厚生年金基金の仕組みと詳細。 内容を理解して正しい手続きをしよう

August, 03, 2018

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厚生年金基金と厚生年金の違いはなにか

厚生年金は、会社勤めなど給与をもらっている人は厚生年金に加入しています。
厚生年金基金は、一般に自営業などの国民年金に加入している人が、国民年金の上乗せ分として加入します。
しかし、厚生年金基金とは何かということについて、あまり知られていないことが現状です。

年金支給額が次第に少なくなっている現状を考えると、老後の生活のために厚生年金と厚生年金基金の違いや厚生年金基金の仕組みについてしっかりと理解しておくことが大切です。
転職などをした場合の厚生年金基金の取り扱いや、基金が解散してしまった場合など、いろいろなケースで年金の受け取り方が違い、ややこしいのでよく理解しておきましょう。

まずは年金制度についての理解を深めよう

年金には、国民年金、厚生年金、企業年金、厚生年金基金、個人年金などいろいろな種類の年金があります。
年金制度の仕組みについてしっかりと理解しておきましょう。

年金制度は3階建て

厚生年金は2階建てのため、老齢年金の支給額が多いと言われています。
それは、年金制度には国民年金(基礎年金)と厚生年金という公的年金に加え、私的年金制度があるからです。
年金制度は1階部分が老齢基礎年金、2階部分が厚生年金の公的年金、3階部分が厚生年金基金です。

そのような3階建ての年金制度にすることで、将来、老齢になっても生活に困らないように年金がたくさんもらえる制度となっています。
では、国民年金と厚生年金、厚生年金基金について説明します。

全ての国民が加入する国民年金

:国民年金は、全ての国民が加入する年金で基礎年金とも言います。
国民年金は基礎年金なので,年金の1階部分です。
保険料は年ごとに決まり、加入期間は20歳から60歳までで、支給開始年齢は65歳です。
20歳になると、厚生年金保険加入者や共済組合加入者や配偶者に扶養されている人以外の人に国民年金第1号加入者の手続きが必要です。

国民年金は自営業だけでなく、会社員や公務員、専業主婦等の全員が20歳から60歳まで加入が義務付けられていて年金の基礎となる部分です。
学生などの保険料を納めることが難しい人は、納付猶予制度があります。
保険料は物価によって変動があり、賃金によっても考慮されています。
国民年金の保険料は次のように推移しています。

  • 平成27年4月から・・・16,380円で改定率が0.953なので実質15,590円
  • 平成28年4月から・・・16,660円で改定率が0.976なので実質16,620円
  • 平成29年4月から・・・16,900円で改定率が0.975なので実質16,490円
  • 平成30年4月から・・・16,900円で改定率が0.966なので実質16.340円
  • 平成31年4月から・・・17,000円で改定率が0.965なので実質16,410円

上限額は16,900円で、平成29年の制度改正で16,900円と上限額に達したので、平成30年度は据え置かれました。
では、自営業者やフリーランス、主婦で国民年金しか入っていない人は65歳から年間どのくらいの年金がもらえるかを知りたいですよね。

20歳から60歳まで40年間保険料を全額納めた人で、65歳になった人の平成30年度の満額支給額は年額77万9300円です。
月額にして64,942円です。
そのため、老後にゆったりとした生活を送るには、2階建てや3階建てにすることが必要になってくるのです。

国民年金の上乗せ部分である厚生年金

厚生年金は?条件を満たしている者には加入義務がある年金で、国民年金への上乗せ年金、つまり3階建て年金の2階部分です。
会社員やパートでも月額14万円以上の収入がある人は加入が義務付けられいます。
厚生年金は所得によって支払額が異なり、半分は自分が支払い、残りの半分は会社が支払います。

そのため、支払額が少なくて済みます。
国民年金と厚生年金は公的年金で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が効率的な運用をおこなっています。
平成30年の1階と2階建て部分の厚生年金受給額の平均額は月額145,638円です。

公的年金を補完する私的年金制度

公的年金を補完する私的年金制度は、公的年金を補完するいわば3階建ての3階部分で、企業年金と個人年金に分けられています。
厚生年金基金は企業年金にあたり、他に確定拠出年金や確定給付企業年金なども企業年金にあたります。
個人年金は国民年金基金、iDeCo、財形年金などです。

企業年金とは、企業が従業員の退職後の生活をよくするために資金を拠出して支給する年金です。
確定拠出年金とは、在職中にかけている年金で60歳以降に一時金または年金の形でお金がもらえます。
確定給付企業年金は、あらかじめ確定した給付額を賄うために必要な掛金を企業が拠出するものです。

国民年金基金は、自営業者やフリーターの人が加入できる年金で国民年金の人の2階部分です。
支払額は受給金額によって異なります。

厚生年金と厚生年金基金は違う

厚生年金と厚生年金基金の 違いは厚生年金は個人加入で、厚生年金基金は企業が加入するものです。
ゆえに厚生年金の加入者は基金に加入していないことがあるが、基金の加入者はおしなべて厚生年金加入者です。
職務先の企業が厚生年金基金に加入していない場合は、厚生年金基金への加入はできません。

では、将来を考えて、あまりよく知られていない厚生年金基金についても理解しておきましょう。

厚生年金基金という制度について

厚生年金基金は、厚生年金保険法に定められた特別法人で、会社の事業主と従業員で組織している公の法人です。
厚生年金基金は老後の生活を送るためのものなので、その仕組みや加入条件をよく知っておきましょう。

厚生年金基金制度は企業年金

企業を母体としている基金が、国に代わって厚生年金保険料の1部を運用できる制度です。
厚生年金基金は、老齢厚生年金(報酬比例部分)に当たる部分を「基本年金」として移行、そのうえに企業が独自に上乗せするプラスアルファと、基金が独自に設計した加算部分を加えた給付を行います。

厚生年金基金を統括している国の機関は厚生労働省です。
厚生労働省は、企業が上乗せ部分を独自に行っているため、それらの基金についてのきちっと管理されているかを監督して指導しています。

厚生年金基金は厚生年金の1部を国から代行する

厚生年金基金は、 老齢厚生年金の報酬比例部分のうち、賃金の再評価分と物価スライド分を除いた部分を、国に代わって基金が給付することを代行で行っています。
厚生年金基金が国に代わって給付する部分に関して、企業は国に保険料を納める義務が免除されますが、年金を給付する義務を国から請け負っています。

厚生年金基金はプラスアルファを支給する

厚生年金基金に加入すると、国から給付される部分として、1階部分の基礎年金、2階部分の厚生年金があります。
その上に、3階部分として基金から給付される基本部分と加算部分があります。
年金の支給はこの3階建てになっています。

厚生年金基金に加入していない人にはありませんが、厚生年金基金に加入するとプラスアルファ部分があります。
プラスアルファとは代行部分に上乗せして支給する給付のことです。
そのため、基本部分は老齢厚生年金の代行部分+基本プラスアルファ部分です。
その上に、退職一時金制度などの独自で加算されたプラスアルファ加算部分があります。

上乗せ給付の基本部分(代行部分と基本プラスアルファ部分)に関しては、在職中で支給停止などの老齢厚生年金が支給されない場合でも代行給付相当額は給付されます。
これを独自給付と呼びます。

基金への加入は会社が加入しているかどうか

基金は厚生年金保険に加入している会社の事業主と従業員でなる企業などの法人です。
ですから、基金への加入は、個人が加入するものではなく、会社が加入しているかどうかがポイントです。
もし、企業が厚生年金基金に加入していない場合は、基礎年金と厚生年金の2階建ての年金となり、厚生年金基金の加入はできません。

基金の加入員になると基金加入員証がもらえる

基金のある会社に勤務すると自動的に加入員となり、基金加入員証がもらえ、年金を受け取る際の証拠となる証書です。
加入員証に記載されている加入番号は、厚生年金基金の加入員が一生を通じて変わらないものなので、加入員証は大切に保管をしておくことが必要です。

加入員証の紛失は企業年金連合会に問い合わせる

もし、失くした場合でも加入していた企業名や加入期間、名前や生年月日などの情報を企業年金連合会に問い合わせると、確認通知書の発行や、加入員証の再発行をしてもらえます。
倒産してしまった場合でも、加入記録があるので、働いた期間の年金がどうなるのかを企業年金連合会に尋ねてはっきりとした年金額を調べてもらいましょう。
勤務先の企業が倒産した場合は、プラスあるだの部分だけでなく厚生年金基金の給付部分が支払えなくなるケースがあります。

厚生年金基金を設立するためには条件がある

厚生年金を設立するためには、事業所ごとに被保険者の3分の1以上の同意や労働組合の同意が必要なほか、年金給付の水準や差別的取り扱いの禁止、財政の安定など様々な条件があります。
そのほかにも厚生労働大臣の認可を得る際にも給付内容などの条件が厚生年金基金の趣旨に沿ったものかどうか、財政基盤はどうか、長期間の運用が可能かなどを満たしていることが条件です。

厚生年金基金には3つのタイプがある

厚生年金基金の設立には単独型、連合型、総合型の3つのタイプがあり、設立条件は厳しくなっています。

単独型

単独型の厚生年金基金の設立には次のような条件があります。

  • 1つの企業だけで設立していること
  • 加入員の規模が1,000人以上(大企業などはこのパターンです)

連合型

連合型の厚生年金基金の設立は、資本を同じにするなど、いわゆるグループ企業内の複数の企業で構成されているタイプで、お互いが密接な関係がある企業で構成されています。
加入員の規模が1,000人以上だが、数社合わせての総計でよく、単一の企業に比べて設立が容易です。

総合型

総合型の厚生年金基金の設立は、資本を同じにしていない複数の企業が集まって作るタイプです。
中小企業など、単独では設立条件を満たせない同業種の企業や地域団体が集まるなどして形成されます。
例えば、地域団体や中小企業の健康保険組合が集まり設立するケースなどです。
総合型は加入員の規模が5,000人以上必要です。

給付形態は終身年金型の老齢給付金

厚生年金基金の給付形態は、原則として終身年金型の老齢給付金です。
加入員が受給権を取得したときより支給され、他に脱退一時金や、規約によっては加入者の死亡による遺族給付金、障害給付金もあります。
厚生年金基金では、1カ月以上加入することで、基本年金部分の受給資格を得ることができます。

厚生年金基金を短い期間で、退職等をした場合は年金は企業年金連合会に移管されます。
転職するときは、新たに就職する他の企業年金制度への脱退一時金を移管することができます。
厚生年金基金の加入実績は、ねんきん定期便には記載されていません。

基金運用は悪化し全廃も検討されている

運用環境の悪化(代行部分の利回りの低下、退職者の増加による収支悪化)からAIJ投資顧問事件を契機として法律改正が行われ、新規の不認可や解散、代行返上の奨励など事実上の廃止の方向へ動いています。
運用状況が悪化している厚生年金基金に対しては5年以内の解散と他の制度への移行を促しています。

2017年12月5日時点での厚生年金基金の数は、わずか49基金となり、10年後には厚生年金基金は全廃される可能性があります。

厚生年金基金の加入員であるメリット

厚生年金基金の加入員になるメリットは、厚生年金加入者と負担は同じだが給付が手厚く、支払い期間が短くても受給できます。
それらのメリットについて見てみましょう。

厚生年金加入者と負担は同じで給付が手厚い

厚生年金基金に加入している人は、厚生年金加入者と同様、基本的に上乗せ分は企業が掛け金を負担してくれます。
厚生年金基金の代行部分の負担は会社と半々です。
代行部分を除く残りの厚生年金保険料の負担額を支払うので、結果的に基金に入っていない人と負担額は同じです。
その上、プラスアルファ部分を上乗せしているので、公的年金のみの人より多くの年金が受給できます。

受給要件が緩やか

公的年金である国民年金や厚生年金は受給資格は加入が25年以上とされていましたが、平成27年8月1日より10年に短縮されました。
それに比べて、国民年金基金は、加入期間が短くても受給権が発生します。
基本的には1か月以上の加入期間があれば受給資格があります。

そのため、会社員の人が厚生年金基金に短期間加入したあと、個人年金に入りなおすことや自営業になったときに国民年金基金に入ることができます。

65歳以降で収入があっても支給停止されない

厚生年金では65歳以降に働いて、収入があると支給が停止されることがあるが、厚生年金基金にはそれがなく、働きながらでも厚生年金基金の代行部分とプラスアルファ部分を受給できます。
そのため、老齢厚生年金よりも有利に受け取れます。

また、老齢厚生年金は雇用保険の失業手当の支給や高年齢雇用継続給付の支給があるときは、支給停止か一部停止になりますが、厚生年金基金は雇用保険の給付による調整もありません。

事業者側のメリットもある

事業所側としては従業員への福利厚生の充実は優秀な人材の獲得につながり、離職者を減らす効果があります。
従業員の退職金を自社のみで準備することは難しいですが、厚生年金基金に加入することによってプラスアルファの給付部分を退職金として支給できます。

また、厚生年金基金への拠出金の中で、代行部分の半分とプラスアルファ部分は損益として計算するので、運用収益が非課税などのメリットもあります。

厚生年金基金からの受け取りについて

65歳になると年金を受け取りますが、厚生年金基金から年金を受け取る方法は、公的年金と受け取り方法と異なるので、受給漏れがないように基金の請求先に連絡しましょう。

厚生年金基金の請求先に注意する

国民年金や厚生年金と違い、厚生年金基金は各基金に請求の手続きを行わなければならないので、請求先に注意が必要です。
国民年金や厚生年金は国が運営している公的年金になり通知が来ますが、厚生年金基金は企業年金になるので、請求先が違います。

まず、会社が厚生年金基金に加入しているかどうかを調べておきましょう。
厚生年金基金からニュースペーパーが配られていれば加入しています。
また、給料明細に基金掛け金という欄を確認します。

転職歴がある場合はそれぞれの基金へ請求

厚生年金分は一括して日本年金機構への請求となるが、厚生年金基金分はA基金、B基金といったようにそれぞれの基金に対して請求します。
A基金に加入している企業に働いて、その後、退職してB基金に転職した場合は、A基金とB基金に請求することになります。

解散して無くなっているときは企業年金連合会へ

もし、企業が加入している基金が解散してなくなっているときは、企業年金連合会が代わりに支給します。
この場合は、?請求先は企業年金連合会です。
解散しているかどうかわからない場合は企業年金連合会に尋ねてみるといいでしょう。

加入期間によって請求先は変わる

厚生年金基金の請求先は、加入期間によって変わります。
請求先は、?15年以上勤めた場合は厚生年金基金、15年未満の場合は企業年金連合会です。
例えば、A基金に18年、B基金に5年、C基金に7年勤めたとします。
加入期間が15年以上あるA基金へ加入している期間は請求をA基金にしますが、15年未満のB基金とC基金に加入している期間は、請求を企業年金連合会へ行います。

3年未満で退職した場合は注意する

注意が必要なのは3年未満しか勤めていない場合です。
3年未満で退職した場合には給付がないというケースは多いが、代行部分の給付はあるので申請は必要です。
このことを知っておくと、企業が基金に加入している場合は3年以上勤めないと、年金に響いてくるのでやめる時期を考えることができます。

代行部分の返上をしている場合は国と確定給付企業年金が支給する

厚生年金基金は、国の厚生年金の一部を代行して積立てています。
この代行している部分のことを代行部分と言います。
?厚生年金基金が「代行部分の返上」を行った場合は、代行部分は国が支給、上乗せ部分は確定給付企業年金として支給されます。

わかりやすく言うと、基礎年金と厚生年金の部分は、代行返上しているので、全く変わらずに受給されます。
ただ、確定給付企業年金の部分が代行返上された場合は、減額になる可能性が在ります。
勤務先が代行返上しているかどうかは配布される厚生年金基金からのニュースペーパーや組織からのお知らせなどで確認できます。

加入員が死亡したときに支払われる遺族年金

厚生年金基金の加入員が死亡したときは、年金や一時金が遺族に支払われます。
規約の定めによっては遺族の範囲が「遺族厚生年金」よりも広くなる場合があります。
また受給権者が死亡したときにも次順位者が支給を受けられることがあります。
例えば、企業年金連合会に請求できる遺族と範囲は次のようになっています。

  • 平成26年3月31日以前の死亡:死亡時に生計を一にしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟
  • 平成26年4月1日以降の死亡:死亡時に生計を一にしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟その他の3親等以内の親族

また、通算企業年金等を受けていた人が保証期間内の死亡の場合は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及び死亡した当時生計を一にしていた6親等内の血族と3親等内の姻族です。

もらい忘れには要注意

厚生年金基金の受給は、請求しないともらえません。
請求先が国ではなく、基金や企業連合会、特に複数の企業の基金に加入していた場合、状況に応じてそれぞれの請求先に請求しなければなりません。
公的保険の厚生年金だと思っている人が多く、請求漏れがかなりあると言われているので注意が必要です。

特にもらい忘れが多いのは、短期間しか厚生年金基金に加入していなかった人で,企業年金連合会金基金に受け継がれていることを忘れている人や退職一時金を受け取ったので、受給できる年金があることを勘違いしている人です。

加入履歴の確認をする

転職をいくつか数回している人は、厚生年金基金に加入がしているかどうかが分かりにくい点があります。
厚生年金と厚生年金基金は日本年金機構のホームページで加入記録を調べられます。
厚生労働省の調査では、請求漏れが年金受給者の4%、企業年金連合会の受給者数の16%にも上ることが発表されています。

加入していたと思われる人は、厚生年金と厚生年金基金の加入について、日本年金機構や企業年金連合会のホームページより参考にしてください。

【参照リンク:http://www.nenkin.go.jp/n_net/n_net/estimatedamount.html
【参照リンク:https://www.pfa.or.jp/otoiawase/service/

65歳前と後では給付の仕組みが変わる

厚生年金基金の給付は、厚生年金基金と国から別々支給される仕組みで、その内訳も65歳を境に変わってきます。
つまりねんきん定期便などの年金見込み型のお知らせには基金から支払われる額は記載されていません。
65歳前に給付を受ける場合は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の一部を基金から給付され、残りは国から支給されます。

65歳以降に給付を受けるときは、厚生年金保険の給付のうち、老齢厚生年金の一部を国に代わって基金が給付し、残りは国から支給されます。
厚生年金基金の給付は、基金からと国から支給される仕組みで、65歳前と65最後でも違うしくみになっています。

具体的な受け取りの手続き

さて、65歳前には受け取りの手続きに入ります。
厚生年金基金の受け取り手続きに必要なものや書き方などについて見てみましょう。

必要なのは退職年金裁定請求書と加入員証、住民票、戸籍謄本

退職年金の場合

退職年金の場合は、退職年金裁定請求書と加入員証、住民票、戸籍謄本が必要です。

1.名前が記載されている住民票または戸籍抄本のうちどちらか1通
2.年金手帳の基礎年金番号、厚生年金基金の加入員証、年金証書(老齢厚生年金または旧厚生年金保険法およ? ? ?び旧船員保険法の老齢年金、通算老齢年金または特例老齢年金)のうちいずれか一つのコピーが必要です。

脱退の場合や遺族一時金の場合は他にも必要なものがあります。

脱退一時金や選択一時金の場合

退職年金裁定請求書、加入員証、住民票または戸籍抄本、退職所得の源泉徴収票

遺族一時金の場合

厚生年金基金から年金を受け取るときや脱退一時金、選択一時金、遺族一時金を受け取る際は、下記の書類を確認してから送りましょう。

  • 退職年金裁定請求書
  • 加入員証、住民票または戸籍抄本
  • 死亡を証明する書類
  • 遺族生計維持証明書

退職年金裁定請求書の書き方はホームページに詳細がある

退職年金裁定請求書の書き方は、?企業年金連合会のホームページにPDF形式で詳細があります。
企業年金連合会の退職年金裁定請求書には、氏名、電話番号、振り込まれる金融機関の口座、基礎年金番号、生年月日、住所、加入していた企業年金の名称を明記します。

【参照リンク:https://www.pfa.or.jp/user_korekara/saiteiseikyu/files/saiteiseikyu_sample.pdf

不備があると確認の書類が送られてくる

必要な添付書類を添付し忘れたり、内容に不備があると送られてきます。
添付書類の不備や銀行印がなかったなどという不備などやりがちなことがいくつかあります。
例えば、年金手帳の基礎年金番号がのったページがきちんと添付されていなかった場合や住民票や戸籍謄本の原本ではなくコピーを添付した場合です。

また、退職年金裁定証明書には金融機関の証明印がない場合もあります。
たとえ、不備があったときは必要書類を添付し、不備を訂正して送れば、ちゃんと受理されます。

厚生年金基金に代わる将来の備え

厚生年金基金が、廃止の方向で進んでいるので、それに代わる将来の備えには、確定給付企業年金制度、企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金があります。

確定給付企業年金制度

確定給付企業年金制度とは企業が独自に行う企業年金のことで、それには事業者が行う「規約型確定給付企業年金」と、企業年金基金が行う「基金型確定給付企業年金」があります。
支払方法は、老後の年金として受け取る方法や退職金などの一時金として利用される方法です。

この制度は、従業員に利回りを約束するため、企業にとってのリスクが高くなります。
例を言えば、JALの破綻理由が高利回りの確定給付年金のためと言われています。

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金の?掛け金を払うのは企業です。
企業が一定のルールで拠出する年金で、会社の損金として処理します。
マッチング拠出と言って、従業員が掛金の一部を負担することもあります。
確定拠出年金は退職時にもらえる運用は従業員がそれぞれの判断で行うので、運用がうまくいけば退職金や老後の年金が貰える金額が多くなりますが、失敗すると金額が減ります。

企業にとっては、運用が加入者が行うので失敗のリスクの責任を負わなくて済みます。
そのため、厚生年金基金に代わるものとして、企業型確定拠出年金を取り入れる企業が増えています。
対象者は主に60歳未満の従業員などで、勤続3年で付与されます。

個人型確定拠出年金

個人型確定拠出年金は個人が掛金を決めてお金を支払う年金で、?iDecoとも言われています。
掛金が全額所得控除の対象になるので、節税効果が高い年金として注目を浴びています。
2017年1月から任意で加入できるようになった個人年金で、企業年金に加えて年金積み立てができます。

仕組みは企業型確定拠出年金と同じで、自分で運用をするもので運用次第で受給できる金額が違ってきます。
個人型確定拠出年金の対象者は、60歳未満の厚生年金被保険者や第1号日保険者です。
加入は任意ですが、運営主体が国民年金連合会なので申し出が必要です。

個人型の場合は、受給資格は拠出したときからあります。
受給方法は、5年以上20年以下の期間年金として受け取る場合や一時金として受け取る場合があります。

厚生年金基金を理解して年金額を上げよう

企業が加入している厚生年金基金に加入すると手厚い年金を受給できます。
老齢基礎年金、厚生年金の公的年金と厚生年金の代行部分とプラスアルファの上乗せ部分や加算部分の3階建ての年金を受給することができます。
たとえ、失業保険などの雇用保険を受給していたり、職に就いていたりしても厚生年金基金は受給することができます。

また、公的年金よりも受給制限が緩やかです。
ただ、手続きは、公的保険は国から受給しますが、厚生年金の代行部分とプラスアルファ部分、加算部分は加入期間や加入基金などによって違いますので注意が必要です。
厚生年金基金をもらい忘れがないようにチェックしておきましょう。

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