高収入の税理士はいくらくらい?資格を取るための方法とは?
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税理士の年収と給料について
どうせ働くなら将来性のある職業がいい、自分の力で稼げる仕事に就きたいという人が増えています。
昨今では大企業に就職しても定年まで勤め上げることは簡単ではありません。
安定した収入を得るためにも自分にあった仕事に就くことを望む人が増えているからです。
そんな中で税理士は税務業務全般が独占業務であり、大手事務所に勤務することも独立することもできます。
非常に魅力的ですが、実際にはどんな仕事をどれくらいの時間でこなし、思うような高収入が得られているのでしょうか。
魅力と同時に必要な能力やスキルなどを詳しく見てみましょう。
税理士の給料事情
税理士は、一般にはあまりなじみのない職業ですから、年収についても見当がつかないのではないでしょうか。
税理士は独立開業以外にもいくつかの働き方があり、それぞれ収入には差があります。
専門性が高いため高収入が期待できる
税理士は、国家資格を取得した人しか就くことができない、高度で専門的な職業です。
納税者に代わって税務申告を行う税務代理、税務書類の作成提出の代行、税務に関する相談という税務業務は税理士だけの独占業務。
企業の代理人として経営者側に寄り添ったサービスを提供できるため、クライアントは主に個人事業主や中小・ベンチャー企業です。
日本の大企業の平均年収は500万円から600万円と言われていますが、税理士の平均年収は従業員100人以内の企業で600万円ほど、従業員1,000人以内の大きな企業では900万円ほど。
企業によっては初任給で500万円もらえる場合もあり、総じてサラリーマンよりも高収入が期待できます。
税理士の平均年収
税理士は資格さえあれば一人でもできます。
独立して自分の事務所を持ち、年収1,000万円以上を手にすることも夢ではありません。
平成28年の厚生労働省による賃金構造基本統計調査によると、公認会計士・税理士は平均年齢が38.4歳(勤続年数8.4年)、平均年収は864万円。
以下平均労働の現状として、月あたりの労働時間151時間、超過労働39時間、給与60万円超で、サラリーマンよりかなり好条件であることがわかります。
勤務の場合は規模によって違いがあり、10人から99人規模の平均年収が643万円、100人から999人規模で1,013万円、1,000人以上規模で916万円です。
性別についてはサンプルが少ないため参考程度となりますが男性で913万円、女性では756万円と200万円ほどの差があるとの調査結果があります。
税理士の仕事
サラリーマン家庭に育つと、税金を身近に感じることは少ないかもしれません。
最も頻繁なのは毎日の買い物で支払う消費税、大きなものでいうと年に一度の自動車重量税や、毎月の給与から差し引かれる源泉所得税くらいでしょうか。
いわゆる「税金」にまつわる仕事とは、具体的にどんな仕事なのでしょうか。
税理士は税金のプロフェッショナル
すべての国民が国や都道府県・市町村に支払う税金額は、その収入と支出を計算することで決定されます。
税に関する制度は毎年状況に合わせて変わりますから、昨年と同じ収入だったとしても税額が違う場合がほとんど。
しかも計算方法は複雑で、国民全員がしっかりと理解しているわけではありません。
税理士のクライアントの多くは個人事業主か中小企業で、そんな税法を詳しく知る手間も暇もない場合がほとんどです。
そんな時に、常に最新情報を持ち、しっかり理解して、事業をサポートするのが税理士の仕事です。
税理士の独占業務
税理士が独占する「税金に関する仕事」とは、具体的にはどんな仕事なのでしょうか。
税理士が独占するのは税務業務と呼ばれ、大きく3つを指します。
一つは納税者に変わって税務申告を行う税務代理、二つめは税務書類の作成と提出の代行、最後が税務に関する相談です。
税務申告は、本来その義務がある当事者が行うべきものです。
しかし特に個人事業主の中には本業で忙しく、書類の作成や申告のための時間を取ることが難しい場合があります。
逆に申告の準備に時間を取られ本業が傾いてしまっては元も子もありません。
そんなとき、代わりに税務書類を作成し税務申告するのが税理士。
またクライアントに限らず、さまざまな人の税金についての悩みや疑問に答えるのも専門家としての大切な仕事です。
税の仕組みは非常に複雑で法律の知識がなくてはうまく対応するのは困難です。
正確でスピーディーに税務申告するにはやはり専門家に任せるのが一番。
税理士はそのために日々研鑽を重ねることはもはや義務とさえいえるでしょう。
企業の経営サポート
税理士は、企業の資産全体の状態を把握することで税務を代行しますから、経営者にとって数少ない「企業の全てを知る人物」。
また税理士は一つのクライアントだけに関与していることは少なく、複数のクライアント、企業を担当している場合がほとんど。
企業を全く別の視点から、しかも深く観察することは、経営者にとって大きな助けになります。
経営者は企業のトップ、社員に相談できない経営についての悩みも多く、また経営判断は企業の収益に大きく影響します。
難しい局面で相談できるのは、企業の流れを知り、他の業界について精通している税理士だけという場合もあるのです。
税理士の勤務先
税理士資格取得を目指す人のほとんどは、会計事務所や税理士事務所での勤務を考えるでしょう。
独立開業するにしても、開業すれば資格を取り立ての未経験者では想像できないほどの細かな業務を行わなければなりません。
そのための修行の場としてやはり会計・税理士事務所に勤務することは必要かもしれません。
また税務署や市役所・町村役場も税理士を必要としています。
税務署はもちろんですが、税務署から遠い場所にある町村役場は、窓口で税務相談を受けなくてはならず、それは個人事業主だけでなく個人の納税相談やその試算、さらにそれらをわかりやすく伝える・お尋ねするコミュニケーション能力が必要です。
他に一般企業や小売店にも税理士は必要。
経理や財務・会計部署では学んだ知識が存分に生かせます。
どんな事業体でも税理士の能力を必要としています。
独立開業すればどんな経験や知識が役立つかわかりません。
その幅広さのために多くの実務経験を積めば、将来きっと役立つでしょう。
独立開業する人が多い
税理士資格を取り、実務経験がそろえば晴れて税理士として独立開業できます。
税理士資格のよいところはその受験資格の幅広さです。
大学での専門課程の修了だけでなく、他にも多くの受験資格を得る方法がありさまざまな経験や経歴を持つ人が取得できるのです。
税理士は一人でもできる仕事。
そして仕入れや在庫に悩まされることなく、自分の能力で収入を得ますから、自分の力で食べていきたいと考える人にとっては非常に魅力的です。
何かで独立開業したいという人が、その選択肢の一つとして税理士を上げるほど人気です。
国税庁が発表した調査結果では、平成28年3月現在全国で税理士として登録しているのは7万5千人、そのうち税理士として開業しているのは5万7千人と実に8割近くを占めています。
独立の一番の魅力はやはり収入。
税理士はクライアントからの報酬額を自由に設定できるため、独立して独自の報酬システムを作りクライアントが多ければ収入は思いのままです。
税理士の勤務時間
税理士は朝9時から昼休みが1時間で午後5時までの勤務という場合もありますが、それは忙しくない時期のこと。
税理士の仕事には波があり、忙しくない時は定時で退勤できますが、忙しい時期になると何ヶ月も残業が続くこともめずらしくありません。
また、顧客が個人事業主や中小企業ばかりなら、基本的にその経営者の都合に合わせた時間に仕事をする必要があります。
例えば日中、本業で忙しいなら営業後や、定休日に打ち合わせすることが多くなるでしょう。
そのほかの時間に帳簿整理や決算整理といった業務をこなさなくてはなりません。
勤務税理士の場合は月あたりの勤務時間は平均で151時間、時間外を合わせても190時間程度ですが、独立すれば思いのままです。
大切なのはクライアントにしっかりサービスを提供できること、その反面自己管理・時間管理もより重要な仕事になるということです。
税理士の休日
税理士の休日も、やはりクライアント次第と考えてよいでしょう。
クライアントの多くは土日祝日が休みだったり、経理担当者が休みであることが多く、それに従って土日祝日が休みになることが多いようです。
年末年始やゴールデンウイーク、お盆なども同様ですが、あくまでクライアントの都合によって変わると考えましょう。
忙しさには波がある
税理士の仕事は、一年を通して忙しさの波が激しいことでも知られています。
毎年確定申告が行われる2月から3月あたりは多くのクライアントや新規顧客からの依頼が入り、同時に企業の年度末決算期をこなさなくてはならず、状況によっては夏前までその忙しさが続くこともあります。
しかし税理士はお客様あってのサービス業、クライアントの都合に合わせるのも仕事のうちです。
公認会計士との違い
税理士と並んで公認会計士も、税や会計のプロフェッショナルです。
どちらも国家資格でもあることから違いがよくわからないという方が多いかもしれません。
しかしこの二者は業務内容や役割において大きな違いがあります。
業務内容の違い
税理士の主な仕事は税務業務全般、税務署に申告する書類の作成や申告代行、税についての相談で、顧客は中小企業や個人が中心です。
これに対して公認会計士は、企業が決算書に正しい数字を記載しているかどうかをチェックする監査が主な業務です。
監査は資本金5億円以上または負債の合計金額が200億円以上の株式会社に対して行うもので、必然的に大企業が顧客となります。
一見同じ会計職でも、中小企業の税務に関するものは税理士、一定以上の規模の企業の監査に携わるのが公認会計士です。
公認会計士は税理士業務もできる
しかし、公認会計士の中には税理士事務所を開いて税理士として働いている人もいます。
それは公認会計士の試験内容には税に関するものも含まれており、公認会計士の資格を取得すれば同時に税理士資格も取得できるためです。
一方税理士の場合は、資格を取得しても公認会計士の資格は与えられず、監査は業務外。
その分公認会計士の資格試験の範囲は税理士よりも広く難易度が高いといわれています。
しかしこの制度は日本独自のものであり、今後社会の要請に基づいて制度が見直される可能性もあります。
税理士を目指す
税務全般を業務として独占し、専門性高く法律にも精通する税理士ですから、未経験者なら特に努力が必要なはずです。
難関といわれる税理士試験に合格し、税理士を目指すために必要なポイントを見てみましょう。
税理士試験を受ける
資格試験を受けるためには受験資格が必要です。
受験資格は、日商簿記一級の合格者、法律学または経済学を主たる履修科目とする大学の学部を卒業した者、大学3年生以上で法律学または経済学に関する科目を含め一定以上の単位を修得した者など細かい規定があります。
中には高い学歴が必要ではないかと考える人もいますが、合格者の学歴や合格までの年数を見てもあまり関係はないようです。
有名大学を卒業すれば合格しやすいということはなく、しいて言うなら5科目を最後まであきらめずにがんばった人が合格しているようです。
一定の大学院を卒業するなどして科目を免除されることはありますが、現実では税法の受験勉強をしていなくても税理士業務を立派にこなせる人はたくさんいますから、大切なのは肩書きではなく実力だということではないでしょうか。
猛勉強して合格を目指す
合格を目指して勉強するとき、どれくらい勉強時間をかけられるかは大きな問題です。
もし学生で時間に余裕があるなら今のうちに勉強して1科目でも多く合格しておくとよいでしょう。
なぜなら、卒業して社会人となれば仕事の忙しさによっては勉強時間を確保できない可能性があるからです。
税理士試験に合格するまでの標準勉強時間は、短い人で2,500時間、長い人で5,000時間から6,000時間と言われています。
社会人で帰宅してから寝るまで毎日5時間勉強して、短い人で500日、1年半かかることになります。
税理士登録するには実務経験が必要
資格試験に合格したからといって、誰もがすぐに独立開業できるわけではありません。
税理士として業務に携わるためには税務に関する業務に2年以上携わる実務経験が必要です。
そのため将来税理士として活躍するにはその実務経験をどう手に入れるかも考えておかなくてはなりません。
今の仕事が経理・財務・会計で、資格認定の実務経験に当たるなら、あとは試験に合格するだけですが、今まで実務の経験がないなら、資格取得の勉強と並行して仕事を変えることを考えてもよいでしょう。
どのようにするかは自由ですが、あくまで実務経験とセットで認められる資格であることは覚えておくようにしましょう。
他のルートもある
税理士資格を取得するには、試験に合格するしかないというわけではありません。
非常に特殊ですが、税務署をはじめとした国税官公署で23年または28年以上勤務し指定の研修を受けた人は税法系の科目が、10年または15年以上税務署に勤務した国税従事者は会計系の科目がそれぞれ免除され、税理士試験を有利に受験することができます。
他にも平成14年3月までに大学院に進学した人など学位取得による科目免除制度がありますから、大学院を卒業していたら確認しましょう。
税理士試験は難関ですから、たとえ条件付きであっても科目免除は時間的にもかなり有利になります。
弁護士や公認会計士から税理士になる
また税理士試験での受験科目が5科目全て免除になる場合もあります。
それは弁護士と公認会計士(一部研修が必要)です。
弁護士は弁護士法に規定され無試験で税理士として登録することができ、以前は公認会計士の全てが無条件で税理士登録できましたが、平成29年4月1日以降の公認会計士合格者は、税法に関する研修を修了した場合のみ税理士資格を得ることができるようになりました。
税理士に向いている人
税理士は、専門性が高く、クライアントにとっても重要な意味を持つ数字を取り扱います。
その計算作業やクライアントから預かった書類を見ながら毎日のように売り上げや経費の数字を入力したり確認するなど、業務は非常に特殊な作業の繰り返しです。
そんな計算や確認作業が全く苦にならない、むしろ楽しいという人や、人をしっかりサポートする仕事が好き、自分をきちんとアピールできて正義感が強い人が税理士には向いています。
また税理士は特に独立開業したら、どんなクライアントをもしっかりサポートしなくてはなりませんし、間違いない帳票を1人で作り、そんな情報を外に漏らさないといった正義感のある人も向いています。
それぞれのポイントが相容れないように感じられるかもしれませんが、税理士として生きていくためには欠かせない大きな要素です。
試験勉強をしながらでもそんな要素を心がけたいものです。
税理士試験について
年に一度の税理士試験の合格率は、毎年10%前後と非常に難易度が高いものです。
科目は必須があり選択必須・選択などに分かれ、それぞれに特色がありどれも決して簡単に突破できるものではありません。
税理士試験は難関試験
税理士試験は年に一度国税庁によって実施されていますが、その合格には5科目それぞれで60%以上の得点が必要です。
具体的には会計学に属する科目(簿記論と財務諸表論)の2科目と、税法に属する科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税または酒税法・国税徴収法・住民または事業税・固定資産税)からの3科目です。
それぞれの科目の合格率は、高くても15%ほど、低いと11%程度とおよそ10人に1人となっており、その難しさが目に見えます。
科目を見るとわかる通り、同じ税金の試験とはいえ対象は大きく異なり、出題される内容もかなり違います。
その専門性の高さから、2年以上の勉強が必要だといわれています。
長期的なスパンで計画的に合格を目指す
1年に一度の試験ですが、一度の試験で5科目全てに合格する必要はなく、科目別に合格実績は残っていくという試験制度は受験者にとって非常にありがたいものです。
受験者の中には一年に1科目、または2科目合格を目指して勉強内容を絞るなど工夫する人も少なくありません。
それほどに難関の税理士試験ですから、勉強に割ける時間などを考え、場合によっては長期的なスパンて計画的に合格を目指すのもよいでしょう。
特に社会人の場合は勉強時間にも制限があり、仕事によって思うように勉強が進まないことも十分あり得ます。
無理せずできる範囲で、しっかりと勉強と仕事を両立させる必要があります。
税理士試験の科目
税理士試験では全11科目の中の5科目の試験に合格すれば合格と認定されます。
しかしその中のどれを選んでもよいというわけではなく、科目は必須科目、選択必須科目、選択科目に分かれ、それぞれ必要な科目に合格しなくてはなりません。
まず必須科目は会計系の2科目、簿記論と財務諸表論は必ず合格しなくてはなりません。
それぞれ税額を計算するために必要な簿記について、企業が業績を報告するために作成する財務諸表の手続きとその背景にある理論を学ぶものです。
選択必須科目は、所得税法と法人税法のうち1科目以上の合格が必要で、どちらも国税収入の一位・二位という税理士実務としても大変重要な科目です。
選択科目は、相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税のうち残りの科目数の合格が必要です。
科目の選び方
必須科目はともかく、選択必須科目・選択科目のうちどれを選ぶかは合格する上で非常に重要なポイントです。
それぞれの合格率はさほど変わりませんが、内容によっては理解度が異なり、厳しく見極める必要があります。
これまで勉強してきた経験などから自分の得意な科目を選んだり、将来携わりたい方面があるならその科目にするのもよいでしょう。
また長期の計画での合格を目指すなら、最初は簿記論・財務諸表論の合格に集中し、例えば翌年は法人税だけとして、それまでの間に情報を集めて残りの二科目を選ぶようにしてもよいかもしれません。
受験資格に注意
日商簿記一級、全商簿記上級に合格するだけなら間違うことはありませんが、大卒・大学院卒による科目免除を利用して受験する場合は、その履修科目や学部・学校をよく確かめる必要があります。
学歴によって細かな指定があるため、判断できない場合は国税庁に直接尋ねてみましょう。
税理士試験受験者数の推移
税理士試験受験者数は平成27年に突出して増えていますが、その他は平成23年以降徐々に減少。
平成28年度試験では、受験者の中で大学卒が2万6千人と大多数、続いて専門学校卒が3千人、高校・旧中卒が3千人弱と占めています。
税理士試験合格率の推移
一方科目別合格率を合計した合格率は、受験者の増減とは関連が見られず相変わらず12%から17%の間で推移しています。
また平成28年試験では、大学卒の受験者が最も多かったのですが、合格率が最も高かったのは大学卒・在学中・高旧中卒・短大卒・専門学校卒のどれでもありませんでした。
それは学歴に関係なく、しっかり勉強した人が合格できるということを表しているのではないでしょうか。
学校に通って税理士を目指す
税理士試験合格を目指して勉強するときに、その方法はいくつかあります。
専門の学校に通って勉強することもその一つです。
必ず通わなくてはならない学校はない
税理士試験は、学歴によって科目が免除されることはありますが、その他については誰もが同じ条件で受験し合格が可能です。
必ず学校に通わなければならないといった制限はありません。
しかし独学に自信がない、確実に合格したい場合は、税理士試験合格のためのカリキュラムを提供する学校に通うのも方法の一つです。
専門学校やスクールに通う
受験する年齢や条件にもよりますが、科目免除される学部・学科に属する大学生ならそこで学ぶことが試験勉強になることもあるでしょう。
しかし社会人として仕事をしながら独学で勉強するのは、しかも長期計画であるほど難しくなります。
より効率よく、的確に学ぶためには費用がかかっても民間の専門学校やスクールに通うのは、モチベーションの維持にも役立ちます。
学校に通えば、科目の勉強はもちろんですがその他の、この科目にはこんな傾向がある、自分にあった科目を選ぶ手伝いをしてくれるなど受験にまつわるさまざまな情報を得る機会も増えます。
大学や大学院で学ぶ
もしあなたが高校生なら、将来税理士になるために科目免除される学部・学科に入学するという方法もあります。
また大学生なら大学院について調べ、有利になるようなら大学院へ進学するのもよいでしょう。
その際には間違いなく科目免除になるのかどうかを確かめるようにしましょう。
独学で目指すことはできるか
税理士試験は医師や弁護士のように専門性が非常に高く、合格そのものが難しいことで知られています。
受験資格のハードルは比較的低いため、試験で徹底的に選別されるのです。
逆にいえばそれだけきちんと勉強すれば合格できるともいえますが、それは独学でも可能なのでしょうか。
多くの受験生が学校で対策
税理士試験の合格率は12%から17%程度と非常に低く、そのため費用がかかっても専門学校やスクールに通って受験に備える人がほとんどです。
それぞれ通学用のカリキュラムのほか通信用のカリキュラムが用意されており、おおむね2年ほどかけて一通りじっくり学びます。
学校によっては社会人向けに夜間や週末に開校しているものもあり、働きながらでも無理なく合格を目指すことができるようになっています。
独学の合格者はほとんどいない
独学で税理士試験を受けようという人はほとんどいないのが現実です。
それは独学で始めたものの途中であきらめてしまったり、そもそも独学で受験しようとする人が少ないせいでもあります。
独学の難しさの一つに、税法の改正に関する情報を集めなくてはならないことが挙げられます。
税法は一年ごとに変わっていくため、それを独力ですべて把握するのは非常に手間がかかり勉強と両立するのは至難の技。
その点、専門学校やスクールでは法改正のたびに変更点をまとめたものが配布されます。
独学にはそんなデメリットがあることも計算に入れて計画を立てなくてはなりません。
税理士の就職事情
税理士試験に合格したら、その後はどんな道が開けるのでしょうか。
実際にどのような将来が待っているのか実例に沿って見てみましょう。
主な就職先
税理士を積極的に採用している職場は大きく分けると3つあります。
一つめは会計事務所や税理士法人です。
ここはまさに会計のプロフェッショナルが働く組織であり、クライアントの求めに応じてさまざまな税務業務で活躍できます。
全国的に有名な大手税理士法人という道もありますが、その場合は給与水準が高いこともあり競争が激しいことを覚悟しなくてはなりません。
二つめはコンサルティング専門の企業です。
ここは税理士の専門知識を生かしてクライアント企業に節税対策や予算の組み方を指導することで企業の経営をサポートします。
三つめは一般企業の経理・財務の部署です。
一部では非常に積極的に採用する業種もありますからその手の求人には常にチェックしておきましょう。
採用募集状況は厳しい
現在わが国では、不況やグローバル経済の波にのまれ廃業する中小企業や個人事業主が増えています。
それらが減ることは税理士にとってクライアントが減るということ。
連鎖的に税理士法人・税理士事務所も厳しい状況に追い込まれ、新しい人材を募集する余裕がなくなっているようです。
税理士を目指す人が増えている
この数年公認会計士の就職難が社会的な問題になり、公認会計士としての仕事に就けない人が税理士として働き始めるケースが増え、税理士の求人に応募する人は増えています。
税理士に定年はありませんから、サラリーマンが定年を迎える年齢になっても働き続ける人は多く、税理士の総数はしばらく減らないようです。
税理士を目指すなら、資格を取れば就職できると考えるのではなく、資格を取った後にも厳しい競争が待っていることを覚悟する必要があります。
結婚や子育てをしながら続けられる仕事
共働きがめずらしくない現代でも、結婚して家事やや子育てをしながら続けられる仕事は決して多くはありません。
しかし独立開業も可能な税理士なら、うまく調整することで続けることができます。
再就職しやすい環境
税理士は専門性が高く、携わってきた仕事の経験そのものがそのままスキルや能力になります。
それは他の誰もが真似ることができない自分だけの能力、あなたの強みになります。
この税理士の多い状況ならなおさら、知識だけでなく経験やスキルは大きなアドバンテージです。
一度そのスキルを身につければ、たとえ一度現場を退いたとしてもその能力を求める就職口を見つけるのはそう難しくないかもしれません。
それだけ実力が勝負、実力さえあれば復帰しやすい仕事でもあるのです。
年齢が問われない
税理士は専門職のため、年齢にかかわらず経験や知識がある人は採用されやすいといいます。
サラリーマンなら定年になれば強制的に退職させられ、継続雇用されたとしても収入は大きく減ってしまいますが、税理士の場合は豊富な経験と知識が高く評価されれば一定の収入のポストに採用されるのも難しいことではありません。
多様な働き方ができる
今は、女性が結婚して子供が生まれたら、収入が必要なのにもかかわらず勤め先によっては仕事ができなくなることを覚悟しなくてはならない時代です。
そんなとき、あなたに税理士として一定の能力と経験があれば、それを生かしてフルタイムの税理士ではなくてもパートタイムや期間限定などの条件下で働きやすい仕事を手に入れることも可能。
例えば帳票を自宅まで郵送してもらい、在宅で帳票・書類の作成や申告代行する「在宅税理士」のような働き方ができるかもしれません。
アイデア次第で多様な働き方ができるのは、税理士のような資格ならではの利点だといえます。
安定と高収入が魅力の税理士を目指そう
税理士は、国家資格である割に資格取得するための受験資格はハードルが比較的低く、努力次第で誰にでも取得できます。
実務経験がそろえば税理士登録でき、独立開業も夢ではありません。
高度に専門的な資格のためその知識や経験が非常に重要視され、そしてそれらはいつまでもあなたの価値を維持します。
資格を取ったらバラ色の人生が待っているわけでは決してありませんが、税理士は能力が評価されるまさに「腕一つで」できる仕事です。
女性にとっては子育てや家事と両立でき、一定の収入が見込めます。
あなたも安定と高収入が魅力の税理士を目指してみませんか。
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