個人年金とは。加入するメリットとデメリットをきちんと知ろう
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老後の資金準備を目的とする個人年金
個人年金とは国民年金や厚生年金などの公的年金を補てんする目的で加入する、私的年金の一つです。
個人年金は契約時に定めた年齢から一定期間、もしくは一生涯に渡って一定額の年金が受け取れる貯蓄型の保険のことです。
老後の資金準備などを目的として加入する方が多くいます。
個人年金に入るメリットとデメリットを知って、正しい知識を身につけましょう。
個人年金保険の年齢別の世帯加入率
20代の加入率は8.8%
個人年金保険の年齢別世帯加入率は20代の場合、10%にも達していません。
なんと8.8%という数値なのです。
この数値は、生活保険文化センターの「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」という調査の詳しい数値です。
20代はまだまだ現在の自分のことにしか目が向かず、将来設計のことなどを考える機会は少ないといえます。
それが数値に反映されているのでしょう。
30代前半の加入率は13.9%
30代に前半になると加入率は少し上がり、13.9%という数値になります。
20代は極端に加入率が低いですが、30歳を過ぎてくると結婚をして所帯を築く方や将来設計などに目を向ける機会が多くなり、生命保険や個人年金に興味を持つ人も増えることが要因でしょう。
30代後半の加入率は16.6%
30代後半になると加入率はさらに上がり。
16.6%という数値になります。
20代は極端に低い加入率ですが、積立式の保険は若いうちに加入することで月々の保険料負担額を抑えることができるという利得もあります。
40代前半の加入率は21.2%
40代前半の加入率は、21.2%とさらに上がっています。
40代になると将来の不安や老後のことなどを考える機会が多くなり、自然と個人年金などに興味を持ちやすくなります。
老後資金の準備として一時払個人年金保険に加入する人も多くなっているようです。
40代後半の加入率は26.3%
40代後半の加入率はさらに上がり、26.3%となっています。
多くの場合、公的年金だけでは老後の生活費に足りないという不安を抱えている人はたくさんいます。
今や40代の人が年金を受け取るような頃には、公的年金制度が大きく変わっている可能性もあるため、自助努力として個人年金への加入を検討することも多いようです。
全世帯の加入率は21.4%
全世帯の加入率を見てみると、21.4%になります。
意外にも低いですよね。
実は多くの人は個人年金のことや個人年金の仕組みをきちんと知らないため、加入をためらう方が多いのです。
また、個人年金はまとまった資産がないとできないものもあり、あまり景気が良いとは言えない日本では、生活するので精一杯という方も多くいらっしゃるのです。
そういった場合では個人年金保険というシステムに目を向ける機会が少なくなり、そもそも個人年金のシステム自体をよく知らないという方が増えているのでしょう。
さらに、年収別で加入率を見てみると全体的に高収入といわれる年収の方が多く、金銭的に余裕のある方が個人年金に加入しているようです。
個人年金保険の種類
一定期間年金が受け取れる確定年金
「確定年金」とは、生死に関係なく契約時に定めた一定期間、年金が受け取れます。
契約時に選択できる年金の種類は、5年確定年金、10年確定年金、15年確定年金となっています。
もし、年金受給期間中に被保険者が死亡した場合は、残りの期間に対応する年金、または一時金が支払われます。
定めた年齢から死亡するまで受け取れる終身保険
終身保険とは、保証期間中は生死に関係なく年金が受け取れ、その後は被保険者が生存している限り終身に渡って年金が受け取れます。
もし、保証期間中に被保険者が死亡してしまった場合は、残りの保証期間に対応する年金、または一時金が支払われます。
夫婦いずれかが生きている間受け取れる夫婦年金
夫婦年金は別名、夫婦連生年金ともいわれており、これは「夫婦のどちらかが生存している限り受け取り続けることができる年金」のことです。
夫婦それぞれが終身年金プランに加入するよりも、夫婦年金に加入したほうが保険料も節約することができる可能性があります。
予定利率で運用を行う定額年金
契約時の予定利率によって積立運用を行うのが、「定額年金」です。
定額年金は運用の成果に関わらず、契約時に将来の受取年金額が確定します。
定額年金は安定的なものではありますが、運用環境によっては予定利率が低いこともあります。
価格変動の大きい原資を運用する変額年金
リスクは多少ありますが、価格変動幅の大き金融商品などで年金原資を運用し、運用効果を高めることを目的とする年金商品もあり、それを「変額年金」といいます。
変額年金は年金額が運用実績によって変動します。
株や投資信託などの金融商品での運用実績に応じ、将来の年金額が大きくなる可能性もありますが、その逆の可能性もあります。
つまり、将来の受取年金額総額が払込保険料総額を下回る可能性もあるので注意が必要です。
海外の利率で運用する外貨建て年金
外貨建て個人年金保険とは、保険料の支払いや保険料の受取を米ドルやユーロ、オーストラリアドルなどの外貨で行っている個人年金保険です。
日本円で支払った保険料はその国の外貨で国債などで運用され、円貨よりも利回りが高くなる傾向があります。
特に長期運用する場合には円貨と比べ大きな差が出てくるのが特徴です。
また、保険料を支払うときと保険料を受け取るときの為替相場によって、円に交換したときの金額が大きく変わります。
保険会社によって異なってきますが、保険料は一括支払いタイプや積立支払いタイプがあります。
個人年金保険に加入するメリット
普通預金よりも貯蓄性に優れている
金利があまり変わらない場合、預貯金で積み立てていくことに比べると、個人年金保険で積み立てていく方が最終的には受け取る金額は大きくなる可能性が高くなります。
銀行預金はいつでも下してしまえる気軽さがありますが、個人年金保険は支払いが終わる前に途中でやめてしまったり、解約してしまうと元本割れしてしまうリスクがあるのです。
この特徴を逆の視点で見てみると、個人年金は他の保険と同様に口座引き落としで保険料を支払います。
自動的に預金から引き抜かれていくシステムになっているのです。
お金は知らないうちに貯まっていきます。
普通預金よりも貯蓄性に優れているのです。
貯金が苦手な人がお金を強制的に貯めるためにはいい方法ということができるでしょう。
クレジットカードで払うとポイントが貯まる
個人年金をクレジットカードで支払うという選択もあります。
すべての保険会社でこの選択ができるというわけではありませんが、クレジットカード払いができる会社も増えてきています。
カード払いが可能になれば、支払いを後に伸ばせますし、カードのポイントをゲットすることもできます。
一般的にカードのポイントは0.5%相当ですが、カードによっては1%や1.2%相当になる場合もあります。
いまの銀行の定期預金の利率は良くても0.20%程度ですし、銀行は利子からも20%の利子税が取られることを考えると、クレジットカードのポイント分というのはかなり利回りがいいといえるのではないでしょうか。
ただし、会社によってはクレジットカード払いができる場合に限り、利率や条件が違うケースもあるので注意しましょう。
所得税と住民税の負担を軽減できる
個人年金の保険料は個人年金保険料控除の対象となり、一定額が所得から控除できるシステムになっています。
会社員であれば年末調整で一定額の還付を受けることができるのです。
個人年金保険料控除とは払い込んだ保険料に応じて、一定の金額がその年の所得から差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減されるというシステムのことです。
給与など所得に一定の税率をかけて所得税の金額が決まるため、所得控除により課税所得が下がることによって所得税と住民税が軽減されるのです。
生命保険や医療保険とは別に保険料控除を受けることができるため、節税効果が高く、長期的に見れば数十万円もお得になる場合があります。
持病があっても加入できる商品がある
一般的な生命保険は基本的に、持病がある人や健康状態に不安がある人、入院中の人は加入することができません。
加入可能な保険も存在しますがその場合は掛け金が割高になっていたり、期間が決まっていたりと健康体である人とは違ったスタイルの加入になってしまいます。
しかし個人年金は違います。
個人年金は「個人年金保険」という名前がついていますが貯蓄の意味合いがとても大きい商品なのです。
そのため。
職業を記入する欄はありますが、一部の個人年金保険を除いて、基本的に健康告知の必要はないのです。
仮に告知が必要になった場合でも、とても簡単な質問のみという場合も多くあり、そのため個人年金は持病がある人でも加入することができるのです。
しかし個人年金に医療特約などの特約を付けたいという場合には、特約の内容によって健康状態の告知が必要になることがあるので覚えておきましょう。
若いうちに加入すれば保険料が安くなる
個人年金は将来定年退職した後に受け取るために、若いうちからお金を積み立てておくというタイプの金融商品です。
個人年金は積み立てた金額以上のお金を受け取ることができ、きちんと払込期間未払いすることなく支払い続ければ、確実に儲かる仕組みになっています。
個人年金には月々に支払う保険料を増やせば増やすほど返戻率は高くなるという特徴がありますが、もう一つ特徴があります。
それは、加入する年齢が若く、支払う期間が長いほど返戻率は高くなるのです。
つまり、若いうちから加入しておいた方がお得ということになります。
個人年金保険に加入するデメリット
保険会社が破綻してしまう可能性がある
個人年金保険に加入するデメリットとしてまず挙げられるのが、「保険会社が破綻する」という可能性があることです。
加入した個人年金保険を販売した生命保険会社が破綻してしまったら大きな損をすることになります。
生命保険会社が破綻してしまった場合、生命保険契約者保護機構が救済してくれるため保険契約は維持されることになりますが、保険金の削減、年金額の減額などの措置をとられてしまうことがあり、個人年院の場合は元本割れしてしまう可能性が大きくなるのです。
確定型はインフレのリスクがある
「インフレ」とは物価が上昇することを言います。
例えば、貯蓄をしてお金が年に10%増えたとしても、世の中の物価が年に20%上昇したら貨幣価値の下落に繋がります。
こういった状態をインフレと言います。
個人年金保険は固定金利の商品です。
何十年も金利が固定されるのでもしその金利よりも大きい比率でインフレが進んでしまうと、お金の金額は増えたとしてもその価値は下がってしまうというリスクがあるのです。
もちろんその逆に、インフレ率が下がったりデフレが起こると相対的にお金の価値は上がるということになります。
途中で解約すると元本割れしてしまう
個人年金保険を途中で解約するという選択をすると、大きな損をしてしまいます。
個人年金を解約すると解約返戻金は戻ってきますが、基本的にその金額はそれまでに支払ってきた保険料の総額よりも下回ってしまうのです。
特に加入してから3年目くらいまでの返戻率は低くなっているので注意しなくてはいけません。
大抵の場合、個人年金は解約をしたら元本割れしてしまいます。
加入する場合には途中で解約することのないようなプランにすることが重要です。
終身年金は早く死亡すると損をする
終身年金にしてしまうと、早死した場合に大きな損をすることになります。
個人年金保険は加入するほうからすると支払った保険料の総額よりも受け取る年金の総額が多くなることが前提です。
しかし終身年金の場合は、年金受け取り開始後早い時期に死亡してしまうと、受け取れる年金の額が元本割れしてしまい損をするのです。
また、有期年金というタイプも年金受け取り期間中に死亡すると以後の年金の支払いはなくなってしまうので損をすることになります。
利率がそこまで高くない
実は個人年金保険は利率があまり高くないため、お金が大きく増えるわけではありません。
例えば個人年金保険について支払う総額が5,609,520円だった場合、受け取れる金額の関係を見てみると10年間の年金総額は支払った保険料の107%で30年の積み立てて7%しか増えていない計算になるのです。
商品によっては多少の違いがありますが、共通して言えることは、利率がそこまで高くないという点です。
この点はデメリットとして挙げることができるでしょう。
自分に合った個人年金保険の選び方
老後資金の積立が目的なら定額を選ぶ
老後資金のつみたってを目的とするのなら、個人年金保険は「定額型」を選ぶのをおすすめします。
定額型はお金が目減りするリスクが少なく、日本人に多く好まれているプランです。
定額型の場合は受け取る年金額が決まっています。
定額型の個人年金保険は大きな運用による利益などは狙っていないので、毎月少しづつ積み立てるタイプの保険が一般的となっています。
将来の老後の積み立てということを考えるのであれば、一番リスクが少ないといえるでしょう。
まとまった資金があるなら外貨や変動を選ぶ
「変動」とは株式や債券を中心に資産を運用し、その運用の実績によって年金や解約返戻金などが増減する個人年金です。
投資リスクは当人が負うことになります。
インフレに対応でき、上手に運用すると非課税効果が働き高額な年金を期待することができます。
また「外貨建て」は、日本円より利率の高い外貨での運用になるため有利です。
万が一、資金が半分以下になっても大きく増える可能性があるほうが良いという場合には、変額個人年金や外貨建て個人年金を選択すると良いでしょう。
自分に必要な特約を見極める
個人年金保険も一般の生命保険と同じように「特約」をつけることができます。
特約を付けることでその分保険料が加算され返戻率も低くはなりますが、保障内容を充実させたいという場合には検討するのもいいでしょう。
特約には「定期保険特約」「災害割増特約」「傷害特約」「医療特約」「3大疾病特約」「がん入院特約」「先進医療特約」「通院特約」「リビングニーズ特約」などがあります。
基本的に個人年金保険は老後資金の積み立てのみを考えればいいと思うため、特約を付けたいのであればその保険に単体で加入する方向で考えてもいいかもしれません。
自分の年齢や払込期間、支払い方法を色々とシュミレーションし、比較をしてみてよく考えることが大切です。
保険料控除の対象となる商品を選ぶ
個人年金保険料控除の対象となる商品を選ぶとお得かもしれません。
個人年金保険料控除とは、一定の条件を満たした保険料を支払っていると1年間の支払い保険料の金額に応じて所得税や住民税が安くなるという制度です。
所得税の計算において課税所得が控除されて節税できる生命保険控除という制度がありますが、個人年金保険料控除はその一区分です。
個人年金保険料控除は死亡したときに保険金が受け取れる生命保険や医療保険・がん保険などとは別枠で所得控除されます。
節税効果を狙うのなら、こういった保険料控除の対象となる商品を見極め選びましょう。
30代におすすめの個人年金保険ランキング
明治安田生命 年金かけはし
明治安田生命の「年金かけはし」は、老後生活資金を準備することのできる個人年金保険です。
契約年齢範囲は20歳~55歳までです。
特徴としては、保険料払込期間中の死亡保障を抑え、受け取れる金額が多いこと、保険料払込期間と据置期間を設定できることが挙げられます。
また、契約に際しては医師による診察や健康状態の告知は不要なため、持病があっても入ることができます。
保険払い込み期間は20~40年に設定できます。
また据置期間は、保険料払込期間満了後、年金が開始するまでの据置期間を1年~5年で設定することもできます。
返戻率は106.3%ほどです。
住友生命 たのしみワンダフル
特徴としては、公的年金にプラスして将来受け取る年金を自分で準備でき、保険料払込期間満了後から年金受け取り開始まで据置期間を設けることで年金額を増やすことができます。
また、保険料が一定額を超えると「たのしみランク」という保険料割引制度の適用により受け取率がアップします。
付加できる特約としては「指定代理請求特約」という受取人に変わって給付金や保険金等を請求することができる特約を付けることができます。
返戻率は108.1%ほどです。
注意点としては、保険料払い込み期間中に解約してしまうと、解約返戻金額は多くの場合払い込み保険料累計額を下回ります。
また高度障害状態や障害状態による保険金のお支払いや保険料払込免除の取り扱いはできません。
マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)
マニュライフ生命こだわり個人年金は、将来のゆとりある生活のために資産を築きたい方や外貨を活用して資産を築きたい方におすすめです。
こだわり個人年金外貨建てをおすすめするポイントとしては、まず、積立金は運用成果が期待できる外貨で運用でき、支払いは一定額の円であること。
金利の変動に対応して積立利率も毎月緩やかに変動し、安心の最低保証・年1.50%が用意されていること。
契約後も柔軟に対応しており、相場や家計の状況に合わせて契約内容を変更できる点などが挙げられます。
契約通貨としては米ドルと豪ドルのどちらか一つを選択することが可能です。
現在の加入状況では米ドルが52%、豪ドルが48%とあまり大差はありません。
年金の受け取り開始までに、20年以上の保険料払込期間を設定される方が多い傾向です。
この保険は外貨で運用するため為替相場の変動による影響を大きく受けます。
したがって支払い時点の為替相場で円換算した年金の支払総額や死亡給付金額などが、払込頂いた保険料円払込額の総額を下回ることがあり、損失が生じる恐れがあります。
為替相場の変動に伴うリスクは契約者または受取人が負います。
日本生命 ニッセイみらいのカタチ年金保険
日本生命 ニッセイみらいのカタチ年金保険の特徴としては、老後の生活資金や教育、結婚、住宅購入などに必要な資金を補うことができる安定した年金を受け取ることができます。
また、一般生命保険料控除とは別枠で「個人年金保険料控除」を受け取ることもできます。
付加できる特約としては、「保険料払込念所特約」という所定の3大疾病等になった場合に保険料の払い込みが免除される特約を付けることができます。
返戻率は105.1%です。
JA共済 ライフロード
JA共済ライフロードは年金額の増加が期待でき、積立感覚で老後の生活資金が手軽の準備できます。
また、個人年金保険料控除を受けることが可能で、契約の際は医師による診査はなく簡単な告知で申込できます。
所定の条件を満たし、税制適格特約を付加している場合は、一般生命保険料控除とは別枠で個人年金保険料控除の対象となり共済掛け金のうち一定額について所得控除を受けることができます。
このプランに加入いただける年齢は18歳~50歳です。
万が一お亡くなりになられた場合の死亡給付金は、「年金支払い開始日ぼ前日までにお亡くなりになられた」場合、死亡給付金として死亡日の属する共済月度の月央における共済掛け金積立金に相当する額、またはお支払い頂いた共済掛け金のうちいずれか大きい額が受け取れます。
なお、災害でお亡くなりになられた場合には大きい額の1.1倍の金額をお受け取りいただけます。
「年金支払い開始日以後」に亡くなられた場合は、定額年金の場合年金支払い開始日の前日における共済掛け金積立金に相当する額からすでにお受け取りになられた年金の合計額を差し引いた残額を死亡給付金としてお受け取りいただけます。
返戻率は109.6%ほどです。
ソニー生命 個人年金保険
ソニー生命個人年金保険では一人ひとりのお客様と面談を行い、オーダーメイドの保障プランを提案しています。
ソニー生命の個人年金保険には、老後の必要資金を計画的に準備できる年金保険で運用実績によっては配当金を支払う「利差配当付個人年金保険」と、特別勘定の資産の運用実績に基づき年金額が変動する「変額個人年金保険」があります。
注意点としては、返戻率は118.6%ほどです。
個人年金保険で所得控除を受けるための条件
個人年金保険料税制適格特約が付いている
個人年金保険料税制適格特約とは、一般の生命保険料控除とは別枠で控除を受けるために付ける特約のことです。
仮に、死亡保険や学資保険、医療保険、がん保険、介護保険などに入られている場合は、これらの保険とは別枠でさらに控除を受けられると考えてください。
個人年金保険料税制適格特約を受けるための条件は、受取人に関しては「年金の受取人が契約者か配偶者であること」「年金の受取人が被保険者と同一であること」また、保険料の払い込み期間が10年以上であることなどが挙げられます。
ただし、特約を付加することで制限されることがあります。
まず年金受取人や契約内容の変更はできないこと、個人年金保険料税制適格特約のみを解約することができないこと、契約者配当金を年金支払開始日前に引き出すことができないことや、契約者配当金は所定の利率で積み立てられ、年金支払開始日に基本年金額の増額に充てられることや年金保険の減額をし、支払うべき解約払戻金があるときには、解約時の未払込保険料を控除したうえで、所定の利息をつけて積み立てることなどが挙げられます。
年金受取人が契約者か配偶者である
個人年金保険で所得控除を受けるための条件には、年金受取人が契約者または配偶者のどちらかであること、年金受取人=被保険者であることが挙げられます。
この点を見逃すことが多いので注意しましょう。
保険料の払い込み期間が10年以上ある
個人年金保険で所得控除を受けるための条件には、、保険料の払い込み期間が10年以上あることが挙げられます。
ただし、一時払いは対象外ですのでその点を頭に入れておきましょう。
年金受取人が被保険者と同一人
個人年金保険で所得控除を受けるための条件には、年金受取人が被保険者と同一人物であることが挙げられます。
これは絶対条件ですのでしっかり理解し、注意しておきましょう。
年金開始年齢が60歳以降で払込期間が10年以上
個人年金保険で所得控除を受けるための条件として、確定年金や有期年金の場合には、年金受け取り開始日の被保険者が60才以上で、年金受け取り期間が10年以上であることが挙げられます。
個人年金加入後に知っておきたい知識
保険料の払い込みが厳しくなった時は払済保険にする
保険料の払い込みが厳しくなってしまった場合には払い済み保険にしましょう。
払い済み保険とは、以後の保険料を払うことなく今まで支払った保険料、準備金で一定の保障額の保険に変更することです。
個人年金保険は中途解約をすると元本割れなどをし、損をしてしまう可能性があります。
そのような損をしないために払い済み保険にするのが賢明でしょう。
払い済み保険を利用すれば保険料を途中までしか支払っていない状態であっても、保障額が減額されてしまう代わりにそれ以降の保険料の支払いをする必要がなくなります。
払い込み保険を利用すれば現在加入している保険を解約することにはならないので、現在契約している保険の保障は継続されます。
つまり保障はある程度残り、保険料の支払いには頭を悩ませなくていいという状況を作り出すことができるのです。
しかしデメリットもあります。
払い済み保険にしてしまうと保険料を払い続けるよりも保障額は小さくなり、元本割れをする可能性があります。
また、契約は主契約のみになり特約や配当金なども一部例外を残して消滅してしまいます。
さらに一度払い済みにしてしまうと元に戻すことはできません。
個人年金は確定申告する必要がある
年金は公的年金、私的年金に関わらず雑所得となりますので、一定額を超える場合には確定申告をする必要があります。
一定額というのは給与収入がある方で年間20万円、無職の方で年間38万円です。
この金額を超える場合には確定申告の必要があるのです。
ただし、所得というのは受け取った年金の額ではなく、必要経費を差し引いた額のことなので今までに支払った保険料を差し引く計算になります。
個人年金の収入金額、必要経費の計算式は、「受取年金額 - 必要経費」「払込保険料 × (受取年金額 ÷ 総受取年金額)」となります。
例えば、10年確定年金で払込保険料300万円、年金総額360万円で年金額36万円の場合、ある年の必要経費は300万×(36万円÷360万円)=30万円となります。
そのため、その年の個人年金の収入金額は36万円-30万円=6万円となります。
払い込んだ保険料に対して上回った年金額が収入になるので予定利率や戻り率が低い個人年金の場合は年収が少なくなるため、確定申告が不要な場合が多くなります。
仮に戻り率120%の個人年金であった場合、給与所得者でない人は年金額が約240万円程度無いと確定申告は必要ないことになります。
納付する税金は総合課税に入るので他の所得に金額によって異なりますが、個人年金しか収入がない場合の目安になります。
実際に確定申告が必要かどうかは保険会社や税務署に確認するのが安心です。
契約者と受取人が異なる場合贈与税の対象となる
契約者と受取人が異なるとき、受取金は1年目は贈与税の、2年目以降は所得税と住民税うの課税対象となります。
2年目以降の所得税の計算は課税部分が階段状に増加していく方法によって計算します。
1年目と2年目以降で課税される税金が異なるのは、1年目に「年金受給権」が贈与されたものとみなされるためです。
1年目の贈与税の額は年金受給権の「権利評価額」を基に計算します。
権利評価額とは、その個人年金保険はどのくらいの価値がある保険なのかを示した額で、保険会社に問い合わせれば確認できますよ。
贈与税額は「贈与税額=(権利評価額-基礎控除110万円)×税率-控除額」の式で出すことができます。
たとえば権利評価額が500万円だったとすると、税率は15%、控除額は10万円となり、よって(500万円-110万円)×15%-10万円=48万5,000円となります。
契約者と受取人が違うだけでこれだけの贈与税が発生します。
さらに2年目以降は所得税がかかってくるので税金はとても高くなります。
なお、贈与税は原則、贈与された財産の金額が年間110万円の基礎控除額を超えない限りは、確定申告不要となっています。
したがって権利評価額が110万円を超えたときのみ確定申告が必要となります。
個人年金はクーリングオフの対象となる
申し込み日から8日以内であれば申込者の意志で契約を撤回することができるのがクーリングオフ制度です。
クーリングオフはものだけでなくサービスの申し込み契約にも適用されるので、個人年金の申し込みもクーリングオフを適用することができます。
しかしすべてのケースでクーリングオフが適用されるわけではありません。
個人年金保険のクーリングオフは、契約期間1年を超える保険契約であればすべての個人年金保険がクーリングオフの対象になります。
個人年金保険は契約期間が長いものがほとんどのため、まずクーリングオフをすることができるでしょう。
申込日または法定契約書面を交付した日のいずれか遅い方の日から、8日以内にクーリングオフする通知を発進すればクーリングオフをすることができるとされています。
まれに通知が到着したのが8日を過ぎていたと主張する会社もありますが、制度上は8日間以内に通知を発信すればよく、到着日は特に関係がないので安心してください。
契約者の変更は年金支払日前なら可能
個人年金保険は名義がさまざまあります。
契約者や被保険者、年金受取人といったものです。
通常名義の変更はできませんが契約者だけは別なのです。
保険料を支払う契約者だけは名義の変更が可能になっています。
契約者は実際の保険所有者といってもいいほど重要な立場でもあります。
個人年金保険の名義変更は契約者にしかできません。
具体的にいえば、年金を受け取る前であれば自由に変更できるということです。
個人年金保険の契約者を変更することを考えている場合は早めに変更するようにしましょう。
個人年金を活用して老後資金の対策にしよう
個人年金保険と一言で言っても、中を詳しく見てみるとその種類はさまざまで、それぞれにメリットとデメリットがあります。
特約を付加するかでもその内容は大きく変わってきます。
公的年金だけでは将来に不安を覚える方はたくさんいます。
いまの日本の現状を見ると不安になるのも仕方がないですよね。
公的年金に頼れない時代が来るかもしれないともいわれています。
そんなときに役に立つのが個人年金です。
個人年金は将来や老後のための貯蓄をするのには最適な保険といえるでしょう。
個人年金保険を販売している保険会社は多く存在し、その特色は会社によって大きく違います。
会社によってメリットとデメリットも大きく違うため、「これでいいか」というあいまいな判断をするのではなく、しっかりとした知識を頭に入れて保険選びをしましょう。
個人年金は頼りにもなりますが、扱い方を間違えると一気に資産が減ってしまったり、余計な税金がかかってくるという場合もあります。
自分が何を求め、どういった将来プランを練っているのか、どういった運用方法で貯蓄をしていきたいのかをじっくりと考え、選んでいきましょう。
メリットとデメリットをきちんと理解し、余分なものは削っていくことが大切です。
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