年収300万円が手取り額。どのような暮らしかたが好ましいのか

年収300万円が手取り額。どのような暮らしかたが好ましいのか

ビジネス 2018.04.01

?リアルに聞けないお金にまつわること

お金は、人が生活するために必要なものであると同時に、リアルにはなかなか聞けないデリケートなものでもあります。
「お隣さんが車を買った」、「お向かいさんは今日も外食」など、うらやましいと思っても、「新車、いくらだったの?」、「お寿司屋さんだったの?」などの言葉は、そうそう出てくるものではありません。せいぜい口にできるのは、パートを始めたママ友に、「時給いくら?」くらいではないでしょうか。
聞きたいけれど聞きにくい、デリケートなお金の話を、現実をみつめ、将来を見据えながらお伝えします。

年収300万円の世帯について

年収300万円の世帯、またはそれ以下の世帯は、給与所得者を全体的にみると、そのおおよそ40%を占めるといわれています。数字のうえでは少数ではない、年収300万円世帯の実態を、調べていきましょう。

日本人の平均給与よりやや低い

民間給与実態統計調査とはなにか、聞いたことはありますか。「民間の事業所における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的としている」、国税庁のホームページにはこう記載してあります。
ひらたくいえば、「働いて得た給与を、いくつかの角度から分類し、納税に向けて明らかにする」ということでしょう。一年を通じて勤務した給与所得者が対象となっています。
日本人の平均給与は422万円、その金額を得られる平均年齢は46歳、また、男性は521万円、女性は280万円という結果になりました(平成28年度厚生労働省民間給与実態統計調査結果より)。
「年収300万円は日本人の平均給与よりやや低い」。そういったことが、この調査によりみえてきます。

20代の平均給与と同じくらい

今度は20代の平均給与を見てみましょう。20~24歳の平均給与は258万円、男性は275万円、そして女性は241万円です。25~29歳の平均給与は351万円、男性は383万円、女性は309万円となっています(平成28年度厚生労働省民間給与実態統計調査結果より)。こちらももちろん、一年を通じて勤務した給与所得者が対象となっています。
比べてみていかがでしょう。「年収300万円世帯は20代の平均給与とほぼ同じ」ということがいえるのではないでしょうか。

手取り額は240万円

年収300万円と、手取り額300万円は違います。その違いを説明しましょう。
働いている会社が決めた基本給から、いろいろな手当て、また歩合などを合計したものが「月額給与」です。そこから税金や保険料を、天引きされたものが「手取り額」となります。
ボーナスはなしという設定で、単純計算してみましょう。基本給が25万円で、税金・保険料などを5万円、会社が天引きします。25万円からマイナス5万円で、「手取り額」は20万円になります。一年は12カ月ですから、年収は、掛けて240万円となる仕組みです。

全世帯の14パーセント弱を占める

200万円~300万円世帯の所得を占める割合は、労働人口割合において13.7%だということが分かっています(厚生労働省平成28年国民生活基礎調査より)。全世帯の14%弱を占めているのです。
また、年収が100万円以下、200万円以下を合わせると、40%以上になるといわれています。冒頭で申しあげた「少数ではない」が、さらに明確になったといえるでしょう。
「日本人の平均給与よりやや低い世帯」が、給与所得者全体に対して14%弱という事実を、どのように受け止め、また、どのような工夫が必要なのか、考えてみましょう。

業種は農林水産業やサービス業に多い

ホテル・旅館経営などの宿泊業や、居酒屋・お食事処といった飲食サービス業は234万円と、伸び悩みがみられるようです。宿泊業においては自然災害・風評被害などが理由に挙げられるでしょう。いわゆる「ドタキャン」も、飲食サービス業には手痛いといえます。
農林水産・鉱業が294万円と、やはり低めなのは、自然が相手であるゆえの過酷さが挙げられます。広告業やレンタル業、修理業もサービス業にあたりますが、そのサービス業も341万円と、停滞がみられています。(平成28年度厚生労働省民間給与実態調査統計結果より)
どの業種に対してもいえるのが、人材不足です。「拘束時間が長い」、「重労働なのに収入が低い」など、やはり、金銭面で問題であるといえるでしょう。「就いては離れの悪循環」を断ち切るために、できることはあるはずです。

年収300万円にかかる税金について

私たちが日本で生活していくうえで決められている、大切なことのひとつに納税義務があります。主な税金を、ひとつひとつ解説していきます。

所得が高くなると税率も高くなる所得税

累進課税制度とは、課税対象の額が大きくなるほど、税率が高くなる仕組みのことで、 日本では所得税や相続税などでこの方式がとられていますが、ここでは所得税のことのみお伝えいたします。
課税される所得金額が195万円を超えて330万円以下の場合、税率10%で控除額97,500円となります。年収300万円世帯はこちらに当てはまります。
累進課税制度では、所得に応じた税負担や、富の集中を排除することなどが目的とうたっています。そのため、たとえば、年収が1,800万円を超えて4,000万円以下の場合は、税率は40%、控除額は279万6,000円と、グンと上がるようになっています。

都道府県民税と市区町村民税合わせた住民税

都道府県民税とは、自分が住んでいる都道府県に納める税金、そして市区町村民税は、同じく居住する市や町などに納める税金のことで、この二つを合わせて「住民税」といいます。
県や市などの自治体から、ゴミの収集や教育・福祉、公共事業や公共施設などのさまざまな行政サービスを提供してもらうために納める税金といっていいでしょう。

住民税の計算方法

住民税は、個人がどのように納めていく税金なのか、シミュレーションしてみます。年収300万円で、夫が会社員、妻が専業主婦、未就学の息子が一人、埼玉県のさいたま市に在住しているとします。
まずは、給与所得を求めましょう。給与年収が180万円超~360万円以下の世帯は、「給与年収×30%+18万円」となるため、給与所得は、300万円×30%+18万円=108万円。
次は、社会保険料の支払い額を計算します。社会保険料(厚生年金保険料9.15%・健康保険4.95%・雇用保険0.30%=14.40%)は、支払ったすべての金額が控除の対象になります。社会保険料は、300万円×14.40%=43万2,000円。
続いて課税所得の計算をします。給与所得者は、全員が受けられる基礎控除(33万円)がありますから、控除額のすべてを足してみましょう。給与所得控除108万円+社会保険料控除43万2,000円+基礎控除33万円=184万2,000円。
住民税は所得割・均等割で計算します。そして配偶者控除(33万円)も適用されるため、住民税は、このように確定します。住民税は、課税所得115.8万円(300万円-184.2万円)-配偶者控除33万円×10%(所得割)+5000円(均等割)-調整控除2,500円=85,300円。
手取り額を24万円と設定すると、住民税はおよそ3割強を占めているといえるでしょう。

標準報酬月額で算定される社会保険料

「標準報酬月額」とは、社会保険料に大きく関わっている数字です。社会保険料について少し捕捉します。社会保険料の金額は、4月から6月の3カ月間で算定されます。この期間に支払われた給与の平均額が、社会保険料となります。
また、平成25年から介護保険料が天引きされるようにもなりました。40歳以上が対象者となっていますから、その世代になって慌てることのないように、自覚が必要といえるでしょう。

年収300万円の貯金額について

所得の差や納める税金額の違いについて述べてきました。大切なことですが、少し頭を切りかえましょう。将来の展望を最良にするためにできることはなにか。楽しみながら、考えてみましょう。

家族構成により生活水準は異なる

自分が得た給与を、自分の好きなように自由に使えるというのは、単身者ならではの特権といえるでしょう。自分のお金は自分できちんと管理する、ということがきちんと習慣化していれば、なおさら高い水準の生活を楽しめるのではないでしょうか。
また、夫婦二人の生活であっても、同じようなことがいえるでしょう。ただ、独身時代を謳歌したまま家庭に入り、専業主婦になった場合、「今まで自由に使えていたのになぜ?」と、そのギャップに驚くことは少なくありません。二人でしっかりこれからを語り合えれば、仲良し度も信頼度もそして生活水準も、上がるのではないでしょうか。
結婚して子どもを授かり、幸せな家庭生活を送っている方も多いのではないでしょうか。けれど、子育てはやはり、お金がかかるものです。子どもの成長は早く、洋服や靴なども合わなくなってしまったり、幼稚園・保育園は必ずしも安いとはいえません。
そうなると、どうしても母親は我慢してしまうことが多いようです。自分のことはあと回し、そして夫にもそれを、要求したりすることもあるのではないでしょうか。
このように、家族構成においても、生活水準や思いは異なるものといえるでしょう。

共働きを検討もしくはしている家庭が多い

家庭に入ると、今までのギャップに驚いたり、我慢したりが続くことが目立つようです。それを避けるために、共働きを検討している、またはしているという家庭が、多いのではないでしょうか。
収入の柱は、何本あってもいいのです。専業主婦も素敵だけれど、夫のために、子どものために、そしてなにより自分のために、自分ができる仕事、自分の好きな仕事を探してそれに取り組んでいる女性は、もっと素敵です。以前そうしていたように、楽しく働く。そうしたことをもう一度、視野に入れてみるのはいかがでしょうか。

節約を意識した生活をしている

携帯電話は○○に限る、と独身時代は公言していたけれど、いざ生活を担うとなると、やはり女性は強いものといえます。スマートフォンじゃなくてもいいと、普通に考えることができるようになることが多いようです。「これ、いいのよ」と、格安SIMに変えたりするのは、当たり前の感覚でできる女性が増えています。
水道代を抑えるために、キッチンの蛇口にはこれ、シャワーヘッドはあれ、というふうに、賢い買い物もできますし、将来的には、電気代やガス代といった光熱費を節約するために、日々、チラシを見ながら省エネ家電に切り替える準備もバッチリしています。
ケチではなくて、節約。意識的に取り組んでいる女性はたくさんいるのです。

住宅ローンは金融機関が限定される可能性もある

持ち家は、やはり多くの方が憧れる「自分たちのお城」といえるでしょう。しかし、年収300万円でも住宅ローンを組めるのか。そこは重要なポイントです。
結論からいえば、それはもちろん可能です。銀行によって利率は違いますが、「返済能力がある」と判断されれば、契約は成立するでしょう。
しかし、注意点はいくつかあります。車のローンやクレジットカードなど、住宅ローン以外の借り入れがある場合、審査が難しくなることも多いです。また、返済負債額が30%をこえてしまうと、そこに「年収制限」が発生し、住宅ローンは組めなくなります。
住宅ローンの相談に臨むときは、さまざまな銀行の利率を、事前に調べておくとよいでしょう。インターネット上でも、シミュレーションができる金融機関もありますから、ぜひ、活用してみてください。

正しく理解し将来に備えましょう

年収手取り額が300万円とすると、ぜいたくな生活をするのは難しいかもしれません。しかしぜいたくとは、「必要な程度をこえて金銭・ものを費やすこと」です。それでは生活自体が成り立たなくなってしまうでしょう。大切なのはぜいたくではなく、目標ではないでしょうか。現在を明確にし、必要なこと、必要なものを自分で決められる力が、堅実な将来をつくりあげるといえるでしょう。

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この記事のライター UKANO 編集部

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