気になる公認会計士の年収|資格難易度や就職方法を詳しく解説
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会計のスペシャリスト公認会計士
『公認会計士』という職業をご存知ですか?公認会計士は企業などの経営状況、財務状態などが書かれた決算書をチェックし、底に虚偽や誤りがないかを確かめる”監査”を行います。
企業の業績を嘘偽りなく世間に公表し、世の中の安泰をもたらすためには欠かせない職業です。
今回はこの公認会計士にスポットを当て、公認会計士になるために必要な要件、やりがいのある業務内容及びその魅力についてを解説していきます。
これから公認会計士を目指すという方は、本記事を通じて公認会計士の職業を再認識し、資格取得を目指していきましょう。
公認会計士の給料や年収について徹底解説
公認会計士について知っている方は多いかとは思いますが、その年収やボーナスなど、給料面についてはどうでしょうか。
”国家資格が必要な職業なのだから、普通のサラリーマンよりは高いのではないか”と漠然と推測することはあっても、具体的な収入額はあまり知られてはいません。
もちろん給料面ばかりを見て将来の基盤となる職業を決定してしまうのはおすすめできませんが、やはり収入というのは職業選択において、またモチベーションを維持するための重要な項目のひとつです。
そこで、まず初めに公認会計士として従事した場合の給料、年収について見ていきましょう。
公認会計士として収入を得るまでには時間がかかる
公認会計士になるための第一歩として、まず資格試験を合格する必要があります。
しかし、試験を突破したからと言ってすぐに公認会計士として活躍できるわけではありません。
合格後に”実務補修”を1年から3年間、また企業などに就職し実際の仕事を経験する”補助業務”を2年以上行わなくてはなりません。
実務補修と補助業務を経て、日本公認会計士協会により行われる修了考査に無事合格することができたなら、晴れて公認会計士として登録され、実際に働きだすことができます。
つまり、最低でも公認会計士試験合格後、4年程度の期間が必要になります。
このように、公認会計士として収入を得るまでには非常に長い時間がかかりますので、長期的な計画が必要となってくるのです。
「業務補助など」でも給料をもらうことができる
先ほど記した”業務補助”は監査法人などの企業に就職し、業務の手伝いを行ったり財務に関する監査など、実務に補助としてに従事することです。
この過程では実際に給料も支払われ、大手監査法人であれば年収600万円ほど、中小企業でも年収500万円ほどをもらいながら、公認会計士の資格取得に必要な要件を満たすことができます。
実際に公認会計士としての業務を間近で見ることのできるチャンスであり、非常に有意義な期間を過ごすことができます。
公認会計士として働きだすと年収はぐんとアップ
業務補助期間、つまり見習い期間の間でも500万円程度の年収を得ることは可能ですが、正式に公認会計士として働くことになると、当然ながらそれまでよりも給料は格段に上がります。
具体的に言うと、30代で年収750万円、40代なら900万円、50台になると900万円強まであがり、60代以上となると年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
実際に公認会計士となるまでには高いハードルと長い時間が必要となる代わりに、長期的に高い年収が保証された、やりがいのある仕事です。
企業の規模によって収入に差がある
公認会計士の給料は、従事する企業の規模により差が出てきます。
大企業への就職を果たしたなら、1,074.2万円、中企業であれば889.0万円、小企業では805.6万円が平均的な年収です。
もちろん、役職や地域により給料は変わってきます。
また、会社の規模により仕事内容などにも変化があるでしょう。
自分が望む働き方のできる規模の会社を選択するようにしてください。
監査法人で働くと収入は高め
公認会計士として監査法人へ就職すると、一般企業の経理部や財務部などへ就職した場合よりも収入は高い傾向にあります。
監査法人には大企業が多いことも要因のひとつであり、大手監査法人は公認会計士の花形の就職先と言えるでしょう。
また大企業の監査法人は都市部に多い傾向があり、そのため収入面でも優遇されている、といった一面もあります。
公認会計士のボーナス
公認会計士として監査法人などに就職すると、多くの場合は月収とは別にボーナスが支払われます。
するときになってくるのはボーナスの金額ですが、厚生労働省が公表した2015年の賃金構造基本統計調査によると、公認会計士の平均ボーナス額は147.8万円でした。
これは小企業、大企業合わせての平均ですので、自分が勤務する企業の規模などによっても違いがあります。
在籍者数が1,000名を超える大企業になると、ボーナス額の平均は200万円を超えることもあります。
生涯年収は3億円を超えることも
公認会計士として定年まで勤めあげるた場合、生涯年収はどのくらいになるのでしょうか。
小企業であれば約2億800万円、中企業であれば約3億3,726万円、大企業だと約3億765万円の生涯年収を受け取ることになります。
一般的な企業に勤めるサラリーマンの平均生涯年収は約2億円前後といわれていますから、公認会計士が給料の面では恵まれていることが一目でわかります。
実力次第で年収1000万円も可能
就職した大手監査法人で役職を得るなど承認したり、独立し個人会計事務所を立ちあげる、あるいはコンサルティング業界への進出などで活躍の場を広げることで、より高い報酬を手にすることも夢ではありません。
このように、公認会計士とは自分の努力と培ったノウハウを生かすことにより、平均的な給料を大きく超えた報酬を手にすることのできる職業です。
福利厚生が充実していることも
大手の監査法人では育児や介護による休業制度が設けられていることが多いです。
したがって、育児をする女性にとっても働きやすい現場だと言えるでしょう。
また、スポーツクラブや会員制の別荘などを利用できる制度もあったり、社内にマッサージルームが併設されていることもあります。
このように、仕事に従事する者に優しい、福利厚生が充実した現場が多い傾向にあります。
公認会計士とは
続いて、公認会計士の基礎的な情報について解説いたします。
公認会計士はお金に関する業務が中心であり、企業の金銭面での流れに特化した業務が多く見受けられますが、実はその職務内容には幅があります。
公認会計士として働くとどのような業務に従事することになるのかを知っておくことで、将来のビジョンを具体化させましょう。
主な仕事は企業の経営をチェックすること
公認会計士の主な仕事は、企業の金銭の流れをチェックし、違法な行為、支出が行われていないかを確認する『監査』業務です。
特に大企業の場合、金の流れが複雑になりやすいですから、資格を持った公認会計士が企業の財務書類をチェックし、問題がないかを調べるのです。
企業内でのみではなく、公認会計士という第三者の目から監査を行うことで、企業が嘘の申告をするなどの粉飾決算をいち早く見抜くことができます。
このように、公認会計士の業務の基本である監査は、日本企業の不正を見抜き、消費者や社会への安心を保証することのできる重要なものです。
コンサルティングや税務の仕事も
公認会計士は先ほどの監査業務の他にも、身に付けた金銭面の知識を生かしてコンサルティングとして働き企業の経営や会計に対してのアドバイスを行ったり、一般企業の経理部で手腕を発揮することもあります。
また、お金に精通していることから税金についてのスペシャリスト、税理士と同様、税に関する書類作成及び申告を行うなど、税務業務の仕事をすることもできます。
監査という細かなお金の流れに目を向ける業務が中心の公認会計士は、その他のお金に関しての知識を多く有し、さまざまな面から社会に貢献することが可能です。
公認会計士の仕事の魅力
公認会計士が社会の発展に大きく寄与し、貢献度の面からみても重要な職業である事が分かりました。
それでは、公認会計士として従事することで具体的にどのようなメリットがあるのか、公認会計士という職業の魅力について見ていきましょう。
公認会計士になるには非常に長い道のりが待っていますが、それを補う多くの魅力にあふれた仕事です。
日本の経済社会の今を肌で感じることができる
まず、公認会計士として業務にあたる場合に真っ先に挙げられる特徴ではないでしょうか。
公認会計士はさまざまな企業に直接訪問することが多く、中には日本を代表する大手企業が訪問先になることもあります。
そんな会社のオフィスの雰囲気、業務風景を近くで見ることができ、なおかつ金銭面でも書類を通して触れることができますので、日本の経済の流れを自分の目で感じることができます。
大企業がどのような就業形態をとり、支出を行っているのか。
おそらく、公認会計士でなければなかなか知る事のできない裏側でしょう。
企業を内面から知ることで、日本の発展してきた経済の流れを知り、更に間近でその流れを見届けることができるという。
貴重な経験を得ることのできる職業です。
収入の高さ
公認会計士の魅力として挙げられる点のひとつが、その収入の高さです。
先ほども書きましたが、一般的なサラリーマンと比べると割高の報酬を受け取ることができますし、お金のスペシャリストとして将来独立することもも可能です。
もちろん国家資格を取得する必要のある難関の職業ですから、高額な給料は当然ともいえるでしょう。
しかし、費やした努力の分高額な給料を受け取ることができ、安定した生活を送りやすくなります。
男女平等に活躍できる
公認会計士は男女差が少ない点でも特徴的です。
公認会計士になるにはまず資格取得が必須ですから、試験に合格さえしてしまえば男女は関係ありません。
したがって、収入面や仕事内容で男女差別を受けることはあまりありません。
また、公認会計士の主な就職先である監査法人は、育児、介護休業の制度が整っているため、働く女性にも優しい職場です。
税理士との違いは
同じ金銭にまつわる書類を扱うという点から、公認会計士と税理士は比較されることが多いです。
しかし、公認会計士と税理士ではその業務内容、資格などは全く異なります。
そこで、両者の違いについて詳しく見ていきましょう。
公認会計士は税理士にもなれる
実は公認会計士の資格を取得したものは税理士としての職業に就くこともできます。
それは公認会計士の仕事内容の一部に税理士としての役割も含まれているからです。
これにより、公認会計士取得後には税理士資格を取る必要もなく、税理士会への登録を行いさえすれば税理士として働くこともできます。
つまり、公認会計士としての顔を持ちながら税理士として活躍することも可能、というわけです。
幅広い面から社会に貢献することができます。
このような事情から、本来は税理士を目指しているが、公認会計士の資格を目指し将来の選択肢の幅を広げておく、という方法もあります。
一方、たとえ税理士の資格を取ったとして、同時に公認会計士への切符を手にしたかというと、そうではありません。
税理士の業務区分に企業への監査業務は含まれてはいませんから、もし公認会計士を目指す場合には改めて資格取得を目指さなければなりません。
そのような点でいえば、公認会計士は税理士の上位資格と言えなくもないでしょう。
仕事内容が違う
税理士と公認会計士では、当然ながら仕事内容が違います。
具体的に言えば、公認会計士が企業の経営の内側をチェックする監査業務が主なのであるのに対し、税理士は主に税金関連の書類作成に携わる税務業務を行います。
このように、両者ともお金の問題と密接に関わる職業ですが、その領域は全く異なります。
しかし、公認会計士は場合によっては税の領域を扱うこともありますので、税務にも精通していなければなりません。
その点でいえば、公認会計士になるためには税理士の勉強も包括的に行う必要があるのです。
公認会計士になるには
医師や弁護士と並んで難関であると称されることもある公認会計士ですが、実際にはどのような工程を経て公認会計士を名乗ることができるのでしょうか。
また、資格取得までの一般的な道のりを知り、自らの人生設計をより具体的にしておきましょう。
一般的に資格取得までに数年かかるとされている公認会計士の資格ですから、効率的に試験に合格することが自分の望む将来への近道です。
まずは筆記試験に合格する
公認会計士の試験は国家資格です。
資格を取ることが、公認会計士へのはじめの一歩ですから、まずはこの難関試験を突破しなければなりません。
筆記試験の内容は二種類あり、まず初めにマークシート式の試験を受け、それに合格した者のみが後日自らから考えた回答を記述する、論文式の試験を受けることができます。
公認会計士の試験を合格するには、当然ながらその二つの形式をどちらもクリアする必要があります。
試験の難易度は非常に高い
公認会計士の試験の難易度はとても高いことで有名で、あの医師免許や弁護士などになるのに必要な司法試験と並んで難関資格であると認知されています。
したがって、受験者の多くが独学ではなく、民間の専門学校に通ってあり大学で試験合格に向けて学びます。
しかし、それでも毎年約9割の受験者が試験を落ちてしまうことから、公認会計士試験取得は非常に狭き門です。
生半端な覚悟では、試験を突破することは難しいでしょう。
合格率10.8%を突破しなければならない
公認会計士の資格試験の合格者率は、例年10%前後です。
それも、多くの時間と努力を資格取得へ向け費やしてきた人々の中での10%ですから、その難易度の高さは計り知れるでしょう。
実際に、平成27年には10,000人程度の受験者がいましたが、その中で合格した者はわずか1,000人余りです。
公認会計士になるためには、この高いハードルを乗り越えることが第一条件であることを認識しておくことが大切です。
専門学校に通って目指す
資格取得を目指す場合、自分一人の力ではなく専門機関を利用する方法もあります。
数多く存在する公認会計士を目指す専門学校の中には、通学をし講師から学ぶコースと、通信講座を利用し自宅で学習する事のできるコースが存在します。
学習の時間を多くとれる人は通学制、働きながら資格取得を目指す場合には通信講座を選択するなどの自分に合った学習方法を選ぶことが可能です。
専門学校では公認会計士を目指すことに特化したカリキュラムが組まれていますので、より効率的に学習を進めたい人は、一度専門学校を利用するという選択も視野に入れてみるべきでしょう。
大学・大学院で学ぶ
上記の専門学校以外にも、大学の経済学部や商学部であれば公認会計士の学習を行うことができます。
現在大学・大学院に通っている、あるいは今後通う予定があるという場合には、公認会計士の資格取得を目指せる授業を選択することも良いでしょう。
ともに勉学に励む学友、講師がいれば学習への意欲は高まり、より効率的に学習を行えるでしょう。
費用は数百万円掛かることも
公認会計士の資格取得に向けて専門学校、あるいは大学・大学院に通う場合、相応の費用を想定しておかなければなりません。
専門学校の場合、学費は約60万から200万円程度、大学だと約200万円から400万円ほどの支出は覚悟しておきましょう。
しかしこれらの機関で学んだことにより早期に資格取得ができるのであれば、学習費は無駄にはなりません。
自分への投資だと考え、出費を惜しまないことも時には大切です。
公認会計士を目指す人の年齢
公認会計士を目指す人の年齢はどのくらいなのでしょうか?公認会計士の試験には受験資格がありませんので、年齢問わず試験を受けることが可能です。
しかし、受験者別の年齢を見てみると、試験を受ける人は20代から30代であることが多いようです。
その理由として、公認会計士の試験を受けるのが大学生や大学院生、または転職を考える若手のサラリーマンなどが多いことと、資格取得後にも正式に公認会計士として働きだすまでには長い時間がかかることが挙げられます。
2年以上の現場経験が必要
無事、難関である国家試験を突破したとしても、すぐに公認会計士として働きだすことができるわけではありません。
資格取得後、合格者たちは1年から3年の実務補修を経験し、その後に実際に企業にて仕事をする業務補助を2年以上行います。
資格取得はそれ自体が高いハードルとして受験者の前に立ちはだかりますが、この時点ではまだ長い公認会計士への道のりの門をくぐっただけにすぎないのです。
修了考査に合格してついに資格が得られる
実務補修、業務補助を終え、最後に修了考査に合格することで、ようやく公認会計士として認められ登録することができます。
このように、難関な試験を突破したのちにも数々の課題をクリアしなければなりません。
もちろん、登録されたということは公認会計士になることが可能になっただけですから、実際に職場となる就職先を探す必要もあります。
公認会計士は社会の下支えをするというやりがいに溢れた業務内容であり、なおかつ給料面でも優遇された魅力のある職業ですが、その反面、仕事に就くだけでも困難を極めるということを把握しておいてください。
公認会計士に向いている人
これまで、公認会計士になるまでの道のりとその難しさを中心に解説してきました。
職業に就くまでの難易度もさることながら、公認会計士はその業務内容も決して簡単なものではありません。
もちろん、公認会計士として就職することがゴールではありませんから、晴れて公認会計士として従事することになった場合に備えておく必要があるでしょう。
公認会計士志望者の理解の助けとなるよう、下記に公認会計士に向いている人の項目を挙げておきます。
今すぐにすべての項目をクリアする必要はありませんから、実際に公認会計士として従事するまでにこれらの要素を頭に入れておき、常に意識するようにしておいてください。
数字に強い人
公認会計士の主な業務である監査は、膨大な数の財務書類を見ながら、その数字に誤りがないかを確認する作業です。
したがって、数字の末尾にまで注意を払うことのできる集中力を持つ人、また多くの数字が並んだ書類を扱うことに抵抗を感じない数字の強い人であれば、公認会計士として十分な成果を残すことができるでしょう。
監査業務には当然ミスは許されませんから、人並み以上の注意力と観察力が必要になってきます。
公認会計士は国家資格でもあり、重大な責任の伴う仕事ですので、業務に苦手意識を持ってしまっては続けることは難しくなります。
経済や経営に興味がある人
また、公認会計士は日本の企業の経営状況、財務状態に密室にかかわる事のできる仕事ですので、経済や会社経営に興味がある人にとっては楽しみながら業務を行える、やりがいのある仕事でしょう。
財務書類からその企業の経営状況、さらに大きな目で見れば日本の経済状況の今を肌で感じることのできる監査という業務は、他の職業では行うことができません。
このように、公認会計士となった者だけが経験する事のできる業務に誇りをもって取り掛かれる人が、公認会計士には向いています。
正義感が強い人
公認会計士の業務である監査は、一般的な職業の仕事内容とは異なり、企業の経営状況の確認及び不正、誤りを指摘することです。
企業が不正を犯し財務書類を偽った場合、率先してその罪を追求しなくてはなりません。
したがって、些細な間違い、不正を見過ごさず、自信をもって指摘を行える強い精神力を持つことが必要です。
公認会計士がいなければ、企業の不正が表に出てくることがなく、消費者や引いては現代社会に多くの損害をもたらすことになります。
その自覚を持ち、公認会計士という職業に強い責任感を抱けることが、公認会計士になるための素養のひとつと言えるでしょう。
公認会計士の就職事情
仮に公認会計士と名乗ることが許可されるようになっても、職場がなくては意味がありません。
自分の希望する職場への就職が内定して初めて、公認会計士としての道が始まったということになるのです。
では難関と名高い公認会計士の従事資格を手にした人々の就職事情は、一体どのようになっているのでしょうか。
実はいくら国家資格といえど、公認会計士資格取得者の就職は決して平坦なものではないのです。
公認会計士の就職事情について、詳しく見ていきましょう。
公認会計士の就職難
実は昨今、公認会計士は就職難であるいわれています。
平成22年から23年にかけて金融庁が発表した資料によると、公認会計士の資格試験を合格した者のうち、監査法人に内定した人の割合は56%でした。
つまり、公認会計士の花形の就職先である監査法人へ、資格を取得していても二人に一人程度しか就職が叶わなかった、ということです。
この原因は、世の中の経済不況により公認会計士自体の採用枠が減ってしまったことと、試験内容の変更により合格者数が増えるという二つの要素が組み合わさったことだと考えられます。
ただ、近年では少しずつこの就職難は解消されつつあります。
しかし数年に一度のスパンで公認会計士の就職難が発生するとの意見があり、難しい国家資格を取ったからと言って必ずしも安定した就職が保証されているとは限らない、というのが現状です。
国家資格を取得したということにあぐらをかき、自らを磨くことをやめてしまえば就職は難しくなります。
この辺りの事情は、一般の就職活動の場合と変わりはありません。
試験に合格したからと言って油断をせず、受験勉強時と変わらない向上心を持ち続けることが重要です。
合格者減で事態の改善を
金融庁は、公認会計士の試験を突破したにもかかわらず就職が叶わない人が大勢いるという事態に懸念を抱き、その対策のために、資格試験の見直しを検討する趣旨の見解を発表しました。
つまり試験合格者そのものの数を減らすことにより、公認会計士の数を減らすことにより相対的に資格の価値を上げる、という方法です。
この通りに対策が打ち出されれば、今ですら合格者の割合が10%程度の難しい試験が、更に研磨されより難易度の高い壁となって立ちはだかることになります。
しかし、違う一面から見てみればより質の高い公認会計士が輩出されることになり、また選りすぐられた数少ない合格者のみが就職することになるため、合格者の就職率自体は上昇することになるでしょう。
真剣な思いで試験合格を目指す者にとっては、資格の難易度が上がることはデメリットばかりではないのです。
公認会計士はキャリアアップも目指せるやりがいのある仕事
公認会計士は、その道のりこそつらく険しいものですが、その分従事後は自分の努力次第でいくらでも活躍の場を増やすことのできる仕事です。
更に主な業務である監査により、日本企業を金銭面で下支えするという重要な一面も持ちます。
資格試験は難関ですがその困難に打ち勝ち、公認会計士として道を進むことができれば、自分が望む人生設計を支える、大切なキャリアの一部となるでしょう。
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