第3号被保険者の手続きについて。その条件や注意点とは

第3号被保険者の手続きについて。その条件や注意点とは

ビジネス 2018.03.05

第3号被保険者は制限もある

第3号被保険者とは配偶者(第2号被保険者)に扶養される配偶者で、20歳から60歳未満の方が対象になります。一般的には専業主婦のための制度として知られており、保険料を自身で納める必要はありませんが、「扶養されている」という状態には収入面で制限があります。第3号被保険者になるにはどのような条件や注意点があるのでしょうか。

国民年金の基本的な仕組み

日本の公的年金制度

日本の公的年金制度である国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する保険であり、国が運営する終身年金です。日本の平均寿命は世界一の水準に達しており、個人の努力で老後の保障を担うのが困難な場合を踏まえて、老後の生活を社会全体で支えていく仕組みが必要という考えの中で作られた制度です。

公的年金制度は社会保険方式。現役世代である加入者が支払う保険料を基本とし、そこに国庫負担(税金)を組み合わせて運営をしています。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-02.html

自営業などは第1号被保険者

第1号被保険者とは日本国内に住む20歳以上60歳未満の自営業者、農業、漁業者及び学生、無職の方とその配偶者の方などが対象。20歳になればフリーターも第1号被保険者ということになります。

20歳になる前月になると、年金機構から「国民年金被保険者資格取得届書」が届きますので最寄りの年金事務所に提出しなければなりません。(学生の方は学生納付特例制度が設けられており、一定以下の所得の学生が対象になっているので、最寄りの年金事務所に同時に提出することができます)

また、国籍は問わず日本に住んでいる外国人も強制加入となるため、保険料を納付する義務があります。

第2号被保険者は会社員や公務員

第2号被保険者とは、70歳未満の国民年金加入者のうち民間の会社の会社員や公務員などで、厚生年金、共済年金の加入者のこと。

国民年金の加入者でもありますが、加入する厚生年金などからまとめて国民年金に支払われるので、加入する厚生年金以外に国民年金分として改めて保険料を支払う必要はありません。手続きは会社などの勤め先で行い、給与から天引きされます。また、65歳以上で老齢年金の受給を受けている方は第2号被保険者とはなりません。

第3号被保険者の条件

年齢制限がある

第3号被保険者の条件のひとつ、年齢制限。20歳から60歳未満であることが条件として挙げられます。例えば18歳で結婚して、配偶者が20歳以上のサラリーマンで厚生年金に加入している第2被保険者であったとしても、20歳未満の妻は第3号被保険者とはなりません。

また、第3号被保険者が60歳になると第3号被保険者の資格を喪失することになりますが、この場合の手続きは不要です。配偶者である第2被保険者が勤務する会社を通じて届け出た時点で、その配偶者の生年月日も一緒に届け出ているので、自動的に喪失することになります。

第2号被保険者の配偶者

第3号被保険者の条件は、会社員、公務員である第2号被保険者に扶養されている配偶者であること。保険料は配偶者が支払っているわけでも、配偶者の務める会社が支払っているわけでもなく、配偶者が加入する年金制度が負担するので、実際に第3号被保険者が保険料を支払うことはありません。

しかし、第2号被保険者である配偶者が転職をしたり、自営業者になった場合には資格が変わり、第1号被保険者となりますので、お住いの市区町村の年金窓口に届け出が必要になります。配偶者のその後の働き方、厚生年金などに加入するかどうかで、その配偶者の国民年金の資格も変わってきますので注意しましょう。

年収は130万円未満まで

第3号被保険者の条件のひとつ、収入制限。一般的に「130万円の壁」といわれるものがそれにあたります。第3号被保険者がパートやアルバイトなどで、年収130万円を超えると、第3号被保険者から外れてしまい、自身で保険料の負担をする必要があります。

130万円とは給与収入のすべてのこと。所得税法では非課税となっている分も入るので、非課税である交通費も含まれます。また、年収の判断は収入見込み額によって判断されます。今年度の合計額ではなく、「月収ベースで1年間受取れば130万超えるかどうか」ということで判断されますので、第3号被保険者のままで働きたいという希望がある方は注意しましょう。

手続きが必要になるとき

離婚したとき

第3号被保険者が、第2被保険者である夫、もしくは妻と離婚した場合には、第3号被保険者に該当しなくなった旨の届け出(被扶養配偶者非該当届)を厚生労働大臣(日本年金機構)に届け出る必要があります。

また、併せてお住いの市区町村に第1号被保険者となる手続きも必要になりますので、年金手帳と印鑑を持って早めの手続きを行いましょう。

これらの手続きは、第3号被保険者であった方が、実体としては第1号被保険者であるにも関わらず、届け出が無いために記録上だけ第3号被保険者のままになる記録上不整合をなくすための手続き。保険料の未納が発生し、無年金や低年金になることが社会問題化されたために、平成26年12月から法律が改正されました。離婚をした場合には速やかに手続きを行いましょう。

【参考リンク:http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2015/20150513-02.files/0000029268lyOwFMfjHT.pdf

配偶者が転職した場合

厚生年金や共済年金に加入している配偶者が会社を辞めた場合、その妻(夫)は第3号被保険者から第1号被保険者に変わります。会社を辞めてから次の会社に就職して厚生年金に加入するまでに、1日でも間がある場合はお住いの市区町村の年金窓口への届け出が必要です。

また、配偶者が再就職をして新しい勤め先で厚生年金などに加入をした場合には、改めて新しい会社を通しての年金事務所への手続きとなりますので、第1号被保険者から第3号被保険者に変わる手続きを、自信で行う必要はありません。

配偶者が退職したとき

第3号被保険者の配偶者が会社を退職したとき、配偶者が退職してから2週間以内に、年金手帳、印鑑、離職日が確認できる雇用保険被保険者離職票などを持って、お住いの市区町村の年金窓口で手続きを行います。配偶者が会社を離職した翌日から、第1号被保険者となり、その同月から国民年金保険料がかかりますので未納にならないように注意しましょう。

実際に、手続き漏れが起こりうるタイミングでもありますので、忘れないように手続きする必要があります。尚、月の途中であっても保険料に日割り計算はありません。

配偶者が亡くなった場合

厚生年金や共済年金に加入している配偶者が亡くなった場合、その翌日から妻(夫)は第3号被保険者から第1号被保険者となります。2週間以内に、年金手帳、印鑑を持って、お住いの市区町村年金窓口での手続きが必要となります。また、同月分より国民年金保険料がかかることになり、こちらも月の途中であっても日割り計算はされません。

【参考リンク:http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2015/20150513-02.files/0000023429jB7CvBxbjG.pdf

第3号被保険者での注意ポイント

親や子どもの扶養になると第1号被保険者

第3号被保険者の条件は、会社員や公務員で厚生年金に加入している「第2被保険者の配偶者」という条件がありますので、もしも親や子どもの扶養に入るとなると、その時点で、第1号被保険者ということになり、保険料の支払いが発生します。

重要なポイントは「配偶者」ということにあります。あくまでも、サラリーマンや公務員の配偶者で専業主婦、もしくは主夫が対象ということになりますので注意しましょう。

厚生年金が優先される

第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者が、例えばパート先で厚生年金に加入することになると、厚生年金が優先させるため、たとえ年収が130万に満たなくても、扶養からは外れることになり、第3号被保険者ではなくなります。

自身で厚生年金保険料を給与から支払う(天引き)ことになりますので、この場合は妻自身が第2被保険者となりますので注意が必要です。扶養から外れるつもりはなく、配偶者の扶養のまま働きたいという場合には勤務先に確認し、よく相談しましょう。

65歳からは第1号被保険者

第2号被保険者が65歳になると、その配偶者である第3号被保険者は、第1号被保険者となります。例えば夫が65歳まで働き続けた場合。まだまだ働く意欲があるので会社にそのまま勤め、厚生年金を給与から天引きされている場合でも、65歳の誕生日になると、厚生年金の被保険者ではあるけれども「国民年金の第2号被保険者ではなくなる」ということになります。

例えば、夫が65歳になり、妻が50歳という場合。この場合、夫婦の年齢が離れていて、妻がまだ60歳未満の50歳の場合でも、「第2被保険者の配偶者が第3号被保険者」となるので、妻は第3号被保険者の資格が無くなります。この場合、妻は第1号被保険者ということになり、自身で保険料を納める必要がでてくるということ。夫婦に年齢差がある場合にはこういったケースになるということを覚えておきましょう。

失業給付は限度がある

第3号被保険者が雇用保険の失業給付を受ける場合、受給額が3612円以上になる場合には、第3号被保険者になることができなくなります。その理由は、配偶者の扶養になる条件の「年収130万円未満」という制度。

年収130万円というのは、先々の見込み額で計算されます。失業保険は給付の日数に関係なく、1日分の給付額に180日(半年分)の日数をかけて算出するため、「130万円の半年分となる65万円を180日で割った3,611円未満」でなければ扶養の要件を満たさないことに。

例えば実際に給付を受けた日数が60日とか45日であったとしても、また、最初から3か月分(90日)分しか給付日数がなかったとしても「1日分×180日」という計算がされますので注意が必要です。

第3号被保険者のメリット

取得手続きは会社が行う

第3号被保険者のメリットとして、第3号被保険者自身が届け出に出向く必要がないということ。この届け出は配偶者となる第2号被保険者の勤め先を通じて行うことになります。

これは、第3号被保険者制度がスタートした当初から、この制度を知らずに手続き忘れが多発したためにできた制度。平成14年4月からは、第3号被保険者の手続きに対し、配偶者の会社に書類を提出して手続きを行うことになりました。この制度により、第3号被保険者の手続き漏れは減少しています。

本人の保険料負担がない

第3号被保険者の保険料は、第2号被保険者である配偶者が加入する厚生年金や共済年金が負担しています。第3号被保険者本人は保険料を負担することはありません。第3号被保険者は個人での保険料を負担することなく老齢年金を受け取ることができます。

例えば、20歳から60歳まで40年間ずっと第3号被保険者であったとすれば、65歳から減額されることなく満額の老齢年金を受け取ることができるということ。しかし、第3号被保険者制度は昭和61年に4月にスタートした制度。それ以前、会社員の配偶者は任意で加入していましたので、その時代に国民年金に加入していなければ満額時給とはなりませんので覚えておくとよいでしょう。

自動的に年金分割

第2被保険者は65歳になれば「老齢年金」に上乗せして「老齢厚生年金」の支給を受けることになります。第3被保険者が配偶者と離婚をした場合、65歳になったときの老齢年金に配偶者との間に老齢年金の差が生じます。この不公平の差をなくすため、平成20年4月に「合意なしの年金分割」が行える制度が導入されました。

これは離婚したときに、夫婦間の同意が無くても、平成20年4月1日以降の婚姻中、配偶者に扶養されていた期間についての老齢厚生年金の半分を分割して受給できるようになる制度で「3号分割」といいます。

なお、この制度は平成20年4月1日に施工されています。同意なしに婚姻中の厚生老齢年金が受給できるのはこの日以降の婚姻期間中に限られています。婚姻期間中の厚生老齢年金全てを分割する場合には夫婦の合意が必要な「合意分割」になりますので、離婚後2年以内に交渉手続きが必要になりますので注意が必要です。

届け出を忘れている期間がないかチェック

自分で届け出が必要だった期間

第3号被保険者制度が昭和61年4月に始まった当初から、配偶者の勤務先を通じて手続きが行えるようになった平成14年3月までは、配偶者である妻(夫)自身が国民年金課へ出向き、自身で第3号被保険者の手続きを行わなければなりませんでした。

そのため、手続きを知らずに第1号被保険者のままの状態で未納状態、届け出忘れが続出。その結果、知らず知らずのうちに保険料が未納になっていたということに。自分で届け出が必要だった「昭和61年4月~平成14年3月」に配偶者の扶養になっていた方は、当時の届け出の有無を思い出してみましょう。

現在では保険料納付の情報がわかる「ねんきん定期便」が国民年金、厚生年金加入者に送られてきますので、内容を確認してみるとよいでしょう。

第1号としての未納期間

第1号被保険者になれば、自身で保険料を納付することになりますが、保険料の納付を忘れてしまうと「未納」扱いとなり、支払いのない期間は将来の受け取り年金に反映されなくなりますので注意しましょう。

保険料の納付期限からさかのぼって2年以内であれば保険料を納付することが可能です。しかし、2年を過ぎてしまうと保険料は時効扱いになり、納付ができなくなってしまいます。未納期間がそのまま記録されてしまうと将来受け取れるはずの年金が少なくなってしまいますので注意が必要です。未納に気が付いたらすぐに最寄りの年金窓口に相談しましょう。

【参考リンク:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201208/1.html

第3号被保険者の特例届出制度

第3号被保険者制度が始まってから平成14年3月まで、第3号被保険者となれる方が、自身で年金事務所に出向くことを知らずに届け出漏れが多かったことから、特例として平成17年に「第3号被保険者の特例届け出制度」が導入されました。

届け出忘れがあった場合、2年以上でも遡って第3号被保険者となる手続きができるようになりましたので、もしも当時届け出がされていなかった場合、諦めずに最寄りの年金事務所窓口に相談をしてみましょう。

しかし、平成17年4月以降については、やむ負えない事情がない限り、この特例届け出制度の対象とはなりませんので注意が必要です。

【参考リンク:http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2015/20150216-02.files/00000126974A3VE7MSZS.pdf

仕組みを理解し手続きを忘れずにしよう

? 第3号被保険者という制度はサラリーマンや公務員の配偶者にとって、保険料を納めなくとも国民年金に加入でき、第1号被保険者と同じ老齢年金を受け取ることができるメットがある制度。しかし、あまり手続きについては一般的に知られておらず、手続き漏れが起こることも。
国民年金保険は日本国民が誰でも加入が義務付けられている制度ですが、手続きが漏れると気付かない間に未納になって無保険状態ということになりかねません。将来の年金にかかわる大切な制度ですので、まずはこの機会に国民年金の仕組みを理解し、漏れのないようにきちんと手続きをして、安定した将来のために備えましょう。

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この記事のライター UKANO 編集部

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