傷病手当金から失業保険への切り替え方法。それぞれの仕組みを知る【2020年1月6日訂正】
コンテンツ
失業保険と傷病手当金との関係
勤務先を退職する際に、雇用保険から失業保険を受給できることはご存知だと思います。
ただ、病気・ケガ等で連続して4日以上仕事が出来なくなった場合に、傷病手当金を受給できることは意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
また、傷病手当金は勤務先を退職した後も受給することができるのですが、失業保険との同時受給はできないのです。
それでは、失業保険の仕組みからみていきましょう。
失業保険の仕組み
失業保険という言葉は知っていても、その仕組みについては知らない方が多いのではないでしょうか。
自営業の方には当てはまりませんが、会社員の方で雇用保険に入っていれば、会社を退職する時に失業手当がもらえるのです。
失業保険から支給される基本手当
会社に勤めているサラリーマンやOLは、会社の雇用保険に加入していることになります。
給与明細書の欄に雇用保険料の天引きが表示されているはずです。
この雇用保険とは一般的に失業保険と呼ばれているものです。
これはその名のとおり勤務先を退職して失業状態となった際に、次の仕事につくまでの間決められた期間の間、失業手当をもらえるという仕組みの保険なのです。
正式には基本手当と呼ばれています。
【参照リンク:https://doda.jp/careercompass/compassnews/20150623-13046.html 】
失業手当の受給資格
ただし、失業手当を受給するためには条件があり、失業した本人がハローワークに出向き働く意欲はあるが就くべき仕事が見つからないことを申し立てる必要があります。
本人とハローワークが努力しても失業状態が続いている場合に失業手当を受給できるのです。
また、雇用保険に加入していた期間があることが必要で、自己都合による退職の場合は賃金支払いの基礎となった日数が1ヶ月に11日以上必要であり、そのような月が退職前2年間のうち12カ月以上あることが要件となっています。
会社都合による退職の場合には、そのような月が退職前1年間のうち6カ月以上あれば良いことになっています。
【参照リンク:https://roudou-mado.com/unemployment-insurance/1135/】
【参照リンク:https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/11173/#3】
中見出し:失業手当の受給額
失業手当金は、退職直前6カ月間の1日あたりの賃金日額の45%~80%となっており、最大で約295万円です。
また給付日数は90日~360日となっています。
賃金の低い人ほど給付率は高くなっていて各年齢層ごとに上限額が定められています。
下記を参照ください。
- 退職直前6ヶ月前の賃金総額÷180日=1日あたりの賃金日額
1日当たりの賃金日額×給付率×給付日数
年齢 | 上限額 |
---|---|
29際以下または65際以上 | 6,370円 |
30歳以上45歳未満 | 7,075円 |
45歳以上60歳未満 | 7,775円 |
60歳以上65歳未満 | 6,687円 |
(2020年1月6日現在)
【参照リンク:https://roudou-mado.com/unemployment-insurance/462/】
失業手当の給付期間
失業手当金の給付期間は勤務先を退職した理由等により異なってきます。
自己都合退職の場合は90日~150日となりますが、会社都合退職の場合は、90日~330日、また就職困難者と認められた人の場合は最大で360日となっています。
【参照リンク:https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/11173/#2】
傷病手当金の仕組み
次に、病気やケガ等で仕事に就くことが出来なくなったときにもらえる傷病手当金の仕組みについてみていきましょう。
傷病手当金の受給資格
傷病手当金を受給するには、まず社会保険(健康保険・組合保険等)に加入していることが必要です。
傷病手当金は申請者が加入している社会保険から給付されるからです。
業務中のケガなどの場合は労災保険の適用になりますので、傷病手当金を受給するには業務以外で病気やケガを負い仕事につくことができない状態でなければなりません。
その場合、3日以上連続して仕事が出来なくなった(待機期間といいます)後の4日目から傷病手当金を受給できますが、その休業中に勤務先から給与が支給されていないことが要件となります。
【参照リンク:https://hoken-connect.jp/columns/179/#i】
傷病手当金の受給額
傷病手当金の受給額の計算方法は失業手当と違っており、傷病手当金支給開始日前12カ月間の標準報酬月額を平均した額を30日で割りその3分の2が1日あたりの受給額になります。
組合保険の場合には、受給額に特別加算の制度があるケースもあります。
もし傷病手当金受給中にリハビリ出勤等で半日出勤した場合には、1日出勤したものとみなされ1日分の傷病手当金がカットされます。
【参照リンク:https://www.i-hoken.com/iroha/disability/378/】
【参照リンク:https://manetatsu.com/2016/06/67546/】
傷病手当金の給付期間
傷病手当金は支給を開始した日から最長で1年6カ月受給できますが、途中で仕事に復帰しその後また療養に入った場合は、仕事に復帰した期間は1年6カ月の中に含まれてしまいます。
つまり受給後に仕事に復帰した期間があってもなくても支給開始日から1年6カ月間が最長となるのです。
【参照リンク:https://www.i-hoken.com/iroha/disability/378/】
失業保険と傷病手当金の受給関係について
傷病手当金と失業保険は同時に受給できませんが、やり方次第では傷病手当金から失業保険への上手な切り替えができるのです。
病気やケガが理由による退職
先述した傷病手当金は、病気やケガ等により退職しても1年以上の被保険者期間があれば、健康保険・組合保険より支給開始日から最長1年6カ月間受給することができます。
この場合、傷病手当金と失業手当を同時に受給することはできないため、傷病手当金を受給しながら失業手当の受給期間を延長すればよいのです。
【参照リンク:https://yakunitatta.info/koyouhoken-enchou-23285.html】
失業手当の受給を延長できる期間
失業手当の受給を延長できる期間は最長3年間となっています。
(定年退職など60歳以上の離職の場合は最長1年間)失業手当の受給期間は1年間となっていますので最長で通算4年間の延長が認められています。
【参照リンク:https://yakunitatta.info/koyouhoken-enchou-23285.html】
受給期間の延長手続き
受給期間を延長する場合には、病気やケガ等により引き続き30日間以上就業できないことが要件となりますが、ご自分の住所地を管轄するハローワークに申請可能日から1カ月以内に申請をすることが必要になってきます。
ただし、延長後の受給期間が終了する日までは申請が可能となっています。
いずれにせよ早めの手続きが肝要です。
【参照リンク:https://yakunitatta.info/koyouhoken-enchou-23285.html】
傷病手当金から上手に失業保険へ切り替えよう
ここまで、病気やケガ等で勤務先を休んだり退職した場合の、傷病手当金と失業手当の受給をする方法についてみていきました。
もし将来的に自分が病気をケガで仕事を休んだり、退職しなければならない、という際に傷病手当や失業保険の仕組みを正しく理解していれば、慌てずに行動できるのです。
もし働くことが可能である人は働けば収入を得られますが、病気やケガ・妊娠・介護等の場合では働きたくても働けないことが多いものです。
そのようなときは、自分の住所地を管轄するハローワークを活用して相談申請し、生活設計の補てんとなる傷病手当金と失業手当を最大限受給しましょう。
しかし、手続きの仕方一つで受給できなくなってしまったりと損をしてしまうことのあります。
正しい情報を持って手続きをしましょう。
Sponsored Link
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitterでukano358をフォローしよう!
Follow @ukano358