「がん保険」は本当に必要か。判断の基準になる情報を提供

February, 09, 2018

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がん保険を考えこれからの人生に備えよう

30代後半から40代になると、若いころには気にも留めていなかったがんに関する話題も気になるようになってきます。
全国健康保険協会の調べによると、日本人の2人に1人はがんにかかり、3人に1人はがんで死亡しているといわれています。
近年、テレビ等で盛んに宣伝されている「がん保険」。
医療保険とはどのように違うのか、さらには、「がん保険」は本当に必要なのかを検証していきます。

【参考リンク:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4502/p024

がん保険の保障内容

がんと診断された時もらえる診断給付金

がん保険には、いろいろなタイプがあります。
入院給付金型・実損補填型・診断給付型・収入保障型と保証の内容により保険のタイプと掛金が変わります。
ここでは、一般的で保険商品も多い入院給付金型を中心にみてゆきます。

入院給付金型のがん保険とは、がんで入院した時の給付金の日額をベースとして、診断給付金・手術給付金などの給付金の保証額がきまります。
商品数も多く、がんの種類にも幅広く対応できるため、一般的に入院給付金型のがん保険を選ぶ人が多いようです。

では、がん保険(入院給付金型)の保証内容についてみていきます。
まず、がんと診断されたときにもらえる診断給付金があります。
現実的な問題として、がんを発見するための検査には、時間と費用が掛かります。
そのため、がん保険の診断給付金などで補填する人もいます。

診断給付金とは、がんと診断されたときに検査にかかる医療費の保証を得ることができる給付金のことです。
給付金の金額は、保険会社によってさまざまですが、50万円~100万円くらいの金額が一時金として保証されるものが人気のようです。

また、診断給付金の保証内容も、がんと診断された初回1回のみの保証のものと、がんと診断されるごとに複数回にわたり保証されるものというように、保険会社によって保証される回数にも違いがあります。
がんという病気の特徴として、一度根治しても再発するリスクがあります。
したがって、複数回の保証がついている保険が選ばれる傾向にあるようです。

【参考リンク:http://president.jp/articles/-/15435?page=2

入院するともらえる入院給付金

がん保険の保証内容として、入院するともらえる入院給付金があります。
これは日額保証額に入院日数を掛けた金額が保証されます。
保険会社ごとに違いはありますが、1日5,000円~10,000円のあいだでの保証内容が一般的です。

また、保険契約内容によっては、入院日数限度のある保険もありますので、がん治療での入院時にどのくらいの保証を受けたいかによって保険商品を選ぶ必要があります。
もちろん、保証額が多いほど、支払保険料も多くなるので、がん保険に毎月どのくらいのお金を掛けられるかとのバランスも大切です。

【参考リンク:https://www.ajha.or.jp/hms/qualityhealthcare/pdf/2017/07-09/h29b_outcome_09a.pdf

退院後の通院負担を軽くする通院給付金

医療技術の進歩により、がん治療でも入院日数は依然と比べ、かなり短くなっています。
退院後、放射線治療や抗がん剤治療で治療するケースが多くなっています。
この場合、入院給付金以外に、通院治療に対応する通院給付金が保証内容として契約に織り込まれている必要があります。
退院後の通院費の負担を軽くするのが、通院給付金となります。

通院給付金には、通院した日数に対して保証されるタイプの保険と、放射線療法や化学療法を受けた回数によって保証されるタイプの保険があります。
通院日数に対して保証されるタイプは、通院1日あたり5,000円からの保証がつくものが一般的です。
しかし、通院日数に対しての保証だけでは、放射線治療費や化学療法費をカバーできないため、近年では、放射線療法や化学療法に対応するタイプの保険を選ぶ人が増えてきています。

ここで注意が必要なのが、通院給付金に放射線治療や化学療法もカバーできるタイプの保険の多くが、退院後の通院治療に対しての補償になります。
入院することなく放射線治療や化学治療を受ける場合は、別途、入院することなく放射線治療や化学治療を受けたときに保証される治療給付金を設ける必要があります。

【参考リンク:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030#hutan

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/kanja.pdf

長期の治療に備えた抗がん剤治療給付金

がん治療の三大療法として、手術療法・放射線療法・化学療法があります。
基本的な治療の流れは、がんの病巣を取り除くために入院して手術し、手術後、放射線療法や化学療法をおこないます。
この放射線療法や化学療法は、退院後にも通院して継続的に行われます。

通院治療の際、放射線療法では、1回の治療でだいたい3,000円~5,000円位(3割負担の場合)、化学療法で、1カ月30,000円位の治療費がかかります。
この場合、高額医療費制度の自己負担限度額を超えないため、自己負担となります。
長期治療となると年間での負担額は、大きなものになります。
この長期治療に備えた抗がん治療給付金・放射線治療給付金が設けられているかどうかが、保険を選ぶ際に重要なポイントになるといえます。

さらに、近年の医療技術の進歩により、早期発見の場合、通院のみで治療をおこなうケースもふえてきています。
そのため、通院のみでも補償される治療給付金を設けるかどうかも、とても重要なポイントとも言えます。

【参考リンク:https://www.jastro.or.jp/customer/ordinary/2016/10/080109_2.pdf

【参考リンク:https://www.asahi.com/articles/SDI201512235948.html

所定の手術でもらえる手術治療給付金

手術治療給付金は、がん治療を目的として、一定の手術を行ったときに補償される給付金です。
支払い対象となる手術は、公的医用保険の対象となる手術と約款で決められた手術の2種類となります。
公的医用保険の対象となる手術は、国民健康保険・社会保険の範囲内での手術のことを指します。
つまり、先進医療による手術は対象外となります。
また、保険会社との保険契約の約款に記載されている範囲以外の手術については、手術給付金を受け取れない場合があるので、保険契約時に確認しておく必要があります。

先進治療を受けやすくする先進医療特約

先進治療は、厚生労働省が認可した100種類の最先端の治療法で、その中にはがん治療に関する先進医療も数多く含まれます。
先進医療は保険外治療なので、すべて自己負担となります。
先進治療の価格は、200万円~数百万円とかなり高額ですが、さまざまな分野で治療の成果も期待できます。

この先進医療を受けやすくするのが、先進医療特約になります。
保険会社によってさまざまですが、1,000万円~2,000万円の補償がつく保険もあります。
特約ですので、通常保険料に加えてオプションとして保険料を追加で払うのですが、追加保険料が数百円の会社もあるので、がん保険に加入するときのチェックポイントといえます。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000149503.pdf

女性特有のがんに対応した女性特約

女性特有のがんに対応した女性特約というものもあります。
女性特約としては、子宮がん・乳がん・肝臓がん・肺がん・骨肉腫・白血病などの、女性がかかるがんのすべてが対象となります。
女性特約で注意すべきは、女性特約に加入しても手術給付金の上乗せがない保険会社もあるので、しっかりと特約の内容を確認する必要があります。

がん保険の必要性を考える判断ポイント

高額療養費制度で十分か確認する

がん保険の必要性を考える判断ポイントとして、まずは、高額医療費制度で十分に対応できるかを確認する必要があります。
高額医療費制度とは、1カ月の自己負担医療費が個人負担限度額を超えた場合、国民健康保険や社会保険で自己負担限度額の超過分を補填してくれる制度です。

自己負担限度額は、報酬月額(4月・5月・6月の給与所得の平均)が51万5,000円未満の人は、44,400円、51万5,000円以上81万円未満の人は、83,400円となります。
つまり、年収600万円くらいまでの人は、1カ月の医療費自己負担額が、44,400円を超えることのない制度といえます。

がん治療での手術費用や入院費用は、高額医療費制度で補填ができますが、退院後の通院治療を長期間受ける場合は、注意が必要です。
通院治療の場合、放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)となります。
この治療は、月額負担額が多い人でも30,000円くらいでおさまるため、高額医療費制度の自己負担限度額を超えることはありません。
したがって、長期治療となった場合、かなりの額を自己負担することになります。
まとまった貯蓄がないと自己負担での長期治療は、家計を圧迫することになります。

【参考リンク:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150#hutan

給料の代わりとなるものがあるか確かめる

また、がん治療を受けているあいだ、健康な時のように働くことのできない可能性もあります。
その際に、給料の代わりとなる収入元があるか確かめる必要があります。

会社員の人は、社会保険の補償の中に、傷病手当というものがあります。
これは、仕事以外での病気やケガで、労務不能状態(今まで通りに仕事ができなくなる状態)になった時に、保証される制度で、最長1年6カ月受給できます。
しかし、保証金額が給料の三分の二程度であるため、がんになる前に比べて、収入が減ることには変わりありません。

【参考リンク:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

末期がんの場合は介護保険から検討する

末期がんで余命6カ月と診断され40歳以上の場合、介護保険による介護を受けることができます。
特にがん末期の場合、在宅医療として疼痛管理や緩和ケアを受けることができます。
また、がん末期の場合、がんの種類によっては寝たきりになる期間が短く、要介護認定が1もしくは2になる人もいます。
その場合でも、介護料の負担額は1割で、月に15万円~20万円くらいの介護を受けることができます。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/201602kaigohokenntoha_2.pdf

医療保険と比べてどちらにするか決める

医療保険は、病気の治療で入院した時に、入院費や手術費を保証する保険になります。
がんに限らず、保証対象の幅広い点がメリットといえます。
しかし、医療保険には、支払い限度日数があるため、保険加入時の日数の設定によっては、がん治療に適さない場合もあります。
また、先進医療特約については、がん保険と同様、1,000万円まで補償する保険もあるので、がん治療で先進医療のみ加入したい場合は、医療保険で対応することができます。

がん保険は、がん治療に特化した保険です。
近年のがん治療では、入院日数は約20日くらいで、その後は通院による放射線治療・化学療法(抗がん剤治療)が主流になってきています。
そうした場合、手厚い入院給付金よりも、通院時に自己負担額の増える放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)に対しての治療給付金の多い方がより、がん治療に適した補償といえます。
また、がん保険の場合、がんと診断されたときに給付される診断給付金も、検査費用の補填として給付されます。
がんに特化した保証を確保するにはがん保険の加入が必要となります。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/03.pdf

自分の年齢と罹患リスクから考える

国立がん研究センターのがん情報サービスによると、男性・女性ともに、30代よりも40代後半からの方が、がんに罹患する確率が高くなっています。
年齢を重ねるごとにがんに罹患するリスクが大きくなっているといえます。
また、遺伝性腫瘍症候群と病名があるように、親族でがんに罹患した人が多い場合、がんに罹患するリスクも高いといえます。
自分の年齢と罹患リスクから、がん保険を検討するのも一つの方法といえます。

【参考リンク:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

【参考リンク:https://ganjoho.jp/public/cancer/genetic-familial/index.html

受けたいがん治療を最優先して判断する

受けたい治療を最優先して、どのタイプのがん保険に入るかを判断するのも、一つの方法です。
近年では、日本で未承認の抗がん剤を使って治療をおこなう人も増えてきています。
未承認の抗がん剤の場合、公的健康保険の対象外となりますので、すべて自己負担となります。
自己負担額は100万円~数百万円とかなり高額となります。
また、先進医療においても、公的保険の対象外となるので、同じく自己負担となり、高額な金額となります。

がん治療の技術は年々進歩しております。
そうした中、日本では未承認の治療法であっても、海外で実績のでている治療法も少なくありません。
しかし、未承認の治療の場合、公的健康保険は適用されませんので、自由診療・先進医療を受けるとなると、高額な自己負担を強いられることになります。
そのため、がん保険を選ぶ際に、自由診療・先進医療を保証している保険を、選ぶかそうでないか、といった基準でがん保険を判断するのもよいでしょう。

精神的なメリットを考慮する

がんに罹患するとさまざまな不安に襲われます。
今後の病状の不安・経済的な不安・家族の不安・仕事の不安とさまざまです。
がん保険の保証がある場合、少なくとも経済的な不安を緩和することは可能です。

また、がん治療で入院のあいだ、落ち着いた環境で治療を受けたいという人も少なくありません。
そうした時、公的健康保険だけでは、個室で落ち着いて治療に専念したくても保証されていません。
がん保険の入院給付金の設定を高めにしておくことで、入院中のストレスを緩和するために、個室で治療を受けることも可能となります。
精神的なメリットも考慮して、保険を選ぶことも大切です。

がん保険は不要であるという人の理由

がんにかかるとは限らないから

がん保険には、貯蓄型と掛け捨て型があります。
貯蓄型は解約時に一定の割合で支払った保険料が戻ってきます。
しかし、銀行預金と違いすべての支払った保険料が返ってくるわけではないので、貯蓄としてのメリットは少ないといえます。
がん保険に加入する人の多くは、掛け捨て型に加入しています。

実際には、がんに罹患することなく生涯を終える人もいます。
考え方によっては、がんにかかるとは限らないので、がん保険は不要と考えるのも一つの考え方といえます。
幅広い保証でカバーできる医療保険でも、十分に対応できるでしょう。

貯蓄がたくさんあるから

がん治療では、高額医療費制度を使うと、手術費・入院費の自己負担額は、44,400円~83,400円。
その後の通院による放射線治療・化学療法で、月30,000円くらいの自己負担額になります。
したがって、がんに罹患して初年度でかかる治療費の自己負担額分(50万円程度)の貯蓄があれば、がん保険の保証がなくても、十分に貯蓄で対応できるともいえます。

自由診療・先進医療で治療する場合、治療費は100万円~数百万円、がん保険でも補償は1,000万円までのところが多いため、それ以上の貯蓄が十分にある人にとっては、がん保険は必要ないと考えるのも当然といえます。
しかし、がん治療のために、他のことに使えていたかもしれない貯蓄を切り崩すことにかわりはないといいう点は踏まえておくべきです。

がん保険は必要であるという人の理由

治療が長期になっても安心だから

がん治療が長期になると、精神面だけでなく、経済的な負担ものしかかってきます。
通院治療の場合、高額医療費制度の自己負担限度額に満たないため、放射線治療費や科学療法費は、3割負担とはいえすべて、自己負担となります。
がん保険に加入していれば、治療が長期になっても安心という人も少なくありません。

がん専門の保障を受けられるから

がん保険の場合、がん専門の保証を受けることができます。
がんと診断されたときの診断給付金や放射線治療や化学療法を受けたときに給付される治療給付金など、がん治療に特化した保証を受けることができます。
そういう理由から、がん保険は必要と考える人もいます。

独身なのでもしもの時に困るため

独身で、がんに罹患した場合、家族がいる人とくらべいろいろな点で、不利な状況に置かれることになります。
そうした時に、がん保険で保証を確保しておくことで、経済面での不安を緩和させたいと考える人もいます。

自分の状況に応じてがん保険加入を考えよう

医療保険とは別に、がん保険という保険があるのは、医療保険ではがん治療を保証できない部分があることを意味します。
がん保険の診断給付金や治療給付金は、医療保険には含まれていない保証となります。
各家庭の状況に応じて、医療保険と併用して加入する人、がん保険のみ加入する人、先進医療のみ加入する人とさまざまです。
自分の状況に応じて、がん保険の加入を考えましょう。

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