【医療事務のレセプト業務】仕事内容や必要スキルを知っておこう

May, 31, 2018

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レセプト業務に必要な知識とは

医療機関の支払い窓口での業務は、医療事務の資格を持っていると有利に採用されます。
とくに、医療事務で大切な業務としてレセプト業務があります。

レセプト業務の大まかなことを知ると、医療事務の仕事内容が理解できるでしょう。
医療事務の資格はまだ国家資格はなく種類も多いため、この記事では特にレセプト業務に必要な資格をみていきましょう。

レセプト業務の仕事内容とレセプトの流れ

医療事務の中で一番ウエートを占める業務がレセプト業務です。
レセプト業務は医療機関への支払いに関する業務なので非常に大切な業務です。
レセプト業務の一連の仕事内容を順を追って解説していきます。

レセプト業務で行う患者ごとの診療行為をまとめ点数を計算する

医療機関を受診すると受付で毎月保険証を見せて診療費や薬代を支払います。
ほとんどの人は一般に3割負担で残りの7割は医療機関からレセプトで請求します。
医療機関から保険者の代理機関に医療費を請求する業務のことを、レセプト業務(診療報酬請求業務)といいます。

レセプトは「診療報酬点数表」を利用しながら、患者ごとの診療行為をまとめて点数を計算します。
診療報酬点数は医科診療と歯科診療、調剤行為の3種類にわかれています。

レセプトの作成方法

レセプトは患者の1カ月分の診療報酬の点数を計算してまとめたものが診療報酬明細書、つまりレセプトで審査支払い機関に提出します。

レセプトを手書きで作成して配送業者を通じて提出する方法

レセプトを手書きで作成する作業は一番手間がいる仕事です。
小さな病院や歯科医院では、手書きでレセプト作業を行っています。
ただ、手書きだと計算ミスをする場合や点数の見間違いをすることがあるのでレセプト請求が戻ってくることが多いようです。

レセコン(レセプトコンピューター)で作成後、プリントアウトして提出

レセプトコンピューターとは、レセプトを作るためのコンピューターのことで、医療事務コンピュータとか医事コンピュータともよばれています。

レセコンだと複雑な計算をコンピュータが自動的に行うため、かなり手間が省けるようになりました。
レセコンで作成したレセプトをプリントアウトして提出するため、個人情報が漏れることはほぼありません。

レセコンで作成して、そのデータを記憶媒体で提出する方法

レセコンでレセプトを作成し、それをフレキシブルディスク(FD)や光ディスク(MO)、光ディスク(CD-R)に記憶させて提出する方法です。

現在はFDやMOの販売がなくなっているので、CD-Rでの提出に切り替えることをすすめられています。
この業務もオンラインのような個人情報が洩れるリスクはありません。

レセコンで作成して、そのデータをオンラインで送信して提出する方法

大きな病院や調剤薬局ではオンラインでデーターを管理しています。
オンラインで送信するので手間がいらないレセプト業務で35%ほどの病院が利用しています。

オンラインシステムを利用するには、個人情報の漏えいを防ぐために、オンライン請求用のパソコンを別に準備することをすすめられています。

レセプト作成後の流れ

レセプトを作成した後、提出前にレセプトを点検することが必要です。
レセプトに入力ミスがないか、加算をとっているか等の確認をします。
レセプト点検ソフトもありますが、診療内容と病名が不一致の場合など、ソフトでは点検できない所もあるので、人の目での確認が必要です。

提出したレセプトは審査支払機関で厳正にチェックされます。
提出先の審査支払機関は社会保険診療報酬支払基金と国民保険団体連合会の2つです。
審査支払機関でレセプトを審査してOKの場合は1か月分のレセプトを各保険者に送ります。

さらに各保険者が再チェックして審査支払機関に診療報酬の支払いを行い、審査支払機関が各医療機関に支払いを行うという二重のチェック体制をとっています。

提出したレセプトに不備があった場合

提出したレセプトに不備があった場合は、審査支払機関から「請求漏れ」、「返戻」、「減点」の処置がとられます。
「請求漏れ」とはレセプトへの記載事項を忘れてしまうことです。
「請求漏れ」があると、請求していないということになり診療した報酬分がでません。

また、「返戻」では医療機関にレセプトが差し戻されます。
つまり、支払機関や審査委員会が請求内容のレセプトがおかしいと判断したときに取られる措置です。
「返戻」のときは書類の不備を修正して再提出することになり、二重の手間がいります。

「減点」では請求額が減額されるので少ない請求金額しか診療報酬として支払われません。
検査によっては月の回数が決められていて、それ以上の検査をしても請求ができません。
請求すると、返戻や減点の対象となります。

レセプト業務で忙しい時期

審査支払機関レセプトの提出は翌月の10日までです。
そのため、月末から10日にかけては医療事務の仕事が一番忙しい時期です。
この時期だけ、病院ではパート職員を入れて対応したり残業をしたりして仕事をこなしています。

病院への診療報酬で雇っている事務員、看護士などの給料や数々の医療用品、備品などをそろえるので、レセプト業務はとても大切な業務です。

レセプト業務で必要なスキルと資格

最も認知度が高い診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務に従事する人が、より高い資質をつけるために、公益社団法人日本医療保険事務協会が実施している試験です。
医療事務の資格として最も認知度が高く、レセプト業務(診療報酬明細書)に特化した資格です。
合格率は30%ほどで、医療事務の中では最難関と言われる試験です。

受験科目は医科と歯科に分かれていて、学科試験と実技試験が行われます。
試験日は7月と12月の2回で日曜日か祝日に行われます。
学科試験と実技試験があり試験時間は3時間、受験料は7,500円です。

最大規模の資格である医療事務技能審査試験

日本医療教育財団の医療事務関係で最大規模の資格です。
医療事務職に従事する人の能力の向上と地位向上のためにうける技能検査です。
合格すると医科と歯科で「メディカルクラーク」を名乗ることができます。

試験は毎月行われ、実技Ⅰが患者接遇で記述式2問で50分、学科が択一式25問で60分、実技Ⅱが診療請求事務と診療請求明細書点検4問で70分で3科目の試験が行われます。

受験料は医科、歯科ともに7,500円です。
3科目のうち、得点率が70%に達した科目は6か月間に限り免除されます。
3科目全て70%以上合格した者が合格です。
レセプト点検の試験もあるので、しっかりした技能が見につきます。
毎月行われるので短期間で取得できることも魅力で、比較的難易度は低いようです。

歴史の深い医療事務管理士技能認定試験

歴史の深い医療事務の認定試験で、合格すると「医療事務管理士」を名乗ることができます。
医療事務管理士技能認定試験は、JSMAが行っている試験で、インターネット受験と会場受験が行われています。

インターネット受験は受験後すぐに結果がわかり、翌月には資格が得られます。
試験時間は択一問題の学科と外来レセプト作成、入院レセプト作成の実技の両方で3時間です。

会場試験は奇数月に行われ、実技試験がレセプト点検問題1問とレセプト作成問題2問で午前中の3時間、学科試験がマークシート択一式10問で午後1時間です。

受験料は7,500円で、申し込みはインターネットやコンビニエンスストア、申込書送付の3通りから可能です。

その他の医療事務資格

他にも将来レセプト業務を行えるようになりたい人には、全国医療福祉教育協会の医療事務実務能力認定試験や比較的難易度が低いTAC医療事務技能認定試験もあります。

手書きでレセプトを書けるようになっておく必要があります。
技能認定振興協会の医療事務管理士はレセプト点検の試験があるため、正しいレセプト知識をつけておくためにふさわしい試験といえます。

技能認定協会のホスピタルコンシェルジュは日常の受付や会計での接遇力を問う試験です。
日本医療事務協会の医療事務検定認定も難易度が低めの試験で受けやすい資格です。

レセプト業務は医療事務の中で重要な業務

医療事務の中で、レセプト業務は診療報酬を病院が得るために重要な業務です。
レセプト作成はレセコンや手書きで作成したものをオンラインや郵送で審査支払機関に送り、OKだったレセプト請求の報酬が各医療機関に支払われます。

レセプトを送る前の点検をきちっとしておかないと請求漏れや返戻、減点という措置を取られかねません。
レセプト業務の質を高めるための医療事務資格もたくさんあるので、医療事務資格を取りたい人やスキルアップしたい人はどんな資格があるかをチェックしておきましょう。

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