「保育士の年収ってどれぐらい?」公立私立の違い、福利厚生について

July, 26, 2018

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保育士の年収とやりがい

「子どもが好きだから」という理由で保育士をめざす方は多いのではないでしょうか。
保育士は子供好きの方にとって、とてもやりがいのある仕事です。
一方で重労働の割に給料が低く、離職する人も多いということが問題視されています。

保育士の年収や福利厚生などについて確認してみましょう。

保育士の平均年収や待遇を知りたい

保育士は年収が低く、仕事内容もきついといわれています。
実際はどれぐらいなのでしょうか。

保育士の平均年収

厚生労働省が発表している平成28年賃金構造基本統計調査を参照してみると、保育士(女性)の平均年収の全国平均は324万7,000円となっています。
なお、こちらは私立保育園の保育士の場合で、公務員となる公立保育園勤務となると、年収は約2倍にもなるということが分かっています。

昇給や賞与の額はどれぐらい

私立の保育園の場合、残念ながら昇給率が低く、ほとんど期待できません。
また、産休や育休が取得しにくいといわれる保育士は、出産や子育てによって離職する人も多く、子育てがひと段落したころに保育士に復帰しても正社員としてはなかなか雇ってもらえません。
そのため、契約社員やパートとしての雇用になることが多く、「キャリア=昇給」とは結びつきにくいのが現状です。

賞与に関しては、平成28年賃金構造基本統計調査を参照してみると、平均額が58万4,200円となっています。
園によっては基本給が高額な代わりに、賞与がないという所もあります。

手当はどれぐらい

保育士の資格を持っていると、もらえる手当はいくつかあります。
実施しているかどうかは園によって異なるので気を付けましょう。

残業手当

多くの保育士は、書類や製作物などが勤務時間内に仕上げられず、残業をしているのが現状です。
月にいくらか手当が付く保育園もありますが、サービス残業となってしまう園がほとんどです。

資格手当

保育園では保育士だけでなく、保育補助員として無資格の職員も雇用していることがあります。
そのため、保育士の資格を持っている職員は、資格手当が出る場合があります。

主任手当

保育士をまとめる主任保育士になると、主任手当がもらえます。
勤務年数が長く、信頼できる保育士が主任となりますが、各園で1人しかなれません。

副主任保育士、専門リーダー

主任保育士の前段階となる副主任保育士と、専門リーダーという職があります。
7年以上の経験と、4分野以上のキャリアアップ研修受講など条件があるものの、月額40,000円の給料アップとなり、園長と主任保育士を除く保育士の約3分の1が対象です。

特殊業務手当

年間行事が多く、行事前にはかなり多忙になるため、特殊業務手当が出る場合があります。
例としては、運動会やお遊戯会などがあげられます。

通勤手当

自宅と保育園の距離に応じて、通勤手当が支給される場合があります。

住居手当

家賃が発生している場合、住居手当が支給される場合があります。
保育士の場合は1万円前後の支給が多いようです。

福利厚生の内容は

園によって異なります。
園児や職員が少ないなどの理由で経営が厳しい園では、一部福利厚生を利用できないケースもあります。
働く前にしっかり確認しておきましょう。

各種手当

健康保険、厚生年金、厚生年金基金、雇用保険、労災保険、退職金制度などがありますが、加入は園によって異なります。
求人にも記載されているので、しっかり把握しておきましょう。

有給休暇

勤務開始から6カ月後に、法律上では1年で最低10日間付与されることに決められています。
有給を使用しなかった場合は、次の年に繰り越すことが可能です。
勤務年数が長いほど加算され、5年以上勤務して入れば、年間で20日間の有給休暇が付与されます。

産休

園にもよりますが、出産予定日の42日前から出産まで、産前休暇として取得できます。
双子など多児の場合は98日前から取得できます。
また、保育園側としてはその後の30日間は保育士を解雇できません。

産後休暇は出産した翌日から56日後までとなっています。
医師や助産師の許可があれば42日後から働き始めることも可能です。

育児休暇

育児休暇は、出産して58日目から子供が満1歳の誕生日を迎える前日まで取得できます。
一定の条件を満たしていれば、子供が2歳になるまでは取得可能です。
なお、男性保育士も育児休暇は取得可能です。
パート、アルバイトは育児休暇がありません。

育児時間

自分の働く保育園に子供を預ける場合、園によっては利用できる制度です。
1日2回、30分ずつ子どもの世話ができます。
4時間以内のパート勤務の場合、30分の育児時間が認められています。

手取りの目安

園によって月給制、日給制、時給制を取っている所があり、地域によっても変わってきますが、平成28年度賃金構造基本統計調査を参照してみると、保育士(女性)の平均月給は22万1,900円となっています。
年金や税金などを引かれると、大体手取りは14万~17万位の方が多いのが現状です。

公立保育士と私立保育士の違い

保育園には公立保育園と私立保育園があります。
公立保育園とは自治体が運営する保育園のことで、保育士は公務員となります。
一方、私立保育園は社会福祉法人や民間企業が運営する保育園のことです。
どちらも同じ保育士ではあるのですが、給料面に大きな違いが見られます。

公立保育士の平均年収

東京練馬区の平成26年度の職員の給与の状況を参照してみると、公立保育園の保育士の年収は537万8,278円となっています。
なお、調査した保育士の平均年齢は44歳となっています。

公立保育士は公務員なので、長く働くほど昇給が見込めます。
離職率も低く、保育士の平均年齢も高くなっています。

私立保育士の平均年収

厚生労働省が発表している平成28年賃金構造基本統計調査を参照してみると、私立保育士の平均年収は324万7,000円となっています。

なお、調査した保育士の平均年齢は36.3歳となっており、公立保育士よりも若いということが分かります。
これは、私立保育士の離職率が高く、昇給の制度があったとしてもその前に保育士が辞めてしまい、ベテランの保育士よりも若い保育士が多く働いているということが、理由の1つとしてあげられます。

公立と私立での待遇面の比較

平均年収を比較してみると、公立保育士の方が年収が高いことが分かります。
これほどまでに差が出るのは、公立保育士=地方公務員となるため、産休育休制度などの福利厚生がしっかりとしていて、離職率が低いことが関係しています。

一方で、私立保育士は結婚や出産を機に離職する人が多く、保育士としてのキャリアを思うように積めないことが、給料面でも差が出てくると考えられます。

安定して長く働ける公立保育士を希望する人が多いのが現状ですが、私立保育士に比べると採用数が圧倒的に少ないため、狭き門となっています。

地域別保育士の平均年収格差

同じ保育士の仕事でも、地域によって給料に差が生まれています。
子供の人数が少ない地域だと、保育園の経営が厳しいなどの理由から給料に差が出てしまうからです。

平均年収が高い地域

子ども達が多く集まる首都圏や主要都市では、保育士の平均年収も高い傾向が見られます。
1位は東京都の441万円、次いで大阪府の378万円、愛知県の346万5,000円となっています。

平均年収が低い地域

平均年収が低い地域としては、佐賀県、青森県、秋田県、宮崎県、沖縄県で252万円となっています。

首都圏は年収も高いが生活費も高い

首都圏では年収が高く、地方へ行くほど年収が低い傾向があります。
ただし、首都圏では家賃など生活費が高くなる傾向があるので、地方から給料が高い首都圏へ働きに出たとしても、あまり手元にお金が残らなかったということもあります。
そのあたりも考慮して、働く場所を考えたいですね。

保育士の年代別平均年収

保育士には昇給制度もありますが、長く働けばどの位昇給するのでしょうか。

年代別平均年収の違い

保育士の年収を年齢別に比べてみると、このようになっています。

  • 20~24歳…179万6,000円
  • 25~29歳…223万7,000円
  • 30~34歳…245万7,000円
  • 35~39歳…280万4,000円
  • 40~44歳…315万円
  • 45~49歳…352万8,000円
  • 50~54歳…378万円
  • 55~59歳…374万9,000円
  • 60~65歳…255万2,000円

昇給率の内容

一般的に、給料は就労年数が長くなるほど昇給していきます。
こちらのデータは公立、私立保育士すべてを合わせたデータとなっていますが、公立と私立の保育士とでは、昇給率にも違いが出てきます。

毎年安定して昇給する公立保育士に対し、私立保育士は昇給が少なく、年齢が上がっても年収もあまりかわらないということがあるためです。
また、私立保育士は結婚や出産を期に一度保育士を辞めたり、別の職場に転職することもあるので、キャリアが伸びにくいのも昇給率が低い原因となっています。

保育士の給与が低い理由と副業

重労働の割に給料が低いといわれる保育士。
その理由を探ってみましょう。

保育園の運営資金の仕組み

保育士の給料が低い理由は、運営資金の仕組みにあります。
認可保育園の運営費の99%が、国や都道府県、市町村からの補助金で賄われています。
この資金の10%が保育料となっていて、園に割り当てられる補助金の額は、その園の園児の人数によって決まります。
園児1人あたりの補助金の単価については、園の定員数、園児の年齢、職員の平均勤続年数によっても変化します。

人数が多い保育園ではそれだけ補助金が多くなり、少ない園では補助金も少なくなるため運営が厳しくなる傾向にあります。
少子化によって人数が少なくなり、運営費も少ないために人件費に充てる分も少なくなり、なかなか給料を上げられないのが現状です。

しかし近年、保育士の給料の見直されました。
2015年度の子ども子育て新制度に置いて3%(約9,000円)の給料の改善が行われています。
また2017年4月からは、さらに2%の上乗せを行うことを発表しました。
少しずつではありますが、保育士の給料の改善が行われています。

サービス残業の実態

保育士の就業時間は、主に子ども達の保育の時間となります。
毎日のお手帳の記入は、保育士の休憩時間に行っているということも。

保育士の仕事としては他にも、お便りづくり・日誌の記入・書類や壁面の製作・子ども達の毎日の活動計画・製作の準備・ピアノの練習・行事前の準備などさまざまです。
これだけの仕事を、子ども達の保育をしながら行うことは難しいので、残業で行うこととなります。

保育士の平均残業時間は4時間。
それでも終わらず、毎日家に仕事を持ち帰って、夜中までやっているという方も少なくありません。
これだけ働いていても、残業代はほぼないという保育園がほとんど。
いくら頑張っても収入にはつながりません。

必ず確認しましょう、副業の許可

保育士だけでの給料では、余裕のある生活ができず、副業をしている方も多くいるようです。

原則として、公立保育士は副業は禁止となっているので、気を付けましょう。
私立保育士の場合は、その園の就労規則によります。
必ず確認を取り、必要ならば許可も取るようにしましょう。

人気の副業の種類

保育士に人気の副業としては、資格を活かして行うベビーシッターがあります。
休日に行えて、意外と高単価なのが魅力的です。
派遣会社に登録して行うのがよいでしょう。

多忙な保育士が家庭で行えるウェブライターや内職の仕事も人気です。
自分のペースで行えるので、本業の保育士が忙しい時期にはペースを落として行えます。
ただし、単価は低いです。

シフトに融通が利くコンビニや飲食店などのバイトも人気ですが、保護者からの信頼が重要な保育士です。
副業していることが保護者に伝わってしまったら、信用を落としかねません。
園からはなるべく離れている職場や、調理など裏方の仕事を探してみましょう。

高単価な副業として、夜間の居酒屋や水商売などの仕事をしているという方もいます。
夜なら平日でも働けるし、高単価なので効率よくお金を貯めたいという人にはむいているかもしれませんが、保育士の仕事は重労働です。
自分の体に負担をかけ、本業の保育士が疎かになってしまうのでは本末転倒ですね。
また、こちらの仕事も保護者に伝わってしまうと、信用を落としかねません。
リスクがあることを念頭に置いて、行ってください。

副業開始するまえに知っておきたいこと

空いた時間で副業をすると、収入がアップして生活が楽になるかと思うかもしれませんが、上記でもあったように保育士は重労働です。
そもそも、副業をする時間を確保することが大変です。

働きすぎるあまり、体を壊すこともあるかもしれません。
また、職種によってはリスクもともないます。
無理のない範囲で行うようにしましょう。

副業による所得が年間20万円を超えると、確定申告を行う必要が出てきます。
意外と手間のかかる作業ですが、自分で行わなければならないことは覚えておきましょう。

幼稚園と保育園の平均年収の違い

幼稚園と保育園。
同じ子どもにかかわる仕事ではありますが、保育園は厚生労働省の管轄で、保育士の資格が必要です。
幼稚園は文部科学省の管轄で、学校の1つに分類され、幼稚園教諭の資格が必要です。
年収にも差があります。

幼稚園の平均年収と待遇

幼稚園も公立、私立があり、保育士と同じように公立幼稚園教諭の方が安定した昇給が見込めます。
一方、私立幼稚園の待遇に関しては、その地方や園によって大きく異なるのが現状です。
また、幼稚園教諭の免許は4年大卒で取得できる第1種免許、短大卒で取得できる第2種免許があり、仕事内容に差はほとんどありませんが、初任給に関しては差があります。

こうした条件がありますが、平成27年度の幼稚園教諭の平均年収は340万1,000円となっています。

幼稚園と保育園の比較

平成27年度の平均年収は、幼稚園教諭が340万1,000円、保育士は323万3,000円と、やや保育士の方が少ないことが分かります。
また、幼稚園は教育を目的とした施設なので、子どもの対象年齢は3歳~就学前です。

保育士は子供たちの成長を間近で感じられる職業

保育士は専門の知識や免許を必要とする専門職ですが、近年は重労働なのに平均年収が低いということ、それに伴う保育士の離職率が問題視されています。

しかし、保育士は子ども達の成長を間近で感じられる「やりがい」のある仕事です。
現に、保育士を長く続けている多くの方が、子どもが好きだから頑張れる、子どもの成長を見届けたいという理由で頑張っています。

大変な仕事ですが、働くことに充実感もおぼえられるでしょう。
保育士は不足傾向にあるので、資格を持っていれば就職活動を行っても新しい職場が見つかりやすいです。
保育士の資格を取得し、働いてみましょう。

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