40代女性の転職。未経験の仕事に就くためにはコツが必要です

March, 05, 2018

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40代女性の転職状況

女性の就職率は過去最高レベル

男性の給与水準の低下や慢性的な働き手の不足という日本の現状も手伝い、専業主婦の数は減り、仕事を持つ女性の数は増える一方です。

そのなかでも、女性の40代という年齢は、子どもの手を離れて自分の時間が増えるタイミングです。
最近まで専業主婦だった40代主婦が再就職をするのは珍しいことではなくなりました。

また、これまで子育てのためにパート社員だった人が、子育て終了をきっかけに正社員の職に就きたいと考えるケースも増えています。

このように、40代女性には「再就職したい人」「転職したい人」と考える人がいることがわかります。

40代でも転職に成功した人は少なくない

40代女性が転職をするとき最も気になるのは「年齢制限」ではないでしょうか。

求人情報のなかには「35歳まで」や「人材育成のために若年者のみ採用」などの文言が掲載されているものがあり、40代女性にとっては辛いひと言となります。

しかし、40歳からでも転職に成功した人は決して少なくありません。
専業主婦だった人が急に仕事に就いた、という人が少なからず存在しているはずです。

かつての古巣に戻ったという人や、資格を活かして再就職した人もいるでしょう。
しかしそれは「少数派」です。
多くの人は、「未経験」の職業に就いているのです。

未経験者におすすめの職種を選んだケース

介護職にチャレンジ

少子高齢化の日本、「子育て」と「介護」の2つの問題が大きくのしかかっています。

働く女性を増やしたいという国の狙いはあるものの、女性が働きにでることによって「子ども」と「高齢者」のケアをする人員がいない、という相反した現状が問われているのです。

高齢者のケアをする「介護業界」では慢性的に人材が不足しています。
そのため、年老いた親の世話を頼みたくても頼める場所がない、それによって仕事に就くことができないというスパイラルに陥っています。

介護職の就業傾向ですが、たしかに経験者は優遇されます。
しかし「未経験者不可」という募集を出している施設はほぼありません。
日々の業務で着実に介護技術を向上させ、着実に「介護のプロ」に育っていくことのほうが望まれているのです。

介護職は40代以上の人の持つ「強み」を活かしやすい職種でもあります。
例えば、食事や清掃などといった身の回りの援助をする「訪問ヘルパー」などは、長年主婦として家族のケアを続けてきた人でこそ、できる仕事といえるのではないでしょうか。

保育士にチャレンジ

介護士とともに「保育士」も、つねに人不足に悩んでいる職種です。
有資格者のみ勤務できる「保育士」ですが、資格を持っていても保育士として働かない「潜在的有資格者」が多いといわれています。

これは、保育士の仕事の量に対する給与水準が低いことが第一の原因と考えられています。
特に、独身で1人暮らしの場合は貯蓄まで手が回らず、将来を見据えて別業界に転職する保育士もいるのです。

このようなことから、介護職と同じくらい保育士の数も足りていないのが現状です。
最近では20代から30代の若手保育士より、子育てが一段落した40代以上の保育士の割合が増えています。

40代女性は子育て経験者も多いことから、若い保育士とは違った役割を担うことができます。
子育てに悩む若きママたちへの助言などは、40代以上のベテラン主婦だからこそできる仕事だといえるでしょう。

就職率も、介護職と同じで「未経験者不可」という応募はほとんどありません。
働くママが増えれば増えるほど、保育士の数も増やしていかねば日本の社会は成り立っていかないのです。

医療事務にチャレンジ

病院やクリニックなどで働く事務員の人たちを総称して「医療事務員」といいます。
医療事務員は受付で保険証の確認をしたり、診療費の計算、診療費の支払いなどさまざまな場所で働いています。

医療事務の仕事に就くためには、必ずしも資格を持っている必要はありません。
電子カルテや会計ソフトが普及し、少しのコツさえ覚えればある程度の範囲までは無資格でも仕事に就くことができます。

「未経験者可」と表した求人も多く、未経験者やブランクのある人でも比較的復帰しやすい職種です。
また、女性が多い職場ですので子育てや介護が両立しやすいというメリットもあります。

残業ができないなら、診療報酬明細書(レセプト)に関係しない受付業務に従事したり、長い目で将来を見据え「算定のプロ」を目指すなら会計科に従事するなど、働き方を選ぶこともできます。

介護や保育士にも当てはまることですが、病院や診療所などは全国各地にある施設ですので、配偶者が転勤する場合でも仕事を続けやすいというメリットもあります。

未経験者におすすめの資格とは?

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、これから介護の仕事に就きたいと考える人に欠かせない資格です。

かつて介護の仕事のスタートは「ホームヘルパー2級」という資格を要することが条件でしたが、制度が変わり、現在は「介護職員初任者研修」が介護職員への第一歩とされています。

ホームヘルパー2級は、授業と実習を修了すれば資格認定を受けることができました。
しかし介護職員初任者研修は全過程が修了したあとに試験があります。
試験の難易度は高くありませんが、日々の学習の理解度によっては難しい問題もあります。

介護職員初任者研修は高齢者社会への理解を深める研修として、百貨店やタクシー業界などさまざまな業種の人も受講しています。
介護職に就く・就かないを決断できない場合でも受講しておくことで多方面に役立つ可能性も秘めています。

保育士

現在保育士として働いている人は、すでに保育士の資格を取得していた人ばかりではありません。
保育士資格の受験に年齢制限はありませんので、40代になって初めて資格取得した人もいます。

保育士養成講座は、ハローワークがおこなう「職業訓練」でも受講することができます。
学費も教科書代の負担だけ、というところもあり、失業中の人はこの「職業訓練」にも注目してみましょう。

保育士資格は国家資格のため「試験」が待ち受けています。
保育士試験の難易度は高く「難関」といわれています。
筆記試験は9科目すべて合格する必要があるため、しっかりと腰を据えて勉強に取り組む必要があります。

保育士経験がない人が初めて保育士という職業に従事するには、保育試験に合格することが最短の近道です。
保育士を目指すなら、資格取得を第一目標にして取り組みましょう。

医療事務

医療事務職に就きたいけど未経験、という人は「医療事務」の資格取得にチャレンジしましょう。
学習は、通信講座や通学講座など自分に合った方法とペースで進めることができます。

医学的な知識を要しないため、学歴などを問わず誰でも受験できます。
無資格で医療事務の仕事をしても、医療事務職は医師や看護師のように「免許制」ではないため、業務上とくに問題はありません。

しかし「医療保険の算定」をするための「医療保険算定に関する最低限度の知識」を身につけておかなければ、日常の仕事を覚えながら煩雑な算定の勉強を進めることになり、家事を両立する立場の女性は毎日クタクタになってしまいます。

「初心者歓迎」「資格問いません」という文言で求人が多い医療事務職ですが、無資格・未経験より、実際は資格取得者または実務経験者のほうが優遇されやすい、というのが現状です。

新しく医療事務職を目指す人は、資格の取得からチャレンジしてみましょう。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、ひと言でいえば「相談者の資金状況を分析し、お金の使い方・貯め方・運用の仕方に関する助言を与える人」となります。

ファイナンシャルプランナーの資格は種類が多く、最も確実なのは国家資格である「ファイナンシャル・プラニング技能検定」です。

1級から3級までの段階があり、通信教育で学習が進められることから、40代女性にも着手しやすく、合格率は2級の場合は30から40%、難易度は「中程度」といわれています。

しかし、介護や保育などの資格と比較して、「ファイナンシャルプランナーの資格だけ」では転職成功に直結するとは言い難いです。

ファイナンシャルプランナーという資格は、これまで培った知識の深さを証明する付加価値として考えておくほうが現実的だといえるでしょう。

40代女性が転職を成功させるポイント

自己分析や適職診断をおこなう

転職を成功させるためには「自己PR」が必要です。
これは40代女性だけに限らず、正しい「自己PR」をするためには「自己分析」が欠かせません。

ただやみくもに自分の強みをPRしても、内容が求人側のニーズに沿っていなかったり、ポイントがズレていたりすると、せっかくの自己PRも裏目に出てしまいます。
新卒者がエントリーシートの時点で落とされるのは、自己分析がなされていないことが原因です。

40代の転職で、エントリーシートを提出することはほぼありません。
しかし、面接では自分は「どんな」考えを持っていて、「どんなところ」がこの企業に合っていると考えたのか、また、自分の経験が「どんな風」にこの企業に役立つのか(役立っていきたいのか)を具体的に述べたいものです。

この「3つのどんな」を述べるためにおこなうものが「自己分析」なのです。
自己分析なくして40代の転職は成功しないと考えておきましょう。

自分の適職がわからないときは?

自分にあった職業がわからない人は「適職診断テスト」をおこなうサイトを利用してみましょう。
新しい自分の可能性を見つけることができます。

また、家族や友人に「自分に合った職業」を提案してもらうのもおすすめです。

「料理がじょうずだから、調理師」といったざっくりとした得意分野や「言葉使いが柔らかいから、受付」とか「人に嫌われにくい性格だから、女性の多い職場でもOK」などといった「第3者の目からみたあなたの姿」が、適職を探す足がかりとなります。

反対のパターンで「自分に向かない職業はなにか」も訊ねてみましょう。
「気が短いから、介護職には向かないかも」「家計簿も続けられないのに、事務ができるとは思えない」「話しかけにくい雰囲気があるから、接客向きではない」など、自分が人に与えている印象や短所(合わない仕事)を知ることができます。

多くの企業情報や職種情報を収集する

就職活動をするとき、もう1つ欠かせないのは「企業研究」や「業界研究」です。
特に初めてチャレンジする業界の場合は、できるだけ多くの企業情報や職種情報を収集・比較してみましょう。

就きたい職種が決まっているなら、企業同士で比較することでより条件のよい職場に出会える可能性が高まります。
交通の利便性・福利厚生の充実度・OJTの有無などは、同じ職種・同じ給与であっても「働きやすさ」は全く異なります。

また、その業界で実際に働いている人の声を参考にするのもおすすめです。
自分と同じ立場・年齢の人の声に注目し、その人がどれくらいの期間その職場で働いているのかなどの情報は大いに参考にしましょう。

実際に自分が働いたときに「こんな仕事(企業)だとは思わなかった」という失敗が少なくなります。

長期戦を覚悟し「成功する」という強い気持ちを持つ

20代・30代の人と比較すると、40代の就職は「狭き門」です。
さらに同じ「40代」であっても、40代前半と40代後半では就職率は同じではありません。

企業としてはできるだけ長く働いてもらいたいことから、年齢の低い人を優先して採用する傾向があります。
40代の就職・転職は長期化することを覚悟し、地道に自分にあった職場を探しましょう。

しかし、人生経験豊かな年齢が高い人だからこそできる仕事も存在します。
一度や二度面接に落ちたからといって諦めたり「もう年だから」と諦めてしまうことは非常にもったいないのです。

「必ずよい企業に就職できる」「転職に必ず成功する」という強い気持ちを持つことが大切です。

40代女性におすすめの転職エージェント

転職活動を始めるタイミングは、早いに越したことはありません。
在職中でも活動を始めておき、次の就職先が決まってから退職するほうが、金銭的・精神的にも負担が少なくなります。
働きながら次の就職先を探す場合は、転職エージェントサービスに職歴や保有資格などのデータを登録し、エージェントによってマッチングされた職場や仕事を紹介してもらいましょう。

エージェントという味方をつけておくことは、孤独に仕事を探すよりも心強いです。
久しぶりの面接に対する不安、足りないスキルなどをコンサルタントに相談することができます。

エージェント選びをするときは、エージェントの特徴をよく確認することが大切です。
エージェントの展開するサービスとこちらの希望する職種がマッチしなければ、いつまでたっても仕事は紹介されません。

40代女性が転職エージェントサービスを利用する場合は、「リクナビNEXT」や「女の転職@type」などの「40代女性の転職に強いエージェント」を利用しましょう。

40代でも仕事は「ゼロ」ではありません

20年ほど昔の日本は、ベテラン女性は「お局様」扱いをされていました。
これは「結婚適齢期になれば仕事を辞めて、家庭に入ることが当たり前」だった時代のことです。
しかし景気が後退し、慢性的な人不足の今、専業主婦から兼業主婦へと女性の生き方も大きく変化し「お局様」という言葉は時代遅れのものとなりました。

40代だからもう仕事がない、社会的なブランクがあるから、と仕事を諦める必要はありません。
転職を成功させるのは、社会人経験や実務経験だけではなく、あなたの「人生経験」なのです。

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