個人事業主にとって必要な保険知識。人を雇う前に知っておくべきこと
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事業をする上で必要な保険制度を学ぼう
個人事業主だからといって、法律は甘く見てはくれません。
何の知識もなく事業を続けていて、ある日突然の税務署からの調査に驚くなどということも十分にあり得ます。
ましてや、利益が上がっていけばもちろんのこと。
そのようなことにならないように、あらかじめ事業を行う上で必要な保険制度を学んでおきましょう。
従業員を雇うとき、保険やそのほかの制度について知っておくことは当然に必要なことなのです。
個人事業主なら覚えておこう従業員の保険
個人事業主であっても、起業と同様に考える必要があるのが従業員の保険です。
税金の制度などは、法人と個人事業主では差があり、場合によっては源泉徴収しなくてもよい場合もありますが、保険制度に関しては労働者にとって重要な制度であり、一定基準を満たせば加入させなくてはいけなくなります。
こういった知識がなく、なんとなく従業員を雇い、健康保険に加入させないままにしておくと、のちのち問題が発覚した際のダメージが大きくなりかねません。
きちんと健康保険の知識を身につけて、問題の無いように事業を行いましょう。
従業員1名でも加入義務ありの労災保険
労災保険は、従業員が仕事中や通勤中に事故などでケガや死亡などした際の保険で、従業員1名でも加入義務があります。
忙しくなって、アルバイトなどを急に雇うことになった際は注意しておきましょう。
すべての労働者を対象としており、何かあった際は国から給付金が支払われます。
労災に認定されるためには、仕事中であることや仕事に起因することなどを証明する必要があり、さまざまなケースで支払いが認められています。
また、労災保険の対象者を加入させずに事故などが起こった場合は、雇用主に大きな責任が生じますので、軽くは考えずに、人を雇うときは労働時間や条件を確認しましょう。
加入に必要な要件がある雇用保険
パート、アルバイトなどでも、人を雇う際に注意が必要なのが雇用保険です。
加入条件は31日以上の雇用予定と一週間で一定以上の労働時間など、雇う際の条件で決まります。
これは雇う際に条件提示などをするので、その時に調整することも可能です。
雇用保険は半分は雇用主側で負担することになります。
雇われる側の給与からも差し引かれることになりますので、従業員としては手取りが減ることになります。
先にきちんと説明しておくと、トラブルを回避できるでしょう。
適用業種であれば加入するべき健康保険
また、適用業種であれば加入するべき健康保険もあります。
これらに入っていないと後々問題になることもありますので、きちんとチェックしておきましょう。
厚生年金は従業員5人以上であれば加入する必要があります。
場合によっては任意加入も可能です。
雇用している人が他の保険に入っている場合などは、本人の意思でそちらを選べますので、他の保険に入っていないか聞いてみるのもよいでしょう。
もちろん一定の労働時間や条件を超えていない従業員は加入させなくてOKです。
個人事業主の健康保険の種類
個人事業主自身も、健康保険に入る必要があります。
この健康保険に入らないと、病院に行った際の負担が10割負担になり、治療費が非常に高額になる可能性が高いでしょう。
このため、入ることのできる保険を把握し、しっかり加入しておくことが必要なのです。
所得に応じて保険料が変わる国民健康保険
個人事業主が入る保険の代表的なものとして、国民健康保険があります。
この保険の率は、住んでいる市町村によって変わってきますので、自分の保険料の率を知っておくとよいでしょう。
また、国民健康保険には扶養の概念がなく、扶養親族を保険に入れる際は、人数分金額が増してしまうという特徴があります。
こういった点は国民健康保険のデメリットとされており、この点を鑑みて法人化する個人事業主もいるようです。
扶養親族の数などによって、メリットデメリットは変わってきますので、よく考えておきましょう。
業種ごとの健康保険組合
業種によっては健康保険組合を作って、そこの健康保険に加入できる場合があります。
通常固定料金で、条件は業界によって異なります。
自分の業種の健康保険組合があるかまずは調べてみるとよいでしょう。
健康保険組合があった場合は国民健康保険と条件を比べ、よりよい方を選ぶという選択肢が増えます。
扶養者の人数など、条件のよしあしはひとによって変わりますので、自分にとって条件のよい方を選ぶとよいでしょう。
前職の健康保険を継続
個人事業主になる前に、企業や公共団体に勤めていた場合、前職の健康保険を継続するということもできます。
この場合、保険料はこれまで事業主が負担していた分を含めて全額負担となりますので、おおよそこれまでの倍額の保険料を負担することになるでしょう。
限度額はありますが、年間数十万円程度は覚悟しておくとよいでしょう。
また、継続期間は二年までといった制限もあり、保険料の支払いが一度でも滞ると強制的に退会になるなどと、条件は少し厳しくなるようです。
それでも、健康保険の内容が充実しているのであれば、任意継続を選択する方法もよいでしょう。
節税対策になる個人事業主の保険料
個人事業主の健康保険は所得控除の対象になりますので、節税対策にもなります。
簡単にいえば、健康保険料を納めた分は、税金を払わなくていいということです。
このようなメリットもあり、やはり健康保険加入しないというデメリットは大きいため、必ず何らかの健康保険には加入しておくとよいでしょう。
事業主の国民健康保険は所得控除に
個人事業主が納めてきた国民健康保険は、所得控除の対象になります。
これは事業にかかった経費とは別に、確定申告の時に所得から抜くことができるのです。
経費にはならないですが、しっかり所得から抜くことができますので、支払った分の保険料がわかるようにしておきましょう。
通常は支払った健康保険料の明細や証明が、健康保険の組合などから送付されてきますので、これを確定申告の時に利用するようにするとよいでしょう。
しっかりと所得から控除して、納税額を減らしましょう。
これを行わないと、本来は払わなくてよい税金まで納めることになりますので、しっかりと所得控除するようにしましょうね。
事業主の生命保険料は生命保険控除に
通常のサラリーマンなども同様ですが、生命保険に支払った料金は、所得控除の対象になります。
サラリーマンであれば、勤め先で年末調整の際に所得から控除されていますが、個人事業主の場合は自分で確定申告の際に控除してもらわねばなりません。
これを行うことで、金額に上限はありますが、所得から数万程度の金額が控除されますので、しっかりと申告しましょう。
また、個人事業主であっても、兼務という形でどこかで働いている場合は、そこで年末調整してもらうことも可能です。
収入が少なく、確定申告の必要がない場合などは、年末調整してもらう方が楽でしょう。
事業のためにかけた損害保険料も控除対象
事業のために掛けた損が保険なども所得控除の対象になります。
たとえば、事業で車を使用するのであれば、自動車保険、自賠責保険、そして建物にかけている火災保険なども対象になります。
こういった保険料の控除をするためには証明書類が必要になりますが、そういったものは11月くらいに保険会社から送られてくるので、それをしっかりととっておいて利用するようにしましょう。
こういった証明書類は、きちんと保管しておく必要があるので、うっかり捨ててしまわないようにしましょう。
また、確定申告のあとも保管義務があるものもあるので、そういった点もきちんと確認しておくとよいでしょう。
個人事業主でも失業保険が受給できる条件
個人事業主は通常、雇用保険に入っていません。
そのため、失業しても失業保険は受給できなくなります。
ですが、場合によっては失業保険を受給できるケースもありますので、もしもの時のために調べておきましょう。
法人の届け出をしていない
まず、個人事業主とは、法人としての届け出を出していない、あくまでも個人事業主のことを指します。
法人化していると、失業ではなく倒産や廃業といった扱いになりますので、個人事業主とは変わってきます。
個人事業主とは基本的には開業届を出して事業をしている個人のことで、屋号を持っていても法人化していなければ個人事業主にあたるでしょう。
そして、個人事業主の失業とは、廃業を指します。
開業届と同様に税務署に廃業届を出し、事業をやめることで、失業という扱いになるのです。
住んでいる各県の労働局が認めている場合
個人事業主は通常失業保険をもらえませんが、各県の労働局が認めている場合は、もらえるケースもまれにあります。
都道府県によって異なるので、調べてみるとよいでしょう。
ただし、通常の廃業ではもらえることは少なく、病気など特殊な事情がある場合などに限ることも多いかもしれません。
年によっても変わるので、失業した際は必ず確認するようにしましょう。
また、個人事業主が兼務という形で会社勤めをしていて、こちらを失業すると同時に、事業の方も廃業した場合は、失業保険がもらえるケースがあります。
これは勤めていた会社で雇用保険に加入していた場合であり、個人事業の廃業が同時であることが条件になるでしょう。
事業を廃業しない場合は、転職などと同様の取り扱いになり、通常失業という扱いにはなりません。
このケースでは失業保険はもらえないと考えておいてよいでしょう。
週の労働時間が20時間を超えない
週の労働時間が20時間を超えない労働者は、雇用保険に入る義務がありません。
このため、会社につとめていても、雇用保険に入っていないことが多いでしょう。
また、失業保険の給付条件として、就職活動をしていることなどがあげられます。
就職活動をしているということを示すために、ハローワークに登録し、就職活動を行う必要が出てきます。
失業保険はあくまでも急に職を失った人が次の就職先を見つけるまでのつなぎとして支給されるものですので、無条件にもらえるものでは無いのです。
受給資格はハローワークに確認を
失業保険がもらえるかどうかは実際にハローワークに確認してみるのが一番早いでしょう。
人それぞれ状況が違いますし、わずかな差でもらえる条件を満たしている可能性もあります。
最初からもらえないとあきらめずに、まずは問い合わせをして、自分の状況であれば給付の可能性があるのかないのかだけでも、確認をしておくとよいでしょう。
ハローワークは最寄りのハローワークに出向くか、電話をして聞いてみるとよいでしょう。
メールや、問い合わせフォームを設けているところもあります。
個人事業主が扶養に入る際のポイント
個人事業主であっても、配偶者などの扶養に入ることは可能です。
とはいえ扶養に入るには一定の条件を満たしていなければいけませんので、実際に自分が不要に入れるかどうかは、条件を確認してみないとわかりません。
条件は主として所得で決まりますので、まずは所得がいくらか確認することから始めましょう。
また、その他の条件、事実婚の場合も、配偶者にあたるかなどもきちんと確認しておきましょう。
収入要件から必要経費を差し引ける
所得とは、収入から経費などを差し引いた金額で、個人事業主の場合、単純にいくら稼いだかでは分からない部分があります。
通常、会社に勤めているとパソコンや事務用品は会社のお金で買うことができますが、個人で事業をしている場合は、これらもすべて持ち出しになります。
このため、こういった経費を所得から引くことが必要になるのです。
不要の条件としては、年収130万円未満かつ被保険者の二分の一未満、必要最低限の経費を差し引いた所得となっています。
所得は今後150万円までを上限に上がりますので、歳によって条件が変わるということを覚えておき、その年その年で計算する必要があります。
必要経費にならない費目があるので注意
個人事業主は多くのものを経費として計上できますが、なかには経費計上できないものも含まれます。
それは主に事業につかったとはいえない、接待交際費、広告宣伝費、通信費、水道光熱費などです。
事業を家で行っている場合は、これらの経費がどの部分まで事業に使われているのかがあいまいになりやすいので、その点は経費計上の際に、家事按分といった形ではっきりさせておく必要があります。
例えば携帯であれば、私用でどの程度使っているか、事業の為にどの程度使っているかで、経費計上できる金額に差が出てきます。
事業で使っているのが7割であれば、7割を経費計上できます。
残りの3割は私用ですので、この部分は経費から抜くようにしましょう。
被扶養者の申請は確定申告書が必要
被扶養者の申請には確定申告が必要になります。
確定申告を行うと、控えがもらえますので、これをとっておき、所得の証明に使うようにしましょう。
青色申告決算書または収支内訳書の控えでもよいです。
実際の扶養の審査の場合は、直近3年分の決算資料提出を求められる場合もあり、チェックは厳しいものと覚悟しておきましょう。
それくらい、個人事業主の収入とはあいまいなもので、所得を隠すことも場合によっては可能と思われやすいのです。
確定申告は手間のかかることで、所得額が少なければ不要な場合もあります。
ですが、信用を得るためにも、確定申告は毎年きちんとしておくとよいでしょう。
税金が戻ってくることもあり、得になることもありますよ。
個人事業主のリスクを考えたおすすめの保険
個人事業主は、雇用保険がないなどリスクが高い部分がどうしてもあります。
そのため、リスク回避の為に、自ら保険に入っておくという選択肢もあるのです。
保険料が安く、収入保障保険と定期保険があるものなどが人気でおすすめですので、まずは自分に合ったものがないかみてみましょう。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 家族のお守り
【参考リンク:http://www.himawari-life.co.jp/product/omamori_family_m/】
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 家族のお守りは、収入保障保険があるため、もしもの場合には、毎月一定額を受取れるという非常にうれしいサービスがあります。
さらに、保険料は5年ごとに5%減少していくため、徐々に負担が減っていくのもおすすめのポイントです。
負担にならない程度の保険で、安心が得られるのであれば、もしも体を壊した時などにも安心ですので、検討してみるとよいでしょう。
アクサダイレクト生命 定期保険2
【参考リンク:https://www.axa-direct-life.co.jp/lifeweb/landingPage.do】
アクサダイレクト生命 定期保険2は、定期保険であり、金額も1億円まで設定可能です。
かなり高額な金額設定ができるのは魅力といえるでしょう。
さらに、高額割引制度もあるため、高く設定した方が得という部分もあり、不安定さがどうしてもある個人事業主としては、お守り代わりに入っておきたい保険といえるのではないでしょうか。
こういったものに入っておけば、もしものときに家族も安心ですので、検討してみましょう。
個人事業主はしっかり賢く保険に入ろう
個人で事業を行う以上、どうしてもリスクは避けられない部分があります。
今まで順調に取引のあったクライアントが突然倒産するなど、予期せぬ事態もあり、事業が思い通りにいかないことも多いでしょう。
そんな「もしも」の事態の為に、個人事業主だからこそ、しっかりと賢く保険を選び、適切なものに入っておく必要があるのです。
加入できる保険は思う以上にたくさんあります。
自分に合ったものを選んで、適切なものに入りましょう。
また、はいった保険が経費や所得控除の対象になるのであれば、これもしっかりと確定申告しておくことが、賢いやり方であるといえるでしょう。
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