歯科技工士の年収と給料事情。あまり知られていない歯科技工士の実態

July, 10, 2018

記事が良かったらシェアして下さいね♪

歯科技工士の年収や給料の実態を紹介

歯科技工士の仕事は専門職であり、技術職です。
では、実際に給料はどれくらいなのでしょうか。
どのようなことをする仕事なのでしょうか。
あまり目にすることの少ない歯科技工士の実態について、みていきましょう。

歯科技工士の平均年収と給料事情

まずはお金の話です。
歯科技工士を目指す場合には、気になるところでしょう。
歯科技工士のお金事情をわかりやすく解説していきます。

医療系の専門職としてはやや低めの給料

「医療系の技術職」と聞いて、どのようなイメージをされるでしょうか。
医師・看護師などのイメージの延長で考えられた方は、歯科技工士の給料はそこまで高く感じないかもしれません。

実際に技工士として働き始めてもらえる給料は、その技工所や歯科医院によってばらつきはありますが、おおよそ15万円~17万円程が一般的とされています。
ただ技術職なので、技術を磨いて仕事量をある程度こなせるようになれば、比例して給料が上がっていく可能性も十分あります。

歯科技工士の平均年収

では年収はどれくらいになるのでしょうか。
歯科技工士全体の平均的な年収は、およそ434万円といわれています。
男性のみの平均だと468万円なので、男性の方が活躍できる職業という見方ができるかもしれません。
平均の年齢も42.7歳と少し高めということもあり、若いうちに技術を身に付ければ活躍できる場が多く、収入も増える可能性があります。

【参照リンク:http://careergarden.jp/shikagikoushi/salary/

年齢や技工所の規模によって給料は異なる

勤める場所によってお給料は変わるものなのでしょうか。
歯科技工士は基本的に「歯科技工所」で働いているという方がほとんどです。
その中でも、個人でやっているいわゆる「個人ラボ」と呼ばれる小規模な所もあれば、全国に展開しているかなり大きな技工所までさまざまあります。
その規模に、給料が影響するというデータもあります。

1,000人以上の技工所になると、平均年収が484万円というデータもありますが、日本にある技工所で1,000人規模の技工所はそんなに多くはありません。
日本全体の技工所割合は「1~10人の個人技工所」が75.4%、「11人以上の法人技工所」が24.0%、その中でも1,000人を超える大規模な技工所はどれくらいあるだろうかというのも、想像に容易いのではないでしょうか。

ただ大規模の技工所は、若い世代の人材を大事に育てたいと考えている会社が多いという話をよく聞きます。
技工士を目指している方や、技工士になりたての方は、気になる求人があれば応募してみるとよいかもしれません。

【参照リンク:http://www.nadt.jp/bin/report20131101.pdf

歯科技工士の仕事について

では、歯科技工士の仕事内容についてみていきましょう。
実際にはどのようなものを作るのでしょうか。

歯に関する人工物をつくる仕事

基本的に歯科技工士は「歯科医師の指示に従い、患者さんの入れ歯や差し歯、矯正装置やマウスピースなどを製作する仕事」です。

  • 金属の銀歯(メタルクラウン)
  • コンピュータで作るプラスチックの歯(CADCAM冠)
  • 陶材の白い差し歯(セラミッククラウン)
  • 部分入れ歯(パーシャルデンチャー)や総義歯(フルデンチャー)
  • 矯正装置(ワイヤー装置・マウスピース型装置)

など、さまざまな種類の技工物を全て患者さん一人一人に合わせてオーダーメイドで作っていきます。
口の中はとても敏感な場所です。
口の中に髪の毛が入ったり、とても小さい違和感を感じた経験がある人もいると思います。
そんな中で新しい歯を入れた時に、「今までと噛み合わせが違ってご飯が食べにくい」、「入れ歯を新しくしたら話にくくなった」などの違和感をできるだけ感じないように、その人に合った歯を作るというとても繊細な仕事です。

見た目がきれいな歯を作るということはもちろん大切ですが、ちゃんと「食べる」、「話す」などの機能を損なわないような「人工臓器」を作るのが、主な仕事になります。

最近ではCADCAM(コンピュータ)を使いパソコンの中で歯を作るというシステムを導入している技工所が急激に増えてきているので、「技工ができる」ことに加え「パソコンが使える」というスキルが求められることも少なくありません。

歯科技工士の主な勤務先

上記の内容にもありますが、歯科技工士の人は「歯科技工所」という会社で働いている人がほとんどです。
中には歯科医院で「院内技工士」として活躍している方や、技工士の知識を生かして歯科材料や機材を扱うメーカーに就職する方もいます。
ただ、技工士の約7割ほどの方が歯科技工所で働いているというデータがあります。

そんな中でも、開業して自分で技工所を持つ方も多くいます。
大きな技工所で数年勤務して技術を磨いた後、一人で開業するというパターンも少なくはありません。
実際に開業するにはさまざまな手続きが必要になりますが、信念をもって自分のやり方で仕事をしたいという人は「開業」という道も選択肢のひとつになります。

【参照リンク:http://careergarden.jp/shikagikoushi/work/
【参照リンク:https://www.nichigi.or.jp/shikagikoshi/sikagiko-todokede_6sikagikojo.html

患者さんと直接触れ合うことが無い

技工士が技工所で仕事をすることが多いということは、歯科医院に来る「患者さんと接する機会が減ってしまう」ということに繋がります。
実際に患者さんと接するのは歯科医師や歯科衛生士で、そこから患者さんの要望を技工士に伝えて技工士が歯を作るというのが一般的な流れです。

その中でも、患者さんと接する機会が欲しいという方は、「歯科医院内での院内技工」をおすすめします。
実際に患者さんが何を求めているのかを直接聞けるチャンスが多いです。

ただ、歯科技工所に勤めている方でも、患者さんと接する機会が全くない訳ではありません。
歯科医師から患者さんの歯の色を「直接確認してどんな色にするかを決めて欲しい」という要望があった場合は、直接患者さんとお会いして相談される場合もあります。

また、実際に作ったものをセットする際に立ち会って、何か気になる部分があればその場で修正して患者さんの希望に沿うようなものにするという場合もあり、患者さんに接することのできるシステムを作っている会社も多いです。

患者さんに直接触れ合うことは実際「少ない」かも知れません。
しかし、技術を磨いていけば歯科医師からそういった依頼を「技工士の○○さんに来て欲しい」と指名してくれる場合もあります。
そうなると患者さんの反応も実感できますし、やりがいにも繋がりますよね。

歯科技工士の仕事の現状と将来性

実際に歯科技工士になった後、働き始めてから厳しい現実に直面する若者は少なくありません。
最近では大きい技工所を中心に「労働時間の短縮」に取り組んでいる会社も多くなってきていますが、今でも朝から夜中、もしくは朝方まで働いてもそれほど高い給料にはならないという職場もまだまだあります。
そんな現実に直面して「5年以内に歯科技工士を辞めてしまう人が75%もいる」というデータもあります。

ただ、海外では日本の技工士の技術力が認められ始め、高い技術を持った技工士が海外で活躍するというケースも増えてきています。
世界で活躍するサムライ技工士としてたくさんの技工士が紹介されています。
女性の活躍もみられることが多くなり、海外に目を向けている若い技工士も少なくありません。

【参照リンク:http://www.osk-net.org/database/2014/gikoushi.pdf
【参照リンク:http://www.shien.co.jp/act/d.do?id=7376

歯科技工士になるためには

では、そんな歯科技工士には、どうすればなれるのでしょうか。
実際にどういう手順で技工士になれるのかみてみましょう。

歯科技工士の養成施設に入学

高校を卒業した後に歯科技工士を養成する学校に入学する必要があります。
そこで、各科目の授業を一定時間受けないと卒業ができず、卒業できないと歯科技工士国家試験の受験資格を得ることができません。
学校は大学や短大、専門学校など選択肢がいくつかあるので、自分にあった学校を選びましょう。

【参照リンク:http://careergarden.jp/shikagikoushi/naruniha/

歯科技工士国家試験を受験する

無事に技工士学校を卒業したら、毎年2月に行われる「歯科技工士国家試験」を受験します。
北海道、宮城県、東京都、大阪府及び福岡県で実施されますので、ご自身の住んでいる近くで試験を受ける形になります。

試験内容は各学科の筆記試験と、技術を図る実技試験があり、専門学校はこれらの試験内容を網羅できるようなカリキュラムが組まれていることがほとんどですので、高校卒業後に歯科技工士の専門学校へ進学する形がわかりやすいかと思います。

専門学校は基本2年制のところが多く、夜間であれば3年制でカリキュラムが組まれていることが多いです。
実際に、平成30年2月に行われた国家試験の合格率は90%を超えていて、多くの方が歯科技工士として羽ばたいています。

【参照リンク:http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2018/siken22/about.html

歯科技工士免許証を受け取る

国会試験に合格したら、「歯科技工士免許証」交付手続きを行います。
交付するには、平成27年6月から「一般財団法人歯科医療振興財団」に申請する様になっています。
交付後に免許証を再交付したり、技工所を開業する際の手続きもこちらに申請します。

【参照リンク:https://www.nichigi.or.jp/shikagikoshi/sikagiko-todokede.html

歯科技工所や病院に就職する

無事に歯科技工士免許も申請できたら、いよいよ職場デビューです。
今は歯科技工士の平均年齢が高くなり、技工士数も少ないため、若い技工士の需要はかなり高まっています。
その上、新しく入ってきた若い人材を大事にしようという傾向も強くなっているので、就職にはあまり困らないかもしれません。

最近では、CADCAM(コンピュータ)を使った歯科技工も急速に普及してきているため、そういった意味でも若い人材が重宝される環境になってきているとも考えられます。
また、こういった環境の変化で女性が活躍しやすくなってきていることもポイントです。

手先の器用さが求められる

基本的には手先の器用さが求められます。
技工士になる人はプラモデルを作るのが好きな人、アクセサリー作りが趣味という方も多く、細かい作業を長時間続けられる集中力も重要です。

また、日々新しい技術や情報が溢れているのも特徴です。
全国各地で定期的に行われる「デンタルショー」という新商品展示会などもあり、興味をもてたら楽しい業界かも知れません。

歯科技工士の年収は勤務先や技術によって異なる

一概に「歯科技工士」といっても、働く場所や自分のスキルによっていろいろな可能性がある職業です。
やりがいを見出せれば自分で開業してみることも、海外で活躍することにも可能性が出てきますし、自分次第で収入も上げていくこともできる将来性のある職業です。
そんな歯科技工士を選択肢の一つとして、考えてみてはいかがでしょうか。

Sponsored Link

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでukano358をフォローしよう!

記事が良かったらシェアして下さいね♪