契約社員でももらえる失業保険。受給するための条件と退職理由の関係
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契約社員でも失業保険はもらえるのか
契約社員として働いていて、退職を考えているけど退職後の失業保険をもらえるのか不安に思っていませんか。
失業保険は雇用形態にかかわらずもらえる給付金制度です。
しかし、受給するためにはいくつか条件があります。
「受給資格を得るための条件は何か」また、「退職理由による違いがあるのかどうか」など気になる点があるでしょう。
自分の退職の状況はどこに当てはまるのか、退職後に困らないためにしっかり確認して、申請できるように準備しておきましょう。
契約社員も失業保険はもらえる
失業保険とは、雇用保険の被保険者が会社を退職し再就職するまでの間、失業中の生活費を補償するための手当です。
会社を辞めて求職活動するときにもらえる手当てなので、条件さえ満たしていれば、正社員でなくてももらえます。
すなわち雇用形態は関係なく、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトでももらうことはできます。
失業保険をもらうには、雇用保険に加入しきちんと保険料を支払って、雇用保険の被保険者であることが必要です。
契約社員が失業保険をもらえる条件
契約社員が失業保険をもらうためには、「雇用保険に加入していること」と「雇用保険に加入していて、保険料を支払っていた期間が通算で12カ月以上あること」という2つの条件を満たしていることです。
また、契約社員は期間の定めのある労働契約を結んでいる労働者をいい、雇用区分は大きく分けて2つあります。
1つは正社員と同じ所定労働時間の有期契約労働者、2つめは所定労働時間の短い、パート有期契約労働者です。
それぞれの雇用保険の加入条件をみてみましょう。
1週間に20時間以上働いていること
有期契約労働者である契約社員でも、正社員と同じ所定労働時間であるならば、十分に雇用保険の加入条件は満たしています。
正社員よりも労働時間が短いパートなどの契約社員は、雇用保険への加入には、「1週間の所定労働時間が20時間以上あること」と、「31日以上雇用されることが見込まれること」、以上2点の条件を満たしていることが必要です。
雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上
失業保険をもらうためには、退職した日より前の2年間に、雇用保険に加入していた(被保険者だった)期間が通算で12カ月以上必要です。
契約社員の場合、継続して12カ月間雇用されないことも少なくありません。
そのため、この条件を満たさないと思われるかもしれませんが、加入期間は「継続して12カ月」ではなく、「通算12カ月」です。
すなわち、被保険者であった期間が合計して12カ月以上あればこの条件は満たされるので、A社で5カ月、B社で8カ月という形で働いた場合、1社だけでは足りていませんが、2社での合計が13カ月となり条件を満たします。
ただし、1年以内の再就職に限り通算されるので、A社とB社との期間が1年以上開いていると条件を満たさなくなりますので注意してください。
もし、自分が雇用保険に加入しているか、保険料を支払っているか不安なときは給料明細で確認してください。
給料明細に「雇用保険料」という項目があるかどうか確認してみてください。
保険料が記載されていれば、保険料は支払われているということになります。
退職理由と失業保険の関係
失業保険と退職理由にはとても重要な関係があります。
退職理由によって「一般の離職者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」の3種類に分かれます。
特定受給資格者というのは、倒産・解雇・事業所の廃止など会社都合により退職した人のことをいい、特定理由離職者というのは、労働契約の更新を申し出たにもかかわらず、契約が更新されず退職した人や、病気やケガ、体力不足により退職した人、妊娠・出産・育児といったやむを得ない理由で退職した人を言います。
これら「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に当てはまらない人や、自己都合により退職した人は一般の離職者になります。
退職理由によって、失業保険の受給日数や給付が開始されるまでの給付制限などに違いがあります。
失業保険は、ハローワークで手続きを行って受給資格を得てから、7日間の待機期間を経たのち、給付が開始されますが、自己都合による退職者には、さらに3カ月の給付制限期間が設けられています。
給付制限がつかないケース
自己都合で会社を辞めた場合、基本的には3カ月間の給付制限がつきます。
そのため、手続きを行ってから、失業保険が実際に給付されるようになるまで約4カ月かかります。
ところが、特定の条件を満たしていれば、給付制限なしで失業保険が受け取れるようになります。
その特定の条件をみていきましょう。
会社から退職を促された場合
契約社員の場合、本人に働く意思があっても、会社側から契約の更新をしないといわれてしまうと、退職しなくてはならなくなります。
この場合会社都合による退職となりクビになったように見えますが、契約期間が満了する30日前までに契約更新がないことを予告して入れば、解雇にはあたりません。
そのため契約期間満了での退職は、会社から契約更新をしないといわれた会社都合であっても、雇用保険での扱いは自己都合となります。
しかし、やむを得ない理由での退職という「特定理由離職者」にあたるので、3カ月の給付制限はつきません。
3年未満の契約期間満了時に退職する場合
契約期間満了により自分から退職する場合、自己都合による退職となります。
しかし、「1回以上契約を更新している」「現在の会社での勤務が3年未満」という2つの要件を満たしているときは、自己都合であっても給付制限はつきません。
同じ会社で3年以上働き更新もしていた場合
同じ会社で3年以上勤務していて、更新なしの契約期間満了により退職した場合、「過去に1回以上契約を更新している」「同じ会社で3年以上勤務している」「勤務先から契約を更新しないと通告された」という3つの要件を満たすと、会社都合の退職という扱いになり、給付制限はつきません。
これは長期間に渡って勤務していて、正社員と同等の扱いをされていたにも関わらず、会社都合で退職するに至ったとみなされるので特定受給資格者として認められます。
やむをえない理由の場合
仕事を続けていくことが困難な理由、例えば「怪我や病気により働けなくなった」や「親の介護が必要になりやむなく」などやむを得ない場合の退職は、自己都合であっても給付制限はつきません。
ただこの場合の退職では、特定理由離職者2という退職理由の区分にあたるので、給付制限はありませんが、給付日数の優遇措置もありません。
そのため待機期間ののち、すぐに給付が開始され、約1カ月後の認定日に失業保険が支払われます。
もしも、労働条件の悪化や職場環境が悪く仕方なく退職する場合は、特定受給資格者に該当し、給付制限はもちろんありませんが、給付日数の優遇措置も該当します。
やむを得ない理由での退職は、その理由自体がとても重要になります。
定年退職まで勤めた場合
契約社員として契約更新を続け定年退職になった場合、解雇や倒産と言った会社都合による退職とはなりません。
就業規則などで定められた定年年齢に達したことによる退職や、定年後再雇用されその雇用期間が満了したことによる退職などは、特定受給資格者や特定理由離職者には該当せず、自己都合の退職扱いになります。
自己都合の退職ではありますが、3カ月の給付制限はつきません。
3か月の給付制限がつくケース
契約社員でも正社員同様3カ月の給付制限がつくケースが存在しています。
自己都合はもちろん、会社都合であっても給付制限が付いてしまうケースもあります。
次のような場合の退職は注意が必要です。
自分の状況が当てはまっていないかよく確認しましょう。
契約期間途中に退職する場合
正社員であれば14日前に退職の意思を会社側に伝えれば大丈夫ですが、基本的に契約社員にはあてはまりません。
契約期間内は退職することができません。
しかし、契約期間が1年以上かつ、そこで1年以上勤務している場合は、正社員と同様にいつでも退職することができます。
その場合、正社員と同様の退職手続きを取る必要があります。
また、1年未満の契約の場合でも、やむを得ない理由がある場合や、会社が契約社員の退職の意思を認めれば退職することは可能です。
ただし、理由はどうあれ自己都合による退職なので、3カ月の給付制限がつきます。
契約更新なしで3年以上勤めた場合
契約社員のように有期雇用契約で働いている場合、契約期間の長さが給付制限のつく退職理由に、当たるかどうかのポイントのひとつになります。
契約社員でも同じ会社で3年以上働いていると正社員と同等の扱いになり、契約期間満了を機に退職した場合でも、給付制限がついてきます。
ただ、3年以上同じ会社に勤務していて、1回以上契約を更新している場合、会社から契約更新をことわられれば会社都合という扱いになり、特定受給資格者となりますが、1度も契約を更新していない場合、会社から更新しない旨の通告を受けても特定受給資格者には該当せず、自己都合退職と同じ一般の離職者という扱いになるため、給付制限がつきます。
雇用保険に未加入だった場合
契約社員であっても雇用保険の加入義務はあります。
しかし、雇用保険の加入が免除される場合があります。
また入退者が多いと手続きが漏れてしまうこともあり、知らない間に雇用保険未加入のまま働くことになっているかもしれません
そこで、雇用保険に加入していることを確認してみましょう。
まず給料明細に「雇用保険」の欄があるか確かめます。
給料から手引きされていれば保険料を支払っており雇用保険に加入しているといえます。
もし、保険料の支払いが確認できなければハローワークへ行き確認の請求をしましょう。
ハローワークの窓口に行き、「雇用保険の加入状況を知りたい」と伝えれば、被保険者資格取得を確認することができます。
ただし、即日で答えてもらえるとはいえないので注意しましょう。
もし未加入だった場合、過去2年間は遡って加入することも可能です。
特に給料から天引きされていたにもかかわらず未加入だった場合、会社が保険料の納付を怠っており、全期間にわたって遡って加入することが救済措置として認められているので、ハローワークの窓口で相談しましょう。
失業保険についてはハローワークで確認しよう
失業保険の受給に関する要件はとても複雑で、同じ会社に3年以上勤めている場合、更新の有無によって給付制限がつく場合とつかない場合とがあり、どちらに該当するか判断が難しいかもしれません。
給付制限がつくとつかないとでは、実際に失業保険が支給されるまでの期間に大きな差があり、できることなら早くもらいたいと思うことでしょう。
契約社員で働いていて退職を決めたとき、失業保険の受給資格があるかどうか、給付制限はつくのかなどの疑問は、ハローワークで確認してもらえるはずです。
少しでも不安に思うことがあればハローワークで相談してみてください。
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