「国民健康保険の値段」本当に平等?仕組みを知ることでわかること

「国民健康保険の値段」本当に平等?仕組みを知ることでわかること

家計の知恵 2018.08.14

高い気がする保険料

健康保険はなんらかの形で、必ず払わなければいけないものと誰もが理解しているのですが、請求金額を見ると高い気がしてならないときがあります。あまり稼げない年があったときの保険料は、かなり苦しいものになるでしょう。自分と比べて他の人たちや地域別で、保険料はどのくらい違うのでしょうか。
国民健康保険の基本をしっかりと学ぶことで、自分の支払う金額にも納得がいくことでしょう。さまざまな視点から実態をのぞきます。

国民健康保険の基本

そもそも健康保険とはどのような仕組みになっていて、どのような人が加入するのでしょうか。また、どこに納めているのかを把握すれば安心できることでしょう。

公的医療保険で社会保険の一種

社会保険にはさまざまな種類があります。国民健康保険以外に主にどのような保険があるのでしょうか。

  • 健康保険 被用者保険とも呼ばれ、会社に勤めている人が加入する公的な医療保険です。
  • 船員保険 家族の被扶養者にも適用され、働いているときに行方不明になったときや障がいが残ったとき、病気やケガなどの場合給付されます。また、出産したときも給付されます。
  • 退職者医療保険 長年勤めた会社を退職し、厚生年金などを受け取るときに国民健康保険の退職被保険者になります。
  • 後期高齢者医療制度 75歳(寝たきりの場合やなんらかの障がいがある65歳)以上の人のみ独立した医療制度で、診療費を一部負担してくれ、基本的に年金からの天引きとなります。

自営業や主婦などが加入

国民健康保険の加入条件は農家などの自営業や、なんらかの理由で会社を退職した人です。また、学生も国民健康保険になります。日本に来て1年以上働いている外国人の人も支払う義務が出てきますが、生活保護を受けている人や旅行で日本に来ている人は省かれます。

保険料の計算方法

国民健康保険は所得額と家族の人数で決まります。各市区町村で計算式は変わりますが東京都の北区を例に、簡単な計算式で国民健康保険料を算出してみましょう。所得割額とは前年の収入などから基礎控除330,000円を引き納めてもらう保険料のことです。均等割は年齢収入関係なく加入者均等に納めてもらう保険料です。
妻と子ども1人の、3人家族で今年住民税が200,000円の場合、東京都北区(最高限度額530,000円)の国民健康保険料の計算式はこのようになります。

  • 所得割額(1)+均等割額(2)=年間の国民健康保険料

(1)所得割額=今年の住民税の合計額×1.24
(2)均等割額=家族の人数×35,100円

  • 所得割額 200,000円×1.24=248,000円
  • 均等割額 3名×35,100円=105,300円

合計の年間353,300となるわけです。

運営は各市区町村が行っている

国民健康保険は各市区町村が行っていて、自分が住民登録しているところに支払うものです。国民という言葉がつくので国営かと思われますが、国は運営側ではなく、健全に運営をできるようにサポートする役割をしています。そのために国民健康保険料は都道府県の財政状況によって変わってくるのです。

国民健康保険料の実態

国民健康保険はさまざまなシーンで値段も変わってくるのが特徴です。どのくらい変わってくるのでしょうか。

保険料の平金額

年齢と年収によって保険料が変わってきて、29歳以下で年間約240,000円です。歳を取るにつれて年収とともに上がっていき、50代になる頃には約500,000円と保険料がピークになります。さらに歳を取るにつれて金額も低くなっているようです。

保険料が高い自治体

年収200?300万円で単身者の場合保険料の高い自治体は、1位が広島県広島市の平均325,335円で2位が兵庫県神戸市の305,497円でした。
年収が400万円以上となってくると、順位は同じで金額が広島が平均636,735円で、兵庫が593,697円と高額な保険料になっています。また、群馬や栃木などは比較的低く200,000円、東京はさらに低い180,000円前後になっています。この差は自治体の財政状況によって、このような差が出てきてしまうようです。

保険料の比較は難しい

地域ごとで医療費の出費が違ったり、地域差が大きく世帯人数によっても変わってくるため、保険料の比較は難しいことがわかります。とくに高齢者が多く医療費がかなりかかってくる自治体は、物価とは関係がなく保険料が高くなってしまい、過疎化が進んでいる村などは厳しくなったしまうのです。

上限がある

国民健康保険の上限は地域によって設定されていますが、世帯所得や加入者の人数、40?64歳までの人数で決まってきます。とくに40?64歳までの人の加入者が多ければ多いほど、平均の保険料は高くなってくるのです。平成30年の国民健康保険年間の上限、東京の場合は930,000円となっています。

保険料が高い理由

そもそもなぜこんなにも保険料が高くなってしまうのでしょうか。会社をなんらかの理由でやめてしまい、収入がない状態で普段の生活も苦しくなりかねません。

加入者の所得が低い場合が多い

国民健康保険は前年の収入によって決まってくるため、無職の人や年金受給者、学生などは保険料が安くなります。そのため中所得層以上の人の負担が大きくなってしまうのです。国民健康保険加入者の平均年収が160万円とかなり低めの人が多いようです。年収が250万円の一般では低所得といわれている人でも、保険料をカバーする側になってしまいます。

健康保険との制度の違い

もう一つ国民健康保険が高いといわれている理由は、会社に勤めている人は会社側が保険料を折半してくれます。しかし、個人事業主など自営業の人は国民健康保険は全額負担しなくてはいけないのです。その差はかなり大きいものとなってしまうのです。
高所得者は保険の上限が決まっているため、たとえ年収1,000万円や2,000万円でも保険料は変わりません。そのため、高所得は一番国民健康保険が安いということになってしまうのです。

仕組みを理解し支払いをしよう

健康保険は強制加入によって、誰でも平等に医療を受けられるということを基本としています。所得に応じてそれぞれが保険料を負担することでメリットを得られます。たとえ自分がまだ若く病院とは縁がなくても、健康保険は負担しなくてはいけません。
いずれ自分が年金生活をするようになり、病院などに行くことが増えてしまう可能性もあります。そのときは仕事をしている人たちが、多く保険料をカバーしてくれているということになるのです。こういう国民健康保険の仕組みを理解することで、今現在支払っている保険料も納得できることでしょう。

この記事のライター UKANO 編集部

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