2018年から配偶者控除が変わる。その条件を徹底解説!

July, 12, 2018

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2019年からの確定申告の配偶者控除について知ろう

2017年度、配偶者控除と配偶者特別控除について、税制が改正されました。
この新しい税制は2019年の確定申告から適用、つまり2018年の所得額によって控除が受けられるか否かが変わってきます。

税制改正後の変更点、配偶者控除をうけるための条件、配偶者特別控除を受けるための条件について解説します。
生活に直結する部分なので、正しく理解しておきましょう。

税法の改正により配偶者控除において変更があった点

配偶者控除において、納税者の所得金額に条件がつき、控除額がその所得金額に応じた金額となりました。
また、配偶者特別控除において、配偶者の合計所得金額が引き上げられ、更に、控除額が納税者の所得金額に応じた金額となりました。
この変更点について、詳しく説明していきたいと思います。

納税者の合計所得金額の条件が付いた

これまで、納税者の所得金額に制限はありませんでした。
しかし今回の改正により、合計所得金額が1,000万円(給与所得の場合は1,220万円)を超える場合には、配偶者控除を受けることができなくなりました。

配偶者控除の金額

配偶者控除を受けるためには、配偶者の合計所得金額が38万円(給与所得の場合は103万円)以下でなければなりません。
また、配偶者控除額は、納税者の合計所得金額によって以下のように段階的に設定されることになりました。

  • 一般の控除対象配偶者の場合
    納税者の合計所得金額(給与所得のみの場合の収入金額):控除額
    900万円(1,120万円)以下:38万円
    900万円超950万円以下(1,120万円超1,170万円以下):26万円
    950万円超1000万円以下(1,170万円超1,220万円以下):13万円
  • 老人控除対象配偶者(※)の場合
    納税者の合計所得金額(給与所得のみの場合の収入金額):控除額
    900万円(1,120万円)以下:48万円
    900万円超950万円以下(1,120万円超1,170万円以下):32万円
    950万円超1000万円以下(1,170万円超1,220万円以下):16万円
    ※老人控除対象配偶者とは、その年の12月31日時点の年齢が70歳以上の方をいいます。

配偶者特別控除を受けるための合計所得金額

配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(給与所得の場合は103万円超150万円以下)の場合に、配偶者特別控除を受けることができます。
これまでは38万円超76万円以下(給与所得の場合は103万円超123万円以下)でしたので、上限が引き上げられたことになります。

配偶者特別控除額は、納税者の合計所得金額と配偶者の合計所得金額により、段階的に設定されています。
詳しい控除額は「配偶者特別控除を受けるための条件」の項目に記載しています。

配偶者控除を受けるための条件

配偶者控除を受けるためには、次の6つの条件を全て満たしている必要があります。

  • 納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 民法上の配偶者であること
  • 納税者と生計を共にしていること
  • 配偶者の合計所得金額が38万円以下であること
  • 青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと
  • 白色申告者の事業専従者でないこと

それぞれの項目について詳しく説明していきたいと思います。

納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること

2019年の確定申告から、納税者の合計所得金額が1,000万円以下(給与所得の場合は1,220万円)の条件が追加され、1,000万円を超える場合には配偶者控除を受けることができなくなりました。
また、配偶者控除額が納税者の所得額に応じて段階的に設定されることになりました。

民法上の配偶者であること

配偶者控除を受けるためには、納税者の法律上の配偶者である必要があります。
つまり、婚姻届を提出し、戸籍上夫婦となっている必要があります。
内縁関係の場合は控除を受けることができません。

納税者と生計を共にしていること

納税者と生計を共にしていることとは、同居していること、または、同居していなくても仕送りをしている、週末は一緒に暮らしているなど生計を等しくしている必要があります。
例えば、単身赴任で週末のみ自宅に戻る父親、大学に通うために仕送りを受けながらひとり暮らしをする息子さんなども生計を共にしていることになります。

配偶者の合計所得金額が38万円以下であること

配偶者控除を受けるためには、配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与所得のみの場合は103万円以下)である必要があります。
給与所得のみの場合が103万円以下と定められている理由は、給与所得者が受けられる給与所得控除の最低額65万円を差し引いて、103万円ー65万円=38万円となるためです。

所得が複数ある場合は、所得金額の合計が38万円以下であれば控除の対象になります。
所得の種類について、国税庁のWebサイトに詳しく載っていますので、ご参照ください。
また、源泉分離課税の対象となる所得は個別に課税されるため、この所得には加えません。

では、配偶者の合計所得額が38万円を超えてしまった場合、控除が受けられないのでしょうか。
実は、38万円を超えてしまった場合でも、控除を受けられる制度がありますので、安心してください。
この場合は、配偶者控除を受けることはできないのですが、配偶者特別控除を受けることができます。

所得の種類と課税方法について
【参照リンク:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_03.htm
源泉分離課税制度について
【参照リンク:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2230.htm

青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと

青色申告は個人事業主が行うものですが、この青色申告者の事業専従者として給与を受けた場合は、配偶者控除を受けることができません。
青色申告者の事業専従者とは誰のことを指すのでしょう。

国税庁のHPでは、事業専従者を以下のように定義しています。

・青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。

・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。

・その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

【参照リンク:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm#a-1

白色申告者の事業専従者でないこと

白色申告は個人事業主が行うものですが、この白色申告者の事業専従者の場合、配偶者控除を受けることができません。

国税庁のHPでは、白色申告者の事業専従者を以下のように定義しています。

  • 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
  • その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
  • その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。

【参照リンク:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm#a-2

配偶者特別控除を受けるための条件

配偶者特別控除を受けるためには、次の3つの条件を満たしている必要があります。

  • 配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下
  • 配偶者控除の条件を全て満たしている
    (「配偶者の合計所得金額が38万円以下であること」を除く)
  • 納税者以外の人の扶養親族になっていない

配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下

配偶者の所得金額が38万円以下の場合には配偶者控除が受けられます。
しかし、38万円を超える所得があるために配偶者控除を受けられない場合でも、その所得額に応じて控除を受けることができます。
これが配偶者特別控除です。

2018年分の確定申告までは、この金額が38万円超76万円未満でしたが、2019年の確定申告からは38万円超123万円以下と金額が変更となりました。

配偶者合計所得金額:控除額※

    • 38万円超85万円以下:38万円、26万円、13万円
    • 85万円超90万円以下:36万円、24万円、12万円
    • 90万円超95万円以下:31万円、21万円、11万円
    • 95万円超100万円以下:26万円、18万円、9万円
    • 100万円超105万円以下:21万円、14万円、7万円
    • 105万円超110万円以下:16万円、11万円、6万円
    • 110万円超115万円以下: 11万円、8万円、4万円
    • 115万円超120万円以下:6万円、4万円、2万円
    • 120万円超123万円以下:3万円、2万円、1万円
    • 123万円超 :0円、0円、0円

※控除額について
納税者の合計所得金額が900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1,000万円以下の順に左から記載しました。

配偶者控除の条件を全て満たしている

配偶者控除を受けるための以下の条件を全て満たしている必要があります。

(「配偶者の合計所得金額が38万円以下であること」を除く)

  • 納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 民法上の配偶者であること
  • 納税者と生計を共にしていること
  • 青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと
  • 白色申告者の事業専従者でないこと
    それぞれの項目については、上記「配偶者控除を受けるための条件」を参照ください。

納税者以外の人の扶養親族になっていない

納税者以外の人の扶養親族になっている場合、配偶者特別控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

控除を受ける条件を確実に満たして上手に節税をしよう

配偶者の合計所得金額が38万円以下の場合には配偶者控除、38万円超123万円以下の場合は配偶者特別控除を受けることができます。
また、配偶者の合計所得金額の制限の他に、納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること、民法上の配偶者であること、納税者と生計を共にしていること、青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと、白色申告者の事業専従者でないことの条件を満たしている必要があります。

ご自身の所得額とこれらの条件をきちんと把握し、最大の節税効果が得られるよう対策していきましょう。

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