年収800万円の手取り額。税金や保険料の負担割合を知っておこう
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年収の金額と手取りの金額の違いを知ろう
年収800万円といっても、手取りの金額で800万円支払われるということではありません。
年収800万円という金額から、保険料や税金が引かれるため、実際に手元に残る金額は、800万円よりも少なくなります。
年収800万円の手取りの金額をきちんと知り、生活スタイルの目安を決めましょう。
年収800万円の世帯について
貯蓄額や持ち家率も高くなる年収800万円の世帯は、少数派。
年収800万円の世帯の多くが、電気、ガス、水道業に勤務しています。
日本人の平均給与よりかなり高い数値
年収800万円という給与額は、日本人の平均給与よりも、かなり高い数値になります。
平成28年度厚生労働省の民間給与実態統計調査結果によると、日本人の平均給与は422万円。
男女別の平均給与では、男性が521万円、女性が280万円となり、平均年齢は46歳でした。
この平均給与は、1年を通じて勤務した給与所得者の合計金額となるので、平成28年度、日本人の平均年収は422万円であったことがわかります。
全世帯の約9%弱しかいない
日本人の平均年収よりも、かなり高い数値となる年収800万円の世帯は、全世帯の約9%弱しかありません。
平成28年度厚生労働省の民間給与実態統計調査結果によって、年収800万円を超えている世帯の割合は8.9%であったことがわかり、その中でも、年収800万円~900万円の世帯は2.8%しかないことがわかりました。
この調査結果から見てわかる通り、年収800万円を超える世帯は、高所得世帯ということになります。
業種は電気ガス水道業に多い
高所得世帯に分類される年収800万円を超える世帯に多い業種は、電気やガス、水道業などのインフラ系。
平成28年度厚生労働省の民間給与実態統計調査結果によると、電気やガス、水道業の1年間の平均給料は632万円、平均賞与は137万円。
平均給料と平均賞与を合わせた1年間の平均給与は769万円でした。
次に年収800万円を超える世帯に多い業種が、金融業、保険業。
1年間の平均給料と平均賞与を合わせた平均給与は、626万円。
高所得世帯の多くが勤める電気やガス、水道業、金融業、保険業も、平均給与では800万円を超えていませんが、年齢や階級によって給与額は異なります。
そのため、平均給与以上の収入を得ている世帯が、年収800万円を超えているということになるのです。
貯蓄額は1,000万円を超える
総務省が行った平成28年度家計調査によると、年収800万円の世帯の平均貯蓄額は1,419万円、平均負債額は922万円。
世帯人数の平均は3.5人、世帯主の平均年齢は48.5歳でした。
年収800万円を超える世帯では、平均貯蓄額が1,000万円を超える一方で、平均負債額も大きいことがわかります。
平均負債額が大きくなってしまう要因の多くが、土地や建物に対する住宅ローン。
また、平均給与がもっとも低いとされる年収345万円の世帯での平均貯蓄額は692万円。
平均給与がもっとも高い年収1,232万円の世帯の平均貯蓄額は2,372万円であることがわかり、収入が高くなるほど、貯蓄額も増えていく傾向にあることがわかります。
持ち家率は80%弱
平均負債額が922万円もある年収800万円を超える世帯は、ほとんどの世帯が住宅ローンを組んでいるため、持ち家率が80%弱と高くなっています。
総務省の平成25年住宅・土地統計調査結果によると、年間収入階級別持ち家世帯率では世帯収入700万円から1,000万円の持ち家率は79.6%であることがわかりました。
また、世帯収入が2,000万円を超える世帯の持ち家率は87.6%ともっとも高く、世帯収入が100万円以下の世帯の持ち家率は36.6%ともっとも低いことがわかりました。
年収800万円の世帯にかかる税金について
手元に残るお金は、所得税や住民税などの税金などを引いた金額。
年収800万円といっても、1年間で丸々800万円を受け取ることができるわけではありません。
年収800万円の世帯にかかる税金について知ることで、毎月、使うことができる金額の目安をつけやすくなります。
税制改正で影響が出る世帯
平成30年度に行われた税制改正により、平成32年度分から年収850万円を超す世帯は増税となります。
この税制改正の影響がでてくる、給与所得が年収850万円を超す会社員の世帯における具体的な増税方法は、所得控除の縮小。
所得控除が縮小されるため、新たに税金を課すのではありませんが、実質的には増税されるということです。
そもそも給与所得というのは、会社から1年間に支給される給与や賞与を合わせた金額から生命保険料控除や扶養控除、地震保険料控除などの控除を引いた金額。
この生命保険料控除や扶養控除、地震保険料といった所得控除も無限にあるわけではなく、給与所得によって、決められている所得控除の金額は異なってきます。
平成29年度分の所得控除額は、最低所得控除額が65万円で、給与所得が65万円以下の場合、全額が所得控除対象となり、年収850万円の会社員では、収入金額に10%を掛けた金額に120万円を足した205万円の所得控除額があります。
年収1,000万円を超える会社員では、所得控除額が最高値となるため、220万円と決められ、これ以上所得控除額が上がることはありません。
この所得控除額が平成32年度分からは改正され、年収850万円以上の会社員から最高所得控除額の対象となり、所得控除額も220万円から195万円に引き下げられます。
年収850万円の世帯は、平成29年度分の所得控除額は205万円あったわけですから、10万円も所得控除額に差がでてくることになるのです。
所得控除で差が出る税額
配偶者控除や扶養控除など、いろいろと所得控除を受けることができる項目があります。
この所得控除があるかないかでは、税額に大きな差が生じてきます。
給与明細を見ると記載されている所得税や住民税。
住民税に関しては、各自治体に納付する税金なので、計算方法も自治体により異なりますが、所得税は、1年間の所得控除を引いた給与所得に対して課せられる、国に対して支払う義務のある税金。
この所得税の税率は、195万円以下では5%、195万円から330万円以下では10%、330万円から695万円以下では20%、695万円から900万円以下では23%、900万円から1,800万円以下では33%、1,800万円以上は40%となっています。
仮に、所得控除を引いた給与所得が800万円あるとして、税率23%を掛けた184万円を納めることはありません。
所得税には、税額控除額があり、195万円以下では控除額は0円ですが、195万円から330万円以下では97,500円、330万円から695万円以下では42万7,500円、695万円から900万円以下では63万6,000円、900万円から1,800万円以下では153万6,000円、1,800万円以上では279万6,000円になります。
そのため、所得控除を引いた給与所得が800万円あった場合の所得税は、120万4,000円となり、同じ年収800万円だとしても、所得控除で引くことができる金額が上限控除額に近いほど、支払う税金に差がでてくるのです。
年収800万円の手取り額について
税金などが引かれ、実際に受け取ることができる金額はいくらなのか。
年収800万円の場合の手取り額は約600万円。
この手取り金額は、独身や既婚者、扶養している子どもの有無や人数によっても異なってきます。
扶養している15歳以下の子どもがいる場合には、扶養控除が適用されますし、配偶者が専業主婦の場合、もしくは、年収が103万円以下の場合には配偶者控除が適用されます。
扶養控除が適用される世帯では所得税が減税。
ふるさと納税を活用すれば、住民税が減税されるなど、控除される金額や所得給与から引かれる税金や保険料の違いでも手取り額は異なってきます。
年収800万円の生活について
高所得世帯に分類される年収800万円。
賞与を含む手取り額、約600万円の生活は豊かなものなのでしょうか。
独身の場合は趣味や娯楽に注げる
独身で年収800万円の場合、手取り額が約600万円もあるので、自由度が高くなります。
少し家賃の高い賃貸に住むこともできますし、シーズン毎にスーツを新調、趣味や娯楽などにも予算を設けることができます。
ただし、一人で使うには余裕がある手取り額600万円は、結婚後の節約ができるかどうかが重要。
一生、独身を貫くのなら問題ないかもしれませんが、結婚を考え始めたときに、パートナーとの生活が息苦しく感じてしまう恐れがあります。
結婚後、パートナーも同額の年収があるか、もしくは、自分以上の収入がないと、結婚後も同じ生活レベルを貫いていくことは難しくなります。
夫婦2人の場合は余裕がある生活ができる
夫婦2人の場合、年収800万円という金額は余裕のある生活を送ることができます。
家賃や食費、服飾費など、毎月の出費が高額にならない限り、生活が困窮する恐れは低くなります。
夫婦2人での生活は、将来を考えていくことが重要。
子どもが生まれ、家族の人数が増えていくと出費も必然的に増加していきます。
夫婦2人、共通の趣味を楽しむなど、2人の時間を大切にしながら、余裕の持てる生活で、将来に向けての準備をしていきましょう。
子育て世帯は教育資金と住宅ローンのバランスが鍵
子育て世代で重要となってくる教育資金。
子どもが小さいうちは気にならない教育資金も、子どもの成長と共に、高額な教育資金が必要となってきます。
住宅購入時に、頭金を多く払っていて、子どもが小さいうちに住宅ローンを完済する目処が立っている場合や住宅ローンを組まずに、一括で購入した場合には問題はありません。
しかし、住宅ローンを返済しながら高校や大学への進学費用や授業料を支払っていくことは、家計を圧迫し、家計破綻を招いてしまう恐れもあります。
そのため、住宅を購入し、住宅ローンを組む場合には、教育資金とのバランスが鍵となってくるのです。
住宅ローンは、住宅購入時の家計状況だけでなく、教育資金の準備も可能かどうかで計算しましょう。
子どもが大きくなるにつれ、食費や水道光熱費などもアップ。
先々の支出額は上がっていくことを想定した上で、十分な教育資金を準備することができる範囲で住宅ローンを組むようにします。
住宅ローンと教育資金とのバランスを考えたとき、住宅ローンは、年収の5倍以内であれば生活が困窮する可能性は低くなります。
共働きで世帯の収入アップを目指している
年収800万円の世帯には、共働きの世帯もあります。
仮に、夫の年収400万円、妻の年収400万円、合わせて年収800万円の世帯があるとします。
税金というのは、大きく分けられた年収に対して税率が変動。
夫も妻も年収400万円の場合には、合わせた年収800万円に対して税金がかかるわけではなく、夫婦それぞれの年収400万円に対して税金がかかってくるので、単身で年収800万円を稼いでいる人よりも、税金を抑えることができます。
また、共働きの場合、夫婦どちらかの収入がアップすることで、世帯年収も上昇。
夫の年収が400万円から600万円にアップし、世帯年収が1,000万円になったとしても、かかってくる税率は年収600万円に対してなので、手取り額も単身で年収1,000万円稼いでいる人よりも高くなります。
メリットが大きい共働き世帯は、収入アップを目指すことは良いことですが、2人の収入を合わせると大きな買い物もできてしまうというリスクもあります。
1人では年収400万円なのに、2人合わせれば年収800万円なので、単身で年収800万円を稼いでいる人と同じものが購入可能。
そのため、生活水準が高くなってしまい、車や住宅などのローンの返済に困窮する恐れがあります。
メリハリある生活で貯蓄を確保している
年収800万円の手取り額は約600万円。
この金額を単純に12カ月で割った場合、1カ月に使うことができる金額は50万円になります。
毎月かかる住居費や水道光熱費などの固定費と食費や日用品費などの流動費などの予算をあらかじめ決めておき、節約できるところは節約することで、メリハリのある生活になります。
メリハリのある生活は、貯蓄を確保しやすいというメリットも。
毎月の手取り額から10%から15%を貯蓄にまわすことができるだけで、生活の豊かさは変わってきます。
急な出費にも困らずに対応できる貯蓄を確保しておきましょう。
生活水準を上げず余裕のある生活を送っている
年収が上がるにつれて、生活水準も上げてしまうと、万が一、年収が下がってしまったとき、大きなリスクを背負うことになります。
年収が上がったとしても、生活水準を無駄に上げないことは、余裕のある生活を送ることに大切な要素。
これまでの生活を変えることなく、今までの生活を続けていくことで、将来的にも不安のない生活を送ることができます。
ふるさと納税や節税で手取り額を増やしている
年収のすべてが手取り額になるわけではありません。
扶養控除や配偶者控除など、所得控除にも限界があります。
残る方法は、税金を抑える方法。
ふるさと納税や節税対策を行なうことで、手取り額を増やしていきましょう。
ふるさと納税では、所得税が0円の場合、還付金はありませんが、翌年の住民税が安くなる可能性があります。
少しでも、手取り額を増やせる節税対策を行っていきましょう。
将来に向け収支のバランスを整えましょう
年収800万円は、平均給与よりもかなり高い数値になりますが、高い生活水準を維持できるわけではありません。
将来を見据え、収支のバランスを整えないと、家計が破綻してしまう恐れもあります。
余裕のある生活を送り続けるためにも、将来に向けた収支のバランスを整えましょう。
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