年収600万円の所得税や手取り額について知り将来に備えよう
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お金にまつわる基礎知識を学びましょう
年収600万円といわれても、税金はいくら払って、手元にいくら残るのでしょうか。
これからの将来設計に向けて、年収600万円の方を基準に、所得税や手取りについて学んでいきます。
節約ばかりではストレスが溜まりまし、かといって無計画に贅沢をしていては貯金ができません。
実際に使えるお金から貯蓄や生活スタイルなど見直し、自分のなりたい姿に近づいていくために、必要な知識として覚えていきましょう。
あなたの暮らしを余裕を持った豊かな暮らしにしていきましょう。
年収600万円の世帯について
日本人の平均給与より高い数値
額面で年収600万円を給与としてもらえる世帯は日本でどれくらいあるでしょうか。
国の給与に関して調査した平成28年度厚生労働省 民間給与実態統計調査結果によると、1年を通して働いた給与所得者で、個人で600万円以上700万円未満の収入がある人は、男性が約243万人、女性が約47万人で合わせて約290万人程度となります。
働いている人の約6%に当たります。
ちなみに、日本で1年間通して働く人は日本に約4,869万人います。
その個人の平均給与額は男性で521万円、女性で280万円、全体では422万円です。
また、平均年齢は 46.0 歳(男性 45.9 歳、女性 46.1 歳) で、平均勤続年数は 12.0 年(男性 13.5 年、女性 9.9 年)です。
日本では600万円というと平均より高い給与をもらっているといえます。
男性の40代平均給与と同じくらい
平成28年度厚生労働省 民間給与実態統計調査結果の年齡別の平均年収でみると、1年を通して働いた人の45歳~49歳の男性平均給与は個人で633万円と600万円を超えます。
その年代の女性の平均は299万円で、男女合わせた平均は494万円でした。
その後男性は59歳まで650万円前後が続きますが、60歳を過ぎると497万円まで下がります。
女性は59歳まで緩やかに下がり、60歳で230万円まで下がります。
ちなみに、40歳~44歳の男性平均給与は563万円(女性302万円、男女合計460万円)でした。
いまの日本において個人で年収600万円を稼ぎ出すことはなかなか難しい状況にあることが伺えます。
全世帯の9%弱を占める
次に厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査の世帯別で見た場合の調査の結果から600万円の位置をみてみます。
600万~700万円は全体の7.7%に位置します。
世帯別の平均給与所得給与は約546万円で、500万~600万円の所得の占める割合は8.8%です。
また、平均所得給与約546万円以下の世帯は全体の61.4%にあたります。
年収600万円だと500万~700万円の間で考えると、だいたい全体の9%弱の位置にあるといえます。
共働きであっても600万円を超えることは上位に分類されます。
業種は情報通信業や金融業に多い
業種別での平成28年度厚生労働省 民間給与実態統計調査結果をみてみましょう。
「電気・ガス・熱供給・水道業」769万円
「金融業,保険業」626万円
「情報通信業」575万円
これらの業種が上位3つを占めている業界でした。
最も低い業種は「宿泊・飲食サービス業」で234万円となっています。
年収600万円もらえる業種となると情報通信業や金融業に多いことがわかります。
年収600万円にかかる所得税について
所得税の計算方法について
サラリーマン世帯だと税金に関しては給料から天引きされるので所得税計算といわれてもピンとこないかもしれません。
ここで年収600万円にかかる所得税の求め方について書いてみます。
所得税は、課税される所得額(A)に税率(B)を掛けることで求められます。
年収から給与所得控除を引くと課税される所得
課税される所得(A)は、通勤手当や旅費など非課税の手当てを除いた収入の総支給額(額面)から、給与所得控除や社会保険料、労働保険料、配偶者控除、寄付金控除などの所得控除(C)を差し引いたあとの額で、次のように計算されます。
「課税さる所得額」(A)=「額面:年収600万円」-「非課税の手当」-「給与所得控除等」(C)
なお、非課税の手当としては主に通勤手当があり所得税がかかりません。
人によって変わる所得控除
まず、年収600万円に対して給与所得控除の求め方は、
年収600万円 x 20% + 54万円 = 174万円
となり、こちらを(C)と仮定します。
これは360~660万円まで国が定めた計算式で決められているものです。
給与所得者の場合は最低でも64万円は給与所得控除として引かれます。
また、このほかに個人的な事情を反映する所得控除があります。
配偶者や子どもがいる、病気で医療費が高い、災害にあった、寄附をしたなどに対して税金を減らしてくれるのです。
所得控除の種類としては、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除の14種類の控除が用意されています。
以下に簡単な説明をします。
- 基礎控除:全課税者に一律に適用される控除で38万円と決まっています。
- 雑損控除:災害や盗難などにあったとき、その損害額に対しての控除です。
- 医療費控除:一部の入院治療費や介護費用などに対しての控除です。
- 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除:負担している保険料等に対しての控除です。
- 寄附金控除:寄附をした金額に対しての控除です。ふるさと納税もここに入ります。
- 障害者控除:ご自身や扶養親族に障害者がいる場合に対しての控除です。
- 寡婦(夫)控除:配偶者と死別または離婚して、扶養すべき子供などがいる場合に対しての控除です。
- 勤労学生控除:給与を得て働いている学生や生徒で、所得が一定水準(年収約130万円)以下の場合に対しての控除です。
- 扶養控除:養う家族などがいる場合に対しての控除です。
配偶者控除・配偶者特別控除:一定水準(年収103万円・141万円)以下の収入の配偶者がいる場合に対しての控除です。
単身者の場合は特段所得控除がなければ、給与所得控除と社会保険料控に除基礎控除と交通費などを引いた額が所得課税対象となる所得額です。
社会保険料控除は国民年金、厚生年金、雇用保険、健康保険の各種料率を年収にかけた額です。
平均的な目安として14.4%をかけるのがよく用いられています。
社会保険料控除 = 年収600 - 社会保険料率 14.4% = 約86万円 となります。
基礎控除は一律で38万円です。
年収600万円の税率について
所得税の税率は、課税する所得額により5~45%の課税率となる超過累進課税方式が採られています。
所得額が高くなるほどたくさん税金を払う仕組みです。
年収が600万円なら、
課税される所得(A) = 年収600 - 給与所得控除174万円 - 社会保険控除 86万円 - 基礎控除 38万円 - 交通費(仮に5万円) = 303万円
ということで課税される所得額(A)は303万円になります。
課税所得(A)が330万円以下なので税率は10%が適用されます。
所得税の税率は所得課税(A)が330万円から695万円の所得に対する税率が倍の20%なので年収を600万円程度に抑えると、税金としては節約できるので、年収600万円をめやすに収入を調整するとよいです。
ということで、所得税額は
所得課税(A)303万円 × 10% ― 控除額 97,500円 = 20万5,500円となります。
年収600万円の手取り額について
具体的に年収600万円の手取り額はいくらになるでしょうか。
年収600万円に対して先ほど計算した所得税が20万円程度、ほかに社会保険料等が86万円程度、住民税が30万円程度で136万円程度引かれます。
独身の場合手取り額はおよそ463万円となります。
月収約39万円になります。
ボーナスが年2回60万程度あるとすると月収33万円ぐらいです。
平均値ですので、だいたい440万円から480万円程度の間が手取りになります。
夫婦に子ども2人いる場合はどうでしょうか。
4人家族の場合、先ほどの配偶者控除、扶養控除などが差し引かれて手取り額はおよそ490万円。
月収にして41万円です。
こちらもだいたい460万円から490万円程度の間になります。
年収600万円の生活について
家族構成により生活水準は異なる
単身者で年収600万円あれば家賃12万円程度の範囲で家を探せます。
年収の2割とされる貯金も月6万円以上はできるでしょう。
車を持ってもまだ余裕があるかもしれません。
ほどほどに外食を楽しんでも十分暮らせる程度の収入を得られています。
夫婦2人でパートナーが専業であれば、今後の世帯年収アップも見込めますし、きっちりと家計を管理して貯蓄をしていけば将来の不安にも対応できる額を貯められるでしょう。
共働きで世帯年収600万円の場合は、将来設計を考えてどのような生活をしていくか2人で話し合い、貯蓄の仕方や生活費の割合などを決めていくとよいでしょう。
子どもがいる世帯では、ローン返済に10~13万円程度、教育費に5万円、食費に8万円と積んでいくとなかなか様相は変わってきます。
貯蓄に6万円回すことは難しくなってきます。
しかし、上手にやりくりして、余裕を生み出すことはできる範囲にあります。
収支のメリハリをつけ貯金ができる
国が行なった2016年度総務省家計調査にある貯蓄額の調査では、家族世帯の30代の平均で世帯年収631万円となり、ほぼ年収と同じ貯蓄残高の613万円という結果が出ています。
1年間の貯蓄額では、年間約72万円(月額約6万円)となっています。
とはいえ、年収600万円で生活のどこに重点を置くのかが重要となってきます。
住む環境なのか、趣味なのか、子育てなのか、食事なのか。
貯金ができる余裕はあるものの、将来を考えるときっちり締めるところは締めたいところです。
毎日贅沢をできるわけではないけど、使いたいところではまとまったお金を使えるぐらい貯められる程度に年収には余裕がある額です。
もし、貯蓄をしていないといっても、いまから家計を見直し、月6万円程度が貯められれば、5年で360万円程度貯まります。
子どもの進学やパートナーの病気、倒産などもしもの時に年収の半分程度あれば見通しをたてることができるでしょう。
レジャーや旅行のプチ贅沢ができる
毎日頑張ったご褒美に、ちょっとランクアップしたレジャーや温泉や料理をグレードアップしたプチ贅沢な旅行をする余裕も生まれてきます。
月1万~2万円をレジャー貯蓄に回してもまだ家計のやりくりは可能な額です。
節約はストレスがたまります。
ストレスをそのままにしておくと、パートナーや家族とのケンカや感情の起伏が激しくなってきます。
将来のためにと頑張っていたはずが、お金のためになってしまうと豊かな人生は急に苦しい生活に変わってしまいます。
楽しく豊かに暮らすためにも、気分転換への投資は大切にしましょう。
好条件のマイホームが購入できる
家を購入することを検討しているなら、年収600万円あれば、約3,000万~4,000万の住宅ローン審査にかけることができるでしょう。
4,000万円まで選択肢が広がるとマンションでも戸建てにしても、駅に近い場所でそれなりの広さの物件が見つかります。
単身者なら返済も10万円前後で月収を考えても無利のない返済ができる範囲にあります。
家族世帯ならもう少し抑えて3,000万円を超えないぐらいにしたいところです。
それでも十分に選択肢としては選べる条件にあります。
都心にこだわるか、広さにこだわるかあなたの将来を考えて、よりよい選択ができるでしょう。
年収について正しく理解し将来に備えましょう
年収に対して手取りがいくらなのか正しく理解することで、将来の貯蓄や家族計画などお金の備えができます。
不安なことも多い世の中ですが、収支を把握すれば貯蓄も可能です。
もし、家計のやりくりに困っているなら、支出を見直して節約する方が年収を増やすより税金を考えるとお得なことがわかっていただけたでしょうか。
年収600万円は税金の面で一番優遇される額です。
将来に向けて豊かな生活を続けられるよう準備しましょう。
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