【退職金の源泉徴収について】源泉徴収票が必要なケースとは

July, 24, 2018

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退職金の源泉徴収は必要なのか

給与所得に対しては源泉徴収がありますが、退職金に関しては源泉徴収があるのか分からず悩む人は多いです。
源泉徴収は所得税として差し引かれるものであり、見込みで徴収するものですので、場合によっては引かれ過ぎている可能性もあります。

税金が引かれすぎている場合でも取り戻す方法はありますが、そもそも退職金が源泉徴収の対象になるのか、退職金とはどんなものかを知った上で考えていきましょう。

退職所得について

退職金は税制上では退職所得として扱われています。
退職所得は給与所得とは別物ですので、課税対象や控除額なども違います。
退職金とひとくちにいっても、実際にはさまざまな種類がありますので、何が退職所得に該当するのかを知っておきましょう。

退職する際の退職金

退職所得に該当するものとしては、当然退職時に支払われる退職金が挙げられます。
退職金は一括で受け取る退職一時金と年金形式で少額ずつ受け取る退職年金がありますが、このうち退職所得に該当するのは、退職一時金のみです。

解雇予告手当も退職手当

企業から解雇される場合は、退職日予定日となる30日以前から予告されますが、場合によっては予告なしで解雇されることもあります。
この際に発生するのが解雇予告手当であり、これも退職手当に該当します。

役員に変わった際の退職手当

退職金は従業員に対して支払われるものであり、役員になれば経営者の扱いになりますので、退職金の要件からは外れてしまいます。
そのため役員に変わった際に、勤続期間に関係なく退職金が支払われることがあり、これも退職所得に含まれます。

国の立て替えで支払われた未払い賃金

会社の倒産などによって、未払いの賃金が発生している場合、これは国によって立え替えで支払われます。
この未払い賃金も、実は退職所得に該当します。
自身で退職した場合だけではなく、会社の都合によって退職せざるを得ない場合も退職所得があることは覚えておきましょう。

退職金の源泉徴収の計算

源泉徴収は所得に対して発生するものであり、これは給与所得、退職所得の違いは関係ありません。
退職金も退職所得として税制上は給与所得とは別枠で考えられていますが、大きく所得のくくりで考えた際には同じグループに属しています。

そのため退職所得に該当する収入があった場合は、これも源泉徴収の対象だと考えなければなりません。
給与所得の場合は、月々の給料から計算して徴収額が決定しますが、退職金の場合は一回のみの支払いです。
つまり給与所得のように金額が変動することはありませんし、一度徴収されればそれっきりでおしまいということになります。

退職金にかかる源泉徴収はたった一度のことですが、それでも引かれ過ぎている場合は取り返さなければ勿体ないですし、何より金額が大きくなれば引かれる金額も増えます。
退職金にかかる源泉徴収はどのように計算するのか、計算方法を知っておきましょう。

退職所得の受給に関する申告を提出の場合

退職所得の源泉徴収を計算する上では、まずは退職所得の需給に関する申告(退職所得申告書)について知っておかなければなりません。
退職金は勤続年数などの要件を満たせば退職時に支払われますが、これを受け取るためには事前に退職所得申告書を企業に提出しなければなりません。

この申告書を提出したかどうかによって、源泉徴収の計算方法も違ってきます。
退職所得申告書を事前に提出した場合は、源泉徴収は退職金の速算表に基づいた金額で計算されます。
退職金は受け取る金額が大きくなりやすいことから、退職金控除がありますし、それもかなりの額が控除されます。

退職金控除を受け、かつ税金を減らしたいのであれば退職所得申告書の提出は必須です。
これは退職金を受け取るまでに企業に提出しなければなりませんので、退職準備と一緒に申告書も作成し、提出しておきましょう。

退職所得の受給に関する申告を未提出の場合

退職金を受け取る前には、退職所得申告書を提出しておかなければなりませんが、これは提出しなかったからといって、退職金が受け取れなくなるわけではありません。
未提出でも問題なく受け取りはできますし、退職すれば自動的に口座などに退職金が振り込まれます。

ただ問題なのが、退職所得申告書を提出せずに退職してしまった場合は、退職金にかかる源泉徴収の税率が、一律で20.42%になってしまうことです。
申告書を提出していれば、速算表に基づいて金額が決まりますので、徴収分はかなり小さくなりますが、未提出の場合は20%分も取られてしまいます。

退職金は高額になるケースも多いですし、そのうちの20%ともなればかなり大きな金額です。
税金としては引かれ過ぎになり、あとで還付の申請など面倒な手続きが増えますので、退職時には忘れずに申告書を提出しておきましょう。

退職金の源泉徴収票の取り扱い

退職し、退職金を受け取ればのちに源泉徴収票も送られてきますが、これをどのように扱っていいのか分からず困ってしまう人は多いです。
源泉徴収票は年末調整の際に提出しますが、退職後であればわざわざ退職した企業に出向かなければならないことになりますし、不要だと考える人が多いです。

しかし、源泉徴収票は必ずしも不要であるとは限らず、必要になるケースもあります。
人によって必要かどうかは異なりますが、必要になるケースも少なからずありますので、なくさないように大切に保管しておくことが大切です。

年末調整時に提出不要

源泉徴収票は、基本的には年末調整時に提出し、税金を多く払いすぎていないかなどをチェックしてもらいますが、退職している場合は当然不要です。
いつも年末調整時に源泉徴収票を提出していたからといって、退職後にわざわざ辞めた企業を訪れて提出する必要はありません。

ただし、年内に転職した場合は源泉徴収票が必要であり、転職先の企業の年末調整で提出します。
退職してもらった源泉徴収票は、年内で転職する場合は転職先での年末調整時に提出が必要になるので忘れないようにしましょう。

確定申告時に必要

源泉徴収票は年末調整だけではなく、確定申告時にも必要です。
確定申告をおこなうことで、払いすぎた税金は還付されることがありますので、申告をするなら源泉徴収票を持参しましょう。
確定申告は多くの人が無関係だと考えていますが、退職金を受け取っている場合は、関係することが多いので注意が必要です。

退職時に退職所得の受給に関する申告をしていなければ、確定申告は必須です。
申告をしていないと約20%もの所得税が引かれていますので、それを取り戻すためにも確定申告は忘れずにおこないましょう。
申告書を提出していた場合は、確定申告は不要です。

源泉徴収票は再発行可能

源泉徴収票は年末調整や確定申告などで使用しますし、退職金を受け取った人は必要になることが多いです。
そのためなくさないよう大事に保管しなければなりませんが、場合によっては紛失してしまうこともあります。

万が一なくした場合でも、源泉徴収票は再発行が可能ですので、慌てることはありません。
交付してもらった企業に再交付依頼を出せば、すぐに再発行してもらえます。
このときポイントなのが、交付してもらった企業に再交付依頼を出すことです。
年内に転職している場合は、現職ではなく前職の企業に依頼することになるので、間違えないようにしましょう。

退職金の所得税の計算方法

退職金には所得税がかかり、それを差し引いた金額が、実際に手に入るお金です。
退職金の所得税は計算方法がありますので、いくら引かれるのかを事前に調べておきましょう。

収入金額を算出する

所得税を計算するには、まずは収入金額を算出しなければなりません。
所得税は収入に対してかけられる税金ですので、これが計算のベースになります。
収入金額は、手取り金額に源泉徴収票の源泉徴収額を足すことで算出できます。

退職所得控除額の確認

退職金には退職所得控除額があり、これは勤続年数によって違います。
勤続年数が20年以下の場合は、勤続年数×40万円で計算し、勤続年数が20年を超える場合は、800万+70万(勤続年数‐20年)で計算します。
勤続年数20年以下の場合は、計算額が80万円未満になる場合は、80万円に引き上げて計算します。

収入金額と退職所得控除額で所得税を計算

収入金額から退職所得控除額を引き、半分にしたものが退職所得であり、これに対して所得税がかけられます。
退職所得の控除枠は大きいため、人によっては無課税で受け取れることも少なくありません。
また課税される場合でも、それほど大きい金額にはならないケースが多いです。

退職金の源泉徴収票の扱いは慎重にしよう

退職をすれば数カ月以内には源泉徴収票が送られてきますが、これはさまざまなシーンで使用する重要なものです。
転職先での年末調整や確定申告、所得税の計算など使用するシーンは多いです。
再交付も可能ではありますが、なくさないように大切に保管し、いざという時にすぐに使えるようにしておきましょう。

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