなるので、そういった事態を防ぐための予防策としても活かすことができます。
しかし大きな金額の生前贈与は「特別受益」という扱いになります。例えばAとBという兄弟が居るとします。父親の資産が200万だった場合、そのうち150万をAが生前贈与されたなら、Bとの間に軋轢が生じる可能性があります。この場合の150万は「特別受益」となります。
民法では特別な相続の計算方法を定めています。それを相続財産へ加えることによって遺産分割へとつなげていきます。特別受益の場合は、相続人同士で争いが起こることもあり得ます。

遺産分割協議が難しい財産も生前に移転可能

遺産分割の協議が難航すると予想される場合も、生前贈与をすることで資産の移転を生前に済ますことができます。資産の所有者本人が居る中での移転であれば、場合にもよりますが、揉め事も起こりにくいのではないでしょうか。
贈与された財産は遺産分割の対象に該当しません。しかし「特別受益」にはあたりますから、相続する資産に含まれてしまい、相続人同士での争いごとにつながる可能性もあります。注意しましょう。

値上がりする見込みの財産を贈与する

贈与時の金額がそのまま相続時に加算されるので、古い邸宅など将来的に値上がりが考えられる資産の贈与ということになれば、値上がり分の相続税は回避可能です。
他にも贈与時も相続時においても「贈与時の時価」で税金の計算をするため、価値が上がりそうな資産を贈与するのであれば、相続時精算課税制度を使ったほうがよいことになります。

2,500万円を超えても贈与税が大幅に免除される

仮に資産が2,500万を超えたとしても、暦年課税よりは税金が低くなります。これはそれぞれの制度の税率に違いがあるからです。相続時精算課税制度の税率は一律、20%となっています。
これが暦年課税だと、贈与する金額が高いほど税率が上がっていくこととなります(最高で50%までです)。3,000万円の贈与をした場合だと次のような税額になります。

  • 相続時精算課税制度:(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円
  • 暦年課税の場合:(3,000万円-基礎控除110万円)×45%-265万円=1,035.5万円

という額が算出できます。このようにみ見ても、相続時精算課税制度を使ったほうが大幅に贈与税の削減につながることが分かります。

相続時精算課税制度のデメリット

そして相続時精算課税制度の問題点です。こちらは節税をしたい人にとってのマイナス要因や資産の種類によるマイナス面などがあります。制度自体の、利点だけを考えることができる方というのも少ないといえそうなので、この問題点もしっかりと知っておいてください。
この問題点を把握した上で相続時精算課税制度を活用するのかどうか、決定するというのがよいといえるでしょう。こちらについて何も分からないと、思わぬ結果につながってしまうことも考えられます。よく注意して読んでいきましょう。

贈与税の対策にはなるが相続税の対策にはならない

「贈与税の対策」にはなります。しかし「相続税の対策」にはなりません。この点がよく勘違いされる点だとのことですが、これを間違ってしまい、とんでもないことになる事態を避けましょう。
相続時は相続時精算課税で贈与財産を加算し、相続税を計算します。これと既に支払った贈与税との差額になる金額を支払うことになります。ですのでこの制度では「相続税の対策」にはなりません。

小規模宅地の特例が受けられない

被相続人と相続人が同居しており、その土地を相続人が相続する場合は「小規模宅地の特例」が受けられます、これは「相続税の対策」です。
ですが、相続時精算課税制度を適用するとこの特例が受けられなくなります。理由は特例が適用されるのが「死後に相続した土地」であるため、「生前相続」念頭に置くこの制度を適用しているのであれば、特例が受けられないのです。

申告の手間が増える

相続時精算課税制度を適用した場合、金額の大小にかかわらず贈与税の申告が必要です。贈与を受ける度に申告しなければならず手間が掛かるため、この点もマイナスです。
申告の手間が増えるということは、そのためにそれだけ時間を使う必要が出てくるということになります。何度も申告をするというのも、なかなかストレスになりそうです。

あとで相続税が課税される

贈与時は贈与税がなくとも、後で相続税が発生することもあります。相続時精算課税制度を使って生前に贈与した場合は2,500万まで贈与税は発生しません。しかし贈与金額を相続時にプラスするので、相続税が発生します。
相続時精算課税制度は生前贈与されたときは税金をかけず、後に資産の元々の所有者が亡くなった際に生前贈与分を含めた、資産のすべてに相続税を掛けます。そのため、後で税金が課税されます。

不動産の贈与の場合は移転コストが高い

不動産を生前に贈与するとなった場合は、コストが高くなります。相続時に不動産を取得した場合、登録免許税が0.4%で済むのですが、生前贈与だとこれが2.0%、プラスして不動産取得税も掛かるため支払いばかりが増えます。

生前贈与を受けた財産は物納できない

相続税は現金や預金だけとは限りません。土地や建物などもそれに該当することがあります。ものによっては相続されたお金よりも相続税が高くなり、それによって支払いができないということも充分にあり得ます。
そういうときは、相続した建物や土地などで税金を納める「物納」ができます。
生前贈与された土地や建物など、物納に使うことはできません。土地や建物の相続だとその土地や建物での相続税の支払いも可能なのですが、相続時精算課税制度を使って贈与された資産では物納による支払いもできません。

改正があった場合は不利になる可能性もある

様々な制度には改定の可能性が常にありますが、これもその例外ではありません。その場合、利点が大幅に減って問題点が増えることも充分、考えられます。
問題点が増えた場合、今まで何の問題もなかった適用が急に問題化し、突然大きな痛手を受けることもあり得ます。そのため、相続時精算課税制度を改定する兆しがあった場合は情報をしっかりと入手し、適用をするかどうかをもう一度考え直してから判断を下してください。これを誤ると大きな損害を受けます。よく気を付けてください。
他にも年間贈与が110万円以下であるのなら、贈与税が掛からず、贈与性を申告する必要もありません。相続時に財産にプラスして考える必要もありません。
相続時精算課税制度だと、金額が110万以下だったとしても相続時に財産に加えて考えなければなりません。贈与税を申告する必要も出てきます。年間での贈与が例えば110万以下だったのであれば、相続時精算課税制度を使うと、逆に大きな痛手を受けることになります。そのため、こういった場合などはこの制度を使わないようにしましょう。

手続きに必要なこと

ここで改めて、相続時精算課税を受ける際に必要な書類などを見ていくこととしましょう。これまで利点と問題点を確認し、それでも受けたいという方は揃えなければならないものがあります。
こちらもなかなか煩雑なもので、色々と手間が掛かります。以下、相続時精算課税制度の手続きに必要な書類等について書いています。

相続時精算課税選択届出書を提出する

受贈者の戸籍の謄本など他の書類と一緒に、贈与税の申告書に添付して出します。「贈与税の申告書」と「相続時精算課税選択届出」という書類は国税庁のホームページで入手することができます。

手続きに必要な書類をそろえる

  • 寄贈者の氏名や生年月日を記したもの
  • 受贈者が贈与者の相続人と推定される子や孫であることを示すもの
  • 受贈者の戸籍の写しなどで、受贈者が20歳になって以降の住所や居住地を示したもの(受贈者の平成15年1月1日以降の住所や居住地を示した書類でもよい)
  • 贈与者の住民票の写しなどで贈与者の氏名や生年月日を示したもの。
  • 贈与者の住民票の写しなどで、贈与者が60歳になって以降の住所や居住地を記したもの
  • 特定贈与者の戸籍の写しなどで、特定贈与者が 65 歳になって以降の住所や居住地を記したもの
    (特定贈与者の平成 15 年1月1日以後の住所や居住地を示す書類も可)

これらの書類を揃えないと提出すらできません。注意しましょう。

相続時精算課税の特別控除の範囲内の場合

相続時精算課税制度を適用する場合、贈与を受けた年の翌2月1日~3月15日までの贈与税の申告期間中に、納税地の所轄が管轄する税務署に「相続時精算課税制度選択届出書」を申告書に添付したうえで提出します。
期間内に手続きが済まなかった場合は、その年中は相続時精算課税制度の適用ができません。ご注意ください。

贈与税の申告書が必要

各書類を添付するためには、贈与税の申告書が必要です。これは資産の価額が特別控除の範囲内であったとしても、納付の必要がある贈与税がなかったとしても必要です。制度を受けるのであれば、忘れないようにしましょう。

相続時精算課税制度の注意点

さて、ここからは相続時精算課税制度を適用する場合の注意点について見ていきます。相続時精算課税制度の問題点を踏まえても、この制度を適用するとなった場合でも、そこには様々な注意点があるのです。

相続が起きた時に課税する

相続時精算課税制度を使って使って生前贈与した場合、2,500万まで贈与税が非課税の対象となります。しかしその後、資産の元々の所有者が亡くなったのであれば、相続時精算課税制度で贈与した資産も含めて相続税を計算する必要が出てきます。
つまり財産が7,500万あったとして、それに制度を使って贈与された2,500万が加わり、その額である1億円に対して相続税が課税されます。つまり最終的には、「相続税が課税される」ということになるのです。

小規模宅地等の特例とも比較をする

資産に適用可能な特例に「小規模宅地等の特例」があります。こちらは相続税を減らせる制度ですが、こちらを適用したほうが有利となる宅地に関しては、相続時精算課税制度による贈与を受けないほうがよいです。

自宅に一緒に住んでいる場合

親族や配偶者などと一緒に自宅に住んでいる場合、その土地を贈与すると、後々相続のときに優遇処置を受けることができなくなります。相続税が大きく変わってくるため、できるだけ生前相続を避けるようにし、相続時精算課税制度の利用を避けたほうがよいでしょう。
むしろこの場合は、相続税対策の「小規模宅地等の特例」を適用できるケースもあります。こちらは土地の大きさに左右はされますが、節税対策になるので、節税したい方にとってはお勧めできる制度となっています。

贈与税額の還付

相続時精算課税制度によって贈与した資産は、相続税の課税財産に加えて計算します。しかし贈与時に2500万を超える贈与税を支払っていた場合は、相続時に相続税を払うと贈与税と相続税の二つを同時に払うことになります。
そのため「贈与税額控除」によって、支払った贈与税の金額を相続税から差し引いて計算することができます。贈与税額が相続税額を上回ったのであれば、贈与税額の還付もされます。
しかし2,500万以上の贈与を受けたとして、そこに贈与税を支払った場合、相続する際に被相続人の資産が相続税の控除対象に入っていた場合は相続税への申告をする必要はありません。ただ、贈与税の還付に関しては相続税への申告をしなければなりません。申告書の提出がない場合は、還付を受けられないので注意が必要です。
相続時精算課税を利用しての贈与では、贈与税だけで相続税が発生しなかったとしても、還付金を受け取るために相続税の申告が必要です。つまりこちらも非常に手間が掛かります。

住宅の贈与は住宅のほうが節税になる場合もある

住宅取得資金の贈与を行うよりかは、贈与者が住宅を建てて贈与した場合のほうが節税になります。建物の評価額が下がるからです。住宅取得資金は贈与の翌年の3月15日までに住宅を受け取り、自宅として居住することが適用の条件です。
そのため、引き渡しに時間がかかって期限内に住めない場合などは適用できません。時間が掛かると判断できる場合は、相続時精算課税制度を使わないようにするなどして注意するようにしてください。

孫が受贈者だと相続税の面で不利になることもある

孫に相続時精算課税を適用して贈与したとします。そして祖父に相続税が出た場合は、孫は相続人に該当しないので相続税の加算対象となってしまいます。
平成27年の相続税改定によって、将来は相続税が掛かる方も出てきているかも知れません。そのような方は相続税対策が必要となってきます。
このように様々な要素が絡んで、既に相続時精算課税制度を適用している方の場合は、改定などの要素に左右され、結局は巨額の相続税を支払うことになる可能性が非常に高いといえそうです。相続時精算課税制度を適用させる場合は、ある程度のリスクを考慮しておいたほうがよいのかも知れません。

確実に値上がりが予想される財産がある場合

相続時精算課税制度で資産を贈与した場合、その時の価値によって相続の資産に贈与資産が加算されます。そのため、確実に値上がりが予想される土地などは相続時精算課税制度の適用対象にしたほうかよいと考えられます。
とはいえ、限定的な場合にのみ使用できるわけなので、株価急落などで急に土地の値段が下がった場合は相続時精算課税制度を適用させていると大きな影響を受けることになります。注意しましょう。

相続時精算課税のメリットデメリットをよく見極めて申請しよう

これが「相続時精算課税」の実態です。上辺の部分で話を聞くと、「節税対策に使えそう」と思えるかも知れませんが、このように細かく見て行って利点と問題点の両方に着目してみると、なかなか内容が複雑なうえに人によっては利点もあまり感じられない制度のように見えるかもしれません。
相続時精算課税制度は、改定や資産の元々の保持者の死去、経済状況の変化などの様々な要因に左右されては問題点のほうが強くなったり、逆に利点が強くなったりするので、例えるならば崩れ落ちそうな地盤に立つようなもので使用者にとっては、ある意味において不安定な制度だといえそうです。
しかし状況によっては適用する理由のある制度だといえそうです。それでも家族や自分の資産が果たしてどのようになっているのかなどをよく把握したうえで活用しなければ、「贈与された後で将来的に税を減らすつもりが、贈与者が亡くなってしまったので相続税が大きく掛かってしまう」といった事態も考えられ得る話です。問題点を把握したうえで、活用するときは活用しましょう。
資産について、相続後に相続税が発生するか否か、資産の種類が不動産か現金化なのか、それらすべてを考慮した上で相続時精算課税制度を使うかどうかを決めてください。そうすれば、思わぬ大損害や巨額の相続税の支払いを防ぐこともできるのではないでしょうか。

この記事のライター UKANO 編集部

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