【相続税は確定申告で申告するのか】相続税の申告と確定申告のしくみ

August, 21, 2018

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相続税で確定申告は必要なのか

「親が高齢となり、相続について考え始めている。」
「相続税の知識がなく、いざとなった時に不安。」
という方は多いと思います。
また、確定申告で申告するべきなのか、そもそもの仕組みがわかっていない方も多いのでは。

いざという時のための準備として、今回は相続税の税金の申告について説明していくことにします。

相続税と確定申告の基礎知識

まずは相続税と確定申告について、基礎的な知識を身に付けましょう。

相続の確定申告は原則として不要

【基礎控除3,000万円+法定相続人×600万円】をこえる相続財産があるときは相続税がかかります。
相続による収入があった人は、原則相続税を納税する義務があります。
2015年に税制改正があり、相続税を支払う人は倍に増えました。
しかし、支払う人は全体の8%ほどに過ぎず、90%以上の人は相続税を支払っていないのが現状です。

相続は資産を受け継ぐことであり、労働や事業活動で得る収入ではないので所得には扱われません。
相続税は確定申告により申告するのではなく、別に相続税の申告を行います。

準確定申告が必要な場合の期限は4ヵ月

時期により確定申告が必要な年分が異なりますが、亡くなった年までで申告していない年分はすべて申告する必要があります。
このように、亡くなった人の代わりに遺族が申告することを「準確定申告」といいます。
準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に申告と納税をしなければなりません。

相続の開始があったことを知った日は通常、本人の死亡日ですので、死亡日から4カ月以内に納税までを済ませる必要があります。
例えば、1月1日に死亡を知ったとすると、5月1日までに準確定申告をする必要があります。
申告誤りや漏れによる加算税、支払いの遅延による延滞税がかかることも。
さらに、悪質な場合は脱税として罪に問われかねませんので、期限を守って申告することが大切です。

相続税が多くの場合非課税になる理由

相続税が今一つ浸透しない理由として、「それなりの相続財産がない人にとっては無縁だから。」
ということがあげられます。

相続税には基礎控除がある

相続税の計算方法として「基礎控除3,000万円と600万円×法定相続人の数を合わせた額」が税額控除されます。
つまり、法定相続人が1人の場合でも最低3,600万円を超えない限り非課税です。
3,600万円もの財産を受けとる人は少ないため、その大半が非課税となります。
ちなみに、法廷相続人が2人の場合は4,200万円、3人なら4,800万円が控除の金額となります。

また、相続した財産から葬儀費用や非課税財産は、所得の経費のように財産の総額から差し引きます。
なお、死亡3年以内に贈与された財産は、相続税の計算対象になるので注意しましょう。

相続税には配偶者控除の適用もできる

相続人が配偶者である場合は、配偶者については非課税となる制度があります。
法定相続の配分どおりである、遺産総額の2分の1もしくは1億6,000万円のいずれか多い方を非課税にできるのです。
これは「財産は夫婦のものである」という考え方をすれば、当然の措置といえます。
この配偶者の税額軽減措置を受けるには、相続税の申告をする必要があります。
たとえ相続税が0円でも、申告は必要なので注意しましょう。

他の法定相続人である子供や孫のことも考慮し、配偶者がどのくらい相続すると一番節税になるか、を考えて相続額を決めましょう。

生命保険や退職金は非課税枠がある

相続財産のなかに死亡保険金や死亡退職金がある場合には、500万円×法定相続人数まで控除できます。
例えば、法定相続人が4人いる場合、2,000万円の控除が追加されます。
生命保険として財産を保有していると、節税対策にもなります。

相続財産の大部分が不動産で、現金があまりないときは、相続税が高額にも関わらず納税のための資金がない場合があります。
このような場合に、相続人を死亡保険金の受取人にしておけば、相続人は保険金をつかって納税できます。
現金が少ない相続には、生命保険が役に立つのです。

相続税の申告や確定申告が必要になるケース

実際に相続税や確定申告が必要な場合とはどのようなケースでしょうか。

控除額を超えたら相続税の申告が必要

配偶者の軽減措置を受ける場合を除いて、相続税の申告は相続財産の価値が控除できる金額を超えたときに必要です。
税額は控除額を超えた金額に対して、10%から55%まで累進課税方式で課税されます。
6億円以上だと約55%税金としてとられるので、相続財産の半分以上が税金になってしまいます。

相続税が還付される場合もある

相続税の計算は難しく、素人での計算はほぼ不可能です。
例えば複数の土地を相続した場合、土地の評価額の違いによって相続税の払いすぎていることも。
この場合、手続きすれば還付を受けられます。
また、税理士に申告してもらったとしても還付を受けるケースがあります。
「税理士に依頼したからもう心配ない。」
とはいかないのが、相続税。
財産の評価については税務署と税理士で見解が大きく異なるということも珍しくありません。
また、還付はこちらから手続きをしないと税務署からの申告はありません。
申告する際は、慎重に行いましょう。

なお、生前贈与は死亡以前の3年以内の贈与については相続税の課税対象です。
税理士に依頼するときは贈与分も合わせて計算をしてもらいましょう。
申告を誤ると、過少申告として追徴されることもあるため注意が必要です。

住宅や土地の相続は所得税に注意しよう

不動産の相続は他にも注意することがあります。
相続した土地を売って、その代価を相続人で分ける換価分割の場合、売却益が出たら同居していた相続人は3,000万円の特別控除が利用でき、多くの場合所得税は非課税となります。
しかし、他の相続人は特別控除を受けられません。
売却益によっては所得税の課税対象となり、確定申告が必要な場合もあるので注意しましょう。

他にも土地の遺産分割については代償分割をする方法もあります。
たとえば親の不動産を一人だけが相続する形をとる場合、取り分が多すぎると、その帳尻を合わせるために、不動産の相続人が他の相続人に現金などを渡して調整もできます。

小規模宅地の特例で相続税を減らす

不動産の特例は他にもあります。
相続人が親の家に同居していた場合、不動産評価額を80%減額して相続税を計算できます。
配偶者の軽減措置に通ずる特例といえるでしょう。
これが小規模宅地の特例です。

つまり、この特例を受ける場合に、1億円の価値がある土地を2,000万円で相続したとして計算できるのです。
小規模宅地なので相続する宅地に限界があり、100坪までとされています。
しかし地価が高い地域の相続にはかなり有効な特例ですので、適用できるのかを確認しておく必要があります。

事業用の不動産は所得税が課せられる

利益を生んでいる不動産は不動産所得が発生するため、確定申告が必要です。
この場合、不動産の価値だけではなく、その利益(事業)をも継承するためです。

事業用の不動産は相続した場合も、所得税が課せられます。
よって、確定申告が必要というわけです。

相続の際は自分がどのケースに当たるか確認しよう

相続には多くのケースがあり、確定申告の必要性もケースによって異なります。

単純な相続でない場合は税理士を頼ったほうが、特例等を見逃す可能性も低く、結果的に節税になることも。
相続は複雑なので、依頼する場合は、相続専門の税理士に依頼しましょう。

自分で申告する場合は、遺産財産をひとつずつ丁寧に事例に当てはめ、正確な申告をする必要があります。
誤ると、過小申告や還付が発生するなど余計に手間がかかり、最悪の場合、相続税法違反として罰せられる可能性もあります。
自分がどのケースに当たるのかをしっかりと確認しましょう。

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