民間の介護保険は必要?加入前に知っておきたい保障内容とその特徴

March, 05, 2018

記事が良かったらシェアして下さいね♪

介護保険にはさまざまな保険がある

介護を受けた際に受給することができる介護保険には、さまざまな種類があります。
高齢化社会が進み、介護を必要とする人が増えている現在の日本において、公的な介護保険は、給付の条件が厳しくなり、介護を受けていても受給できるとは限らないものになってきました。

自分自身も公的介護保険の対象となるミドル世代は、親の介護を経験している人も多くいます。
そのため、介護を受けると、想像以上に費用がかさみ、公的介護保険だけでは足りないことを実感している人もいるでしょう。

そこで検討する候補に挙がるのが民間の介護保険です。
民間の介護保険は、各保険会社からさまざまな種類のものが出ています。
そのため、どんな保険があり、自分が加入しておくべき保険がどれなのかが分からず、検討すらしないまま時間だけが経過してしまいがちです。

介護保険の種類と特徴を把握して、自分に適した保険を探してみましょう。

公的介護保険と民間介護保険とは

介護保険には、40歳以上の人に加入の義務がある「公的介護保険」と、民間の保険会社が提供していて任意で加入する「民間介護保険」の2種類があります。
それぞれの特徴についてみていきましょう。

公的介護保険の特徴

公的介護保険は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みを作る目的で2000年に創設された制度です。
公的な制度なので、市町村が主体となって運営されます。
40歳以上の人に加入する義務があるので、40歳になると自動的に加入することになります。

加入者のうち、65歳以上の人を第1号被保険者、40歳~64歳までの医療保険加入者を第2号被保険者と呼びます。
第1号被保険者の場合は、要支援状態、もしくは要介護状態になると介護保険の受給対象となります。
第2号被保険者の場合は、要支援状態、もしくは要介護状態で、それが末期ガンあるいは関節リウマチなど加齢に起因する疾病の場合に限定して受給が認められます。

受給対象者が介護サービスなどを利用した場合、加入者は原則としてサービス利用料の1割を自己負担します。
ただし、一定以上の所得がある人については自己負担額は2割になります。
また、在宅サービスについては、要介護度毎に支給限度基準額が設定されています。
限度額を超えて発生した金額は全額自己負担となります。

民間介護保険の特徴

全員が加入しなければいけない公的介護保険とは異なり、民間の介護保険への加入は任意です。
加入したくない場合には、無理に加入する必要はありません。
また、加入年齢が40歳以上という条件がある公的介護保険に対し、民間の介護保険は、基本的には加入年齢は不問です。
20代から加入したいという希望があれば、加入することができます。

40歳未満は公的介護保険の対象外なので、40歳になる前から介護保険に加入したい場合には民間の介護保険を検討しましょう。
40歳以上の人は、公的介護保険への加入が必須なので、公的介護保険だけでは不安という場合に、民間の介護保険を追加加入することになります。

民間は終身と掛け捨ての2タイプ

民間の介護保険には「終身タイプ」と「掛け捨てタイプ」の2種類の保険があります。

終身タイプは、保険料が加入時点から一定で、一生涯の保障があるというメリットがある一方で、保険料が割高で、途中解約しづらいというデメリットがあります。
また、要支援や要介護状態にならないと、保険料の支払いが生涯続いてしまうというリスクもあります。

一方の掛け捨てタイプは、5年、10年、15年など、期間を決めて契約する保険で、定期タイプとも呼ばれています。
保険料は比較的安く、別の保険への乗り換えもしやすいですが、定められた契約期間が終了した時点で保障は途絶えてしまいます。
また、高齢になると更新料が高くなるというデメリットがあります。

公的介護保険の保障内容

市町村が運営の主体となる公的介護保険では、どのようなことが保障されているのでしょうか。
主な保障内容について確認していきましょう。

介護サービス費用の1割が自己負担

加入者が要支援状態もしくは要介護状態になった場合、介護サービス費用の1割が自己負担となります。
つまり、残り9割を介護保険で負担してくれるということです。
ただし、2015年8月以降、一定以上の所得がある場合には介護サービス費用の2割を自己負担するよう変更となったので注意しましょう。

また、在宅サービスについては、要介護度毎に支給限度基準額(保険対象費用の上限)が設定されています。
支給上限額を超えるサービスを受けた場合には、上限を超える部分の費用は全額自己負担となります。

高額介護サービス費制度

保険加入者は、介護サービス費の1割を自己負担しますが、その自己負担額が世帯合計または個人で上限額を超える場合には、その超えた分が払い戻されます。
この払い戻される制度のことを「高額介護サービス費制度」といいます。

上限額は、所得によって5段階で設定されています。
上限額を確認し、超過分がある場合には住んでいる自治体の役所に申請しましょう。

高額医療・介護合算費制度

毎月の医療費や医療費と介護費用の合計が高い場合、「高額医療・高額介護合算療養費制度」を活用できる可能性があります。
高額医療・高額介護合算療養費制度は、世帯内の後期高齢者医療制度の被保険者全員が1年間に支払った医療費と介護費の自己負担額を合算し、その金額が所定の上限額を超えていた場合において、超えた金額を払い戻す制度です。

1年間における医療費と介護費の負担が著しく重くなったときの負担を軽減する目的で作られた制度です。
出費がかさんでいる場合には、上限額を超えていないかどうかを確認してみましょう。

介護サービス費用のみ保証

公的介護保険サービスの対象となるものには次のようなサービスがあります。

・自宅で生活しながら介護を受ける「居宅サービス」

・介護施設を利用する「施設サービス」

・介護の環境を整える「支援サービス」
ただし、保障の対象となるのは、介護サービス費用のみです。
介護に付随する諸費用は保障の対象外です。
日常生活費や交通費、住宅改修費や福祉用具費などについては、介護に付随するものであっても、介護保険の対象とはならないので注意しましょう。

65歳未満の方の介護費用はまかなえない

公的介護保険制度では、65歳以上の人を第1号被保険者、40歳~64歳までの医療保険加入者を第2号被保険者と分類します。
65歳以上の第1号被保険者は、要支援状態もしくは要介護状態になると、介護保険の対象となりますが、65歳未満の第2号被保険者の場合は、要支援状態もしくは要介護状態になっても、その原因が決められた特定疾病の場合しか、介護保険の対象として認められません。
特定疾病以外の要因で介護が必要になった場合は、自己負担が必要となります。

また、40歳未満の人については公的介護保険制度に加入する資格がありません。
制度の対象外なので、介護が必要な状態になってもなにも保証されないことを知っておきましょう。

民間介護保険の保障内容

民間の保険会社が運営する介護保険には、どのような保障があるのでしょうか。
民間介護保険の保障内容について確認しましょう。

介護一時金と介護年金

民間の介護保険の給付の方法には、「介護一時金」と「介護年金」、そして「介護一時金」と「介護年金」を併用したタイプの3種類があります。

介護一時金は、まとまった金額を一括で受け取ることができる給付方法です。
一括で現金での支給を受けることができるので、住宅をバリアフリーにリフォームするための費用や、施設に入所するための費用など、高額な初期費用に備えることができます。

介護年金は、毎年一定の金額を年金として受け取ることができる給付方法です。
公的介護保険の自己負担部分の支払いや、公的介護保険の超過分など、定期的に発生する介護費用に備えることができます。
年金タイプの介護保険は、所定の介護状態である限り、一生涯年金を受け取ることができるタイプの保険と、定められた期間だけ年金を受け取ることができるタイプの保険があります。
保険の契約期間が終身であっても、年金の受け取り期間が終身でないこともあるので注意しましょう。

年齢による保障範囲が広い

民間の介護保険は、年齢による保障の範囲が広く設定されていることも公的介護保険との大きな違いです。
公的介護保険は、無条件で保障の対象となるのは65歳以上で、加入対象である40~64歳については、条件付きで保障の対象となります。
公的介護保険が老化による介護を重視しているためです。

一方、民間の介護保険は、40~64歳の人は40歳未満の人も保障の対象となります。
交通事故やケガなどによって介護が必要な状態になった場合には、公的介護保険では保障されないので、老化以外の介護にも備えたい場合には、民間の介護保険への加入を検討しましょう。

介護の自己負担を補填する

民間の介護保険は、給付金などの現物支給です。
公的介護保険が介護サービス費用の一部負担のみなので、足りない費用を補填する目的で民間の介護保険が活用できます。

介護サービスを利用するなかで、公的介護保険が適応されない部分を補填したり、介護保険を利用している場合でも自己負担分の補填したりすることで自己負担を軽減することができます。

所得税と住民税を減税できる

年末調整のときに申請する「生命保険料控除制度」を利用することで、所得税と住民税を減税することができます。
生命保険料控除制度は、1年間で払い込んだ保険料のうち、一定の金額を所得税と住民税の対象となる所得から控除できるという制度です。

民間の介護保険に加入していると、毎年、年末調整の時期に保険会社から保険料控除証明書が送付されます。
その他に加入している保険のあれば、併せて申請しましょう。

民間介護保険にも加入したほうがよい人

介護保険には、必ず加入しなければいけない公的介護保険があるため、民間の介護保険にまで加入しなくてもよいのではないか、と考える人もいます。
公的介護保険だけでなく、民間の介護保険への加入も検討した方がいい人には、どのような人が該当するのでしょうか。

収入や資産だけでは介護費用が足りない人

給与や年金などの収入や、預貯金などの資産だけでは介護費用が足りない人は、民間の介護保険も検討した方がいいでしょう。
実際に介護が必要な状態になると、公的介護保険だけではカバーしきれない部分がでてきて、大きな負担としてのしかかります。
自己負担する金額を補填できる要素を持ち合わせていない場合には、選択肢のひとつに民間の介護保険をいれましょう。

面倒を見てくれる家族がいない人

介護が必要な状態になったときに、面倒を見てくれる家族がいない人も、公的介護保険以外のところで補填できるものを備えておくことをおすすめします。
介護をサポートしてくれる人がいない場合には、利用する介護サービスも多くなり、公的介護保険だけではカバーしきれない介護費用が発生します。

介護をサポートしてくれる家族がいるかどうかで、実際に介護にかかる費用も変わってきます。
面倒を見てくれる家族がいなくても、公的介護保険ではカバーしきれない自己負担分も支払うことができるくらいの収入や資産がある場合には問題ありませんが、不安がある場合には、民間の介護保険を検討してみましょう。

民間介護保険は公的介護保険だけでは不安な人は加入しましょう

民間の介護保険は、40歳になると自動的に加入することになる公的介護保険とは異なり、必ず加入しなければいけないものではありません。
介護保険はあくまでも万が一のときに備えるための保険です。
介護が必要な状態にならなければ、掛け金が戻ってくることはありません。
保険は公的なものだけで充分だという考えることもできます。
誰しもが必ず加入する公的介護保険の内容をきちんと把握したうえで、不安な要素がある人は、民間の介護保険への加入を検討してみましょう。

Sponsored Link

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでukano358をフォローしよう!

記事が良かったらシェアして下さいね♪