【空売り残高情報】信用取引を行う指標のひとつとして有効

December, 24, 2018

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ハイリスクハイリターンの信用取引

投資を行っている人の中には、短期的にある程度は稼ぎたいとお考えの方もいることでしょう。
しかしその場合は、ハイリスクが気になりますね。

今回は空売り残高に焦点を当てていきますが、空売りとは、実際に手元に所有していない株式を信用取引の制度を利用して売買することをいいます。
この「信用取引」は、一定の保証金を証券会社に担保として預ければ、保証金のおよそ3倍の額で株取引ができる制度です。

最低でもお金がなければ株を買うことはできませんから、証券会社に保証金として預けた金額の3倍のお金、もしくは株を、証券会社から借りて取引をするわけです。
つまり取引でプラスになった場合は、自分の儲けとなりますが、マイナスになった場合は赤字を補てんする必要が出てきます。
そう考えると、信用取引にはハイリスクハイリターンがつきものなのです。

空売り残高が発生する仕組み

株価というのは、いつも一定ではなく変動しているものです。
そのため、誰が取引をしても、必ず残高が発生するようになっています。

自己資本以上の取引が行える信用取引

信用取引という制度を利用すれば、3分の1の資本金で通常の株取引ができるので、今まで資金不足のために手が出なかった人でも、株取引ができるチャンスが多くなります。
たとえば、手持ちのお金として、30万円を保証金として証券会社に支払います。
そうすると、証券会社が保有する空売り用の株30万円のおよそ3.3倍分を、株取引用として借り入れることができます。

要するに、30万円で100万円の株取引ができるというものです。
保証金として証券会社に支払う金額は、購入したい株等によってそれぞれ違うため、支払う前に必ず証券会社に相談するとよいでしょう。

売却と買戻の間に発生する空売り残高

株取引をした結果、使用した金額と取引後の金額の差を、空売り残高といいます。
もちろん、この中には証券会社から借りている分も含まれています。

この残高がプラスのほうに多ければ多いほど、儲けが多いということになりますし、マイナス分が多ければ多いほど、損失が多いということです。
マイナスとはつまり、現金化したときの儲けがゼロ、もしくは赤字であるということです。

運用前に利益も損失も大きいことに注意

株取引には、プラスもマイナスもあります。
プラスの場合はよいのですが、マイナスになってしまった場合、証券会社から借りている資金(株)が減額されるわけではなく、株か現金で返却しなければなりません。

証券会社も、儲かる見込みのない株を、マイナスの状態で買い戻してはくれません。
そのため、どうしても儲けたい場合は、そのまま儲けが出るまで取引を続けるか、再度証券会社と信用取引を行うことになります。

このように、信用取引を利用すると、証券会社のバックアップもあると勘違いして、勝ちで絶対損はしないと思われがちですが、損をする可能性もあるということを念頭に置いて、信用取引を利用しなければなりません。

空売り残高に関わる用語

株取引に関係する用語には、普段の生活では、なかなかお目にかからないような専門用語がたくさんあります。
ここではそのなかでも、頻繁に用いられる専門用語を簡単に説明しながら、信用取引および空売りの特徴について説明していきます。

必ず買い戻される空売り残高

信用取引を利用して株取引をすると、プラスマイナスに関わらず金額が算定されます。
この金額のことを、「空売り残高」といいます。
残高といっても、いつもプラスとは限りません。
プラスのこともあればマイナスのこともあります。

プラスマイナスにかかわらず、始めに投資した自己資金分を差し引いた株と金額、そして信用取引をした証券会社のために、借り入れていた分を買い戻しして返さなければなりません。
プラスの場合は、買い戻しても手元に残りますが、マイナスになった場合は、買い戻し分と自己負担分の両方で大きな損失となります。

株式や現金を担保に行う信用取引

信用取引は、証券会社との間で取り交わされる制度で、支払った保証金のおよそ3倍の額で、証券会社を通じて株取引ができるという制度です。
このときに取引ができる株は、売りも買いもできる空売り用の株に限定されています。

しかし、証券会社ごとに扱っている株の種類は違いますので、証券会社が指定する株の中から選ぶことになります。

信用取引においてまずは株式を売る売建

保証金を担保に、証券会社から取引をするための株を借り、その株を売る(売建:うりたて)手続きを、「空売り」といいます。
そして売建をした結果、数値化される額が空売り残高です。

これはプラスのこともありますし、マイナスのこともあります。
この金額には、自己負担金と証券会社から信用取引制度で借り入れた額も、含まれています。

売りが過ぎると発生する逆日歩

株取引をする人は、株で儲けることを考えているので、売るときには「できるだけ値上がりしたときに売りたい」と考えます。
このように、同じ銘柄の売り注文が増えると、証券会社が初めから設定していたその株式の量を超えてしまいます。
必要以上に株を売ると、どんどん株値が下がってしまいますので、証券会社としても必要以上に株式を保有しません。

どうしても増えてしまいそうな場合は、信用取引でその株を持っている顧客に対して、貸借料を付加します。
これは、1日あたりの歩合で上乗せされるものです。
信用取引をしている人は、いつまでもその株を手元に置いておくと、いつの間にか貸借料が上乗せされていきます。
したがって、不要と思われる株は、すぐに証券会社に買い戻しをするか、制度を利用する際に、使用する株の銘柄を慎重に選択しなければなりません。

空売り残高情報を含む信用残高情報

万が一、株価が購入時よりマイナスになっても、そのダメージをできるだけ少なくするためには、売建後の買い戻しのタイミングが大きく影響してきます。
その時期を判断するための指標となる資料は、「信用取引残高情報」といいます。

証券会社や、各地方の証券取引所のホームページなどで、随時公開されているので、自由に利用できます。
見方に関する説明もあるので、株取引をする前に、一度目を通しておくとよいでしょう。

買戻時のインパクトがわかる空売り残高比率

株価がマイナスになっても、その損失を最小限にするために役立つのが、ケンミレオリジナルの空売り残高比率です。
この比率は、「空売り株数÷1日の出来高(1日に成立した売買の数量)×100」で算出されます。

この数値が大きいほど、買い戻されたときの株価に与える影響が大きくなります。
この計算方法で、算定された数値をもとに銘柄選びをすると、大きく株価が上がる銘柄を、簡単に見分けることができます。

要注意な一気に株価が上がる踏み上げ

注意しなければならないことは、残高比率を利用して、株の売買をしている人が多くいるということです。
つまり、この比率を指標にして株の取り引きをすると、一度に多くの人が同じ銘柄の買い戻しをすることになります。

そのため、株価が一気に上がってしまう可能性が高くなりますが、このことを「踏み上げ」といいます。
このリスクを常に考えて、株価が一気に上がりそうな銘柄は、迅速に買い戻しをするか、証券会社と契約する際にも、そのことを十分に考えてから選択する必要があります。

売買のバランスを示す信用倍率と貸借倍率

多くの投資家が、一度に同じ銘柄の買い戻しをすると、その株価が大きく値下がりしたり、逆に一つの銘柄に多くの人が殺到すると、一気に株価が上がってしまいます。
これでは、株価の値幅が大きくなり、不安定な状態となります。

この株価が幅が一定化していて、うまくバランスが取れている状態を「取り組み」といいます。
このバランスの状況を表す数値を「信用倍率」または「貸借倍率」といいます。
この数値は、次のような簡単な式で表すことができます。

[ A買い残(融資残)÷B ]
上記の式のBに、信用残を入れれば信用倍率に、貸借残を入れれば貸借倍率になります。
この計算で、買い残(融資残)が多ければ負担はなく、少なければ自己負担額が多くなることになります。
一般的には、Aが多くなる傾向にあるので、ほとんどの投資家は、倍率が1倍以上になる銘柄を選びます。

空売り残高の増減が示す状況

株価は常に上下に変動するものです。
株価はいろいろな影響によって、上がったり下がったりと変化します。

増えたらこれから株価が下がるかも

株取引をする際に、この空売り残高の状況を見極めて取引をします。
空売り残高が増えていた場合、通常は翌日には、株価が値下がりする場合が多いので、あわてて売買をせずに、株を売るタイミングや買うタイミングの見極めを、慎重にする必要があります。

しかし、株価が下がると予想していても、予想が外れて下がらなかったり、逆に値上がりしたりすることも多々あるので、短期間で判断せずに、普段からその銘柄の動向を観察している必要があります。

空売り残高が少ない銘柄は値上げ傾向

空売り残高が少ないということは、そのときの株価が底値だとも考えられ、今後値上がりする可能性が高いといわれています。
この場合は、空売り残高の額が少なくなった、翌日以降の株価の動向をしっかり観察してから、判断することをおすすめします。

損失リスクは無限大の空売りの危険性

取引で損失が出た場合、買い戻しをするために、どこかから補填のために調達をする必要があります。
逆に、株価の上昇した場合は上限がないため、少しでも儲けようと湯水のようにお金をつぎ込んで、株取引を続けることは大変危険です。

それは、株価が急激に下落した場合に、それだけリスクも大きくなるからです。
株価は所詮、人間が扱っているものなので、どう変化するか予測できない怖い側面があります。
メリットの部分だけではなく、リスク面もあるということを、常に自覚しておきましょう。

知っておこう政府の空売り規制

空売りをするにあたって、政府があらかじめ制定した決まりがあるので、紹介します。

空売りができる銘柄や下限値は決まっている

どの株でも、空売り取引ができるわけではありません。
東京証券取引所や日本証券金融で、空売りができる銘柄や下限値は、政府や第三者機関によって規制されている貸借銘柄だけです。

銘柄は証券会社で確認することができますし、証券会社でおすすめの株などもありますので、初めての方はおすすめ株を購入するとよいでしょう。

6カ月で株式の返却が必要な制度信用取引

自己資金を保証金とした信用取引でも、永久に株やお金を、証券会社から借りていられるわけではありません。
国の制度で1回につき6カ月までと決められています。
これは、どこの証券会社でも同じです。

もしも、6カ月以上続けて株取引をしたい場合は、借り入れている分を一度返却・清算し、再び取引をし直す必要があります。
これは、マイナスの場合にできるだけ赤字が大きくならないための、国の措置といえるでしょう。

空売り残高の変動の見方

空売りの残高情報は、誰でもいつでも見ることができます。

空売り残高の情報はどこにあるか

6カ月という期間に、いつどのように、しかもできるだけ多くの利益を残して株取引をするかは、自分の目や勘、知識を駆使して行わなければなりません。
すべて自己責任になります。

そのような多くの個人投資家が利用している情報を、証券会社が運営しているホームページやアプリで、自由に見ることができます。
無料で利用できますので、ぜひ活用しましょう。

残高の前日比が売買のポイント

各証券会社で運営している空売り情報サイトでは、銘柄や毎日の株価、前日比などが表示されています。
この中で、株取引に必要なのが「信用取引残」の「賃株」と「売建」の項目でしょうか。
また、「残高」や「前日比」の数値が増えていたら、近いうちに値が下がる可能性が大です。

ただし、上げ幅上げ幅が大きい場合は、逆日歩の危険性もあります。
また、信用率(貸借率)が1倍近い、もしくはそれ以下の場合は、通常空売りはしないので、注意が必要です。

値下がり待ちの空売り残高に注意

空売り残高が多いと、値下がりの期待感が高まっていますが、中には値下がりを抑えようとする動きも見られ、なかなか値上がりされないどころか、そのまま膠着状態になる場合もあります。

このように、「値が下がってきたから空売り」「値が上がってきたから買い戻し」と安易に動かずに、ほかの銘柄の動きも見極めながら取引を行うことが、将来的にはローリスクハイリターンにつながります。

プロも行う空売り

空売りは株初心者や個人投資家だけではなく、プロのトレーダーも行っている方法です。

こんなにある空売り機関

株式市場は、株初心者から経験値豊富なベテラン、プロのトレーダーが公平に株取引をしています。
プロのトレーダーも、実は空売りをしているのです。
彼らは個人だけではなく、会社ぐるみで行っている場合もあるため、一度の取引金額はかなりの額になります。

そのため、トレーダー集団(企業)がひとたび売買をするだけで、多くの株価に影響が出ます。
個人で株取引をする人は、銘柄の動きだけではなく、こうした投資家の動きも視野に入れておく必要があります。

このような空売り機関の情報は、「空売りネット」で知ることができます。
このサイトは、空売り機関の空売り残高を、個別銘柄別あるいは、その機関別に調べることができるサービスを行っています。

【参照URL:https://karauri.net/

空売り機関の動向の確認方法

「空売りネット」で情報を知るためには、検索スペースに知りたい銘柄名、あるいは証券コードを入力します。
すると、銘柄ごとの1日単位の空売り情報が表示されます。
とにかく情報量が多いので、銘柄を決めずに調べると大変なことになってしまいます。

とりあえず現在保有している銘柄を調べる、または、今後取引をする予定の銘柄を検索するほうが効率的です。
このようにして、銘柄を限定して空売り機関の動向を調べるのですが、かなりこまめにチェックしていなければ、動向は分からないものです。

この場合、「空売りネット」だけではなく、自分が保有している企業のホームページなども、逐一チェックしてどんな細かい動きでも見逃さず、少しでも動きがあった場合は、迅速に買い戻しすることをおすすめします。
これが、リスクを少なめに抑える一番の方法だといえます。

値上がりでも行う空売り

普通に考えると、値が上がったら買い戻しをし、「値が下がったら銘柄を空売る」という風に考えることが一般的ですが、値上がり状態でも空売りを行うこともあります。
持ち株が長期的に値上がり傾向にあっても、短期的にみると値が下がっている場合などがそうです。

新たに同じ銘柄を空売りし、そのあとで値下がりした時点で、買い戻しをして利益を得るという方法です。
仮に値が上がってしまっても、売った金額で買い戻しができる「現渡し」という方法があります。

正確かつ新鮮な情報を自己責任で取り組もう

証券会社の行っている「信用取引」という制度を利用して「空売り」をすると、少ない自己資金でも多くの株を取引できるだけではなく、利益が出た場合には、それだけ多くのリターンが見込まれます。

ここで、必ず気を付けなければならないことは、「信用取引はあくまでも証券会社からお金を借りる制度である」ということ、そして、どんなに経験豊富な人でも、株取引には常にマイナスがつきものであること、それでも多くを望もうするなら、それだけ損失も大きくなる可能性も大であることをいつも意識している必要があります。

何事もそうですが、身の丈に合った株取引をすることが、長く続けていくベストな方法かもしれません。
生活が破綻しないように、株取引は自己責任で取り組みましょう。

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