「個人年金保険料控除の基礎知識」節税対策について考えよう

March, 05, 2018

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個人年金保険料控除から節税対策を考える

公的年金の受給年齢の引き上げが検討されているなかで、将来に不安を感じている人も少なくないのでは?老後に備えて、将来設計をしっかりしようと、個人年金保険への加入を検討している人も多いでしょう。

今回は、個人年金保険に加入することで、節税対策になるのか。また、資産として運用は可能なのかどうかなどの疑問に答えていきます。将来を見越して、個人年金を上手に活用していきましょう。

個人年金保険料控除の内容

保険料に応じて所得税と住民税の負担が軽減される制度

個人年金保険に加入すると、1年間に支払った保険料に応じて、所得控除を受けられるので、所得税と住民税の負担を軽減させられます。サラリーマンの場合、年末調整のときに提出する保険料控除申告書に、生命保険会社から郵送されてきた「保険料控除証明書」に記載されている内容を記入し、申告書に添付して提出すると、適切な控除が受けられます。

控除される個人年金保険料控除額の計算は、その個人年金保険を契約した日によって、2種類の計算方法があります。平成23年12月31日以前に契約した保険に適用される「旧制度」は、「一般生命保険料」と「個人年金保険料」の2種類の保険料の合計額をもとに計算されます。所得税は、最大50,000円までの控除を受けられて、住民税では最大35,000円の控除が受けられます。

平成24年1月1日以降に契約した個人年金保険は、「新制度」での計算方法が適用されます。新制度では、「一般生命保険料」、「個人年金保険料」、「介護保険料」の3種類の保険料の合計額で計算されます。所得税の控除は、最大40,000円までになります。

生命保険の契約が旧契約のみでの場合と、新契約のみの場合、新旧両方の保険を契約している場合が出てきます。その場合、最大限度額12万円まで控除を受けられるので、上手に活用していきましょう。

所得税と住民税の控除を受けられる、個人年金保険の条件は、「税制適格特約」が付いているかどうかによって決まってきます。税制特約が付いていない個人年金保険は、一般生命保険での計算になるので、契約する際にはきちんと確認するようにしましょう。

生命保険料控除と計算式は同じで条件のみ違う

所得控除の中の生命保険料控除は、「一般生命保険料控除」、「介護保険料控除」、「個人年金保険料控除」の3種類ありますが、どれも計算式は同じで、保険の内容や条件によって、どの保険料に当たるか振り分けられます。

個人年金保険料控除を受けられるものは、税制適格特約が付いている個人年金保険のみとなっています。税制適格特約の付いていない個人年金保険料は、一般生命保険料の枠で計算されるので、別枠での計算ができなくなってしまいます。したがって、加入時にしっかり確認しておきましょう。

個人年金保険料控除の対象となる条件

年金受取人が契約者かその配偶者であること

個人年金保険に加入するときには、その年金の受取人を誰にするのか、明確に決めてから契約する必要があります。個人年金保険の契約自体は、受取人を子どもや兄弟、姉妹に指定できます。

しかし、個人年金保険料控除を受けられるように、個人年金保険の契約をするという場合には、年金の受取人を、契約者本人か配偶者にする必要があります。

年金受取人が被保険者と同一であること

個人年金保険を契約するときには、その個人年金保険の契約者(保険料を支払う人)は誰か、被保険者(保障対象者)は誰か、年金の受取人は誰かの3者を、はっきり決めることからはじまります。

個人年金保険料控除を受けられる契約には、年金の受取人が被保険者(保障対象者)と同じであることが条件になるので、契約するときにはしっかり確認しておきましょう。

保険料支払い期間が10年以上であること

個人年金の保険料を支払う期間が、10年以上の契約であることも、個人年金保険控除を受けるために必要な条件になります。個人年金保険は、その保険の特徴から、契約する年齢が上がれば上がるほど、月々の保険料が高くなってしまう保険です。

したがって、老後の資金をどうするかと考えはじめたら、早めに加入することをおすすめします。

受取り開始が60歳以降で受取期間10年以上であること

個人年金保険に加入するときは、その年金のプランをどうするかを、しっかり考えて決めることが重要です。個人年金保険料控除を受けることを目的として、加入を考えている場合は、年金の受け取り開始年齢を、60歳以上に設定し、年金を10年以上受け取れるプランを選択する必要があります。

4つの条件と個人年金保険料税制適格特約を付加されていること

「年金受取人が契約者かその配偶者であること」「年金受取人が被保険者と同一であること」「保険料支払い期間が10年以上であること」「受取り開始が60歳以降で受取期間10年以上であること」の4つの条件をすべて満たしていて、なおかつ「個人年金保険料税制適格特約」という特約を付けることで、はじめて個人年金保険料控除が受けられます。

これらの条件から外れてしまうと、一般生命保険料控除に分類される保険になるので、一般の生命保険で最大額を控除されている場合には、税金対策にならない場合も出てきてしまいます。個人年金保険の中でも、支払った保険料の運用で年金額が変動する「変動年金保険」や、支払う保険料が安くなる一時払い(全期前納は対象内)などでの契約は、個人年金保険控除の対象とはなりません。

したがって、節税対策のひとつとして、個人年金保険への加入を考えている場合、内容だけでなく、保険料の支払い方法にも注意が必要になります。

個人年金保険のメリット

個人年金保険料控除で節税額を大きくできる

個人年金保険に加入するメリットのひとつとして、節税対策があげられます。これは保険料控除が「一般生命保険料控除」、「介護保険料控除」、「個人年金保険料控除」と3種類で構成されていて、それぞれが別枠で計算され、3つの合計額(最大12万円)の所得控除を受けられるからです。

「老後の資金を積み立てておく」という意味で加入する保険で、個人年金保険に似た養老保険は、一般生命保険控除枠の商品なので、別枠での所得控除を受けられません。

老後の生活資金への積み立てができる

老後の生活費は、誰にとっても不安な材料のひとつです。高齢化社会になり、仕事をリタイアしてからの人生が長くなった現在では、穏やかで豊かな老後を過ごすために、いまからどのように準備すべきかを、考えることはとても大切なことです。

とくに、これからの時代は、仕事を退職してから、年金を受け取れるようになるまでの期間が、長くなりつつあります。したがって、退職して収入がなくなる時期の生活費を、どのように蓄えておくのかしっかり決めておくことは、豊かな老後を過ごすためにも、とても重要になってきます。

以前は、年金を受け取れるようになったときに、サラリーマンと自営業者の受け取る年金額の差は大きく、とても問題になっていました。サラリーマンの場合は、国民年金と厚生年金の2階建て式で、年金に加入しているので、支払われる年金額は、多少ゆとりのある金額になります。

しかし、自営業を営んでいる人は、国民年金だけしか加入できなかったので、その受け取れる年金額は少なく、サラリーマンと比べると、とても大きな差が出てしまっていたのです。その差を埋めるために、平成3年4月に、国民年金基金が創設され、それ以降は厚生年金の補填として、多くの人が加入するようになってきました。そして、いまでは自営業を営んでいる人と、サラリーマンの受け取る年金額に、あまり差が出なくなってきています。

自営業者とサラリーマンの、年金受取額の差は縮まったとしても、そこで豊かな老後を過ごせるだけの年金を、受け取れるかどうかという疑問は解消されません。そこで必要なことが、どのように蓄えておくかという方法を、しっかり決めておくことです。

保険料という形で、毎月生命保険会社に支払っておくと、自然に貯蓄されていくという意味で有効なのが、個人年金保険への加入ということになります。万が一、年金を受け取れる年齢になる前に亡くなってしまった場合でも、支払った保険料に相当する額は、死亡保険金として受け取れるので、死亡保険としても役立ちます。

個人年金保険料控除のデメリット

受取人変更や10年以内の払済保険への変更不可

個人年金保険料控除を受けるために、付ける必要がある「個人年金保険税制特約」ですが、これを付けることによって、年金の受取人の変更や、10年以内の払済保険への変更など、契約の内容を途中で変更できなくなります。

したがって、契約をするときには、あとで変更する必要がないように、プランをしっかり考えて、内容を決めておくようにしましょう。

インフレに対応していない

定額型の個人年金保険は、固定金利の長期貯蓄型保険なので、契約した時点で利率は固定されて、将来受け取る年金額が、あらかじめ決められてしまいます。契約時から何年もたつうちに、経済の状況は変化していくので、インフレが進んでいってしまう場合も。

すると、物価が上昇することで、加入時の想定から、年金の額が目減りしたような感覚になってしまうこともあります。そのため、定額型の個人年金保険は、インフレに弱いということを理解したうえで、加入するかどうかを決めていきましょう。

途中解約は元本割れする

個人年金保険は、長期間の貯蓄型保険なので、途中で解約してしまうと、支払った保険料よりも戻ってくる金額が少なくなる「元本割れ」という状態になります。とくに、契約をしてから3~4年後など、早い時期に解約をしてしまうと、解約返戻率が40%~70%程度になってしまう場合が、多くのケースで見られます。

解約返戻率は、10年を超えたあたりでやっと90%程度になるので、契約する前には、その保険料を最後まで継続して支払うことは可能なのかどうかを、しっかり考えてから契約するようにしましょう。

貯蓄のためにはじめた保険で、元本割れをしてしまうのは避けたいところです。解約したい理由が明確な場合は、専門家にアドバイスをもらうことも必要になります。

配当金や減額分の解約返戻金の受取りも年金開始日から

個人年金保険は、長期間にわたって保険料を支払い続けることで、生命保険会社に積み立てをする貯蓄型の保険です。配当金の計算時期や方法などは、保険会社により多少違いますが、ほとんどの生命保険会社は、5年ごとに計算をして、配当金は年金の増額分として、積み立てられていくようになっています。

ほかにも、保険料を減額したときなどに発生する、減額分の解約返戻金も、年金受取開始日から支払われることが多くなっています。配当金や、減額したときの解約返戻金がどうなるのかは、契約するときにきちんと説明を受けて、納得してから契約するようにしましょう。

定額個人年金保険の利回りは低い

個人年金保険の中でも、定額年金保険は、契約時の予定利率が払込期間を通して固定されるので、現在のような低金利時代に契約することは、不利な商品です。また、運用される金額も、保険会社に支払った保険料の全額が運用に回されるわけではなく、諸経費を差し引いた金額のみを運用に回していくので、仮に予定利率が1%だとしても、実質利回りは0.3%程度になってしまうことが多いです。

予定利率が1%あるからといって、定期預金などの金融商品よりも高利率なのでは?と思ってしまいがちですが、予定利率と実質利回りには、差があることを知っておきましょう。

所得税の個人年金保険料控除額の計算方法

その年の1月1日から12月31日迄の支払い保険料から計算

個人年金控除額を計算するときの支払保険料は、その年の1月1日から12月31日までに支払った保険料の金額をもとに計算します。個人年金保険を契約している生命保険会社から、10月~11月頃に郵送されてくる「生命保険料控除証明書」に書いてある、12月末までの払い込み見込み額を保険料控除申告書に記載して、計算をします。

年末調整のときに必要になる「給与所得者の保険料控除申告書」には、旧制度と新制度を別々に記入して、適用される生命保険料控除の計算をしていきます。

支払い保険料2万円以下は全額控除

平成24年1月1日以降に契約した個人年金保険は、新制度として控除額の計算がされます。新制度の場合、1年間の支払保険料が2万円以下の場合、全額控除されます。

また、旧制度(平成24年度から改正)の場合は、2万5,000円以下が全額控除の対象になります。契約日をしっかり確認して、きちんと控除を受けるようにしましょう。

2万円~4万円以下の場合

新制度では、1年間に支払った保険料の合計が2万円~4万円以下の場合の控除額の計算は、支払保険料の半分に、1万円を加算した金額になります。

旧制度の場合、年間の支払保険料が2万5,000円~5万円以下で区切られ、支払保険料の半分に、1万2,500円を加算した金額が控除額になります。

4万円~8万円以下の場合

新制度では、1年間に支払った保険料の合計が4万円~8万円以下の場合には、支払った保険料の4分の1に、2万円を加算した金額が控除額になります。

旧制度の場合は、5万円~10万円以下の保険料に対して、支払った金額の4分の1に、2万5,000円を加算した金額を控除額とします。

8万円以上は一律4万円

新制度では、1年間の支払保険料が8万円以上ある場合には、一律で4万円の控除を受けられます。旧制度の場合は、10万円以上で一律5万円が控除額となります。

住民税の個人年金保険料控除額の計算方法

支払い保険料1万2,000円以下は全額控除

住民税の個人年金保険料控除額は、1年間で支払った保険料が1万2,000円以下のものは全額が控除の対象となります。旧制度の保険契約の場合には、支払保険料の合計が1万5,000円以下が全額控除されます。

1万2,000円~3万2,000円以下の場合

新制度では、1年間に支払った保険料が1万2,000円~3万2,000円以下の場合には、支払った保険料の半分に、6,000円を加算した金額が控除額になります。旧制度の場合、1万5,000円~4万円以下が対象となり、支払った保険料の半分に、7,500円を加算した金額を控除してもらえます。

3万2,000円~5万6,000円以下の場合

新制度では、1年間に支払った保険料の合計が3万2,000円~5万6,000円以下の場合には、支払った保険料の合計の4分の1に、1万4,000円を加算した金額が控除額になります。旧制度の場合は、支払保険料の合計が4万円~7万円以下の区分になり、支払った保険料の4分の1に1万7,500円を加算した金額が控除額になります。

5万6,000円以上は一律2万8,000円

新制度では、1年間に支払った保険料の合計が5万6,000円状の場合は、一律2万8,000円が控除額になります。旧制度の場合は、支払保険料の合計が7万円以上で、一律3万5,000円が控除額とされます。

個人年金保険と確定拠出年金の違い

個人年金は給付金額が確定している

老後の資金を蓄えるための方法として、個人年金保険のほかに、確定拠出年金があります。ニつの大きな違いは、取り扱う会社の違いにあります。個人年金保険は、生命保険会社と契約する年金で、確定拠出年金は、証券会社と契約する年金です。

個人年金保険の場合、給付金額は契約時に決定(変更可能)しているので、将来受け取る金額は契約時に確定しています。したがって、安定した将来設計を、加入時から想定できます。個人型確定拠出年金は、掛け金の運用を自分で決めて増やしていく年金です。

証券会社に口座を開設して、そこで信託投資などの運用商品に、資金を振り分けて増やしていきます。確定拠出年金は、積立金額確定(原則変更可能)の年金です。運用方針を変更することが可能なので、景気の変化による物価の変動には、臨機応変に対応できるので便利です。

積み立て時の控除制度は両方あり

確定拠出年金も、積み立てをしたときに、税金の控除が受けられます。確定拠出年金は、小規模企業共済掛け金控除として、年末調整のときに控除してもらえます。個人で契約している場合は、国民基金連合会から「小規模共済等掛金払込証明書」が、10月下旬~11月初旬に自宅に郵送されてくるので、「保険料控除申告書」に内容を記載して、原本を添付して提出します。

個人年金の場合は、個人年金保険料控除として、生命保険会社から郵送されてくる「保険料控除証明書」に書いてある内容を、「保険料控除申告書」に記載して、原本を添付して提出します。

運用時に確定拠出年金は非課税

一般的な預貯金や、投資信託などの金融商品を、運用して得られた利息や配当金は、源泉分離課税での課税対象となりますが、確定拠出年金での運用益には、源泉分離課税は掛からず非課税となります。

金融商品を運用して出た利益を、そのまま全額受け取れるので、とてもお得になります。なお、企業年金の年金積立金に対して、課税されるといわれている特別法人税ですが、平成29年も凍結中となっています。

受取時の税制控除は両方あり

年金を受け取るときには、個人年金保険も確定拠出年金も、課税の対象となります。個人年金は、一時所得として課税されます。このときには、これまでの支払保険料の総額と、特別控除額50万円を差し引いた、半分を申告します。

確定拠出年金は、一時金で受け取る場合には、退職金と合わせて、退職所得控除を受けられ、年金として受け取る場合には、そのほかの年金と合計して、雑所得として公的年金控除を受けられます。

個人年金保険料控除の手続きタイミング

会社員は勤務先の年末調整にて申請手続き

個人年金保険料控除を受けるために、手続きをするタイミングは、サラリーマンの場合は、勤務先で行われる年末調整によって、手続きができます。年末調整をするときに、いくつかの申請書類を提出するように、会社から求められると思います。

その内の書類のひとつに「給与所得者の保険料控除申告書」という書類があります。そこに、保険会社から郵送されてきた「保険料控除証明書」に書いてある詳細を記載することで、個人年金保険料控除を受けられます。

また、サラリーマンであっても、年収が2,000万円以上の人の場合、年末調整を受けられないので、確定申告をするときに、生命保険控除を受けるようにしましょう。

自営業やフリーランスは確定申告にて申請手続き

自営業を営んでいる人や、フリーランスで仕事をしている人は、所得税の確定申告をするときに、保険料控除が受けられます。確定申告書の生命保険料控除の欄に、各自で生命保険料を記入し、生命保険会社から送られてきた「保険料控除証明書」を、確定申告書に添付して提出します。

インターネットを使った電子申告システム(e-tax)を活用すると、とても便利に申告を済ませられます。この場合、「保険料控除証明書」は、その内容をデータとして打ち込むことで、添付することと同じにしてもらえます。ただし、税務署から提示を求められたときに、速やかに提出できるように、7年間は保存の義務があります。確定申告のときの書類と同じく、注意して保管しておきましょう。

将来設計のひとつとして個人年金保険のしくみから考えてみよう

老後に心穏やかな生活を過ごしていくために、必要になるのが生活費をはじめとする老後の資金です。公的年金だけでは、不安を感じる人も多くいるなかで、生命保険会社から提供されている個人年金保険を、将来への蓄えのひとつとして、検討する人が増えてきました。

個人年金保険のしくみを詳しく調べて、保険料の払い込み、年金の受け取りのプラン、税金対策として、より有利になる契約内容はどれかなど、さまざまな点から見極めることが大切です。仕事をリタイアしたあとに長く続く老後を、穏やかで豊かに過ごすための人生設計を、一度、見直してみてはいかがでしょう。

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