年収800万円世帯は、余裕があるはずなのに生活がきついのはなぜ
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世帯年収800万円はどれくらいなのか
年収800万円台は全体の2.7%ほど
年収800万円台の人がどのくらいいるのかというと国税庁が発表している2014年の民間給与実態統計調査では全体の2.7%程度となっています。
実際、平均年収は約370万円ぐらいとなっていますから、年収800万円となれば平均年収の倍近くの年収です。
これだけの年収を得られる仕事とはどのようなものなのか、片働きでこれだけ稼げるのか気になるところです。
また、会社員と公務員では、どちらが年収はよいのか、気になるところは多々ありますが、一言で会社員や公務員といってもその職種は様々ですから一概に判断することができません。
手取りは600万円前後
年収800万円とは、税金などを引かれる前の給与の支給額です。
800万円の年収といっても所得税や社会保険料などが引かれますから、実際の手取額は、600万円前後。
年収が800万円ちょうどであれば、所得税は69万円、住民税が56万9千円程度です。
所得税などの場合には、控除されるものもありますから、一概にこれだけの税金を納めなければならないということではありません。
税金の他にも、健康保険料や雇用保険料など差し引かれて、実際に手にするのが600万円前後というところです。
お金に余裕のある年収
日本の平均年収は、370万円程ですから、年収800万円というとお金に余裕があると考えることができます。
年収800万円は単純に考えると月収としては50万円ほど。
家族形態にもよりますが、3人家族である場合であっても月家賃を10万円以内におさめ、生活費も15万円程度に納めるだけで月々25万円の貯蓄を行えます。
年間で250万円の貯蓄を行うことができれば、十分に将来に備えることもできるでしょう。
平均年収である360万円で考えると、所得税などを引いて手取り額はだいたい25万円です。
年収800万円あれば生活してさらに貯蓄を行うことがでできますが、平均年収では、貯蓄が難しくなります。
家賃や生活費をなるべく抑え、貯蓄に回す工夫を行う必要があります。
共働きで世帯年収800万円の家計
社会保険料はそれぞれ差し引かれる
年収800万円と言っても、共働きの世帯年収が800万円の場合もあれば、単身者で年収800万円の場合もあります。
同じ800万円でも世帯年収だと手取額などにも違いが出てきます。
世帯年収が夫婦2人の共働きでの年収であった場合、夫婦がそれぞれに所得税や社会保険料を差し引かれることになります。
どの程度給与から差し引かれるのかは、収入額に応じて違うので一概にはいえません。
片働きで年収800万より手取り年収が高い
片働きで年収が800万円の場合と、世帯年収が800万円の場合とでは、世帯年収で800万円の方が手取り額が多くなる可能性が高くなります。
世帯年収が800万円の場合
妻の年収が300万円、夫の年収が500万円で世帯年収が800万円の場合。
300万円の年収に対して所得税・住民税が約23万9,000円、年収500万円では、約52万7,000円。
両方合わせると76万6,000円となります。
片働き年収800万円の場合
片働きで年収800万円の場合の所得税・住民税は約125万9,000円となります。
税額は、その所得に応じて税率が変わります。
ですので、片働きで年収800万円より、300万と500万を合わせた年収800万円のほうが税率が低いので手取りが多くなると考えられます。
上記の金額は、控除額などを含まていません。
実際には、世帯年収の場合、夫婦それぞれの所得から控除を行うので金額も変わるので注意が必要です。
家や車を持つことが出来る年収額
世帯年収が800万円というとどのようなことができるのでしょうか。
夫婦と子供一人という家族構成であれば、持ち家や車を維持することもできる年収です。
土地付きの一軒家を買い、ローンを組んで支払をしても、老後の貯えまで十分に行える年収ともいえます。
賃貸物件であっても4LDKのマンションなど15万円前後の家賃のマンションを借りることができます。
ただし、今後、社会保険料や所得税の増額なども予想されますから、できるだけ家賃を抑えて10万円を切るぐらいの家賃が望ましいところでしょう。
世帯年収800万の層は貯蓄しにくい?
お金をためられない層と言われている
世帯年収800万円と聞くと羨ましいと感じる人が多いように、これだけの年収がある人は決して多くありません。
全体の3%未満ですから、かなり少ないともいえます。
きっと余裕のある生活を送っているのだろうと羨ましがるのは外の人で、実際の内情は羨ましいとはかけ離れたものとなっていることも多いのが現実です。
年収800万円世帯は、隠れ貧乏も少なくなくお金を貯めることができない層ともいわれています。
その原因となっているのは、意識。
年収が700万円を超えるあたりから、自分はほかの人とは違う、上流の人間なのだと思ってしまう傾向があります。
必要以上の生活を求めてしまうことも多く、これが隠れ貧乏の原因となります。
高額ローンが組める
年収800万円というと高額のローンを組むことも可能です。
これも隠れ貧乏の原因の1つとなります。
住宅ローンや車のローンなど、年収が800万円となるとかなり高額のローンを組むことができてしまうため、それに合わせた買い物をしてしまう傾向がみられます。
例えば5,000万円のマンションの購入をすると頭金の額にもよりますが、35年ローンで月々の支払は15万円程度となるでしょう。
年収800万円なら月の収入は、50万円程度となりますから、十分に余裕のある返済です。
これが年収400万円だと月収は33万円程度ですから同じようにローンを組むことは難しいでしょう。
高額のローンを組むことができるだけに、買うものも高額になる傾向にあります。
ちょっと良いものが買えてしまう
年収が800万円あり、月々50万円程度の収入となると、ちょっとした買い物もついつい高級品になりがちです。
多少高くても購入できるために高級品を選択してしまったり、ちょっとした気分で購入してしまったりと無駄なものへの出費も多くなります。
アイスクリーム一つ購入することを考えても、節約を考えてファミリーパックを購入するのと、高級品のアイスを購入するのでは数百円の差があります。
アイスであれば数百円の差で納めることができても、車になれば金額の差も大きくなります。
余裕があるだけに節約しなければならない、我慢しなければならないという意識が薄れてしまうのでしょう。
貯蓄する方法
家庭のお金の動きを把握する
年収800万円となると余裕のある生活を送ることができるということから、ついつい家計もどんぶり勘定になりがちです。
食費にどのくらいかかっているのか、教育費にいくらかかるのかなど、どんぶり勘定で行っているうちに、気がついたら収入はあるものの生活が厳しくなっているということにもなりかねません。
そうならないためにも、また、そうなった際に生活を見直すためには家庭のお金の動きを把握しておくことは大切です。
家庭の中に無駄なお金の動きがないか、使いすぎている部分がないかときちんと把握し見直すことで貯蓄に回せるお金を生むことができます。
家計簿やシュミレーションサイトを使って、まずは何にどのくらいの支出を行っているのか、年間ではどのような状態になっているのかをきちんと把握しましょう。
節約する項目を決め無駄な支出を抑える
家庭の中にはなかなか抑えることが難しい支出もあります。
例えば家賃もその一つ。
引っ越しなどを考えることもできますが、まずは他の分部から無駄となっている支出を抑えることが必要です。
毎月どのような支出があるのかを明確にし、支出を抑える項目を決めましょう。
節約しやすい項目としては食費。
ついつい外食が多くなっていたり必要以上に購入していたりということはよくあります。
まずは、こういった無駄を取り除きやすい部分から支出を抑える努力をしましょう。
夫婦の財布を別にしない
共働きでお互いに困らない収入があるような場合、財布を別にしているということもあります。
この状態だとそれぞれが好きなようにお金を使ってしまうことにもなりかねません。
夫婦の財布は一緒にして、家庭という一つの財布でやりくりを行うのもポイントとなります。
財布が別になっていると実際にどのくらいの支出があり家庭にどのくらいの余裕があるのかが判断しにくくなります。
判断できない状態で支出を行ってしまうことで気が付いたらお互いに貯蓄を行う余裕がない状態になっていることもあるので気を付けましょう。
先取貯蓄をする
貯蓄を増やす方法の1つとして使う前に貯蓄してしまう方法があります。
毎、その月の残りを貯蓄に回すといった方法の場合、ついつい使ってしまって貯蓄に回すお金が残っていないということもあります。
先取貯蓄は給与が振り込まれたらすぐに貯蓄をしてしまう方法です。
これなら貯蓄に回して残ったお金で家計を回すことになりますから、無駄な買い物なども控えられます。
先取り貯蓄
先取貯蓄にはいくつかの方法があります。
金融機関で決まった日に貯蓄型の預金口座の方に振替えるような方法もありますが、代表的なものが財形貯蓄と社内預金です。
・財形貯蓄
財形貯蓄は、給与から会社が天引きし、銀行に送る方法です。
貯蓄額は、それぞれで決めることができ、振り込まれる前の給与から引くので必要な分だけを振り込んでもらうことができます。
一般財形・住宅財形・年金財形の3種類があり、中でも、住宅財形と年金財形は、通常利子にかかる税金20%が免除となりお得です。
会社が財形貯蓄制度を採用していれば利用することができます。
・社内預金
社内預金は、会社が行っている貯蓄となり、給与の一部を天引きして会社に貯蓄します。
会社は、この貯蓄を利用して設備投資や運転資金にします。
最低でも0.5%の利子が付くためお得な貯蓄ですが、金融機関の貯蓄とは違い、会社が倒産などとなった際には何も戻ってこない可能性もあります。
投資を利用する
貯蓄を増やす方法では、投資も1つの方法です。
実際に年収800万円以上の人の場合、貯蓄のひとつとして投資を行っている人は多くなっています。
積立投信なら初心者でも行いやすいでしょう。
積立投信は投資から少しずつ資金を集めプロの投資が運用を行います。
千円単位からでも投資を行うことができ、リスクを軽減しながら収益の安定化も図ることができるため初心者でも行いやすい方法です。
ふるさと納税などで所得税を抑える
ふるさと納税も貯蓄を増やすための方法の1つです。
ふるさと納税は節税することができるため、残るお金を多くすることができます。
増えた分を貯蓄に回すことで貯蓄を増やすことができるでしょう。
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、個人が納めている住民税を自分の故郷や応援したいと考えている自治体に寄付することです。
住民税の20%程度が目安となり、寄付した自治体からは返礼品が送られます。
また、寄付金の使い道を指定することもできます。
年間の合計寄付額の2,000円を超える分に関しては所得税、住民税の控除対象となるため節税対策としても人気です。
家計簿を見直して浪費を抑える
通信料を見直してみる
家計を見直すためには家計簿をつけることが重要なポイント。
どこにどれだけの支出をしているのか見えるようにすることで無駄を省きやすくなります。
意外と浪費の原因となっているのがスマホ代(通信料)。
スマホをひとり一台持つことが当たり前となってきている現代。
家族全員がスマホを持つと通信費も大きな金額になります。
月のスマホ代が一人7,000円を超えているようであれば、一度見直しを行ってみるとよいでしょう。
一人一人の使い方に合わせ個人で料金プランを変えたり、家族全員を同じキャリアにして家族割などを利用したり、家のインターネット回線までまとめるとお得になるプランもあります。
ネットショッピングを控える
ついついやってしまいがちなのがネットショッピングでの買いすぎ。
ネットショッピングは便利である分、買いすぎてしまうということもあります。
また、その場で支払するわけではないため、なんとなく買い物をしてしまい気が付いたら高額になってしまっていることも。
実際に手に取らず、画面上で買い物をしてしまっている分、どのくらいの買い物をしたのか判断しずらいことが、買いすぎの原因。
ネットショッピングをする時は、予算を決めたり、必要なものだけ吟味して購入するなど工夫が必要です。
必要以上の外食をやめる
お金に余裕があるとつい外食も多くなってしまいます。
共働きの場合などは特に、仕事を終えて帰宅して食事の準備をするのは大変なので、外食に頼ってしまうことも。
しかし、度重なる外食は支出が増える原因です。
家族3人で夕食を外食にした場合、5000円はかかってしまいます。
週に1回でも、1カ月に外食だけで2万円の支出です。
この回数が増えればかなりの額になってくることがわかるでしょう。
ラーメンと考えても外食なら夫婦で2000円程度は必要ですが、これを自宅で作れば数百円で作ることができます。
このちょっとした差が、1カ月で計算すると大きな差となります。
帰ってきてから作るのが大変ということなら、休みの日などに作り置きしておくのも方法です。
休みの日に作り置きをするのを習慣にすれば外食での出費も防ぐことができます。
家族のレジャー費を見直す
休日などはどのようにして過ごすでしょうか。
レジャー費は、意外と簡単に削れる部分です。
お金をかけずにレジャーを楽しむ方法はたくさんあります。
休日に簡単なお弁当を作って公園に出かけるのもよいでしょう。
家族旅行でも、宿泊施設のランクを落とすということもできますし、割引などを利用する方法もあります。
温泉にこだわる、おいしい料理が食べたいなどポイントを絞ってそれ以外の部分は気にしないなど工夫することで旅行費用を抑えることができます。
中には毎週のようにショッピングや遊びに出かけてしまうということもありますが、自宅で楽しめることもあります。
レジャー費をきちんと決めてそれを超えない計画を立てましょう。
1か月いくらあれば生きていけるのか計算してみる
年収が800万円というとなかなか収入となります。
にも拘わらず生活が苦しいと感じる場合には、どこかに無駄があるということ。
家計簿をつけて本当に必要なものはどれなのかを出してみましょう。
生活する上で最低限必要となる金額を出すことで、それ以外のものは必ずしも必要なものではないということがわかります。
被服代なども思いのほか使っている項目です。
1カ月にそれほど必要なのか考えてみましょう。
生きていければよいということであれば、毎月被服を購入する必要はありません。
現在持っているものを上手に活用することで支出を抑えられます。
世帯年収800万の層が住宅ローンを組む場合
年収の約5倍くらいが住宅購入費の目安
世帯年収が800万円あれば高額なローンを組むこともできます。
この高額なローンというのは年収800万円世帯のかくれ貧乏の原因ともなります。
高額なローンを組めるのとローンを返済できるというのは別です。
例えば住宅を購入するとき、どのくらいのローンを組むかは住宅の購入費用によって変わってきます。
上を見ればきりがありませんが、年収の約5倍程度が住宅購入費の目安といわれています。
ここで間違えてはいけないのがあくまで目安であるということです。
家庭の事情で異なってくることを頭に入れておきましょう。
年収800万円なら住宅の購入費は、4,000万円ぐらいは大丈夫ということではありません。
子どもがいれば、その教育費用もかかり、成長に合わせて支出も増えることが考えられます。
高額なローンが組めるから、と言って高額のローンを組むと返済がツラくなるときが出てくることもあります。
金融機関から借りれる額ではなく返せる額でローンを組む
ローンを組むときは、「借りられる額」ではなく、「返せる額」でローンを組むように気をつけましょう。
「返せる額」は同じ年収800万円世帯でも家庭によって差があります。
家庭の支出を考えて、毎月いくらローンの支払いに回せるのか計算しなければなりません。
住宅を取得することで、賃貸の時よりも増える経費もあるということを忘れてはいけません。
固定資産税などの経費もありますが、一戸建てだとそれまでよりも電気代が上がることもあります。
家計ギリギリの計算を行うのではなく、余裕を持ったうえで返済額を決めてローンを組むことが必要でしょう。
諸費用の計算も忘れずに行う
住宅ローンを利用する場合、住宅取得に必要となる費用を考えてローンを組みますが、意外な落とし穴が諸費用です。
住宅ローンを組むだけでも諸費用が必要となります。
土地代建物代だけでなく、所有権移転登記など様々な登記などがあり、それぞれに費用が必要となるため200万円近くが必要となります。
これを考慮しておかないとローンを組んでから、諸経費の支払いで苦労することにもなりかねません。
他にも、住宅ローンの融資事務手数料があります。
この手数料には低率型と定額型とがあり、低率型は、融資金額に応じて変わりますが数十万円、定額型の場合には数万円程度が必要です。
定額型の場合には金利の高い融資となるため、どちらを選択するのかはきちんと計算する必要があります。
家庭のお金の動きを把握して上手にまわそう
年収800万円世帯は隠れ貧乏ともよばれ、貯蓄しにくいという現状があります。
これは収入が多いために生活が贅沢になってしまい、その生活水準を落とすことができないためとも言われています。
このような状態にならないためには、きちんと家庭のお金を動きを把握して無駄を作らないようにすることが大切です。
収入が多いだけに余裕のあることが予想されてしまい、税金も取られやすいとも考えられます。
今後所得税や社会保険料などが上がることも考えると余裕のあるうちに貯蓄を行うことが大切です。
貯蓄を行うとともに、生活水準を上げ過ぎてしまわないように上手にやりくりを行いましょう。
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