相続税の対策ってどんなことができる?意外と高額な相続税対策

相続税の対策ってどんなことができる?意外と高額な相続税対策

ビジネス 2018.05.31

相続税は思った以上に高額

2015年に行われた相続税の増税により、相続税の対象者が増えることになりました。これにより相続税の対策をしたいけど、どういうことをしたら良いのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。意外と高額になってしまう相続税ですから、できるだけ節税したいものです。ここではそんな方向けに、相続税の節税対策をいくつかみていきましょう。

贈与を活用した節税対策

相続をしたり、受ける側である場合の節税の対策方法にはさまざまなものがあります。ここでは贈与に関しての制度や法律を活用しての節税について解説していきます。

暦年贈与の仕組みを利用する

節税対策には贈与を活用する方法があります。暦年贈与を利用すれば、贈与税がかからずかつ相続税の節税対策が可能です。贈与税とは贈与した額に応じて税率がかかり、金額が大きくなればなるほどその税率も高くなります。しかし、贈与する金額が小さければ税金がかかりません。
そこを利用し毎年税金のかからない110万円未満の贈与を行うことで、贈与税がかからずに生前贈与をすることができます。これによる相続する財産を減らして節税が可能になります。1月1日~12月31日までの1年間で計算され、110万円を超えた場合には課税されます。

相続時精算課税制度を利用する

暦年贈与を利用する場合は長い期間で計画的に行う必要があります。それが難しい場合には相続時精算課税制度を利用しましょう。この制度を利用した場合、受贈者一人あたり2,500万円まで非課税になります。2,500万円を超えた部分に関しては一律で税率が20%となるため、累進課税である暦年贈与と比べて金額が大きくなったときに納税額が少ないです。
こちらの制度で生前贈与し、相続発生時までに運用して得た利益には贈与税や相続税はかかりません。しかし、相続時精算課税制度には受贈者も贈与者も要件を満たすことが必要です。さらに、制度を利用した以降には暦年贈与を利用できず、すべてが相続時精算課税制度による贈与とみなされます。

贈与税の配偶者控除で財産を分割する

ほかにも贈与税の配偶者控除を利用する方法があります。贈与税には配偶者控除というものが設けられていて、条件さえ満たせば適用することが可能です。婚姻後20年以上経過、居住用不動産またはそれを購入するための贈与である、翌年3月15日以降も住む見込みである、過去にこの控除を受けていないなどが要件となります。
要件さえ満たしていれば、贈与税に控除と同時に最大2,000万円の控除を受けることが可能です。これを利用して、不動産をあらかじめ贈与しておけば相続時の節税につながります。ただし、贈与額が0円だとしても贈与税の申告書を提出しなければなりませんのでご注意ください。

結婚子育て資金贈与で控除を受ける

結婚子育て資金贈与で控除が受けられる場合もあります。贈与者が父や母・祖父母などの直系尊属で、受贈者が20歳以上50歳未満であること、2015年4月1日~2019年3月31日までに行われた贈与であること、金融機関を経由して申告・その他手続きを行い専用口座にて贈与を行うことなどが要件です。
こちらの制度を利用すると最大1,000万円の控除が受けられます。ただし、この制度は50歳の誕生日を迎えると効力を失います。50歳の誕生日を迎えた時点で贈与された金額が残っている、あるいは50歳を迎える前に贈与者である父母・祖父母が亡くなってしまった場合、その残額に対して相続税が課税されることになるので注意が必要です。

住宅取得資金贈与で控除を受ける

最大3000万円の控除が可能な住宅取得資金贈与。こちらの制度は直系尊属からの居住用家屋のための資金贈与であるならば利用することができます。2019年6月31日までの贈与であり、受贈者が国内に住所を持つ所得2000万以内で二十歳を超えてることも要件です。
新築の場合は日本国内にあり、床面積が50~240平方メートルでその半分以上が居住用であることも要件となります。控除額は住宅の種類や贈与の期間で異なるので、控除を受ける場合は住宅取得資金贈与について調べてみると良いでしょう。

教育資金贈与で控除を受ける

父母や祖父母などの直系尊属から教育資金を贈与する場合も最大で1500万円の控除が受けられる可能性があります。受贈者が30歳未満であり、2013年4月1日から2019年3月31日までの贈与、金融機関を経由して申告・その他手続きを行い専用口座を設けて贈与を行うことなどが要件です。
入学金や授業料など、教育に関わる資金であれば1500万円までの控除ができます。通学時の定期券や、留学のための渡航費なども控除対象です。ただし、学校等以外に支払うものであれば500万円までが限度とされています。

不動産に関する節税対策

もし相続するものの中に、不動産の資産がある場合はどのように節税をしていけばよいのでしょうか。ここでは、利用できる制度や不動産の運用方法などについてみていきます。

正確な土地評価で余分な税金をカットする

相続税に関する節税対策で、不動産関連の節税はとても効果的です。相続税では土地の価値を決めるときに路線価方式という形で評価を行います。これは毎年7月1日に公表され、その路線価に応じた評価から土地の価値が算出されるのです。
この路線価方式なのですが、実際の状況を鑑みて土地の評価額が変わることがあります。路線価ではこう評価されているけれど、土地の形状が歪であったり陽が入らないなどの考慮すべき事情があるからということで減額されることも。
この減額は考慮すべき事由によって補正率が定められています。土地は価値が高く補正率によってはかなりの金額になることもありますから、心当たりがある場合は専門家に相談してみると良いでしょう。

小規模宅地等の特例を活用する

小規模宅地等の特例という、利用さえできれば非常に多額の節税につながる制度もあります。通常では土地を相続するときに多額の相続税がかかりますが、要件を満たせれば最大で80%も減額できる場合も。小規模宅地とは、被相続人が所有していた自宅の土地や事業に使用していた土地のことです。この特例は相続人の今後の生活のための特例で、評価額の高い宅地ほど節税効果が高くなります。

賃貸物件を建てる

相続した財産にもしも更地がある場合は賃貸物件を建てる、という手段を取ることも可能です。建物を建てることで小規模宅地等特例が適用できることもありますし、その建物を賃貸にすることで土地の評価額も下がります。賃貸になるとその土地は貸家建付地となり評価の方法が変わり、実質20%ほど土地の評価額が変わることに。
土地の評価額が下がれば当然それにかかる相続税も安くなります。もちろん建物を建てるには相応のコストがかかりますから、節税のためとはいってもいろいろと考えなければなりません。もし検討する場合は専門家に相談することをおすすめします。

空き家を賃貸にする

先ほどは更地の場合に新たに建物を建てる話でしたが、今度はすでに建物があり空き家となっている場合の話です。当然相続するときに建物があればその分も課税対象ですから、節税する対策が欲しいところ。その対策としては更地のときと同様に、空き家を賃貸にするという方法があります。
もし空き家のままですと、当然そのまま建物の評価額は変わりませんが、賃貸になると評価額が30%ほど下がることに。評価額が下がればそれにかかる相続税も安くなりますね。もしも空き家があるなら、こういった方法もあるということを覚えておくと良いでしょう。

多額の現金は不動産にする

相続するときに多額の現金が残っている場合、そっくりそのまま課税対象となってしまいます。もし多額の現金が残っていて節税を考えているなら不動産を購入して賃貸経営することを検討すると良いでしょう。現金をそのままにするより賃貸として不動産を購入しておけば、土地の評価額や建物の評価額の分だけ納税額が下がります。多額の現金がある場合には節税の仕方として頭に入れておきましょう。

その他の節税対策

節税の対策方法の中では、その他に生命保険を利用したり養子縁組という形での方法もあります。ここではその具体例を挙げていきます。

養子縁組で法定相続人の数を増やす

ほかの節税対策としてあげられるものに、養子縁組で法定相続人の数を増やすという方法があります。養子縁組によって法定相続人を増やすことができれば、一人あたり600万円の基礎控除額が増えるのです。一人あたりですから、2人増えれば1,200万円基礎控除額が増えることになります。
養子縁組で法定相続人になれる人は限られていて、15歳以上の孫や姪などが養子縁組をすることで相続する権利が得られます。

生命保険を利用する

生命保険を利用することで節税をすることも可能です。被相続人が保険に加入し、受取人に相続人を設定しておけば500万円までは課税対象外となります。これも一人あたり500万円ですので、受け取る相続人が多ければ多いほど節税することができます。
このとき、保険加入者である被相続人が保険料を負担しない場合は所得税、住民税がかかる場合があるので注意しましょう。

困ったときは専門家に相談しよう

いろいろな節税対策をご紹介しましたが、どうしてもケースバイケースなところがあるのが節税対策です。それゆえにどうしたら良いのかわからず、悩むこともしばしばあります。そんなときは悩んでいても仕方ありませんから、信頼できる専門家の方に一度相談してみるのが一番。あなたにとってのベストを見つけてくれるはずです。

この記事のライター UKANO 編集部

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