401k退職金とは?メリット・デメリットを徹底解析してみよう

February, 09, 2018

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退職金にかわる401k制度

日本の企業において、長年、確定給付型年金(DB=Defined Benefit Plan)が用いられてきました。
ですが、景気、運用成果の悪化によって充分な資金を受け取る事ができないケースが増え、「退職金制度」を見直し、401k退職金(確定拠出年金/DC=Defined Contribution Plan)を取り入れる企業が増えています。
ここでは、日本型401k退職金についてご説明します。

企業型401kの確定拠出年金制度

老後資金形成のための制度

厚生労働省の「就労条件総合調査結果の概要」によると、退職金制度を導入している企業は減少傾向にあります。
現状としては4社に1社は退職金制度がなく、年金資産を受け取れない状況。
安定を求めて就職しても、企業の倒産リスクもあり「こんなはずじゃなかった」ということも少なくありません。
今は大企業や銀行ですら倒産する時代ですので、老後資金についてはご自身でもある程度把握しておくことが大切。

確定給付型年金は2000年頃まで主流となっていましたが、2001年には確定拠出型年金が発表されたため、多くの企業が確定拠出年金に徐々に移行しています。
その結果、現在は確定拠出型年金を導入している企業が全体の半数を越えるほど増加。
これから更に増えていく事が予想されます。
企業型401kの確定拠出年金制度は、加入者が自分で考え自分で選べるという点でも、魅力を感じる人が多いのではないでしょうか。

自分が運用主体となる

そもそも退職金制度は会社主体の制度でしたが、2001年からスタートした401kは加入者自身が運用主体となる退職金制度。
加入者主体とはいっても、運用知識にはどうしても個人差が生じてしまうもの。
そこで、会社指定運用管理機関を利用することで、自分が運用主体となる退職金制度が可能になりました。

運用に関しては自分自身で行うものですが、管理機関を通すことでアドバイスを受けながら運用していくことができます。
もちろん、加入者ご自身でも知識を深めていく努力が必要となりますが、相談できる専門家の存在は大きいもの。
ご自身でも401kについて学んでいきながら、専門家に分からない所を質問して、更に知識を深めていく事も可能ですね。
数多い情報があって戸惑うかも知れませんが、ポイントを押さえてご自分に合った運用方法を見つけていきましょう。

掛け金は基本事業主負担の格好

確定拠出年金制度には、個人型401k(iDeCo)と企業型401kがあります。
どちらも税制上の扱いとしては掛け金全額控除で、運用益非課税となっているため、基本的に事業主負担の形になっています。
しかも、企業型401kは個人型401kより掛金上限大。
利息や配当についても非課税というところが嬉しい制度です。

ただし、高額配当については一括で受け取ると税金の対象になりますので、税金対策の面から考えると、非課税の範囲で分割で受け取ることが理想です。
税金についても考慮しながら、損をしないように計画を立てていきましょう。

老後資金のための好条件の積立と捉える

2001年からスタートした確定拠出型年金は会社が掛金を拠出する形となっていましたが、2012年に法改正され、加入者も一定の範囲内で事業主の掛金に上乗せ拠出ができるマッチング拠出が可能となりました。
掛金を増額するより、退職後の経済的不安に備えることが可能となっています。

マッチング拠出は加入者に利用を強いられるものではなく、税制面での優遇処置や手数料会社負担という利点もあり、メリットの大きい制度となっています。
ただし、この後にある「勤続年数による退職金のベースアップを考慮し運用」で詳しくご説明しますが、マッチング拠出で上乗せできる金額には上限がありますので、ご注意ください。

転職時にはポータビリティが有効

ポータビリティというのは「持ち運び可能」という意味があることから、確定拠出型年金の加入者が転職するときには「資産の持ち運び」という意味となります。
これはとても便利な制度で、転職する際に解約したり再契約したり等の面倒な問題がなくなります。

確定拠出型年金には個人型iDeCo(イデコ)と呼ばれるものがあり、これは個人型のためポータビリティが有効です。
転職の際には退職後6ヵ月以内に手続きをしなければならないので要注意。
できるだけ早く手続きをしましょう。

401kの給付金受取り

受取り開始時期を設定できる

確定拠出型年金の掛金は60歳までで終了し、受け取り開始時期は60歳から70歳の間で設定ができます。
ただし、通算加入者等期間が10年未満の場合には、受給開始時期引き上げとなります。
その際、通算加入者等期間と受給開始時期は以下のようになります。

(通算加入者等期間)10年以上 60歳から/8年以上10年未満 61歳から/6年以上8年未満 62歳から/4年以上6年未満 63歳から/2年以上4年未満 64歳から/1ヵ月以上2年未満 65歳から

原則60歳以降から老齢給付金として受取る

老齢給付金の受け取り方法は、年金、一時金、年金と一時金の組み合わせの3種類があります。
70歳までに裁定請求を行わない場合は、全額を一時金で支給されることとなります。

年金の受給方法は均等払い方法と割合指定方法の2種類あり、年金支給回数も指定できます。
均等払い方法は、個人別管理資産額を年金支給予定期間で算出し、均等に取り崩すというものです。
割合指定方法の場合は、年金支給期間に応じて年単位で取り崩し、その割合を5%から50%の間で指定します。

この場合、運用を継続しながら受け取るので、途中で個人別管理資産が減って、予定の年金支給期間にわたって年金の給付ができなくなる恐れがあるので要注意です。
その場合は、一定の要件で年金額を変更することも可能です。
なお、5年を経過すると、残り全額を一時金で受け取ることもできます。

給付金は公的年金等控除や退職所得控除される

所得税の課税方法は総合課税と分離課税の2種類あります。
総合課税というのは、不動産所得、事業所得、一時所得、雑所得、不動産・株式以外の譲渡所得がこちらの課税対象になります。
分離課税というのは、退職所得、不動産・株式の譲渡所得、山林所得が課税対象になります。
分離所得の場合は各所得が合算されることはなく、それぞれ別個に課税される形になります。

給付金の場合は公的年金等控除や退職所得控除により、原則として非課税です。
退職所得に多額の税金がかかることを考えると、給付金の所得控除は受給者にとって老後の助けとなるでしょう。
また、一時金と年金を組み合わせる併用パターンをうまく利用すれば、所得控除の制度を利用することで税金対策になります。

退職金としての相場と401kの運用

大卒での定年退職金は平均約2,000万円

厚生労働省や東京都産業労働局の調査によると、大卒での定年退職金は平均約2,000万円。
そのうち中小企業は1,000万円くらいとなっています。
この先、人生100年といわれるほどの長寿社会が待っていますので、この退職金で老後を安心して過ごすのは困難。

退職一時金や確定給付年金を401kに移行した企業は、企業型401k想定利回りを算出することにより、掛金をどれほどの利回りで運用すれば元の制度の給付額と同水準になるかを計算し、想定利回りとして示しています。
導入時期で異なりますが、平均で想定利回りは約2%。
しかも、現況では積立不足により低く算出されています。
計画的な積み立てが大切なポイントとなるでしょう。

勤続年数による退職金のベースアップを考慮し運用

老後に安心して過ごすためには、勤続年数を算出し、そこから退職金のベースアップを考慮していかなければなりません。
運用には、元本割れの可能性や手数料によるデメリットも考慮する必要があります。

特に節税については、全体としての確定拠出型年金のデメリット、個人型確定拠出年金のデメリット、企業型確定拠出型年金のデメリット、確定拠出年金や手数料のデメリット、各職業別に考える確定拠出年金と節税ポイントについて、しっかりと押さえておかなければなりません。

その際、マッチング拠出を利用すると、その分所得控除ができるのでお得。
ただし、マッチング拠出できる金額には上限があるので、その金額も把握しておきましょう。

マッチング拠出の掛金上限は、確定拠出年金以外に企業年金がない場合は5万5千円、企業年金がある場合は2万5千円となっています。
また、加入者の掛金の上限は、企業の掛金の同額までと定められているところも覚えておきましょう。

例えば、上限が5万5千円であったとしても、企業の掛金が1万5千円だとすると、個人の掛金も上限が1万5千円までとなり、差額の4万円を上乗せすることはできません。
また、掛金を変更するチャンスは年に1回だけになります。
年間に2回以上の変更はできないので、慎重に金額設定をしましょう。

50代を定年としている企業がある中、原則として60歳にならなければ年金を受け取ることができませんので、定年が早い方はその間の空白期間を考えて、余裕を持って掛金を設定する必要があります。
50代といえばまだまだしっかりと働ける年齢ですので、働きながら設定するのもいいでしょうし、節約しながらゆったりと自宅で過ごすのもいいでしょう。
大切なのはしっかりとした計画。
安心できる老後生活も、この計画性あってのことです。
無理なく確かな掛金を設定しましょう。

運用は購入時は安く受取時は高い時を狙う

確定拠出年金は、運用商品のラインナップから加入者自身で運用商品を選択できるようになっています。
運用商品には定期預金、保険商品、投資信託等になりますが、定期預金や保険商品は元本確保型商品と呼ばれ、元本割れのリスクを抑えることが可能です。
その安心感からか、アンケート調査によると、資産残高ベースの約3分の2を占めています。

そして、残りの3分の1は投資信託等で運用されていることになりますが、投資信託だけ見ても、専門家が勧めてくる商品だけで10~20商品あり、選ぶのは困難です。
確定拠出年金を投資信託商品で運用することになるのですから、やはり「購入時は安く、受け取るときは高く」というのが理想です。

ですが、例えば安いと思って購入した投資信託でも、10年後に受け取ろうとしても市場環境の変化によって元本割れをしてしまうというような恐れがあります。
そのようなリスクを避けるためには、しっかりと市場を見極める力が必用となります。

そして、たくさんの商品の中からいい商品を選び出すためには、一つの目安として次のことを考えるといいでしょう。
それは、「どれくらいの金額が欲しいか」ということと、「どれくらいのリスクまで許容できるか」ということです。
株やFXも含め、投資による資産運用については「利益」と「リスク」について事前に決めておくことが大切。
事前に決めておくことで、リスクを最小限に抑えることができるのです。

市場環境の変化は「予想すること」はできますが、私たちには「未来を知ること」はできません。
そして、この「利益」と「リスク」に関する設定はご自分の許容範囲によって設定しなければなりませんので、老後のことも含め、よく考えて決めましょう。

401kを活用し損をしない資産形成を


401kは市場環境による影響を受けやすいものなので、損をしないためには、スタートする前にしっかりと求める「利益」と、もしものときの「リスク」について許容範囲を決めることが理想的。

まずは「利益」よりも「リスク」について納得し、掛金を設定しましょう。
銀行に預金するのとは違い、少々戸惑う所はあるでしょうが、どうか無理なく、損をしない資産形成を目指して下さい。

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