相続の税金対策は早めに行おう|その対策ノウハウを大公開

相続の税金対策は早めに行おう|その対策ノウハウを大公開

ビジネス 2018.08.17

今から出来る相続に備えた税金対策

相続に備えた税金対策を考えたことがあると思います。相続のことは実際にそのときになってからでも大丈夫と考えている方もいらっしゃると思います。しかし何の準備もしないでその時が来てしまえば、為す術がほとんどありません。そうならないためにも、相続についての知識をしっかりつけましょう。

相続の税金対策は生前に行いましょう

相続の税金対策は実に9割以上が生前にしか行えません。相続のことはそのときに考えれば良いと考えて先延ばしにしてしまいますと、いざというと時に対策がないのが実情です。

相続税のしくみと節税方法を知って対策しましょう

相続税を節税するためにはその仕組みを理解しておくのはとても大事なことです。仕組みを理解した上でどんな節税方法があるかを確認してみましょう。

相続税とは相続した遺産にかかる税金

相続税とは、亡くなった方から遺産を相続する時に応じて課される税金のことです。相続税には基礎控除額というものがあり、遺産の評価額がこの基礎控除額を超えた場合には相続税の申告をする必要があります。
遺産に係わる基礎控除額は以下のように計算されます。
3,000万円+(相続人の数×600万円)=遺産に係わる基礎控除額
この様に3,000万円をベースとして、相続人の数が増えるほど基礎控除額も増えるという事がわかります。

相続税を節税するには評価額を下げる

遺産の評価額によって相続税が決まるのであれば、節税するためには相続した遺産の評価額を下げることが有効です。その方法として次の3つの方法があげられます。

  • 相続する現金や預貯金を減らす
  • 相続する不動産の評価額を下げる
  • 特例を利用する

特例を利用するには条件を満たさなくてはならないなど、それぞれにハードルはありますが、利用できればかなりの節税につなげることが出来ます。

不動産購入による税金対策

不動産を購入することでかなりの節税ができる場合もあります。不動産を購入することでどれだけの節税ができるのか、どんな方法で節税できるのかを見ていきましょう。

賃貸アパートやマンション建築で税金対策

賃貸アパートやマンションを建築することで税金対策とすることも可能です。不動産は時価に比べて相続税の評価額が低くなりますから、その差額があることで節税できます。
相続税路線価という評価方法によって、土地や建物はおよそ購入したときの金額と比べて評価額が土地は8割程度です。土地に賃貸用の建物がある場合は、更に減ってもともとの6割ほどの評価額にまでに減額されます。
建物に関しては固定資産税評価額という評価方法により、建築した金額のおよそ6~7割の評価です。そして土地の場合と同様に建物を賃貸にすることで、そこからさらに減額することができます。その場合は時価の5割程度と、相当な評価額の減額につながります。
これだけ資産の評価額が下がれば、相当の節税効果を期待することができます。賃貸にすることで、評価額はさらに大幅に減少するということをしっかり覚えておきましょう。

小規模宅地等の特例を利用して税金対策

小規模宅地等の特例という適用があれば、非常に節税に有効です。この特例は、もし適用ができれば相続税の評価額が最大で8割も削減されます。
小規模宅地等の特例を適用するには、相続人が配偶者または同居をしている親族であることなどの条件を満たさなければなりません。被相続人の自宅や事業用の土地を相続した場合に評価額が最大で8割も減少するこの特例ですが、もとの評価額が高いほど節税効果が高くなります。
たとえば、もとの評価額が4,000万円ならば小規模宅地等の特例を適用することで8割減の評価額800万円になり、当初の4,000万円よりも3,200万円も安くなります。
つまり、郊外よりも都心などの評価額が高い場所ほど節税効果が高いというわけです。もしも新たに居住用の不動産を購入しようと考えている場合は、小規模宅地の特例を最大限利用できることを念頭に置くと良いかもしれません。

500㎡以上の土地の評価額を下げる税金対策

500㎡以上の土地を持っている場合、広大地の評価の特例制度を検討すると良いでしょう。もしこの特例が利用できれば土地の評価額が4割~6割ほど下げることが可能です。土地が広大であればあるほど評価額が低くなります。
しかしこの特例が利用できるかどうかの判断は難しく、税理士へ相談をすることをお勧めします。

生前贈与による税金対策

生前に贈与を行うことで節税も可能です。場合によって贈与する金額を変えることでより節税効果を高めることができます。

年間110万円以内ずつ生前贈与して税金対策

生前贈与を年間110万円以内で行うことにより、相続税の課税対象財産を減らして節税をすることができます。110万円以内ならば贈与税の基礎控除額の範囲内ですから、非課税で贈与が可能です。
贈与したい財産が多い場合は10年、20年などの長期的な計画をして贈与を行うと良いでしょう。ただし、相続が発生してから3年前までの贈与はすべて相続税の財産としなければならないという決まりがあります。相続開始前に慌てて贈与しても意味がないというわけです。
もう一つ注意して欲しいことがあります。いままで行われてきた贈与があらかじめまとまった金額を贈与するつもりであったと認められる場合、いままでの贈与に課税されてしまうということです。その時は税理士に相談する事をお勧めします。

年間110万円を超える額を生前贈与して税金対策

これは資産が多い方に有効な方法ですが、あえて110万円を超える金額を贈与するという方法があります。財産が2億円以上ある方の場合、贈与税がかかってでも年間110万円を超える額を生前贈与してしまう方が結果的に節税につながる場合があるのです。
相続にかかる税率よりも、贈与税にかかる税率の方が低くなるようなケースなら贈与を行って財産を減らした方が結果的に節税になるというわけです。
しかし、この対策は自分のみでやるのはあまりお勧め出来ません。そこまでの贈与をしない方が良いケースですので、無駄な贈与を行ってしまう事もあり得ます。
税理士に相談してから行うと良いでしょう。

相続時精算課税制度を利用して税金対策

贈与をするときに暦年贈与以外に利用できる制度があります。相続時精算課税制度をうまく利用できればかなりの節税になりますから、ポイントをおさえながら見ていきましょう。

賃貸用不動産を贈与して税金対策

賃貸用の不動産を持っている場合、家賃収入によって遺産が増えます。だから相続税も増えてしまいます。そんなときには、相続時精算課税制度を利用して税金対策を行うのも手段の一つです。
これは、2,500万円まで非課税ですので、こちらの制度を利用して賃貸用不動産を生前贈与します。これで家賃収入は受贈者に入ることになりますから、家賃収入によって毎月の相続財産が増えることを防いでくれます。

財産が少ない人が使える税金対策

一見、相続時精算課税制度で2,500万円も非課税になると思えます。しかしあくまで贈与税が2,500万円分が非課税となるだけで、相続時には制度を利用して贈与した財産の分も含めて相続税がかかるので結果的に節税対策にならないことがあります。
将来的に相続税がかからない、もしくは相続税の負担が少しだけという場合にはこちらの制度がとても有効です。相続税の基礎控除額は相続人が一人の場合でも3,600万円ですから、贈与した金額と相続する金額が、この基礎控除額以下なら贈与税と相続税のどちらの税金もかからないことになるのです。

相続時精算課税制度が節税にならないケース

相続時精算課税制度を利用しても節税にならないケースがあります。将来的に相続税がかかる見込みのある財産が多い場合です。このケースでは制度を利用して現金2,500万円を非課税で贈与したとしても、相続時に贈与した分の現金も合算することになるので節税効果がありません。
さらにこの制度を一度でも利用した場合、それ以降は贈与税の年間110万円の非課税枠が利用できなくなります。相続時精算課税制度を利用する場合は節税になるかどうかや、それ以降に贈与税の非課税枠を利用しないかなどの確認をしっかりと行いましょう。

教育資金贈与による税金対策

教育資金贈与ならば、教育に関わる資金が1,500万円まで一括で贈与しても贈与税がかかりません。入学金や授業料、留学の渡航費などがこれにあたります。塾や習い事などの学校と直接関わらない教育資金として贈与する場合は、1,500万円の非課税枠のうち500万円までが対象です。

生命保険加入による税金対策

生命保険に加入することで税金対策をすることもできます。あまりピンとこないかもしれませんが、有効な手段ですからチェックしておきましょう。

相続税が課税されない範囲の生命保険に加入

生命保険の加入も税金対策一つです。生命保険による死亡保険金の受取人が相続人の場合、500万円×法定相続人の数が非課税となります。つまり、法定相続人の数が多ければ多いほど効果が高い方法なのです。
この非課税枠ですが、法定相続人がそれぞれ500万円ずつ受け取る必要はありません。例えば、法定相続人が2人の場合、500万円×2人ですので非課税枠は1,000万円です。しかし保険金を1人がすべて受け取る場合であっても、非課税枠は1,000万円です。
この方法に気をつけて欲しいことがあります。それは、保険料は保険加入者である被相続人が負担するということです。もしも保険加入者である被相続人以外が負担してしまうと所得税、住民税がかかる場合がありますから注意して下さい。

生前贈与したお金で子や孫が生命保険に加入

生命保険に加入する方法でもう一つ、生前贈与を組み合わせた節税方法もあります。贈与税の年間110万円の非課税枠で贈与を行い、贈与を受けた子供や孫がそのお金を遣い被保険者を親と設定して加入します。
こうすることで受け取る保険金が相続税ではなくて所得税の対象となりますから、節税効果が見込めることもあります。

養子縁組で相続人を増やして税金対策

養子縁組を利用して節税をすることも出来ます。なぜなら、相続税は相続人が多い方が少なくなりますので、相続人を増やすことができれば節税につながることになるのです。
ただし、養子縁組で相続人として含められる養子には制限があります。実の子がいる場合は一人までが法定相続人として含められ、実の子がいない場合は二人までが法定相続人として認められます。
こちらの養子縁組による節税方法ですが、養子の数を相続人に含めることで不当に相続税を減少させる結果になるとされる場合、その原因となる養子は法定相続人として数えることは出来ないのでご注意ください。

お墓や仏壇を生前に購入して税金対策

お墓や仏壇は非課税財産ですので、生前に購入しておけばその費用分を節税できます。ただし過度に高価なもので、転売する目的があるというような場合には非課税財産としては認められませんので注意しましょう。

おしどり贈与のメリットとデメリット

おしどり贈与という夫婦間の贈与で利用できる制度も節税対策です。いくつかの条件や気をつけたいこともあるので説明します。

相続開始3年以内でも利用できる

おしどり贈与とは、居住用不動産またはそれを購入するための資金を贈与する場合に2,000万円が控除される制度です。贈与税の年間110万円の非課税枠もあわせて使えますので、最大で2,110万円の控除が期待できます。
さらに、生前贈与では3年以内の贈与は無効でしたが、おしどり贈与なら3年以内であっても利用が可能です。
おしどり贈与を利用するには、

  • 婚姻後20年経過していること
  • 居住用不動産または居住用不動産を購入するための資金であること
  • 翌年3月15日以降も居住する見込みであること
  • 過去に一度もおしどり贈与を受けていないこと等

これらの要件を満たしている必要があります。

売った時に所得税の節税になる

おしどり贈与により不動産の持ち分を贈与した場合、売却したときの売却益も分割されます。持ち分の贈与とは権利の贈与ですから、利益も受け取る権利があるのです。
不動産の売却益は3,000万円までが非課税ですので、不動産をおしどり贈与により共有することで最大で6,000万円を非課税にすることができます。

相続より不動産取得税と登録免許税がかかる

ここまで聞くとおしどり贈与はメリットしかないように思えますが、デメリットもあります。それは不動産取得税や登録免許税という別の税金がかかってしまうことです。
土地や家屋にそれぞれ1.5%と3%がかかる不動産取得税と2%の登録免許税が掛かります。この二つの税金は相続した場合ですと、不動産取得税は非課税で、登録免許税は0.4%にかります。だから相続した方が優遇されています。

海外移住による税金対策はハードルが高い

相続税のかからない海外に移住することで、税金を節税することも可能です。しかし、現実問題としてかなりハードルが高いです。
相続人も被相続人も移住して10年以上経過していること、すべての財産を海外に移すことなどが必要で、税金対策のみを考えて実行するにはお勧めしません。

税制は毎年変わるので古い情報には注意

気をつけて欲しいのが、情報収集をするときにその情報が古い情報ではないかを確認するという事です。税制は毎年改正されていますから、古い情報には注意しなくてはなりません。
財務省や国税庁などホームページでその情報が最新のものであるか確認することを怠らないようにしましょう。また、税理士に相談するのも一つの方法です。

相談するなら相続に強い税理士を選びましょう

相続に関して不安なことがあるなら税理士に相談することです。しかし、誰でも良いというわけではなく、相続に強い税理士かどうかが重要なポイントです。
税理士といえども得意分野がありますから、相続はあまり得意でない方よりも相続を得意としている税理士にお願いする方がより確実です。ケースによっては税理士次第で節税できる金額が変わることもあります。

自分に合った税金対策をしよう

いろいろな税金対策をご紹介してきましたが、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。これから先の将来、どんなことが起こるかなんて誰にもわかりません。
万が一のことを考えますと、備えは出来るだけ早いうちからしておいた方が安心です。出来る事から少しずつ初めて、自分に合ったやり方で税金対策をしていきましょう。

この記事のライター UKANO 編集部

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