医療費控除の住民税還付のしくみ。計算方法と戻りの時期を知ろう

July, 10, 2018

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住民税還付金の計算方法と戻ってくる時期を理解する

普段、通院などで何気なく支払っている医療費。年間の医療費を計算してみると思いがけず大きな金額になっている方もいらっしゃるかと思います。
医療費はある一定額を超えた場合、確定申告をすると医療費控除が受けられ所得税が戻ってくることがあります。しかし、実際に医療費控除の確定申告を行い所得税の還付金が戻ってきた方でも、「住民税は戻ってくるのか」、「戻りの時期はいつなのか」など、住民税に関する疑問をお持ちの方は多いのではないのでしょうか。
ここではそのような方のために、医療費控除で還付される住民税の計算方法と戻ってくる時期に焦点をあてて詳しくみていきます。

医療費控除で還付される税金について

医療費控除で還付される税金がどのように計算され、いつどのように還付されるのかを理解しましょう。
ここでは、還付される所得税と住民税の計算方法、さらにそれぞれの還付方法および還付されるタイミングについてチェックしていきます。

一年間の医療費負担額をもとに計算する

医療費控除の還付金額は年間の医療費負担額をベースに計算します。ここでいう医療費負担額とは、治療を目的とした医療費が対象であり、美容・健康維持・予防が目的の場合の医療費は控除の対象外となるので注意が必要です。医療費控除によって還付される所得税と住民税の金額は下記の計算式で算出されます。

計算式

還付金額 : (医療費負担額 - 10万円 - 保険金等で補填される金額) × (所得税率 + 住民税率)

銀行口座に還付される所得税

所得税の還付金は、確定申告を行う際に提出する申告書類に記載した銀行口座に振り込まれます。振り込まれる時期は、確定申告した日から1カ月~1カ月半前後です。
実際に還付金が振り込まれる前には、税務署から国税還付金振込通知書が届きます。そこで実際の還付金額と振り込まれる日(厳密には手続き開始日)が確認できます。

給与で調整される住民税

所得税と異なり、住民税は還付金が銀行口座に振り込まれることはありません。医療費控除の確定申告を行い所得税が確定されると、その年の6月以降の住民税に反映される仕組みです。サラリーマンであれば、毎月の給与から源泉徴収される住民税で調整されます。
確定申告を行うことによって、税務署からお住まいの市区町村に医療費控除の内容が連携されます。したがって、住民税の還付手続きを行う必要はありません。

還付される住民税は簡単に計算できる

住民税還付金の計算に必要となる住民税率を確認し、具体的な計算例をみていきましょう。

個人住民税率は一律10%

個人が支払う住民税には、所得に応じて課される「所得割」と、それぞれの市区町村で決められた一定額が所得に関係なく課される「均等割」の二種類があります。医療費控除は所得に関わるものなので、住民税が還付される対象は所得割の部分のみです。
この所得割の税率は一律です。平成19年6月以降は、市区町村住民税が6%、都道府県住民税が4%の合計10%となっています。

医療費控除額の10%が住民税の還付金

住民税(所得割)の税率は一律10%です。医療費控除額が分かれば、住民税の還付金は下記のように簡単に計算できます。

計算式

住民税の還付金額:医療費控除額(医療費負担額 ー10万円 ー 保険金等で補填される金額) × 10%
医療費控除額が10万円の場合は、住民税の還付金 = 10万円 × 10% = 1万円となります。

住民税の還付について

医療費控除で還付される住民税の還付(調整)のタイミングと方法について、住民税の徴収方法別にチェックしていきます。さらに過去申告し忘れた医療費控除の申告方法についても知りましょう。

還付申告後の最初の6月から調整が始まる

住民税の還付(調整)は、医療費控除の確定申告をした年の6月から開始されます。多くのサラリーマンの場合、住民税は給与からの源泉徴収という形で天引きされるためあまり実感はないかもしれませんが、給与明細に記載されている住民税の金額を見てみると、6月から源泉徴収されている住民税の金額が変わっていることがわかります。

住民税還付金は12等分され一年間で還付される

住民税の徴収方法には「特別徴収」と「普通徴収」の二種類があります。

特別徴収

特別徴収はサラリーマンが勤務している会社が給与から住民税の源泉徴収を行い、徴収した住民税を個人に代わり会社が市区町村に支払う方法です。サラリーマンの場合、基本的にはこの特別徴収という方法が採用されています。
特別徴収の場合、6月に決定したその年の住民税は12等分され、毎月の給与から徴収されます。そのため所得税の還付金と異なり住民税の還付金は把握しにくく、還付金が少額の場合は気づきにくい仕組みになっています。

普通徴収

個人が自ら市区町村に住民税を支払う方法で、6月、8月、10月、翌年1月の年4回に分けて徴収されるものです。自営業者やフリーランス、転職をしたサラリーマンの方などで、勤務先の給与から住民税が源泉徴収されていない方が対象です。

還付申告は5年分さかのぼることができる

医療費控除は過去5年分さかのぼって申告できます。過去5年以内に医療費負担額が10万円以上の年があり、医療費控除の申告が漏れていた場合は税金が戻ってくる場合があります。
この場合の申告方法は、対象の年に確定申告をしている場合としていない場合で変わってきます。それぞれお住まいの地域の税務署への申告が必要です。

対象の年に確定申告をしていない場合(サラリーマン等)

「還付申告」を行います。還付申告とは確定申告の義務がない人が、納めすぎた税金の還付を請求するための手続きです。
・必要書類:源泉徴収票、医療費通知や医療費の領収書

対象の年に確定申告をしている場合(自営業者、サラリーマンで給与以外の所得がある方等)

「更正の請求」を行います。更正の請求とは、確定申告をした金額に誤りがあった場合、正しい金額に訂正するための手続きです。
・必要書類:医療費通知や医療費の領収書

さかのぼった過誤納金には還付加算金がつく

還付加算金とは、過去に払いすぎた税金に対して返ってくる還付金に加算される受取利息のようなものです。税金を支払った日の翌日から還付金の支払決定日までの日数(以下、加算日数)に応じて、その還付金に一定の割合を乗じた金額が加算されます。

計算式

還付加算金:還付金 × 還付加算金の割合 × 加算日数 ÷ 365日
還付加算金の割合は、「年7.3%」と「特例基準割合(年によって異なる。平成30年は年1.6%)」のいずれか低いほうが採用されます。期日までに税金を納めないと遅延金が徴収されますので、遅れて還付金を受け取る場合は、その反対の考え方が適用されるというわけです。

医療費控除の還付金が簡単に計算できるサイト

ここでは医療費控除の還付金が簡単に計算できる便利なサイトのご紹介と、その計算のために事前に把握しておくべき金額について確認します。

事前に自分の所得額を把握する

還付金の計算にはご自身の所得額を把握しておく必要があります。ここでいう所得とは年収ではなく、年収から所得控除額を引いた金額を指します。サラリーマンで給与以外の所得がない方の場合、所得額は会社から配布される源泉徴収票に記載されていますので、そこで確認ができます。

受け取った保険金等を把握する

医療保険や生命保険に加入されている場合、負担した医療費に対して保険金が支払われる場合があります。還付金の計算には、医療費負担額から受け取った保険金を差し引きますので、この金額も把握しておく必要があります。
確定申告の際に保険金の受取額が確定していない場合、その見込み額を医療費負担額から控除します。実際に受け取った保険金が見込み額と異なる場合は、「修正申告」もしくは「更正の請求」を行い、受け取った保険金の額を訂正します。

  • 修正申告:納める税金が少なすぎた場合や、還付金が多すぎた場合に行う手続き
  • 更正の請求:納める税金が多すぎた場合や、還付金が少なすぎた場合に行う手続き

実際に計算してみる

所得額と受け取った保険金が把握できたら、サイトで還付金を計算することができます。「かかった医療費」、「受け取った保険金」、「所得金額」の三項目を入力すると、以下の金額が自動で計算されます。

  • 医療費控除対象額
  • 所得税の還付金
  • 住民税の減税額
  • 還付金・減税額合計

【参照リンク:http://www.hahoo.jp/KEISANKI/

医療費控除の豆知識

医療費控除の申告を行うにあたって知っておきたい情報をチェックしましょう。

還付申告は1年中手続きができる

サラリーマンで確定申告をしていない方の場合、還付申告をすることよって納めすぎた税金の還付が受けられますが、その還付申告には期間の定めはなく、還付を申告する対象の年の翌年1月1日から5年間いつでも提出することが可能です。
還付申告は、確定申告の期間とは関係ありません。過去5年以内に医療費控除の申告漏れがある場合は諦めずに申告しましょう。

医療費負担額が10万以下も医療費控除が受けられる場合がある

医療費の負担額が10万円を超えないと医療費控除の対象とならないと思われている方が多いかと思いますが、これには例外があります。

総所得が200万円未満

年間の総所得が200万円未満の方の場合、総所得金額の5%を超えた分が医療費控除の対象です。休職や退職などで一時的に所得が低くなった方などは、医療費負担額が10万円以下でも医療費控除が受けられる場合があります。該当する方は負担した医療費を計算してみることをおすすめします。

セルフメディケーション税制を利用する

平成29年1月以降に対象となる市販薬を購入した場合、1万2千円を超える分(上限額は8万8千円)について所得控除が受けられる「セルフメディケーション税制」という制度が始まりました。医療費負担額が10万円以下でも、市販薬を頻繁に購入しているような場合はセルフメディケーション税制の対象となる場合があります。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の一覧は、厚生労働省のサイトで確認できます。ただし、このセルフメディケーション税制は医療費控除の一部であるため、従来の医療費控除との併用はできませんので注意しましょう。

所得税率が高い方が還付金が多い

前述したとおり、還付金の額は医療費控除額に税率を乗じて計算します。住民税は一律10%ですが、所得税は所得に応じて5%~45%の税率が課税される累進課税となっています。したがって、所得が多く所得税率が高い方はより多くの還付金が受け取れます。

医療費負担額は生計を一緒にしている人の合計額

医療費控除のもととなる医療費負担額は、「ご自身」と「ご自身と生計を一緒にしている家族」の合計額です。生計を一緒にしているという条件に、扶養内かどうかの制限はありません。
また、同居していない家族の分も医療費負担額に含めることができます。下記のような場合は生計が一緒であれば医療費控除の対象ですので、ぜひご確認ください。

  • 扶養外の妻の医療費を夫が負担した場合
  • 一人暮らしをしている大学生の子供の医療費を親が負担した場合
  • 離れて暮らしている親の医療費を子供が負担した場合

医療費控除の住民税還付の知識に強くなる

医療費控除の所得税還付金は銀行口座に一括で振り込まれるため、把握しやすい還付の方法といえます。一方、住民税還付金は住民税の減額という形で調整されるため、その金額や戻りの時期について把握されていない方も多いのではないでしょうか。
今回チェックしたポイントを参考に、医療費控除の住民税還付の仕組みに詳しくなりましょう。実際に還付される時期や金額を把握することで、その分を貯蓄や投資に回すことも可能ですし、より医療費控除のメリットを実感できるはずです。

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