外貨預金の資産運用におけるリスク回避|決め手は「分散」
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外貨預金のリスクと対策
資産の運用方法のひとつとして挙げられる外貨預金ですが、通常の貯金と大きく違う点があります。
だいたいの場合、日本円から外貨に交換して預金をしますが、その交換の際にも手数料が発生することです。
それを為替手数料といいます。
また、外貨預金には、取引する為替のレートによっては元本割れの可能性がある、つまりマイナスになるかもしれないというリスクがあります。
そのため、自分の資産に余裕がない中で外貨預金をする場合には、それほどメリットが見いだせないかもしれませんが、あえて、そういったリスクとうまくつきあいながら、外貨預金を運用する方法を考えてみたいと思います。
外貨預金におけるリスク
ここでは、外貨預金についてまわるリスクを具体的に見ていきます。
外貨預金のリスクとしては、外国相手の資産運用なので、思わぬ国際情勢に巻き込まれる、余計な手数料がかさむということがまず挙げられます。
また、取引をしたときの、通貨価値の上下による損失が出ることも考えられます。
為替手数料が高い
外貨預金では、日本円を外貨に交換して預けるときや、外貨を日本円に戻して引き出すときに、それぞれ手数料がかかります。
都市銀行などの大手金融機関やネット銀行で外貨預金を扱っていますが、店舗を持たずにコストを抑えて展開しているネット銀行のほうが、為替手数料は比較的安いようです。
ちなみに、ほかに外貨を扱う取引としては、FXがあります。
こちらの場合は外貨預金と違ってネット銀行では手数料がかからないことが多いです。
しかしそのぶん、FXは信用取引にも入りやすくなっているため、予期せぬ借金を抱え込むかもしれないので、慣れないうちは手を出さないほうが賢明でしょう。
為替変動のリスク
為替相場は日々の社会情勢によって常々動きがあるもので、大きく増えることもあれば、急激に減ってしまうこともあります。
たとえば、今がだいぶ円高になっていて始めどきだと思っても、世界情勢によっては、預けたあとでさらに円高がすすみ、日本円として払い戻す際に損をする可能性もあるのです。
金利変動のリスク
続いて金利ですが、預ける通貨や取引をする金融機関、そしてそのプランによって違いはあるものの、日本円を預けるよりも高く設定されているのは、外貨預金の魅力のひとつでしょう。
しかし、金利も固定ではなく、そのときどきの相場によって変わるため、始めた頃より下がってしまうこともありえます。
預金保険の対象外のリスク
通常であれば、それぞれの金融機関があらかじめ預金保険機構に保険料を支払っているので、預金などは保護されています。
そのため、万が一、金融機関が破たんした場合には、保護されている預金の全額、もしくは一定の金額を引き出すことができますが、外貨預金は預金保険の対象外なので保護されておらず、その破たんした金融機関が支払える分しか戻らないというリスクがあります。
元本割れするリスク
外貨預金の場合は、預けた額が為替の変動や、手数料などで元本割れするというリスクも頭に入れておかなければなりません。
通常の貯金と違い、外貨預金には「預けた金額分はだいじょうぶ」という元本保証がないためです。
しかし、外貨普通預金であれば「元本割れした、損しちゃった」とあわてて引き出す必要はありません。
長い目で見て、損の少ない時期に引き出せばよいのです。
流動性のリスク
外貨預金は、とくに新興国での政治経済や社会の動きに混乱などがあったときや、規制の変更などにより、さまざまな影響を受ける場合があります。
通貨価値の大幅な変動、市場の機能が停止するなどといったカントリーリスクにより、その国の通貨の預け入れや払い戻しを受けられない可能性があるというものです。
また、他にマイナス面として挙げられることは、差益を得たときに、それが「雑所得」という課税対象になる点です。
利益額に20.315%の利率がかかりますので、覚えておいたほうがよいでしょう。
リスク分散の方法
それでは、外貨預金をする際に考えられるリスクを踏まえ、それを最小限に抑えつつ資金運用する方法を考えてみましょう。
余裕資金ではじめること
外貨預金は、金融機関によっては1,000円ぐらいからはじめることができますが、それでも為替の動きがあるなしにかかわらず、手数料などは引かれます。
そのため、少しでも資金に余裕のあるときにはじめるのがよいでしょう。
通貨を分散する
できれば、ひとつの通貨だけではなく、いくつかの国のものに分けて預金し、様子を見ましょう。
そうすることで「あっちがダメでもこっちは増えているから、全体的にはバランスが取れてるな」というように、ある程度のリスクを抑えることができます。
購入タイミングを分散する
海外の為替レートは、日本の証券取引所などと違い、平日24時間いつでも動いています。
そこへ「たまたま一番不利なときにすべてつぎ込んでしまった」ということがあっては目も当てられませんから、リスクを減らすために有効な手段のひとつとして、数回に分けての預金をおすすめします。
定期的に相場や社会情勢をチェックする
外貨預金をはじめると、もちろん、自分の持っている通貨の動きは気になりますね。
その際に、相場の動きだけではなく、「今はあの国の通貨を持っているけど、この国の新しいビジネスがうまくいきそうだから、ここの通貨もいくらか買ってみようかな」というように、興味をもって海外情勢を見ることも大切です。
信頼できる会社を選ぶ
外貨預金の取引をする金融機関の信用度によっては、取引自体ができなくなってしまう場合があります。
したがって、外貨預金の口座を開設するときには、その金融機関の信用度、安心して資金を任せられるかをよく見定めることも重要なポイントです。
自分で判断するのが難しければ、金融機関の格付けを行っている信用格付機関の評価を参考にして選ぶのも、ひとつの手段です。
外貨をそのまま使う
金融機関によっては、外貨を円に戻さずに現金で引き出せるところもあります。
また、外貨預金に連動したデビットカードや、プリペイドカード、キャッシュカードを発行している金融機関もあるので、海外に行った際、外貨普通預金口座に預けてある外貨が使えて便利です。
外貨を日本円に戻さずに使用することで、為替相場の動きによる差損も生じません。
グローバル視点でのリスク分散を行おう
外貨預金を始めるときには、諸外国の様子を観察するようにしましょう。
そうすると、ある国は災害で大変な状況になっている、また別のある国は、ここ数年で地味ながらも経済状況が成長しているなど、視野が広がって、今までわかりにくかった世界の流れが、なんとなく感じられるようになります。
今後、それまでとくに接点がなかった国や、興味の薄かった国の通貨が伸びる可能性もあります。
反対に、盤石だと思っていた通貨の価値がガタガタになることもありえます。
そのような変化は、必ずしも予測しきれるものではありません。
そういった状況の中で、外貨預金での損失が大きくならないためにも、余裕を持っていくつかの通貨を、数回の預金時期に分けて資産運用しましょう。
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