【無期転換ルール5年】契約社員に及ぼす影響と仕組みを理解する

May, 08, 2018

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無期転換ルールについて理解しよう

最近、「無期転換ルール」という言葉をよく耳にしますが、なぜでしょうか。
2013年4月1日に改正労働契約法が施行され、有期雇用契約で就業している人にとって、2018年4月以降、ようやくこの改正労働契約法を行使することができる条件が整うケースがあるためです。

契約社員やアルバイト、パートなど名称はさまざまですが、有期雇用契約で働いている人たち全員がこの法改正による無期転換ルールを活用できるケースが生じます。

ただし、この無期転換ルールを活用したいと思っている場合でも、条件が決められていることを知っておくのと知らないのとでは、自分のライフプランを形成するうえで大きな違いが生じます。
この無期転換ルールについてどういう制度なのか調べてみましょう。

無期転換ルールとは

2013年4月1に日改正労働契約法が施行され5年間経過、2018年4月からようやく無期転換ルールが行使できる状況になりました。

無期転換ルールとは、契約社員やパート、アルバイトなども契約更新を繰りかえし、5年間継続して同じ事業主のもとで勤務した場合、初めてこのルールが適応可能となり、これを利用してすると無期雇用契約に転換できるようになるのです。

有期雇用契約者が雇止めの心配をしないで安心して働くことができる環境を整えることを目的にこの制度が施行されています。
自分の場合はいつ無期転換ルールの活用ができるのか調べておきましょう。

5年以上働くと無期転換ルールを希望できる

この制度は2013年4月1日以降から5年以上継続して同じ事業主と有期雇用契約を締結して就業している場合、5年を超えた次の契約期間の間に無期雇用契約(定年までの雇用契約)を希望する旨を、企業に申し出ることができる制度です。

ここで注意したいのは、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員に関わらず、同一企業と継続して有期雇用契約をしているときに限られます。
そして、無期雇用契約を申し出た場合に企業は、原則拒否できないことになっていますので、基本的に申し出を行うと無期雇用契約に転換となります。

契約社員が正社員になるわけではない

現在、契約社員で就業している方は、この無期雇用契約ルールが適用されますので、2013年4月1日以降の契約からカウントがされることになります。

引き続き2018年4月1日以降の契約で就業中に無期雇用契約の希望を申し出た場合、企業は特別な理由がない限り原則、期限のない契約社員として雇用することになります。

この際に、間違えてはいけないことが、正社員になることではないという点です。
改正雇用契約法では、有期雇用から無期雇用の変更は拒むことができない旨を定めていますが、無期雇用時の労働条件については各企業が自由に決められるようになっています。

2013年3月31日以前は契約期間に含まれない

2013年4月に施行した改正労働契約法の無期転換ルールには、施行前の契約を遡って、有期雇用期間に含まれないことを注意しないといけません。
あくまでも、施行日である2013年4月から同じ企業と5年間契約を継続している人が対象となります。

ただし、継続するという点においては、必ず契約期間が切れること無く継続している必要はありません。
その場合には契約期間が継続しているとみなすケースとみなされないケースがあるので確認する必要があります。

5年を超える契約期間の前日までに伝える

無期転換ルールでは、改正労働契約法上、5年を超えた有期労働契約の間であればいつでも申し出することができることになっています。

ただし、無期雇用契約をするにあたり、待遇がどうなるのかなど、さまざまな就業条件について事前に確認をすることが重要です。

いきなり、上司に無期転換希望と申し出ても法令上は問題がないとはいえ、今後の自分の職種や就業環境、就業内容においても企業側の準備も考慮しておきましょう。

5年を超える労働契約を締結する際には、企業側に無期転換希望を伝えておく方がスムーズに転換することができると考えられますので事前に申し出をしておく方がよいでしょう。

途中契約解除していた期間がある場合

無期転換ルールを希望するときに、2013年4月から同じ企業で複数回の雇用契約をしていても、5年間の途中で契約解除している期間がある場合はどうなるのか確認しておきましょう。

5年間のうち、労働契約をしていない期間が連続して6カ月以上あればリセットされるので、注意が必要です。
これをクーリングといいます。

クーリングに該当しない場合は、労働契約を解除している期間が6カ月未満の場合は、クーリングに該当せず、解除直近の契約から継続できるので、2013年4月以降の契約は通算されることになります。

産休や育休期間はリセットされない

2013年4月以降、契約社員、アルバイト、パートなどの有期雇用契約の際にも産休や育児休暇を取得した期間については、労働契約は解除している状態ではなく、クーリングに該当しないことになります。
間違いのないように覚えておきましょう。

無期契約社員のメリット

2013年4月以降の雇用契約について、一番早くても2018年4月以降から無期転換ルールを希望する場合がありえる状況になっています。

企業側にもその申し出を原則拒むことができないことから、希望者の待遇や有期雇用契約社員と無期雇用契約社員、正社員それぞれの仕事の振り分けなど多くの面で仕組み作りが求められています。

自分の所属する企業が無期雇用契約社員の待遇及び仕事の内容がどうなるのか、または正社員に転換するルールを設けているのか、などをしっかりと理解する必要があります。

そのうえで、無期転換ルールを活用して無期雇用で同じ企業で働き続けることが、個人によってはメリット、デメリットがあることになりますのでその点をじっくりと考えてから希望を申し出ることが大切です。

契約更新の不安がなくなる

同じ企業で5年間就業していると、さまざまな業務の流れや関連性について知識を得てくる時期でもあるのではないでしょうか。
無期転換ルールを希望している場合は、無期限で就業規則のもと、定年退職までは無期限で働けるようになり、ライフプランが立てやすくなることがメリットになります。

責任の重い仕事は任されない

無期転換ルールを活用して無期雇用になったとしても、必ずしも正社員になるとは限りません。
長中期で事業計画を立てている会社であれば人事計画に基づいて正社員を確保している場合がほとんどです。

既に正社員で働く人材の人材育成計画なども含めて正社員を中心に業務の割り振り、将来の昇進の計画なども準備されている場合がほとんどでしょう。
企業にとっては、契約社員やアルバイトと呼ばれる人材は多忙事業の短期的な導入人材であり便利な存在であったのです。

無期転換になることで企業側は中長期人事計画にも大きく影響を及ぼすことになります。
人件費に多少なりとも計画と違う部分が生じます。
この制度運用が将来において安定してきた場合には、中長期計画にある程度の幅を持たせていくことができます。

しかし運用が始まって間もないので、無期転換ルールから無期契約社員になった場合、企業側にとっては、あくまでも契約社員であり、正社員とは違う待遇や規程で雇用していくことが考えられます。

正社員の場合は責任の重いポジションで業務を任されると、なかなか自分の思い通りの勤務時間で就業していくのは難しい状況になってしまいます。
無期転換ルールを適応した場合は、あくまでも契約社員なので、責任者などになっていなければ、ある程度の融通はつけやすい場合が多いのです。

自分のスキルアップしたい分野の学びの時間を取りやすい点や、家庭環境によりますが、無理なく従来のライフプランを変えることなく勤務を続けることができる点がメリットの一つです。
いずれにしても、無期転換ルールを希望した契約社員をどういう待遇で雇用するのか企業によって違うので、よく確認してみましょう。

二重契約ができる

現在の日本では、人生100年という政府指導のもと、一つの企業で終身雇用という形態以外の働き方も珍しくなくなっています。
同じ企業で長時間働くことが美徳と言われていた時代は終わり、いかに効率よく短時間でクオリティの高い仕事をするかという取り組みが企業でも考えられています。

現代では兼業に対する考え方も大きく変わりつつあります。
正社員では、就業規則により、副業をすることを禁じている場合がまだまだ多いのではないでしょうか。

これは、終身雇用を約束する代わりに所属している企業に専属し能力をその企業で十二分に発揮してほしいという考え方が発端。
一方で、契約社員やパート、アルバイトで勤務している場合は兼業の禁止は特にないので、副業をすることも可能です。
または違う企業とも契約できるので収入元の分散化もできる点がメリットといえるでしょう。

無期契約社員のデメリット

2018年4月以降に無期契約社員となり、雇用契約の打ち切りの心配はなくなって安心感を得られる一方で、今までのライフプランの見直しを迫られることも考えておく必要があります。
自分のライフプランに合わないなどの無期契約社員のデメリットについて考えてみましょう。

5年を超える前に雇止めになる可能性がある

無期転換ルールは中長期計画を立てている企業にとって、思わぬ人事計画の変更を迫られる事態であるといえます。
契約社員と同年代の正社員も計画的な採用により確保できている場合では、若手の契約社員を採用し続けて業務の正社員の補佐的な役割を考えているケースが多いかもしれません。

人件費は年齢が上がるにつれてどんどん増えていくことになり、これは企業にとって避けたい状況ではないでしょうか。
そうなると、企業は5年を超えて契約社員を抱え、いつ無期転換の申し出を受けるか分からないのは、計画を立てる上で非常に困る状況でしょう。

そこで、契約社員などの有期雇用契約者は5年を超える前に、契約終了する可能性が高くなることが考えられます。
今後、新たに契約社員として企業と労働契約する際には、5年を超えて働くことができないかもしれないという心配がでてきます。

給料や待遇が上がるとは限らない

2018年4月以降に有期雇用契約が継続して5年を超える契約社員やアルバイト、パートの方は、無期転換ルールを希望してしまうと企業が拒めないため無期雇用契約にはなりますが、その際注意しておく点は、給料及び待遇がどうなるのかを事前に確認しておくことが重要です。

今までの契約どおりで唯一雇用期限のみを変更している場合もあり得るのです。
申し出の前に無期雇用契約社員の就業規則があれば確認しておくべきでしょう。

退職金がない

無期転換ルールによって無期雇用契約社員となったとしても、待遇または給料などの面が変わらず雇用される場合は、従来締結していた雇用契約の待遇がそのままで勤務することになります。

退職金の記載事項に退職金はなしとなっていればそのままその契約通りです。
ただし、従来から契約していた待遇の中で退職金ありと記載されている場合には、その条件で退職金がでることになります。

もちろん正社員とは全く違う算定で支給されることには変わりません。
企業にとって、人事計画予算の中で大きな影響を及ぼす退職金については、経理上でも大きな影響を及ぼす部分であるため、新たな就業規則ができているとしても、退職金があっても影響の出ない範囲で、かなり少ない額になることが想定されます。

制度を理解して自分に合った働き方をしよう

無期転換ルールにはメリット、デメリットがあり、それを理解した上で活用することが望ましいです。
自分のライフプランもよく考えて焦らずにその後の待遇面を聞くことが重要です。
その後の待遇面を知ってから有期雇用契約と途中から無期雇用契約になる際の自分の生活に与える影響などを含め自分に合う働き方について考えてから希望する方がよいかもしれません。

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