国民健康保険は免除できる。納付に困ったときに役立つ制度を知ろう

July, 19, 2018

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保険料の負担が大きくてこのままでは滞納してしまう

会社勤めをやめたり、リストラなどで失業した場合には、今まで加入していた社会保険から国民健康保険に切り替える必要があります。

国民の義務となるため、社会保険か国民健康保険のどちらかに加入することは必須。
収入があるかないかに関係なく、保険料を納めなければなりません。

収入がない状態では保険料を納付することができません。
滞納したときのリスクと保険料の負担を軽減するための制度を確認しましょう。

国民健康保険料は免除できる

低所得・災害・退職・廃業などの理由で保険料を軽減、免除する制度があります。
また、病気で働けないときや次の仕事が見つからず働けないなどの理由で収入がない場合も同様に保険料の負担を軽減できます。

地域によって保険料の免除の基準や割合などのガイドラインが異なります。
それぞれの自治体によってさまざまなので、自分の管轄の地域がどんな内容か確認しておきましょう。

国民年金の場合は免除の申請をおこなうと、将来的に受給できる年金の額が少なくなりますが、国民健康保険については、免除・軽減があってもデメリットはありません。

注意点としては、減免の申請は申請してから1年間のみ有効ということが多く、継続するには1年ごとに申請の手続きが必要になります。

免除なしの国民健康保険料未納のリスク

滞納したまま放っておくといろいろなリスクが発生します。
どんなリスクがあるのかしっかりと確認しておきましょう。

延滞金の発生

保険料を期限内に納付できない場合は、保険料に加えて延滞金も払うことになります。
納期限の翌日から計算されます。
納期限の時期によって、計算方法が少し異なります。

平成26年1月1日以降の場合は、初めの1カ月間の年率は、特例基準割合に1%をプラスした割合と、7.3%を比較して、低いほうの年率で計算されます。
その後の年率は特例基準割合に7.3%をプラスした割合で計算されます。

特例基準割合とは、その年の該当期間に新たに銀行が貸付をおこなった利率の平均として財務大臣が告示した割合をいいます。

例えば、平成30年度の場合は、特例基準割合が1.6%でした。

  • 納期限翌日から1カ月までは 1.6%+1%=2.6%
  • その後の1カ月以降は 1.6%+7.3%=8.9%

という年率で計算されます。

保険証の返還

納期限を過ぎても支払いをおこなわないと、督促状や催告書、電話や訪問といった方法で催告がおこなわれます。

滞納が続いたままでいると、被保険者証(保険証)を「短期被保険者証(短期証)」という通常よりも使用期限が短い保険証に切り替えられてしまいます。
短期被保険者証は6カ月ごとの更新となり、更新ごとに管轄の区役所へ行く必要があります。

さらに滞納を続けていると、保険証を一度役所へ返還して「被保険者資格証明書」を発行してもらうことになります。
被保険者資格証明書とは、被保険者であることを証明するだけのものとなるので、医療費をいったん全額の10割自己負担で支払わなければならなくなります。

財産の差し押さえ

督促や催告を無視して滞納を続けていると、法令の規定により勤務先や金融機関などへの財産調査をおこなわれます。
預貯金・生命保険・給与・不動産・自動車・バイク・宝飾品などを差押えられてしまいます。

滞納した金額を完済するまでは、ずっと続きます。
仕事に就いて働きはじめたとしたら、給与の差押えで会社に保険料を滞納していることを告げられてしまいます。
心機一転、せっかく働きはじめた職場なのに給与の差押えでは気分よく働けないのではないでしょうか。

国民健康保険料の軽減と免除について

国民健康保険料の軽減の割合や条件、申請することにより受けることができる減免措置などがあります。
自治体によって、違いや実施していない場合があるので注意してください。

世帯所得による保険料の軽減措置

軽減される条件と軽減割合

国民健康保険の資格のある人と同じ世帯全員の所得の合計が、基準値以下の時に均等割や平等割が軽減されます。
軽減するのに、自分で所得金額を計算する必要はありません。

ご自分の管轄の区役所や地方自治体などに保険料軽減の申請をすれば、所得によって7割、5割、2割のいずれかで軽減されます。
地域によっては、3割があるところもあります。

管轄の地域や自治体によって、軽減の要件や金額など異なる場合があるので注意してください。
気になることがあれば、管轄の区役所や自治体に確認してみましょう。

所得申告していれば申請は不要

均等割額と平等割額の軽減措置を受けるには申請は不要です。
しかし、世帯のだれか1人でも所得を申告していない人がいると、軽減措置を受けられません。
世帯全員の所得を必ず申告しておきましょう。

大阪府など独自で軽減割合を取り入れている地域があります。
地方自治体独自の制度については、申請が必要な場合があるので、必ず確認してください。

非自発的失業者に対する軽減措置

軽減措置の対象者

会社の倒産やリストラといった理由で、仕事を辞めた場合は申請することで軽減措置を受けることができます。
所得金額に対しての軽減と条件がことなります。

  • 年度末(平成〇年3月31日)以降に失業された人
  • 失業した時点での年齢が65歳未満の人
  • 雇用保険で特定受給資格者、または特定理由離職者として失業給付を受ける人(雇用保険受給資格者証の離職理由コードが「11,12,21,22,23,31,32,33,34」の人)

保険料の軽減内容

非自発的失業者に対する軽減措置は、対象者の前年給与所得を30/100とみなして国民健康保険料の所得割額を計算します。
対象は本人のみで、その他の同じ世帯の人は通常通りの所得での計算となります
前年の所得が300万の場合は、
給与300万円-給与所得控除90万円+18万円=108万円
108万円×30/100=32万4,000円
32万4,000円を所得として国民健康保険料を算定されるようになります。

軽減が適用される期間

失業した日の翌日が属する月からその月の属する年度の翌年度末までが対象に軽減されます。

例)

  • 平成29年8月30日に離職した場合
    軽減期間は、平成29年9月~平成31年3月
  • 平成29年3月31日に離職した場合
    軽減期間は、平成29年4月~平成32年3月

国民健康保険から社会保険に切り替わった時点で終了します。
もし、再び国民健康保険に加入することになったときに軽減期間内であれば、軽減対象となります。

所得が激減した場合の減免措置

前年度の収入よりも本年度の収入見込みが著しく減ることによって、生活困窮となる人が条件となります。
所得減少率によって減免の割合が変わります。
生活保護世帯については、減免の割合が異なります。
10割の減免をおこなっている場合もあります。

収入の減少が前年度の0.3以上0.5未満では所得割額・均等割額共に3割です。
0.5以上0.7未満は、共に5割、0.7以上の場合は、所得割額は10割、均等割額については7割の割合で減免されます。
申請が必要なので、管轄の区役所、地方自治体などに相談しましょう。

多額の医療費が発生した場合の減免措置

疾病や負傷により、多額の医療費を支払わなければならなくなり、医療費により生活が困難になったときに減免措置を受けることができます。

必要書類は、本年度の1月以降に発生した医療費の領収書です。
保険診療分のみで、保険外診療や交通費は対象となりません。
申請が必要で、減免の割合は2割から10割となります。

災害により被害を受けた場合の減免措置

震災、火災、風水害などの災害に遭い、死亡または障害者となったり、資産に甚大な被害を受けた場合に免除・減額などを受けることができます。
この場合も申請が必要です。

被災証明書・罹災証明書のどちらかと全ての資産額と損害額が分かる書類の提出が必要です。
損害額の割合によって減免の割合も変わってきます。
2割から10割の減免をおこなっている地域が多いようです。

盗難により被害を受けた場合の減免措置

盗難にあった家財の損害額が、家財の取得金額の100分の20以上であり、前年の合計所得金額が一定の金額以下であること。
また、その損害にて納付ができなくなってしまったときに、減免の対象となります。

前年の所得と損害の割合によって、2割から10割の減免を受けることができます。
申請には、警察署などで発行された損害状況が分かる証明書が必要となります。

後期高齢者医療制度創設に伴う減免措置

社会保険に加入していた被保険者だった人が75歳以上になり、後期高齢者医療制度に移行したときに、被扶養者だった65歳以上の人が国民健康保険へ移行し被保険者とならなければなりません。
その際に、負担となる保険料を減免できます。

減免の内容は、所得割額は全額免除。
7割・5割の軽減が適用されていなければ、均等割額においては、5割の軽減、平等割額についても世帯で国民健康保険に加入している人が1人の場合は、5割減免されます。

その他の減免措置と違い、一度申請すればその後は自動的に更新されます。
申請には、自署であれば特に必要なものはありません。

給付制限による減免措置

被保険者が1カ月以上の間、刑務所・少年院・拘置所などに収容されている場合に、保険給付を受けることができないため減免の対象となります。
減免措置を受けるには、所在証明書のようなその事実を証明できる書類の提出が必要となります。

こちらも申請が必要です。
ある地域では、入所月から出所の月の前月までが減免の対象となります。
地域によって違うので確認しましょう。

保険料免除の対象は申請した月以降となる

軽減・減免の申請をおこなうと、申請した月以降の保険料が免除の対象となります。
納期限を過ぎてしまった保険料に対しては、特別な理由がないかぎり減免を受けること難しくなってしまいます。

地域によっては、納期限の1週間前までに申請といったように納期限よりも前に申請しなくてはならない場合もあります。
保険料の納付に困ったら、早めに区役所や自治体に相談しましょう。

国民健康保険料の免除について役所に相談へ

相談に行くときに困らないように書類や開庁時間などの知識を覚えておきましょう。

相談にあたって必要なもの

地域の区役所や自治体の保険年金課にて相談を随時おこなっています。
地域によっては、プライバシーに配慮して、個室を用意してくれるところもあります。
そういった場合は、事前に連絡してから相談に行くのがよいでしょう。

相談時に必要な書類
・印鑑
・収入や支出といった生活状況がわかる書類
・資産(預貯金や不動産など)の内訳がわかる書類
・債務(各種ローンなど)の内訳がわかる書類
上記のような書類を用意して持参することで相談がスムーズにできるでしょう。
また、免除・軽減以外の減免措置の相談に行く場合は、それぞれに応じた書類が必要となるので、あわせて持参するようにしてください。

少し細かく種類も多くなりますが、保険料を免除・減免するために必要となります。
無駄足とならないように、しっかり準備をおこなってから相談に行きましょう。

休日や夜間の相談も可能

平日の開庁時間に行くことができないときでも自治体によっては、休日や夜間に相談をおこなっている場合もあります。
休日のすべてや夜間も毎日おこなっていることは少なく、自治体ごとで日時を設定しているようです。

自治体ごとに違うので、事前にホームページや電話で確認してから訪問しましょう。
また、平日の開庁時と異なり、正面玄関が開いていません。
どこから入るのかなども併せて確認しておくとよいでしょう。

軽減や免除の制度を利用して負担を減らそう

国民健康保険の保険料を滞納してしまうと延滞金をはじめ、保険証の返還などデメリットが多くなります。
保険証を返還せざるを得なくなったときに、病気やケガなどで通院が必要になると負担が増えてしまいます。

現在の状況を説明、証明することで保険料が軽減・免除される可能性があります。
保険料の納付に困ったときは、まずは管轄の区役所や自治体に相談に行きましょう。
地域ごとで国民健康保険の内容を定めることができるので、それぞれで細かい内容が違う場合があります。

一度相談に行き、軽減や免除の対象の可能性があるようであれば、それから必要書類を用意して再度訪問してもよいでしょう。
もし、納付に困っているようならすぐにでも相談に行ってみましょう。

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