正社員の最低賃金の仕組みを知ろう。全国で違う最低賃金とその対策法
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知っておきたい都道府県の最低賃金
誰もが働くときに重要視する事柄の一つがやはり給料(収入)ではないでしょうか。
仕事はやりがいや社会貢献ということだけでは長く続けられないものです。
日本は厚生労働省により企業の最低賃金が毎年決められています。
それはどのようにして決まるのでしょうか、そして都道府県ごとに違うのはなぜなのでしょうか?
さらに、自分の職場で、もし最低賃金を下回る給料だった場合、どこに相談して対処すればよいのか、などについてもみていきます。
一人で悩まずに有効な方法を見つけて、不安なく仕事ができるようにしましょう。
働く人なら気になる全国区最低賃金
仕事を探すときに誰しもが気になる最低賃金。
よくハローワークのポスターなどで「〇〇年の全国平均最低賃金は〇〇〇円」と大きく掲示されているのを、見たことがある人も多いと思います。
全国平均とある通り、最低賃金は各都道府県によって違います。
これは、各都道府県の労働局に設置されている「地方最低賃金審議会」によって毎年決定されています。
また近年では政府主導で「働き方改革実行計画」が行われています。
よくニュースなどで目にすることも多く、名称だけでも知っている人が多いのではないでしょうか。
この制度の概要は「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ最低賃金を引き上げていく。全国加重平均が1,000円になることを目指す。」というものです。
将来的には最低賃金を1,000円以上に引き上げるために、正に現在改革中なのです。
【参照サイト:www.mhlw.go.jp … 賃金 賃金引上げ、労働生産性向上 最低賃金制度 】
正社員で不安にならないための最低賃金計算法
正社員として働いている人は、自分の給料が最低賃金を上まわっているかどうかについて、普段は意識しずらいものです。
正社員として働く人は大体が毎月の月給制で、月に一度給与明細で金額を確認するだけではないでしょうか?
その内容について細かくチェックして、計算で確認をしたことがある人は、あまりいないかもしれません。
昭和34に制定された【最低賃金法 第4条】では、「労働者に対して、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」とされています。
また、「労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。
この場合、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。」
と定められています。
つまり法律では、「企業の経営者側は従業員に最低賃金以上の給料を払う義務があり、それ以下の賃金は無効とみなされる」のです。
それでは次に、実際に最低賃金を算出する方法についてみていきます。
これを知っておくと、最低賃金を下回らずにして働けますので、ぜひ覚えておきましょう。
1.時給制で働く人の計算式:「時間給≧最低賃金額(時間額)」
2.日給制で働く人の計算式:「日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」
3.月給制で働く人の計算式:「月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」
また、賃金には最低賃金に計算されないものもあります。
以下はその実例ですので、計算するときにはこれらを除いた上で行いましょう。
1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
2. 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
4. 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の 計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
【参照サイト:https://business.bengo4.com 人事労務】
【参照サイト:www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm】
あなたがもし最低賃金を下回っていたらどうする?
無事に仕事が決まり働きだしたあとで、実際に手元に入る給料が自分が希望していた額や、応募時の条件の金額と違っている、ということが実際にあるようです。
そしてその金額が、現在の最低賃金額よりも低かった場合は、どのように対応していけばよいのでしょうか。
勤めて間もないときには、誰に相談してよいのかどうかや、そもそも自分の給料に対して何か意見をいうことが可能なのか、と悩んでしまいがちです。
しかし、自分が我慢すればいい、と賃金についてうやむやにしてしまうと、長く働くうちにどんどん負担となり不安が大きくなります。
ここでは、残念なことに最低賃金以下の待遇と判明した場合に、具体的にどうするべきかをアドバイスしていきます。
会社に直接請求する
一番シンプルな方法は勤めている会社に、賃金の差額分を請求することです。
日本の労働者は労働基準法に守られていますので、働く側の当然の権利として請求が可能なのです。
最低賃金を下回る賃金の支給は、法律上は違法ですので、企業側もこれを拒むことはできないのです。
また、雇用形態が正社員以外のアルバイト・パート・契約社員でもこれは全く同じ条件です。
次に、企業に請求する方法についてみていきましょう。
未払いの額を請求する場合は、会社側に請求書を送るすることが一般的な方法です。
なお、重要書類のため郵送するときには、必ず内容証明郵便にしましょう。
封書の中身の文書は【対象となる月給×12ヶ月÷年間総所定労働時間】を計算したものとします。
また過去の賃金をさかのぼって請求する場合は、最大で「支給日から2年間」と期間が決まっていますので、注意が必要です。
労働基準監督署に相談する
人によっては自分が現在働いている会社に対して、賃金の訴えを正式に行うことへの抵抗や、恐れがあることが考えられます。
また、申し出ることで、これからも同じ職場で働きにくくなるのではないか、と不安になることも想定されます。
そのような場合は、直接会社にかけ合わずに公的な機関に相談することをおすすめします。
会社に言えない人や、相談する相手がいない人助けになりますので、ぜひ利用してみましょう。
各都道府県にある労働基準監督署は、労働に関するあらゆることの相談を受け付けています。
相談の方法は、電話・メール・FAX・直接訪問とありますが、最初は電話で相談してみるとよいでしょう。
遠方の人も電話ならば気軽に相談が可能です。
しかし、緊急のときには直接訪問して相談する方がよいです。
その際には証拠となる資料を忘れずに準備をしておくことが必要です。
【参照サイト:https://mybestjob.jp マイベストジョブの種 バイトノウハウ】
【参照サイト:https://mybestjob.jp バイト採用成功マニュアル アルバイト採用の予備知識】
【参照サイト:https://yourbengo.jp/roudou/538/ 】
どうして全国で最低賃金が違うのか?
最低賃金の額は、2018年現在では各都道府県によって差があるという現状です。
ここでは地域ごとの最低賃金の差についてと、なぜ賃金に差が出るのかについてみていきます。
1都5県の正社員最低賃金
首都圏を含む関東地方の1都5県の正社員の最低賃金と、それ以外の地方都市の最低賃金には過去からずっとさがあります。
毎年その金額はかわりますが、平成29年度においては一番高い地域は東京都の958円で、一番低い地域は沖縄県ほか7県の737円です。
金額にすると200円以上の差があるということになるのです。
同じ日本国内でもこのように差がある最低賃金。
その理由は明確なものは特にないようですが、企業の経営事情や物価も大きく影響しているようです。
全国平均の賃金と比較して、自分の住む都道府県の最低賃金がどの位なのかを知りたいときには、厚生労働省のホームページにアクセスしてみましょう。
それは地価によって最低賃金が変わるから?
最低賃金の差に限らず、企業から支払われる給料が都市部と地方都市で違いがあるのはなぜなのでしょうか。
一般的には、都市部と地方では、都市部のほうが生活コストは高く、家賃なども高いために賃金水準も高くて当然だと言われています。
確かに賃貸住宅を例に、都市部と地方都市を比較した場合、1DKでは30,000円以上の価格差が出てきます。
しかし、他の物価を比較してみた場合、地方と首都圏都市部はそれほど差がある訳ではないようです。
むしろ競争力が高い首都圏の方が価格競争のため、日用品などはかなり安い店舗も多数あります。
また、地方都市は車が必要となる人も多いために、車の購入費や維持費でかなりの金額が必要です。
そして、光熱費も全国で大きな差がなく、むしろ寒い地方都市は冬場は暖房費などにかなりの費用が発生します。
これらのことから、今後はさまざまな観点を考慮した上で最低賃金を定めることが予想されます。
人口の都市部集中を避けるためにも、より細かな対策が必要といえるでしょう。
【参照サイト:blogos.com/article/95087/ 】
日本は各国から見たら裕福な最低賃金なのか?
賃金を世界的な視野で見た場合、日本の最低賃金はどの位のレベル(ランキング)なのでしょうか。
OECD(経済協力開発機構)が発表している実質最低賃金(real minimum wage)のランキングからみてみましょう。
(時給をUSドルに換算)
日本は「7.4ドル/時間」で世界の上位11位にランキングされています。
その他、上位にランキングされている国は、1位:フランス(11.2ドル)、2位:オーストラリア(11.1ドル)、3位:ルクセンブルク(11.0ドル)、4位:ドイツ(10.3ドル)、5位:ベルギー(10.2ドル)、6位:オランダ(9.9ドル)、7位:ニュージーランド(9.3ドル)です。
ヨーロッパ諸国やオセアニア諸国が上位のほとんどを占めています。
日本はアジアではトップで、次が中国で2.0ドル/時間です。
【参照サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/各国の最低賃金の一覧】
最低賃金を下回らないために
最低賃金は毎年変化し、各都道府県ごとで違うということを解説してきましたが、この機会に自分の現在の賃金についてチェックしてみることも必要ではないでしょうか。
万が一、時給換算にした賃金が最低賃金を下回っていた場合は、まずは冷静に過去の給料を計算した書類を作成してみることから始めてみましょう。
労働者は労働基準法でその立場が守られていますので、正しい手段で自分の賃金について異議を申し立てる行動をおすすめします。
また、直接申し出る以外にも公的な機関を利用したり、法律の知識がある人に一度相談してみるなど、さまざまな方法がありますので、自分の相談しやすい方法を選びましょう。
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