もし自分が家族が要介護に直面したら。将来に向けて考えたいこと
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要介護2のサービスはどういうものがあるだろうか
介護保険を利用したい場合、要介護者がどんな状態でどの程度の介護が必要かどうか、市区町村の認定を受けなければなりません。
申請後、認定調査や主治医の意見をもとに必要の度合いの判定が行われます。
判定は「自立出来る状態」と「2段階の要支援」及び「5段階の要介護」に区分されます。
認定期間は1年なので、毎年申請をして状態の確認が入った上で認定を受けていく必要があります。
もし自分自身や家族が要介護2に認定された場合、どのようなサービスを受けていくことができるのでしょうか。
公的機関の介護サービスから民間のサービスに至るまで、要介護者の状態や環境などによって選択ができる様々なサービスがあります。
将来の仮定的な話と思わずに、早めに準備をしていけるものもあるので少しずつ考えていきましょう。
「要介護2」の身体状況の目安は
身体状況によって要介護度が違ってきます。
身体的機能・生活機能・認知機能・精神的、行動的な障害があるか・社会生活の適応度合など、あらゆる視点で調査をすることで認定されます。
認定された区分ごとに、公的機関の介護サービスの内容も変わってきます。
具体的に要介護2という状態を例にあげて状態を確認していきます。
生活能力や理解力の違い 要介護1と比べると
要介護1では、思考能力や感情的な面での障害が部分的に認められ、理解力においても欠けている部分ある場合に認定されます。
要介護2は要介護1より症状が進むので、記憶力に曖昧な部分が多く生じてきて、物忘れも進んできます。
また他人との会話がスムーズに行えなくなってきます。
人への認識も、顔と名前の一致が難しくなっていき、混乱してくるとわからなくなる場合があります。
歩行や動作における支えの必要度合い
日常生活において軽度な介護や補助が必要で、自身の身だしなみや掃除など全般において、見守りや手助けが必要になってきます。
要介護1では、介護者が何らかの形での介助の必要があっても、自身で出来る部分もありました。
要介護2になると、全般において介助が必要になるような症状が進行していきます。
1人での歩行が難しくなり、介護者が片手もしくは両手にて支えて転倒やつまづきをしないよう、注意が必要になってきます。
移動の動作に支えが必要
一人で立ち上がるような動作が難しくなります。
例えば、要介護者が座っている状態から立ち上がる場合、介護者が両脇を支えながら立ち上がらせる必要が出てきます。
また片足で立ちながら状態を保持するような複雑な動作が出来なくなりますし、両足での立位保持も何らかの補助を必要です。
転倒などで怪我をしないために、身体がふらつくような不安定な動作はとても気を付けなければなりません。
食事や排せつの介助
要介護1では、食事をすることは要介護者がほぼ一人で出来る行為です。
しかし要介護2になると見守ったり手助けが必要になってくる場合があります。
口から食物を取って咀嚼したり飲み込む行為は、人間にとってとても大事なことです。
スプーンなどで少しでも一人で食べることが出来れば見守り、また食べやすい量を口に運べるように手を貸すことが必要です。
排せつについては、食事と同様に、要介護1ではほぼ一人で出来ますが、要介護2になると、要介護者が介助者に排せつの意思を伝えることが出来れば良いのですが、時には無意識な状態になってしまうこともあるでしょうから、定期的に様子を見なければなりません。
一日に何度も、また夜中も起きて手助けすることになるので、介助者からすれば大変なこととなるでしょう。
介護保険の居宅サービスを利用しよう
自宅で介護をしていくときに、いくつかの介護居宅サービスを利用することが出来ます。
家族だけで介護をしていくには、出来ることに限度もあるでしょうし、体力的・精神的に追い込まれてしまう場合もあります。
地域において専門のスタッフがいますので、利用できるものは是非、利用していきましょう。
生活支援目的の訪問介護サービス
訪問介護は、ケアワーカーやホームヘルパーが直接自宅を訪問して、身体介護や生活支援を行います。
要介護者が自宅にいても日常生活が送れるようにするためのサービスです。
食事や入浴・排せつなどの身体介護から、掃除・選択・調理など家事の生活援助をしてくれます。
また病院へ通院する際に移動サポートなどもサービスの一つです。
要介護者や家族が、他人が自宅に入ることを嫌がり利用を躊躇するケースもありますが、比較的に安価な費用で効率的に介護者の負担を減らせます。
また要介護者には家族以外の話し相手と接する機会でもあり、殻に閉じこもりがちの状態にならずにすみます。
療養生活を支援する訪問看護サービス
看護師が自宅を訪問して、身体の機能の維持や向上するための診療補助などを行います。
要介護者の症状や状態よって、サービスの内容が変わりますが、主治医からの支持を基に、体温・脈拍・血圧を測定や床ずれを防止する処置、カテーテルを使用している場合は管理など、療養上においての診療補助やケアが対象です。
費用も自治体による違いもありますが、1時間1,000円未満程度でサービスを受けることが可能です。
移動入浴車で訪問入浴介護サービス
健常時は普通に入浴が出来ても、介護が必要になってくると、浴槽の高さや洗い場の広さなど、自宅の浴槽は多くの不具合や危険な状態になってしまいます。
要介護者の身体を清潔に保つことと、生活機能を維持や向上を図るために、自宅で入浴介護を行うサービスです。
移動入浴車で自宅に向かい、専門の介護スタッフが入浴のお手伝いをします。
自宅でリハビリをする訪問リハビリテーション
理学療法士、医学療法士、言語聴覚士が自宅を訪問して行うリハビリテーションです。
食事や着替え、排せつ、歩行の訓練や筋力を強化するためのトレーニング、関節が硬くなって動かなくなることを防止するための運動、介護者によって出来る介助方法などを教えてくれます。
専門のスタッフの方によるマッサージや、可動域を広くするためのトレーニングは、要介護者の狭い行動範囲からくる筋力の衰えや変形していく骨格を調整するために、必ず受けるべきサービスと言えます。
自宅を訪問する居宅療養管理指導
在宅介護をしていく上で、要介護者が様々な疾病を起こすこともあります。
通院が困難な場合、治療を必要とする要介護者に対して、医師が赴き状態に応じた指導をしていく中で、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが家庭を訪問・療養していう上で管理指導を行っていくサービスです。
また、ケアマネジャーに対しても、要介護者のケアプラン作成に必要な情報提供もしています。
朝から夕方までの一日を施設で過ごすデイサービス
デイサービスは通所介護とも言います。
福祉施設に日帰りで通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練等を受けることで、要介護者が機能維持や社会的に孤立感を感じないことで、介護者の負担の軽減を目的としたものです。
「毎日の介護で自分の時間もほしい」…といった在宅介護の悩みを支えるサービスの一つがこのサービスです。
デイサービスは昼間の利用が中心で、福祉車両で朝9時頃迎えが来て、昼過ぎもしくは夕方自宅に戻ってくるという形が一般的です。
日帰りでリハビリをするデイケア
老人保健施設・病院・診療所などの施設において、日帰りでリハビリテーションを提供するサービスを「デイケア(通所リハビリテーション)」と言います。
「運動器機能の向上」「栄養改善」「口腔機能の向上」など自宅において少しでも自立した生活を送ることを目的としてを行います。
充実したリハビリ機器を使うことができ、また専門のスタッフによりリハビリテーションを受けられます。
送迎や食事・入浴などのサービスも受けることが出来ますし、医療スタッフの対応もあるので、病状によっては適切な対応も受けれます。
要介護者が施設で過ごしている日中、介護者にとっても介護以外のことが出来るわけです。
ただし、デイサービスを利用するより負担費用が大きくなったり、個別対応が難しい場合もあります。
特養等で日常生活の支援をする短期入所生活介護
短期間(数日~連続最大30日まで)の間、特別養護老人ホームなどの施設に入所し、食事・入浴・日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを受けることを短期入所生活介護(ショートステイ)と言います。
ある一定期間、介助者が介護から解放されることで、介護負担の軽減を図ることができ、また自分の時間を持つことで精神的な解放を得ることができます。
また要介護者の家族の冠婚葬祭・病気などで、一時的に在宅介護が困難な時にも役に立ちます。
病院等の短期入所療養介護
医師や看護師、理学療法士等が医学的に管理している施設へ短期間入所して、介護や機能訓練を受けることが出来るサービスが短期入所療養介護です。
期間の制限は、連続しての利用は30日までで、31日目以降は全額自己負担となります。
サービスの利用においては、医師や看護師が常駐していることから、短期入所生活介護(ショートステイ)と比べると、1泊当たりの金額は数百円ほど高くなります。
介護者側のやむを得ない理由から自宅での介護が一時的に困難な場合もあります。
そのような場合でも医療施設においての入所なので、安心して施設へ預けることが出来て、介護者の負担軽減においてもサービスの目的です。
介護保険の施設サービス
介護度が高く、在宅において介護するのが難しい状況であれば、様々な形態の介護保険の施設におけるサービスがあります。
民間で運営している老人施設もありますが、利用料金がかなりの高額になりますが、次に紹介する施設は、社会福祉法人や地方公共団体など公的機関で利用しやすい金額設定です。
在宅復帰を目的とする介護老人保健施設
介護老人保健施設(通称「ろうけん」)は、病状が安定していて入院治療の必要はないが、理学療法士や作業療法士によるリハビリを必要とする要介護1~5に認定されている方(65歳以上)が入居できる施設です。
一人一人の状態に応じた対応をするため、医師や看護師による医学的立場からのケアもあります。
在宅復帰を目指すためにリハビリを中心としているので、一定期間で退所することが前提です。
介護予防などの啓発活動を通じて、地域の在宅ケアを支援する拠点となり、利用する側への質の高い介護サービスを提供できる施設を目指しています。
長期の介護医療ケアを行う介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、医療ケアの充実が大きい特徴があり、介護度が高い要介護者に向けての施設です。
医療体制は、入居者100人に対して医師は常勤3名、常勤の看護師及び介護にあたる職員は17名以上の配置が義務付けられています。
入居の条件は原則65歳以上で、要介護1以上の介護認定を受けていなければなりません。
入居期間も原則3ヵ月、状態によって1年とされています。
厚生労働省は2020年までに介護療養型医療施設の廃止する方針です。
2012年以降の新設が認可されていないため、施設数は減少、一人一人の入所期間が長いことからベットの空きが出ない、など現在は大変入所困難な施設となりました。
要介護3から入れる特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3に認定された方で、寝たきりや介護度の高く、自立した生活が困難である要介護者が長期に入所できる介護施設です。
特養の大きなメリットは、施設で受けるサービスの利用料金が低料金であるのと、入居時に高額な一時金が無いということです。
また、利用料金のうち、半額近くが医療費控除の対象となり、所得税額に大きく影響します。
介護職員は入居者3人に対して1人と充実していて24時間体制の介護が受けられます。
ただし、医師の配置の義務付けが無かったり、夜間の看護師の常駐が義務付けられていないため、医療ケアの観点からすると医療処置の対応が充分でないというデメリットな部分もあります。
2015年の制度改正によって、入居の基準が要介護3以上と厳格化されたので、これまで入居出来ていた方でも入居が出来なくなってしまったのが現状です。
介護保険の地域密着型サービス
長く住み慣れた地域において介護サービスが受けれるような支援を「地域密着型サービス」です。
このサービスにはいくつかのタイプがあり、要介護者の状態に応じたサービスを組み合わせて利用を考えていくことが可能です。
市区町村の担当やケアマネージャーなどに相談しながら選んでいくことをおすすめします。
通所で機能訓練をする認知症対応型通所介護
認知症対応型通所介護は、医師によって認知症と診断された方が、施設において入浴・食事・排せつなどの介護のサービスを受け、また日常生活に必要な作業療法などの機能訓練を受けることができます。
このサービスは通常の通所介護(デイサービス)と違い、「地域密着型サービス」に分類され、高齢者だけの世帯が増加していくことを踏まえて、住み慣れた地域においてサービスを受けて生活できるための支援をする目的で、2006年の介護保険法改正の際に導入されました。
一般的にグループホームと呼ばれていて、要介護・要支援どちらの方でも利用ができます。
認知症の対応なので、通所介護よりも利用料金が高いですが、充分な配置人員で専門的なケアを手厚く受けることができることを考えると、満足のいくサービスと考えられます。
定期巡回する夜間対応型訪問介護
地域密着型のサービスで、認知症対応型通所介護と同様に2006年の介護保険法改正で導入されました。
可能な限り、24時間安心して自宅で日常生活を送るために、夜間の時間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者宅を訪問します。
定期巡回と随時巡回があり、24時間365日必要なタイミングでサービスの提供を受けることができます。
ホームヘルパーだけではなく看護師とも連携しているので、地域において、介護と看護のサービスが一体的に受けれます。
小規模多機能型の居宅介護
小規模多機能型の居宅介護とは、施設へ通うことや自宅への訪問、また短期間による施設への宿泊を組み合わせることで、生活上を支援したり要介護者の機能訓練を受けるための在宅介護サービスの一つです。
このサービスの「通い」「訪問」「宿泊」は、通所介護や訪問介護、短期入所生活介護に当たりますが、比較すると違う性質のものです。
一般的なデイサービスは施設が決めた時間割に参加していくものですが、「通い」は利用者自身で過ごし方を決めることができます。
事業所のスタッフが送迎も担当もしてくれます。
「訪問」は、利用者の必要な時に必要な支援だけを受けれるもので、緊急時に昼夜を問わずに駆けつけてもらえます。
また「通い」をするために身支度を整えるために必要な場合もこのサービスが利用できます。
「通い」「訪問」「宿泊」がひとつの施設において、信頼関係が得られているスタッフの下でサービスを受けれるので、本人も介護者である家族に安心してもらえるよう、寄り添える介護サービスです。
グループホームの認知症対応型共同生活介護
認知症対応型共同生活介護は、グループホームと呼ばれる地域密着型サービスで、共同生活によって入浴・食事・排せつの介助、また機能訓練も行います。
認知症によっては、集団で向かないタイプの方もいますが、集団で安心できる人が多いアルツハイマー型の方には適した施設でしょう。
要支援2以上ので認知症以上の診断書を受ける必要があります。
地域密着型なので、その地域に住民票があることが必要ですし、共同生活が困難な場合や、医師が常住していないので、医療的な治療が必要な持病がある場合は入所ができな場合があります。
全てにおいて介護するのではなく、出来ることは自分自身で行うための訓練をしていきます。
家庭において対処できない問題行動を減らす期待でき、少人数を対象にしているために目が行き届きやすく、緊急時の対応も迅速に行えます。
しかし、入所希望者に対して施設数が多くないので入所までに時間が掛かることと、入居費用が高額になることもあります。
特養での地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
地域と家族との結びつきを重視することを考え、定員29人以下の特別養護老人ホーム(特養)に入所している利用者が、自立した日常生活を可能な限り出来るよう、日常生活での支援や機能訓練、療養上のケアを提供するサービスのことを地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護といいます。
入居の介護度は要介護3以上なので、居宅介護が難しい
有料老人ホームでの地域密着型特定施設入居者生活介護
民間企業が主に運営している特定施設入居者生活介護の有料老人ホームでは、食事・入浴・排せつなどの全般的な介護サービス・生活のサービス、機能訓練を受けることができます。
「特養」が65歳以上で要介護3以上の方が対象ですが、有料老人ホームでは、施設によっての違いはありますが、65歳以上で自立できる状態から要介護度の高い方まで、空きがあればいつでも入居が可能です。
有料老人ホームと特養の違いは、特養では入居時の一時金は一切ありませんが、有料老人ホームは一時金が0~数千万円、また月額費用においては、特養が8~13万円程、有料老人ホームは12~30万円と高額です。
有料老人ホームは基本的に個室で、建物も新築や築年数が短いものが多く、サービスも揃っているところも多いようです。
施設によって、金額設定やサービスに大きな違いがあることから、選択する際は、しっかりとした見極めが必要です。
介護保険でその他に利用できるサービスは
居宅で介護をしていく場合、健常時と同様な家の状態では不都合が出てきます。
自宅内を安全に過ごせて、介護がしやすいように手を加えなければなりません。
また福祉用具など、個人で購入するには高額なものが多いです。
市区町村では介護保険によって利用できるサービスがあります。
住宅改修費の支給を利用して自宅をリフォーム
介護認定が受けられた後、要介護者自身で自宅内を動き回ることが出来ても、段差による危険や手摺りを付ければ安全に過ごせるようになるとか、ご家族が自宅で介護をするために、自宅のリフォーム代を自治体が一部を負担してくれる制度があります。
原則1人1回が限度で、対象者は費用の1割(一定以上の所得者は2割)負担は必要ですが、住宅改修費の上限20万円の9割(もしくは8割)を支給をしてくれます。
家の中のバリアフリーやトイレ・お風呂を使いやすくする、玄関から道路までスロープを作るなど、ご家族の介護負担の軽減や、対象者の生活範囲を広げ自力で出来ることを増やしていくために、是非利用したい制度です。
まずは、市町村の担当窓口及び地域のケアマネジャーに相談した上で業者を紹介してもらいます。
改修費が20万円を超えた部分は自己負担になります。
福祉用具のレンタルサービス
車いすや介護用ベット、移動用リフト、徘徊感知機器や自動排泄処理装置など、保険適用の対象となる福祉用具をレンタルすることができます。
主に要介護2以上の認定を受けた方対象のサービスが多いですが、歩行補助の杖や歩行器、スロープなど要支援や要介護1の軽度者に対しても貸与できる用具もあります。
介護に役立つ用具を販売する特定福祉用具販売
福祉用具は基本的にレンタル支給ですが、再利用によって心理的に抵抗感が伴うものや使用していくことで形態や品質が低下していくものは「特定福祉用具」として販売の対象となっています。
対象者は要介護1以上の認定を受けた方です。
対象種目は、腰掛便座・自動排泄処理装置のチューブやタンクなどの交換可能部分・入浴補助用具・簡易浴槽・移動用リフトのつり具部分です。
利用料の目安は、購入金額の1割または2割で、1年度間の購入金額が10万円を限度に支給されます。
詳しくは市町村の窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネジャーにご相談ください。
介護保険を利用できる人の範囲
介護保険は2000年4月から開始された制度で、健康保険と同様に、国民全員が40歳になった月から加入して保険料金を支払い始めることで、介護を必要としている人が適切な介護サービスを受けられるように支えていくものです。
利用を希望する場合は、市町村役場の担当及び地域のケアマネージャーに相談しながら手続きを進めていくことになります。
65歳以上で介護認定を受けた方は
65歳以上の方を第1号被保険者と呼びます。
介護を受けたい場合は、市区町村窓口に申請して、要介護・要支援の認定を受けなければなりません。
認定がされると、その状態になった原因に関わらず、介護保険のサービスを受けることができます。
居宅サービスを利用する場合、1ヵ月あたりの支給限度額が要支援・要介護度別に決められています。
自己負担分は1割で、例えば要介護2の支給限度額は196,160円、自己負担分は19,616円です。
ただし、所得額が多い方は自己負担2割になります。
40~64歳の第2号被保険者の場合
40歳から64歳の医療保険の加入者である者を第2号被保険者といいます。
この第2号被保険者が介護保険を受ける場合は、介護保険法で定められている16種の特定疾病に罹患していて、介護が必要になった場合にのみ認定を受けることができます。
指定されている疾病の例をあげると、ガン末期・筋萎縮性側索硬化症・脊柱管狭窄症・脳血管疾患・関節リウマチ・初老期における認知症などがあります。
公的機関からの支援について
厚生労働省は、様々な状態や環境の要介護者に向けて支援が出来るような施策によって支援をしています。
所得の格差があってもサービスが受けれるような制度や利用者の負担段階を区分けすることで、負担額を決まってくるものがあります。
低所得者に向けての支援
介護保険制度には、低所得者への支援として、介護保険料や利用料を軽減もしくは免除をする制度があります。
通常、サービスを利用した場合の自己負担は1割ですが、利用者の負担が大きくならないよう、第1段階から第4段階まで区分が設定され、利用者の所得に応じた措置がなされています。
ただし、市町村によっては条件や軽減の有無など異なりますので、市区町村の窓口やケアマネージャー・地域包括支援センターなど問い合わせを確認してください。
高額介護サービス費による払い戻し制度
介護保険を利用し、自己負担の1割の合計額が同月内に一定の上限を超えた場合、個々の所得や世帯の所得に応じて上限がことなりますが、厚生労働省の制度に基づき、市区町村へ申請すると高額介護サービス費として払い戻される制度があります。
負担の上限は44,000~15,000円の段階があります。
ただし、この制度は、老人ホームなどの差額ベット代・食費・生活費及び、居宅サービスで福祉用具の購入費・住宅改修費は支給対象にはなりません。
【参照リンク:http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html】
厚生労働省が定める特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
低所得者の方が介護保険施設やショートステイを利用するとき、所得・資産等が一定基準を下回っている方に対し、住居費・食費の負担限度額が超過した場合に介護保険から支給される制度を特定入居者介護サービス費または負担限度額認定制度と言います。
一定の基準とは、所得と預貯金が審査基準で、所得は住民税が非課税であること、預貯金は配偶者がいない方は1,000万円まで、配偶者がいる方は合計2,000万円までです。
ローンがある場合は預貯金から差し引きます。
よって、所得が少なく預貯金も少ない方が対象になるということです。
負担限度額は、所得の段階区分や施設の種類、入居している部屋のタイプによって異なります。
【参照リンク:http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html】
高額医療・高額介護合算制度
厚生労働省の高額医療・高額介護合算制度は、医療保険上の世帯単位で介護保険受給者と医療保険受給者がいる場合、1年間で支払った医療保険と介護保険の自己負担の合算額が、高額な場合に自己負担の超過分が軽減される制度です。
限度額は被保険者の所得や年齢によって設定がされています。
例を上げると、70歳以上の被保険者の場合、負担上限額が一番低い区分の方で19万円、年収370万円未満の方は56万円、年収370万円以上の方は67万円が限度額になります。
70歳未満の場合は、それぞれの収入によって34万円~212万円の負担額の範囲になります。
自身のため、家族へのための介護費用の備え方
65歳になって介護を受けなければならない時に、公的な介護サービスは様々な形のものがあります。
このサービスを受けていても、金銭的に不足してしまうことがあるかもしれません。
その時に役に立つのが民間の保険会社の介護保険です。
自分自身のためにも、また介護していく家族へのためにも、きちんと備えていく方法を考える必要があります。
早いうちから貯蓄をして準備をしておく
介護保険は、65歳から給付対象となりますが、実際に給付が必要になる年齢は80歳前後あたりから増加している傾向にあります。
60歳もしくは65歳で退職をし、15~20年先から介護保険の給付を受け始めると考えてもいいでしょう。
また厚生労働省の調査で、給付を受ける期間は男性で4年、女性6~7年というデータが出ています。
比較的に安い利用料のサービスを望むと、考えることはみな同じなので、競争率が高く、すぐに入れず何か月も待たなければならないこともあるでしょう。
退職時に退職金が入るので、少しでも目減りしないよう、節約しながら計画的に銀行預金をしていきましょう。
漠然と将来のことを考えるのではなく、このくらいは準備をしておく目標を立てて、早いうちから積み立てをしていくこともお考え下さい。
民間の介護保険に入る必要性
自分自身もご家族においても、元気で過ごしている間は、まさか介護が必要になる生活が想像していないでしょう。
たとえ介護が必要になった場合でも、市区町村の公的な介護サービスを利用できるから問題ないと漠然と考えているかもしれません。
しかし、本当に大丈夫でしょうか。
充分な預貯金があったり、家族が自宅において介護をしてくれるのであれば、民間の介護保険は必要ないかもしれませんが、年金や預貯金ではカバーしていくことが難しい場合や、介護をしてくれる家族がいない場合は、民間介護保険の終身タイプで介護年金を受け取れると安心できます。
住宅改修費を利用して自宅のリフォームをした場合でも補助が受けることが出来ますが、改修費が20万円を超えると自己負担となります。
大がかりな工事になると、20万円以内で収まることは難しく、多額な請求もあり得ます。
その際、民間の介護一時金によってカバーしていけます。
民間介護保険の特徴
公的な介護保険で受けれるのは様々な「介護サービス」で、現金の給付ということではありませんが、民間の介護保険は「保険金」が受け取れるものです。
将来を見据えて若い時期から準備を始めると、民間の介護保険の月々の掛金が安い設定で加入できるメリットがあります。
突然の現実に直面して慌てる前に、少しずつ準備を考えていきましょう。
公的介護保険の介護認定度に合わせる「連動型」
民間の介護保険は、市区町村で介護認定をされることを条件とし、要介護○以上に認定されたときに保険金が支払われるシンプルな保険のタイプを「連動型」と言います。
各社、「要介護2」や「要介護3」の商品が多くなっているようです。
年々、要介護の認定が厳しくなってきている傾向があるため、特約を付けることによって要介護度が低い場合でも受け取れる商品を選んでみてはいかがでしょうか。
連動型と保険会社の条件を加える「一部連動型」
公的な介護認定によって支払われる「連動型」に「その状態がある一定の期間を越えて継続した場合」保険会社独自の条件を加えた保険が「一部連動型」です。
一定の期間は90日間や180日間が一般的ですが、会社によっては30日間という少ない日数のタイプもありますが、期間を短く選択するタイプは保険料が高くなっていきます。
連動型のみのものと比較すると、保険金の請求をすぐに出来ないところがデメリットです。
各保険会社が独自の条件を決める「非連動型」
民間のそれぞれの保険会社が独自の条件を定めて保険金を支払う商品のことを「非連動型」と言います。
各保険会社によって定義が違ってきますので、契約を考える場合はよく内容を把握しておかなければなりません。
全てを理解するのは難しく、どこの商品を選べばいいのか考えてしまいますが、考え方次第で、公的な介護保険制度が改正されて条件が悪くなった場合を考えると、制度に左右されないというメリットがあります。
介護費用のための貯蓄と民間介護保険も併せて考えよう
誰もが高齢になっていくことから、自分自身が要介護になったり両親や伴侶のための介護者になる可能性があります。
市区町村においては、様々なスタイルの介護サービスがあるので、要介護者の身体の状態や生活レベルにあったサービスを選ぶことが必要です。
市区町村の担当やケアマネージャーに相談しながら利用していくことになるでしょう。
公的サービスは低価格で利用できることが大きなメリットです。
しかし要介護度が高い特養などは、希望する人数が多いことで入居困難で、何か月も待たなければならないデメリットがあります。
民間の有料老人ホームは空きがあれば入居できますが、利用料金が高額になります。
若いうちから、いずれくる介護のための貯蓄を始めること、そして民間の介護保険に加入することで、一時的にまとめて支払わなければならない介護費用が賄えるよう、早いうちからコツコツ準備を始めていく必要性をしっかり考えましょう。
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