今更聞けない年収の額面とは。 手取り金額概算や仕組みについて

タグ :  / / August, 19, 2018

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年収の金額がすべて自分の自由になるのか

企業の採用情報や転職サイトなどでは、「おおよその年収◯◯万円(2年目)」などと記載されているところがありますが、この年収◯◯万円すべてが自分の自由になる金額ではありません。
日本の企業で働き続ける限り、国で定められたさまざまな決まりごとがあるのです。

まぎらわしい年収に似た言葉

世の中には、年収と似た紛らわしい言葉が多く存在しています。
それぞれどんな特徴があるのでしょうか。

交通費も含む会社から支給される年収

年収とは、会社から支給される金額すべてを意味しており、これを「総支給額」といいます。
さまざまな企業の求人では、月給◯◯円?などと記載されていますが、これは住民税や社会保険料などが控除される前の金額=額面給与となります。
したがって、総支給額と額面給与は同じ意味を持つということです。

もし、会社側がボーナスの支給や交通費の負担をする場合もすべての金額が年収に含まれるので、注意してください。
年収が高ければ高いほど税金や社会保険料などの負担が大きくなっていきます。

税金など差し引いて自分の自由になる手取り額

総支給額や額面給与から税金や社会保険、社宅の家賃など会社側が差し引く金額を引いた金額が実際に自分の通帳に入金される金額=手取り額となります。
ボーナスを支給された場合にも税金や社会保険料が差し引かれますので実際の自分の自由になる手取り額は総支給額よりも少なくなるので注意が必要です。

扶養家族の有無、どのくらい年収があるかによって異なりますが、平均的な年収の場合、大体の目安として手取り額は年収の8割程度となります。

サラリーマンとは違う自営業の年収の定義

企業に勤めるサラリーマンの年収は会社からの総支給額ですが、自営業の場合は収入=年収となります。

たとえば、飲食店を経営して年間の売り上げ(収入)が800万円だったとします。
自営業は収入=年収となるはずですが、この800万円という年収の中には食材の仕入れや事業を行う上で必要となる接待費、広告料、光熱費、人件費などの経費なども含まれているのです。

自営業の場合は年収だけ聞くと多いイメージがありますが、経費などを引くと赤字だったり実際の手取り額は少ない場合もあるので注意しましょう。

収入から経費を差し引いた利益の指標になる所得

所得とは、収入から必要な経費(人件費、仕入れ、広告料、光熱費など)を差し引いた金額のことです。
利益を示すための収入に関する指標になっています。
ですが、サラリーマンは自営業ではないので必要経費を収入から差し引くことは原則できません。
サラリーマンの場合は、給与所得控除という形で国に認められているのです。

たとえば、収入金額が300万円だった場合の計算方法は、「3,000,000円×30%+180,000円」となり、108万円の給与所得控除が認められ、収入金額が65万円に満たない場合は、65万円の控除となっています。
収入金額が高ければ高いほど給与所得控除額も増え、上限は220万円です。

年収は源泉徴収票でチェック

ほとんどの企業では年末調整を行って源泉徴収票を発行します。
年末調整は、本人の氏名・住所・控除対象配偶者、扶養親族・勤労学生などを記入するものと生命保険・地震保険・配偶者などの社会保険料などを記入する2種類があります。

源泉徴収票とは、1月1日?12月31日の1年間の総支給額を合わせて支払金額・所得(給与所得控除後の金額)・生命保険や社会保険料などの税金(所得控除の額の合計額)・年間の所得税累計(源泉徴収税)などが記載されているものです。

自分の年収を確認するには、源泉徴収票の支払金額で確認をすることができます。

年収から差し引かれる項目

年収からは国が定めたさまざまな税金などが差し引かれることになっています。
どのような項目があるのでしょうか。

どの会社でも必ず引かれる社会保険料

求人をみていると「社会保険完備」と記載されているところは月の総支給額から社会保険料が差し引かれます。
社会保険料とは、健康保険料・厚生年保険金料・雇用保険料・介護保険料(40歳以上)などが含まれます。

雇用保険料は、総支給額に0.3%をかけた金額で健康・厚生年金・介護保険は4月?6月の3カ月分の総支給額でおおよその保険料が決定される仕組みです。
社会保険料は、ほとんどの会社で折半となっています。

法律によって決められている所得税と住民税

所得がある限り必ず納めなければならないのが所得税(国税通則法)で、住民税は自分の住んでいる地域に支払わなければならない税金(地方税法)です。

住民税は、どの地域でも所得の10%(市民税6%、都道府県民税4%)を支払わなければなりませんが、必ずしも給与から天引きされるとは限らず、自分で直接払う場合もあるので注意が必要です。

所得税は、所得が多くなればなるほど納める金額が大きくなり、所得の5%?40%の税率となっています。

会社によって差し引かれる項目

会社によって社宅が完備されているところもあり、社宅の家賃は毎月の総支給額から差し引かれるところがほとんどです。
また、労働組合費や社員旅行のための積立金、財形貯蓄など会社によって差し引かれる項目には決まりがあります。

会社によって決まっている項目は、ほとんどの場合すべての職員が毎月差し引かれることになりますので、入社前にしっかり確認しておくことが大切です。

年収別手取り金額の概算

日本人の平均年収は約400万円ほどといわれています。
年収400万円だった場合の手取り金額は、社会保険料や所得税、住民税などを差し引くと約312万円(扶養家族等なし・39歳以下)です。
ボーナスなしで計算すると月の手取り金額は約26万円となります。
扶養家族等なし40歳?64歳の年収400万円の手取り金額は約309万円で月約25.7万円ほどになります。
なぜ手取り金額が下がるのかというと、40歳以上は介護保険料が毎月徴収されるためです。

では、平均年収400万円前後の手取り金額(扶養家族等なし・39歳以下)をみていきましょう。

  • 年収300万円=手取り年収金額約237万円、月の手取り金額約19.8万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約38.7万円、手取り金額の比率約79%
  • 年収330万円=手取り年収金額約260万円。
    月の手取り金額約21.6万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約42.6万円、手取り金額の比率約78.9%
  • 年収360万円=手取り年収金額約283万円、月の手取り金額約23.5万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約46.4万円、手取り金額の比率約78.6%
  • 年収400万円=手取り年収金額約312万円、月の手取り金額約26万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約51.8万円、手取り金額の比率約78%
  • 年収420万円=手取り年収金額約326万円、月の手取り金額約27万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約54.2万円、手取り金額の比率約77.6%
  • 年収440万円=手取り年収金額約340万円、月の手取り金額約28万円、社会保険料(年金と健康保険のみ)約56.3万円、手取り金額の比率約77.4%

※年収から社会保険料・所得税・住民税を引いた手取り年収金額です。

年収が上がるにつれて手取り金額の比率が下がっていることがわかるでしょうか。
これは社会保険料が高くなっているためです。
年収300万円と年収440万円を比較すると社会保険料は約17.6万円も多くなっています。

年収400万円の場合の月の平均的な手取り金額は約26万円でしたが、40万円年収がアップして440万円になったとしても手取り金額は約2万円ほどしか増えていなく、比率も下がっています。

年収が上がったのに手取りが減るのはなぜか

年収が上がると誰しも嬉しい気持ちになりますが、いざ給与明細をみると手取りが減っているということがあります。
それは、保険料や所得税の税率が上がるためなのです。
いくつか例をあげてみていきましょう。

(例1)年収300万円の場合(年間)社会保険料約45万円・住民税約16万円・所得税約8万円という内訳になっています。
この場合の手取りは毎月約19万円(ボーナスなし)です。

(例2)年収400万円の場合(年間)社会保険料約58万円・住民税約24万円・所得税約13万円という内訳になっています。
この場合の手取りは毎月約25万円(ボーナスなし)です。

年間の保険料や税金などで例1の場合は約70万円、例2の場合は約95万円支払わなければなりません。
例1、例2だけをみると手取り額は減っていませんが、大きく年収などが変化したときには3カ月分の総支給額をみて社会保険料などが見直され、差し引かれる金額が高くなることで手取りが減ってしまう場合もあります。

年収を正しく理解してキャリアアップを目指そう

今よりも高い年収を提示されたり、求人などで目にしてしまったら、当然毎月の手取りも多くなると思いがちですが、年収が上がれば社会保険料や所得税なども高くなります。
年収・手取り・保険料・税金・会社独自の積立金などをしっかり理解してより豊かな生活になるようにキャリアアップを目指していきましょう。

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