確定拠出年金とは。税金が減るかしこい運用の仕方があるのは本当か

February, 09, 2018

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確定拠出年金の3つの税メリット

掛金が全額所得控除できる

本来、確定拠出年金(401K)は誰でも加入できる制度ではなく、「個人型」「企業型」と加入資格はハッキリと決められていました。
しかし、もっとたくさんの人に利用してもらおうと、加入資格の見直しが図られたのです。

では、その確定拠出年金が、ほかの金融商品と比べていい点はなにでしょうか。
まず、確定拠出年金のメリットのひとつとして、掛金が所得から控除できるという点があります。
所得税や住民税などという税金は1年間の所得に対して課税金額が決定します。
そのため、所得が多ければその分だけ支払う税金は多くなります。

しかし、確定拠出年金として払った金額は所得から差し引かれ、その差し引かれた金額が1年間の所得として計算されるため必然的に支払う税金額は減ることになります。
しかも支払った掛金全額が控除されるとてもお得なメリットがあります。

運用益は非課税になる

ふたつめのメリットとして、資産を運用して設けた利益は非課税になるという点があります。
本来であれば、預貯金に対する利息、投資信託などの分配金などはその年の利益である以上所得とみなされ、普通の金融商品であれば20%の税金がかかってきます。

しかし、この確定拠出年金はかかってきません。
そのため、運用の利子などで得た運用益をさらに運用元本に組み込むことができるのです。
そして、どんどん元本の金額を増やすことができればまた運用益が増えることになります。

受け取るときの優遇措置

老齢年金として受け取るとき、一時金として受け取る場合は退職所得控除が適応されます。
年金として毎月一定の金額を受け取る場合は公的年金等控除が適応されます。
このとき受け取りを開始できる年齢は加入期間によって決まっています。
加入して1ヵ月の場合は65歳から、2年だと64歳、10年だと60歳から受け取りを開始できます。

また不慮の事故などで障害を持った場合は障害給付金として受け取ることができ、その場合は所得税、住民税共に非課税となります。
万が一、確定拠出年金をかけていた人がなくなってしまった場合は、遺族が死亡一時金として掛け金を受け取ることができます。
その場合は相続税の対象となります。

自分の老後のため、万が一の不慮の事故のためなど、一般的な生命保険と内容はあまりかわらないのですが、確定拠出年金には多くの税に関するメリットがありますのでしっかり把握し申請するようにしましょう。

掛金に関する税の優遇

所得税と住民税が軽減される

確定拠出年金のメリットとしてもありましたが、所得税と住民税が軽減されるというメリットがあります。
所税も、住民税の金額はその人の課税対象になる所得の金額によって決まってきます。
ですので所得金額が少ないほうが支払う税金は少なくなってきます。
確定拠出年金においては所得から掛けた金額、引かれた金額がそのほうの所得とされそれに対しての課税になります。

所得税は課税対象となる所得額によって課税されるため、課税割合はそれぞれ変わります。
しかし、住民税はどの市町村でも10%と一律です。
ですので、所得が少ないほうが納める税金は少なくなってきます。

優遇を受けられる掛金の金額

掛金には限度額というメリットものがあります。
それは、その人の国民年金の種類によって決まってきます。
自営業者などの第1号被保険者の場合は、国民年金基金の掛金や付加保険料含めて月額68,000円かけることができます。

会社員や公務員の第2号被保険者の場合は、企業年金に加入している人で月額20000円、していない人は、月額23,000円。
公務員や私学共済に加入している人は、月額12,000円。
これらのどれにも含まれない第3号被保険者は、月額12,000円が上限になります。

軽減される税金額

所得税は、給与所得-所得税控除額で課税所得を出し、その課税所得×税率で所得税は算出されます。

まず、所得税控除額の計算方法は、所得税控除額は給与所得の金額によって控除される率が変わってきます。

180万円以下…収入×40%
180万円~360万円…収入×30%+18万円
360万円~660万円…収入×20%+54万円
660万円~1千万円…収入×10%+120万円
1千万円以上…220万円(上限)

所得税控除額が計算できれば、給与所得から控除される金額を引き、課税対象となる課税所得を出します。
その金額に自分の課税所得に対する税率をかけ所得税を算出しましょう。

運用益に関する税の優遇

金融商品の運用益に対する課税

預貯金などの利子、株式などの配当金や売却したときの売却益などの金融商品は課税の対象となります。
どれくらいの税率がかかるかというと、所得税と住民税込みで運用益の20.315%です。

預貯金の利子の状態もよくない、株式の配当金もあまり出ない状態の近年、2割が所得税と住民税で惹かれてしまうのです。

確定拠出年金の運用益は非課税

一方、確定拠出年金の運用益に対する課税率はというと、なんとありません。
運用益は非課税で課税の対象ではないのです。

貯金して利子がついてもそのうち2割が税金で差し引かれるのと、確定拠出年金で同じようにお金を掛け運用しても、その運用益が非課税でそのまま残るのとでは、長年続けると大きな金額差になってきます。

老齢給付金として受け取る際の税の優遇

老齢給付金の概要

老齢給付金とは確定拠出年金に加入し運用していた人が、基本的に60歳になったときから受け取ることができる個人年金資産のことをいいます。

受け取りを開始できる年齢は加入期間によって決まってきます。
加入期間が1ヵ月だと受け取りは65歳、2年だと64歳、10年以上の加入で60歳から受け取り可能と決まっています。

受け取り方法も、年金として月々もらう方法や一時金として受け取る方法、両方を併用する方法があります。

年金として受け取る場合

年金として受け取る場合は、雑所得となりますので公的年金控除の対象になります。
確定拠出年金も総合課税に含まれるため、ほかの所得と一緒に合算され、合算された金額に対しての控除となります。
控除額は65歳以上か65歳以下かということと、所得によって控除を受けることができる金額は決まってきます。

そしてその控除を受ける金額を収入から引いた金額に対して、所得税と地方税が課税されることになります。
年金として受け取るほうが得なのか、一時金としてまとめて受け取るほうが得なのか、また自分のそのときに置かれている生活状況によっても変わってきますので、よく考えて選択するようにしましょう。

一時金として受け取る場合

一時金として受け取る場合は、退職所得としてみなされるため退職所得控除の対象となります。
退職所得は分離課税なのでほかの所得から分離され退職所得のみに課税されます。

控除額の計算方法は勤続年数が20年までは1年40万円、20年以降は1年70万円の控除を受けることができます。
確定拠出年金の場合は加入年数が勤続年数として計算されます。

そのほかの受け取り方を選んだ際の税の優遇

障害給付金として受け取る場合

障害給付金として受け取る場合の条件は、障害基礎年金の1級もしくは2級に相当する高度障害者となることが条件として定められています。
その場合、基本的に確定拠出年金の受け取りは60歳からと定められていますが、60歳になっていなくても受け取りを開始することができます。
そして、障害給付金として受け取った金額は非課税になります。

受給を受けている途中で、障害が軽くなった場合でも、年金資金が残っているうちは、引き続き受け取りを続けることは可能です。
年金方式で月々決められた金額を受け取ることも、一時金として受け取ることもどちらでも可能ですので、そのときの状況に応じて決めるようにしましょう。

死亡一時金として受け取る場合

確定拠出年金の加入者もしくは加入し受給を受けていた人が亡くなった場合は、その遺族が一時金として受け取ることができます。
受け取れる遺族の範囲や順位は決まっていますので注意するようにしましょう。

死亡一時金として受け取る場合に注意しなければいけないことは、5年以内に申請することです。
5年以内に申請しなかった場合、「受け取る者がいない」とみなされて法務局に供託されます。

さらに注意すべき点は、申請は早めにおこなうという点です。
3年以内に申請した場合、受け取った一時金は「みなし相続財産」として扱われ、相続税の対象になります。
相続税の対象となれば法定相続人あたりは500万円までは非課税になります。
しかし、3年が経過してしまった場合、一時所得として扱われてしまい控除が少なくなったり、相続税よりも税率が高くなる可能性がありますので、できる限り早めの申請をおすすめします。

退職金と同年に受け取る場合の注意点

所得税率が高くなる場合がある

退職金と一時金を同年に受け取るときに注意したいのが、退職金が高額出る場合です。
退職金と一時金を合計した金額から退職所得控除額を引いて、1/2をした金額に対してかかる税率の問題です。

退職所得に対する税率のかかり方は、累進課税といって金額に応じて課税の割合が変わってくる方法になります。
そのため退職金が高額であればあるほど、税率は高くなり支払う税金額も高額な金額になります。
同時に受け取ったほうが支払う税金が安くなると思いがちですが、思わぬ落とし穴になり受け取ることができる金額が減る可能性がありますので、事前にしっかり計算して受け取り方法を考えましょう。

退職金と一時金は合算して控除額計算する

退職金と個人型DCを同年に受けとった場合、企業からの退職金と一時金を合算して控除額を計算します。

例えば、勤続年数が45年で退職金を2千700万円もらった場合、40万円×20年+70万円×(45年-20年)=2千550万円になります。
この2千550万円までは課税対象にならないということですので、2千700万円から2千550万円をひいた150万円が本来であれば課税の対象となります。
ですが、退職所得控除はさらにこの金額を1/2にした金額が課税対象になります。

退職金をもらったタイミングで、シミュレーションなどを使ってどの受け取り方が一番お得なのかを、しっかり見極めるようにしましょう。

税率をおさえるために

せっかく老後のために確定拠出年金を積み立ててきたのに、税率が高くなってしまうのはとても残念なことなのでどのタイミングで、どのような形で受け取ることがベストなのかをしっかりと考えておかなければいけません。

例えば、最後に退職金を受け取ってから15年が経たないうちに確定拠出年金を一時金としてまとめて受け取る場合、勤続年数と加入年数が重複している期間は差し引いて、課税対象となる額を計算するなどというルールがあります。
そのような場合は年金受け取りにしましょう。

もしくは、退職金を5年先送りにして受け取るという方法もあります。
一時金を受け取ってから5年がたって退職金を受け取る場合は先ほどと違って、重複している加入年数を差し引いて計算する必要はありません。
ですので、退職を60歳で考えていない場合は60歳で一時金を先に受け取り、65歳まで働き退職金を受け取ると「全額退職所得控除の対象」となります。

確定拠出年金に関する税金のポイント

税金控除額の計算方法

確定拠出年金を積み立てていくなかで、一番気になるポイントが何年後にどれくらい積み立てて運用できているのか、また受け取るときにどれくらいの税金がかかるのかということです。

そのような計算をするためにシミュレーションを利用しましょう。
確定拠出年金をする際のメリットやデメリットなどを教えてくれます。
またどのように運用すればより運用益がいいのか、どのタイミングでどのような受け取り方をすれば控除額がいいのかなどを知るために役に立つでしょう。
実際に金額を知ることができれば、自分の生活にも落とし込みやすいため、シミュレーションを活用してみてください。

いかにかしこく運用し、一番税金が少なく受けとれるかということが大切な部分になってきます。

参考:http://www.dcnenkin.jp/tax/

控除の申請方法

控除の申請の仕方については、会社で年末調整をしてもらっている人はそのときに、個人事業主で自分で確定申告をしているとう人はその確定申告で申請することになります。

生命保険料の控除と同じように、確定拠出年金の控除証明書が郵送されてきます。
それを添付し、年間に掛けた金額を必要な個所に記入することで、この掛金に対する所得税がかからなくなりますので、必ずしっかり申告するようにしましょう。

申請に必要な書類

申請に必要な書類としては、上記でも記入しましたが国民年金基金連合会から郵送されてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」になります。

年末調整を会社でしてもらう人は勤めている会社に、確定申告をする人は税務署に記入した書類と一緒に提出しましょう。
万が一紛失した際には、国民年金基金連合会に連絡し再発行してもらうようにしましょう。

控除の申請期限

年末調整や確定申告で確定拠出年金の控除を申告し忘れたという場合は、5年以内であれば確定申告で申告できます。
申告し忘れている場合は、所得税を多く支払っていることになります。
所得税を多く支払っていることを申告し、その所得税分を還付してもらう手続きを「還付申告」といいます。

万が一忘れてしまった場合は、せっかく税対策をしているのですから、必ず還付申告をし税務署で「更生の手続き」をおこないましょう。

確定拠出年金の税メリットをうまく利用しよう

高齢化社会となった今では、国民年金ですらいくらもらえるのか、その金額で老後に生活できるのか疑問になってきています。
将来のことを考えて、運用を考えるなら確定拠出年金はぜひともおすすめしたい金融商品になるでしょう。
掛金は全額所得控除できる点や運用益に対する非課税、受け取りの際の税の優遇などを考えても、ほかの金融商品と比べても、とてもお得です。

しかし、そんなお買い得な商品でも使い方を間違えれば損をします。
そこで気をつけなければいけないポイントは受け取り時期と受け取り方法です。
いつ退職するのか、またはほかの金融商品の受け取りの兼ね合いなど自分のライフプランをしっかり考え選択することで、得をしたまま掛金を受け取ることができます。

せっかく自分で働いたお金を老後のためにかしこく税金対策をし運用しようと決めたのなら、自分の将来のために、今しっかりライフプランを考え将来に備えるようにしましょう。

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