行政書士の年収はいくら?他の職業との比較や地域ごとの平均年収
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他士業に比べ行政書士の年収は高いか低いか
士業に含まれる職業として代表的なのが、行政書士を別にすると弁護士、税理士、司法書士などが挙げられます。
行政書士の年収はこれらの職業に比べ、はたして高いのか低いのか。
職業選択において年収額は大切な情報ですから、これから自分が目指す行政書士の給料形態について、基本的なことを頭に入れておくことは重要です。
そこで本記事では、行政書士の、気になるその給料事情を他職業との比較を交え解説していきます。
行政書士の年収はどのくらいか
まずは行政書士の平均的な年種を確認していきます。
行政書士は国家資格を取得しなければ就くことのできない職業です。
難しい試験の突破へ向けたモチベーション向上のために、行政書士として従事した場合どのくらい年収を受け取ることができるのか、ということを知っておくと良いでしょう。
行政書士として働く者の平均年収、また雇われている場合と個人事務所を開業した場合などの従事形態の違いによる年収の差も見ていきましょう。
年収は500万円以下から1億円以上までと幅広い
行政書士の年収は500万円より下回る場合もあれば、1億円以上を稼ぎだす者もいるなど、幅が広い職種です。
その原因として挙げられるのは行政書士の年収は年齢により倍近く変わることがある他、個人開業主、雇われ行政士など、その雇用状態の違いです。
一般的には雇われ行政士よりも個人事務所を持つ行政士の方が多く年収をもらっている傾向にあります。
とあるアンケート結果によると、年収500万円に届かない行政書士が回答者のうち75%を占めています。
この結果から、行政書士という職業に就けば無条件に高年収が保証されるわけではない、ということが分かります。
行政書士の平均年収は500万円から600万円前後
上記のように行政書士は年収に幅のある職業ですので、人によっては、年収120万円程度、別の人は年収1億円と、百倍近い差がある事も珍しくはありません。
それらをすべて合わせて平均値を示すと、大体年収500万円から600万円前後といわれています。
もちろん従事する事務所や年齢、個人開業か否かによっても年収は大きく左右されますので、更に詳しい平均値を知るためには自分の状況を加味して計算しなおす必要があります。
しかし、行政書士を目指す場合、この500万円から600万円という金額を年収の目安として考えておくとよいでしょう。
雇われ行政書士の年収は約200万円から600万円
行政書士の中でも企業や事務所に雇用され仕事をしている、いわゆる”雇われ行政書士”の場合、年収は200万円から600万円の間であることが多いです。
もちろん会社の規模や年齢により差はでてきますが、もし雇われ行政書士として活躍するのであればこのような給料事情を知っておくと良いでしょう。
雇われ行政書士はとびぬけて多くの年収をもらうことはありませんが、その代わりに安定した収入を得ることができる、というメリットがあります。
開業の行政書士では3000万円という人も
一方、自ら開業し行政書士事務所を持つ行政書士の場合、年収の差はさらに広がります。
年収200万円ほど、というケースもありますが、人気のある事務所であれば年収3000万円を叩き出すことも夢ではありません。
このように個人事務所を持つということは自分の努力次第で1000万円を超える高額の報酬を手にすることができますが、なかなか目が出なければ収入が安定せず、雇われ行政書士よりも少ない年収になってしまうこともあります。
中には年収0円という行政書士もいる?
行政書士の中には、年収が0円という数字の者もいます。
そのような人たちの多くは役所などを退職したのちに行政書士として開業した、というケースが多く、すでに年金を受け取る年齢であることがほとんどです。
行政書士としての仕事に専念する、というわけではなく日常の間に業務にあたることが多いことから、年収が0円という場合が多いのです。
行政書士はこのように従事する形態がさまざまですので、これらを計算に入れるか否かで算出される平均年収額に大きく差が出てしまう傾向があります。
行政書士が生涯に稼げる年収は約3億円
行政書士の生涯年収はどのくらいでしょうか。
平均年収を600万円とし、50年間働くとすると、ぎょうせいしょしの生涯に稼げる金額は約3億円という計算になります。
もちろん個人差はありますからこれより少なくなってしまうケースもありますし、逆に3億円を大きく超える人も多いでしょう。
しかし、平均的なサラリーマンが生涯を通して受け取る給料が2億円程度とされていますから、比較的高い数字であることが分かります。
その理由は、行政書士が国家資格であること、自分の努力次第で個人事務所を持つことなどが挙げられます。
年収に差がつくのは働き方が多用だから
先の通り、行政書士は年収の幅が広い職業です。
この差が生じる理由は、雇われているか個人開業であるかの違いのみではありません。
行政書士としての仕事を専業ではなく、週末に副業として行う人や、資格は取得した者の一般事務員として従事する者など、職務形態に違いがあるという事情がそのまま年収の開きへと繋がってしまうのです。
行政書士として年収をあげるためには
これまで、行政書士の基本的な年収について見ていきました。
ここでは更に、どのようにすれば行政書士としての年収を増やすことができるのかを知り、行政書士として成功するための糸口を探りましょう。
独立開業する?
事務所や企業に従事していると、多くの場合給料は固定制ですからいくら努力をしようと給料が変わらないことも多いでしょう。
もちろん会社での頑張りが認められ役職が上がればその分高収入が見込めますが、自分の力を試したい、自分の努力を効率よく報酬という形で還元していきたい、と考える方は従事する企業から独立し、個人事務所を設立する、という方法もあります。
個人事業主となればもちろん経営が傾く可能性がある、というリスクはありますが、本人の努力と工夫によっては雇われていたころからは到底考えられないほどの年収を稼ぐことができるケースもあります。
専門的な得意分野を持つ?
単に行政書士として仕事をするだけでなく、何かしらの専門分野を持つことにより、更に活躍の場を広げることのできる可能性があります。
例えば建設業務許可申請などに精通していればそれらの申請書類を求める顧客から名指しで指名されることもあるなど、名を知られ依頼を受ける機会が多くなります。
新しい分野を開拓して仕事にする?
専門的な分野の中でも、他にライバルの少ない分野へ積極的に切り込んでいくことが、行政書士として活躍できる場を増やすための秘訣です。
新たに増えた法的申請書類など、それまでなかった分野にいち早く踏み込むことにより、その分野の専門家として指名されることが増え、結果的に年収の増加に繋がります。
行政書士として従事するようになってからも新たな分野の勉強を続けていくことが大切です。
注目の分野はドローンの申請や民泊関連業務など
行政書士として高い収入を得て成功するには専門分野を持つことが近道です。
そしてkの専門分野の選択も、重要な鍵を握っています。
行政書士は全国に数多くいますから、その中で自分が選ばれ指名を勝ち取るには、他の者にはない強みが必要となってくるのです。
そんな強みとなる専門分野の中で、特にねらい目なのがドローンの申請や民泊関連業務の書類作成など、最近になって生まれた業務です。
まだ日の浅い分野ですから、まず精通した人が多くはありません。
これらの新分野に早期から目を付けていれば、ライバルが少ない分多くの顧客から指名を受けることができます。
ダブルライセンサーになる
行政書士の他にも税理士や社会保険労務士など、関連した法律系の資格を保持していれば扱える業務にも幅が出ますし、結果的に顧客の獲得にもつながります。
また、行政書士としての職務に当たる際にも他の法律関連資格の知識を生かし、顧客により満足度の高い結果を残すこともできます。
特に開業した行政書士の多くは複数の法律関連資格を保持ししている、ダブルライセンス取得者であり、扱える知識の多さは収入の高さにも関係すると言えるでしょう。
行政書士とともに持つとよい資格
先ほどの見出しで、行政書士として高い収入を得るために他の法律関連資格を取得することが有効であることが分かりました。
では、具体的にどのような資格が行政書士としてのキャリアに役立つのでしょうか。
ここではいくつかの見出しに分けて、行政書士であれば取得しておいて損はない資格についてお伝えします。
学んだ知識を生かせる社会保険労務士
社会保険労務士は雇用保険、健康保険などの社会保険の手続きを行う際に必要となる資格です。
社会保険労務士は一般的に企業を顧客としているため、主な業務は毎月の給料、保険料の計算などです。
たとえ行政書士として独立したとしても、こちらの資格を取っていれば社会保険労務士として毎月安定した収入が見込めます。
また、行政書士と社会保険労務士は試験のために学んだ知識をどちらでも生かすことができますので、行政書士としてさらなる飛躍に努めたいという方にはおすすめの資格です。
不動産分野で知識が重なる宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産業を行うにあたってこの資格を持つ者が必須となります。
主に不動産の取引などに携わる職業です。
実は行政書士は不動産分野の書類作成を行うこともありますので、この宅地建物取引士の資格を有していると知識の幅を広げることができます。
また、宅地見物取引士として不動産業に従事することにより、その地域に根差した人脈を作ることができ、その人脈が行政書士として独立した際に役立つなど、結果的に行政書士としての業務に一役買ってくれることもあります。
税金のエキスパートとして頼られる税理士?
税理士は主に税金関連の作業を行う仕事です。
この税理士の独占業務には税務代行などがあり、これらの仕事をし安定した収入を得ることができれば、行政書士としての職務も含めビジネスに更に安定した基盤を築くことができます。
また、行政書士と税理士というダブルライセンスにより顧客の窓口を広げることができ、そこで生まれた人脈がさらなるビジネスチャンスを生みやすくなります。
仕事のレベルが上がる司法書士
司法書士は行政書士と比べられることの多い資格です。
具体的に言うと、司法書士は主に司法に携わる仕事、例えば裁判関連書類の作成をメインの業務内容としています。
また、司法書士は登記作業や事項破産などの法律にかかわる手続きを行うことも可能です。
行政書士のみならず司法書士の資格も取得すると、法律家として大くの職務に従事することができるようになります。
もちろん収入の安定も見込めますし、単に行政書士として仕事を行う場合よりも多くの人脈、そして信頼を勝ち取ることができるでしょう。
ただ、司法書士の資格は行政書士のものよりもさらに難易度が高いとされています。
もし司法書士資格の取得を考えているならば、長い時間を勉強に充てる覚悟が必要となります。
ダブルライセンサーになって得意分野を作ろう
行政書士として専門、得意分野を獲得するために関連資格を取得することも有効です。
相続関係に強い影響力を持ちたいのならファイナンシャルプランナー、主に企業関連に仕事の幅を広げたいのであれば中小企業診断士や簿記資格、建築関係に主力を注ぎたいのなら測量士や土地家屋調査士の資格を取得するなど、行政書士としての得意分野に関連した国家資格を取得することも検討しましょう。
他士業の平均年収を行政書士の年収と比較すると
これから行政書士の資格を取得しようと考えている方にとって、行政書士の年収が他の職業と比べ高いのか低いのか、気になるものですよね。
他と比較した場合に、行政書士は高収入が狙える職業であるのか否か、見ていきましょう。
社会保険労務士の平均年収は670万円と高い ?
先ほどもご紹介した社会保険労務士ですが、この職業に就く者の平均年収は670万円ほどと、行政書士と比べ高い収入である事が分かります。
年齢別に詳しく見ていくと、20歳から24歳までの若年層の場合、平均年収は381.1万円程度でした。
その後年齢と経験を重ねるにつれ、平均額は450万円から760万円ほどの間となります。
この結果から、社会保険労務士は安定した高い収入が見込める仕事であることが分かります。
司法書士の平均年収は開業で630万円と少し高い
では、行政五書士と並んで評されることの多い司法書士はどうでしょうか。
こちらは平均年収650万円ほどと、行政書士よりもやや高額の収入を見込めます。
平均月収で見てみると40万円程度で、その他にボーナスの額が加算された、上記の数字になります。
ちなみに、20歳から24歳までの若年層に限ると、司法書士の場合年間の給料は359.1万円です。
土地家屋調査士の平均年収は同じくらい
土地家屋調査士は不動産の登記を行う際に必要な土地と家屋の測量を行う職業です。
こちらの年収は600万円ほどと、行政書士の年収と同程度でした。
ちなみに20歳から24歳までの若年層に限って年収を見てみると、こちらの平均は427.5万円と、先にあげた二つの職業と比べ高い数字となりました。
また、月収の面からみてみるとだいたい70万円から120万円ほどとされています。
弁護士の平均年収は約1106万円とかなり高い?
難関資格といわれる、司法試験を突破しなければなる事のできない弁護士の年収を見ていきましょう。
弁護士の全体平均年収は1106万円ほどと、他の職業と比較してもかなり高い金額です。
今度は20歳から24歳の若年層のみの年収を見ていくと、こちらは630.4万円と、やはり高額の収入を見込める職業であることが見て取れます。
税理士の平均年収は717万円と高い?
続いて税のエキスパートである税理士の平均年収を見ていきます。
税理士の平均年収は717万円ほどと、行政書士に比べ高い収入を貰うことができます。
20歳から24際までの若年層の平均年収を見ていくと、こちらは408.7万円ほどとやはり割高な収入を見込めます。
弁理士の平均年収は760万円と高い?
弁理士は特許出願をメインの業務とする国家資格が必要な職業です。
こちらの平均年収は、約760万円と行政書士と比較しても高額となっています。
20歳から24歳までの若年層者の平均年収は433.2万円ほどです。
弁理士も年齢や業態により年収の額に幅があり、最低500万円、高額な場合には1200万円ほどの高収入が見込めます。
サラリーマンの平均年収は418万円と低い?
次に一般的なサラリーマンの平均年収を確認しておきましょう。
2017年度のパーソナルキャリアの調査によると、サラリーマンの平均年収は418万円程度でした。
やはり行政書士は有資格者しか従事できない独占業務である分、そうではない一般のサラリーマンよりは高収入が見込めます。
ただし、サラリーマンの年収は業種によって差があります。
例えば、金融業の投信、投資顧問の平均年収は741万円ほどと、平均を大きく上回る年収でした。
公務員の平均年収は633万円と少し高い?
最後に公務員の平均年収を見ていきましょう。
平成28年度国家公務員給与等実態調査の結果によると、公務員の平均年収は633万円と、行政書士よりもやや高い金額でした。
月収で見てみると平均41万円ほどです。
これとは別にボーナスが支給されます。
ただし職場や地方公務員、国家公務員の差などにより年収には違いがあります。
行政書士の年収をいくつかの都道府県別に見ると
行政書士にかかわらず、多くの職業は職場の地域により収入額に差が生まれます。
そこで、行政書士の地域別の平均年収を確認しておきましょう。
北海道の行政書士の平均年収は540万円?
まず初めに北海道で行政書士として従事した場合における平均年収から見ていきましょう。
こちらは540万円ほどであるようです。
全国の平均年収は約486万円、そこから更に北海道民の平均年収のみを抽出すると、452万円との数字が出ました。
北海道で行政書士として働く場合、下で紹介する東京都の行政書士の年収よりも収入は劣ります。
しかし、だからといって北海道で行政書士として働くことで損をするわけではありません。
例えば北海道の物価は東京よりも1割ほど安いとされており、支出が抑えられます。
また、北海道は広大な土地を持ちますから土地代が東京と比べると非常に安価です。
このような利点を把握し、北海道で行政書士の個人事務所を持つ、ということも収入アップに繋がります。
この結果から、やはり行政書士は北海道においても平均よりも高い収入を見込める、ということになります。
東京の行政書士の平均年収は840万円?
東京都内で行政書士として働く場合、その平均年収は840万円ほどです。
この高い収入の裏には、東京の物価が他の県と比べ高いことと、東京には大企業、大手事務所が集中しているという事情も隠れています。
単に高収入を得たいと思うのなら東京都で行政書士として活躍するのがおすすめですが、しかし物価の高さというデメリットもあり、けして利点ばかりではないことも承知していなければなりません。
参考までに紹介しますと、東京都民の平均年収は612万円ほどとされています。
東京都の平均年収は他の道府県と比較しても高いですが、それを上回る年収です。
静岡の行政書士の平均年収は600万円?
続いて、静岡県の行政書士の平均年収を見ていきましょう。
こちらは平均600万円ほど、と行政書士としては平均的な給料でした。
ちなみに静岡県全体の平均年収は459.2万円です。
ただ、先ほどの北海道のケースと同様、静岡県と東京では物価の差がありますから、東京都の年収と比較して一概にこの数字が低いとは言えません。
静岡県のみならず、どの都道府県をみても、やはり行政書士は平均収入を上回る年収を得ることができているようです。
沖縄の行政書士の平均年収は480万円
最後に、沖縄県の場合はどうでしょうか。
沖縄県の行政書士の平均年収は、480万円ほどでした。
沖縄県民の平均年収は379.2万円ほどですから、それよりも約100万円上回る平均年収を誇っています。
沖縄県は他県と比較すると年収が低い傾向にありますから、それに比例して行政書士の年収もやや低い数字となっています。
ただし、沖縄県は東京などの都市部と比べると行政書士事務所などが少ないため、競合する事務所があまりなく、場合によっては地域の顧客を独占できる可能性もあります。
行政書士の年収には働き方によって幅がある
今回は行政書士の年収について他職業との比較や都道府県別の数字を交え、解説させていただきました。
行政書士は雇われている場合や個人開業主、専業ではなく副業で行っているケースなど、幅広い働き方ができ、その結果年収の幅が広くなっている現状です。
このように、自分の生活スタイルに合わせ、高収入を得るために新たな資格を取得するという選択や、それとは別に本業を持ち、あくまで副業として行政書士業を行う、といった自由な働き方ができることが、行政書士の魅力のひとつでしょう。
将来行政書士として働きたいという方は、資格取得を目指すことはもちろん、自分が望むキャリア形成のために資格取得後のビジョンをしっかりと立てておきましょう。
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