栄養士の年収は低いのか高いのか。経験や資格を活かした働き方とは

栄養士の年収は低いのか高いのか。経験や資格を活かした働き方とは

ビジネス 2018.05.31

栄養士の年収が低いのはホント?

一般的に栄養士の年収は低いといわれています。しかし、栄養士の仕事をどんな企業や場所で働くのかにもよって違ってきます。そして国家資格である栄養士の資格があれば、資格を活かした仕事に就くことができ、安定するイメージがあります。
ではなぜ、栄養士の年収が低いといわれているのでしょうか。栄養士の年収についての状況やデータなどの詳細を知り、栄養士として働く際に、少しでも収入が増える方法などについて知ってみましょう。

栄養士の平均年収ランキング

栄養士の平均年収は実際のところどのくらいのものなのでしょうか。栄養士の平均年収と、業種別や地域別で見る年収についてみてみましょう。

栄養士の平均年収

栄養士の平均年収は、賃金構造基本統計調査によると、345万円といわれており、平均年収幅で見ると280~410万円ほどといわれています。高収入が望める仕事ではありませんが、栄養士だけでなく栄養管理士の資格があれば年収500万円以上もらえる大手企業で働くことで、年収が上がる可能性もあるのです。
栄養士の月収で見ると、平均月収は21~28万円ほどで、これは業種や地域によっても変わってきます。初任給においては、16~20万円が相場となっています。公務員などであれば、昇給が定額で決められているので、勤務年数が多くなれば少しは年収が増えていきます。
しかし、民間企業の場合は企業によっては昇給額が少ない場合もあるので、勤務年数が経っても中々年収が増えないという場合もあります。

業種別の平均年収ランキング

栄養士の資格を活かして働く場合、さまざまな職場があります。働く業種別でも給与が違うので、栄養士として働く場合は、職場選びも重要なポイントとなります。専門性のある病院や、食品メーカーなどの研究や開発の仕事は収入が高いといわれています。

  • 病院:350万円
  • 給食センター:340万円
  • 食品メーカー:360万円

地域別の平均年収ランキング

地域別でも栄養士の年収は違ってきます。やはり都市部の方が高く、地方の小規模な県では低めな傾向となっています。厚労省が出した賃金構造基本統計調査による都道府県の平均給与比率から、各都道府県の栄養士の平均年収を算出したものが以下となります。

  • 宮城県:402万円
  • 東京都:399万円
  • 千葉県:389万円
  • 神奈川県:378万円
  • 岐阜県:368万円

調査人数によっても多少違いはありますが、一番低い佐賀県で276万円という結果となっています。上位と比べて開きがあるのがわかります。

管理栄養士の平均年収

栄養士と管理栄養士の違いは、できる仕事の幅に違いがあることです。栄養士と管理栄養士の仕事の内容の違いや、それに対する給料の違いなどについて知ってみましょう。

管理栄養士とは

管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、高齢者や病気の人などに専門的な知識を使って、栄養管理を行う仕事となります。管理栄養士ができる仕事は、医療系施設である病院や老人保険施設などで働くことができます。これらは、栄養管理士の資格が必要となるからです。
そして、管理栄養士となると栄養食事指導ができるようになります。栄養士でもできますが、診療報酬がでない点に違いがあります。管理栄養士の資格を持てば、栄養士ではできない仕事や業務に携われることができるのがメリットといえるでしょう。

管理栄養士の平均年収

管理栄養士の給与ですが、地域や職場によっても変わりますが、月収にして18万~23万といわれています。基本的には栄養士と大きく変わりませんが、働く職場が医療関係であったり公務員であれば、手当てや昇給などにより差がでるようになります。
公務員となった場合は、給与が安定し昇給も定額で決まっているので、一般企業に比べて年収も高めになりやすいといえます。栄養管理士手当が出る場合、もし仮に栄養管理士手当が1万円だったとしたら、栄養士と比べて年間で12万円もの差が出ることになります。

管理栄養士として働く職場

管理栄養士の主な活躍の場は、大学病院・総合病院や福祉施設、小・中学校、食品開発・研究、スポーツ、給食会社などがあります。幅広い場所で働くことができますが、職場によって給与や待遇が違います。どんな職場で栄養士の仕事をするかで、働き方や待遇が変わってきます。
栄養管理の仕事として、NST(栄養サポートチーム)の中心になり働くこともできます。栄養学面から患者さんの病気を治すために、医師・看護師・言語聴覚士・薬剤師と一緒に連携した形で治療にあたっていきます。より栄養学以外に、さまざまな知識が必要となるやりがいある仕事だといえます。

栄養士が働く企業の現状

栄養士が実際働く企業の現状は、どのような状況なのでしょうか。民間企業で働く栄養士の役割や、年収などについて、シダックス・日清医療食品の2つの企業の事情をみていきましょう。

シダックスの栄養士の年収

シダックスフードサービスが行っているのは、オフィスや学校などの給食受託運営、そして入院患者を対象にした給食や、病院内職員の食堂の受託運営、保育園・幼稚園・老人保護施設などの給食の受託運営などです。シダックスの企業理念は、マザーフードであり、母親の真心を込めてお客様にお届けすることです。
そんなシダックスでは、栄養士の求人があり、全国さまざまなエリアで活躍する栄養士がたくさんいます。病院内の厨房や、幼稚園の給食での栄養士としての仕事、老人保護施設での栄養士業務などがあり、病院の求人が多く見られます。
アルバイトやパートの募集もありますが、中には契約社員や正社員の募集も見られます。シダックスの栄養士の仕事の待遇には、管理栄養士手当別途支給がある求人もあり、栄養士の資格があれば未経験からはじめることができる求人もあるのです。
年収に関しては、案件ごとにバラバラですが、病院業務で正社員の場合の目安が16万円~26万円ほどで記載されています。アルバイトやパートの時給は、1,000~1,500位と一般のアルバイト時給よりも高い設定だといえます。シダックスには、栄養士会があり人材の育成や質の向上を目指した活動も行っています。

日清医療食品の栄養士の年収

日清医療食品は、ワタキューセイモアの子会社であり、病院などの施設や福祉・介護施設の食事サービスの提供を行う企業です。これらの業界の中でもトップシェアを誇る有名企業で、栄養士として働くことができる企業です。
老人保護施設や病院などへの業務委託をしており、施設内の献立作成や発注業務、在庫管理や、厨房業務などをこなす仕事となります。高齢者を扱う老人保護施設や、病院などでは糖尿病食の栄養管理なども仕事となる場合があります。
年収の一例では、短大新卒3年目でチーフの役職で350万円、昇給に関しては年3,000円ほどといわれています。これは、残業代も含まれるので多少の違いはあるものの、栄養士として一般企業で働くと考えると、よい待遇だといえるでしょう。

栄養士の資格で収入を増やすには

栄養士の資格を活かして収入を少しでも増やすことができたら、更にやりがいを感じられることになります。企業などで働く以外の方法や、手当てなどが入るように勉強するなど色々な方法があります。栄養士の資格を活かして収入を増やす方法について詳しくみてみましょう。

スキルを高めて管理栄養士を目指す

栄養士の資格だけより、管理栄養士の資格を取得することで、管理栄養士の手当てをもらうことができたり、スキルアップによって転職することができたりします。管理栄養士の資格を持つことで、できる仕事が増え、キャリアアップ転職につなげられる可能性もあります。
管理栄養士は栄養士に比べると高めの給料となる職場もあるので、管理栄養士の資格を取ることも収入アップの手段だといえます。栄養士の資格を持ち、栄養士としての実務経験1~3年を経て、国家試験を受験することができます。仕事をしながらでも、独学で管理栄養士を目指す人もいます。

フリーランスの栄養士になる

栄養士の方の中には、フリーランスとなって活躍している人もいます。栄養士の資格を活かし、自分がやりたいことをはじめる在宅栄養士という人もいます。自分で仕事を探し、さまざまな仕事をすることで自分のスキルを磨くことができます。
フリーランスで栄養士の仕事をする場合は、栄養士会や全国地域活動栄養士協議会の会員になると最新情報を入手することができるので便利です。仕事を確保するには、医療関係や保健センター、市役所などに問い合わせるとよいでしょう。
色々な仕事ができるので、さまざまなネットワークが広がり、新たなチャンスに恵まれる可能性もあります。時間に融通がきくこともメリットとなるので、多くの仕事を得ることができれば収入面でも期待ができるでしょう。

料理教室の講師

栄養士の資格を活かして、料理教室の講師を目指すのもよいでしょう。料理学校の講師として授業を受け持つ仕事は、栄養士で働いた知識を活かし生徒へレシピだけではなく、栄養面や健康面などについてのアドバイスもできるので、需要があるといえるでしょう。
栄養士が独立して開業する場合もありますが、栄養士としての仕事ではまだまだ少ないのが現状です。しかし、自分のお店を持ったり、料理教室を持つというようなスタイルであれば可能でしょう。経験を活かして、別の形ではじめるのであれば開業なども収入アップとなる可能性があるといえます。

自分に合った職場を見つけて栄養士の資格を活かそう

栄養士の資格を活かして転職を考えている人や、栄養士の資格はあっても結婚や子育てでブランクが空いてしまった人は、自分に合ったスタイルの職場を見つけて、スキルアップやキャリアアップを目指してみるのもよいでしょう。
食という観点から人助けができる魅力的な仕事は、多くの需要が求められています。年収など待遇面などが高い職種ではありませんが、職場の選び方によっては変わってきます。自分が好きな仕事だと感じているならば、やりがいのある栄養士の仕事を再度考えてみるのもよいでしょう。

この記事のライター UKANO 編集部

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