年末調整の配偶者控除は大丈夫か。改正点を理解して手続きをしよう

年末調整の配偶者控除は大丈夫か。改正点を理解して手続きをしよう

ビジネス 2018.08.09

配偶者控除適用基準と改正について理解する

配偶者控除は平成29年度税制改正によって控除額などが改正され、平成30年から適用となり、本年度から今までとは少し異なっている点を理解した上で、年末調整時の配偶者控除ならびに配偶者特別控除についての申請をすることとなります。
正しく理解して、手続きを滞りなく進めていくためにも配偶者控除の適用基準や、今回の税制改正によって変わった改正点について、より知識を深め、年末調整をするという時になってから慌ててしまわないように、今のうちに不安をなくしておきましょう。

平成29年度までの配偶者控除と配偶者特別控除について

配偶者控除と配偶者特別控除の違いについてみていきます。名称が似ているのでよく混同してしまい、間違って覚えてしまっている人もいるようですが、対象となる配偶者や控除の額など異なる部分が多いため、まずはこの2つの違いを知っていきましょう。

配偶者控除は所得の少ない配偶者が対象

配偶者控除は所得のない、または所得の少ない配偶者を持つ人の税金を控除する制度のことです。明確には「年収0円~103万以下の配偶者をもつ世帯主に対して税金を減税」してくれるというものです。
配偶者控除を受ける対象となるためには、世帯主と生計と共にしていて、事実婚・内縁関係ではなく婚姻届が提出されている法律婚の配偶者であることが絶対条件です。この条件をすべて満たしている場合に世帯主が38万円の税金の控除が受けられます。

配偶者特別控除はそれ以上の所得がある配偶者が対象

配偶者特別控除は、配偶者控除よりも所得のある場合に上限が設けられながらも控除が受けられます。範囲としては所得が105万円超141万円未満の配偶者をもつ世帯主に対して税金が減税されるものです。
対象となるのは配偶者控除とおなじで、婚姻届が出ている法律上の配偶者であり生計を一にしていることにあわせて、世帯主の年間の合計所得金額が1,000万円(年収1,220万円)以下の場合に受けられるというものです。
控除額に関しては105万円未満の38万円の控除から、段階的に所得が上がっていくごとに控除額は少なくなっていき、141万円未満で3万円の控除が受けられるまでが配偶者特別控除の範囲となっています。ただし所得上限が2018年度から改正されているため、配偶者特別控除内で今まで控除を受けていた場合には特に注意しながら、これから触れていく改正点をみていきましょう。

配偶者控除とその改正点について

それでは配偶者控除の中で平成30年から改正となった改正点についてみていきます。また変わらない部分についても手続きの漏れなどを防ぐために改めてふれていきます。

一般控除配偶者の控除額は38万円

今まで同様世帯主の所得が900万円(給与収入のみの場合、年収1,120万円)以下の場合には配偶者控除について改正点はなく控除額38万円も変わりません。ですので、配偶者控除を受けながら働こうと考えている場合には、給与(パート含)収入にすると約103万円ほどの年間収入であれば、配偶者控除が受けられますのでいわゆる「103万円の壁」についての改正はありません。

老人控除配偶者の控除額は48万円

控除対象配偶者の方が70歳以上だと「老人控除対象配偶者」となり配偶者控除を受けることができます。それまでも配偶者控除を受けている方がほとんどですが、控除対象配偶者のうち、その年の12月31日時点で70歳以上の人が老人控除対象配偶者になります。
この時点から控除額が変更となり、その控除額は48万円となります。また年金受給者の場合には103万円の壁と呼ばれる控除のくくりはなく、公的年金等の収入金額が158万円以下(公的年金等以外の収入がない場合)であれば該当する配偶者控除です。
また、配偶者が障害者の場合には配偶者控除とは別に、障害者控除として27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)の控除が受けられます。

世帯主の所得が900万超の場合が改正された点が多い

世帯主の所得が900万円を超えている場合には改正されている点が多く、今回の税制改正の中でも大きな改正点となっています。それぞれポイントごとに絞ってみました。

所得950万以下の控除額は26万円

世帯主の所得が900万超950万以下の場合には、配偶者特別控除で控除される額は26万円で老人配偶者控除額は32万円となります。配偶者は今まで同様に配偶者控除の範囲内で働いていても、世帯主の所得で変動します。このことからも分かるようにこの税制改正によって配偶者本人の所得要件についての変更はないということが分かります。

所得1000万以下の控除額は13万円

次に世帯主の所得が950万以上1000万以下の場合の配偶者控除の控除額は13万円、老人配偶者控除額は16万円となります。今までの配偶者控除に対しては世帯主の所得について関係性がなかったために、同じくらいまで働いているのなら、もっと働く時間を増やし扶養から外れるか、それとも働くのをやめるか、配偶者にとってはかなり悩むところでもあります。

所得1000万以上は控除額が0円

世帯主の所得が1000万円以上の場合には配偶者控除の対象外となり、配偶者がいくら103万円の壁を意識したところで控除は何もありません。世帯主の所得がこれだけある場合には働き方を見つめなおしてみるのがよいでしょう。こうじょされないわけですから、もっと働きたいと思っていたのなら、働くチャンスです。

配偶者特別控除とその改正点について配偶者特別控除申告書が必要に

配偶者控除よりも注意したいのがこの「配偶者特別控除」です。具体的には配偶者特別控除の適用となる所得用件の幅が拡大しているということです。今まで配偶者特別控除と無縁だったという人も、もしかすると適用範囲に入っているかもしれません。

特別控除適用の所得が201万円以下に改正された

2017年までは141万円未満であれば配偶者特別控除が受けられました。しかし改正によって配偶者の所得が201万円までのくくりに変更されたので、配偶者特別控除を受けられる幅が拡大しています。
控除額については、世帯主の所得と配偶者の所得から導き出すことになりますが、世帯主の所得が1,000万円、配偶者の所得が201万円のぎりぎりのラインでも1万円の控除が受けられます。

所得150万円以下の控除額は満額の38万円

他にも改正点としては配偶者の所得が150万円以下であれば控除額が満額の38万円を控除することができるようになったという点です。今までは103万円以上から141万円未満までは段階的に少なくなっていましたが、改正後は150万円まで一律で38万円控除を受けられます。この点をみると配偶者控除よりも配偶者特別控除を目指してみようかな感じるとおもいます。
ただし所得税の控除はされますが、ここに社会保険への加入によって負担が増えてしまう場合があります。所得が106万円以上ですと社会保険に加入することができるようになり、一定の基準に当てはまった会社で基準に沿った働き方をしている場合には加入することになりますので、こういった面から考えて今一度働き方を見直してみるとよいでしょう。

夫が公的年金受給者の配偶者控除について

一般控除の103万の壁が158万に上がる
※参考:http://tax.mykomon.com/daily_contents_36098.html

配偶者控除が適用になる所得以外の条件

先でも所得以外の条件については少し触れていますが、配偶者控除ならびに配偶者特別控除が適用となるための条件について詳しくみていきましょう。

婚姻届出がされ同一生計であること

配偶者としてのくくりは、婚姻届が提出された法律上で認められた配偶者であることがあげられます。事実婚や内縁関係では認められません。また年の途中の婚姻の場合は注意しましょう。間違った解釈の中に年の中途で結婚退職すれば「配偶者控除が受けられる」というものがありますが、こちらについては間違っています。
所得の基本的な基準はあくまでも年収ですので、いくら年の途中であってもそれまでの合計が、控除の基準である103万円や150万円を超えてしまっている場合には配偶者となったとしても配偶者控除は受けられません。ただし、範囲の中であれば配偶者控除または配偶者特別控除も受けられますので、配偶者控除が受けられるというものではないというところを理解しましょう。

青色申告の専従者給与支給者ではないこと

個人事業主の配偶者の場合は配偶者控除の対象とならない場合があります。青色事業専従者給与の支給を受けている場合や、白色事業専従者の対象であるといった場合には、配偶者控除は受けられなくなりますので自分がここに該当するのかどうか前もって確認しましょう。

社会保険法上の扶養との違いに注意する

所得の控除である税法上と社会保険の法上では扶養の範囲や条件が変わります。その違いを整理しながら見ていきましょう。間違って覚えてしまっていると扶養として受けられるものをしっかり受けるためにも区別していきましょう。

配偶者控除の対象者は税法上の扶養

配偶者控除対象者で言われている扶養は税法上の扶養となっていて控除対象配偶者であるかということや扶養控除の適用を受けることを指します。今まで触れてきた部分に当てはまる場合には配偶者控除の言うところの扶養ということになります。

第3号被保険者は社会保険法上の扶養

変わって社会保険上の扶養は世帯主が会社員の場合、配偶者が扶養となっている場合には社会保険は第3号被保険者として社会保険料免除されています。社会保険法上の扶養の基準として年収が130万円を超えるとこの第3号被保険者の中から外れることになります。
また勤務時間が週20時間以上、1か月の賃金が8,8万円以上、勤務時間が1年以上見込まれることや勤務先の従業員が501人以上であることに当てはまる場合には、所得が106万円以上で社会保険に加入することになるため、この場合社会保険では扶養から外れることになります。

年末調整の配偶者控除について正しく理解する

今回の改正点について正しく理解することで、世帯年収をグッとあげられるかもしれません。働き方を改めて見つめなおすいいきっかけにもなりえます。この機会に、是非一度今の働き方について見直しながら、自分の今の状態だと配偶者控除や配偶者特別控除がどのくらい受けられるのか、など確かめてみるとこれからのライフプランも立てやすくなりますよ。

この記事のライター UKANO 編集部

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