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家庭と仕事を両立させるメリット・デメリット
結婚後も正社員として働いてきたけれど、そろそろ子どもが欲しい。
そう考え始めた時、主婦の働き方は1つのターニングポイントを迎えます。
子どもが産まれるとこれまでの生活が大きく変わり、いままでと同じように働いていくのは簡単なことではありません。
家庭と仕事を両立させながら働いていくと、そこにはどのような生活が待っているのでしょうか。
正社員としてフルタイムで働いた場合、仕事の比率が大きくなり家事・育児が思うようにできなくなってしまうことが考えられます。
一方、家庭を優先して派遣やパートで働いた場合でも、子どもが産まれるといろいろと出費がかさみ、出費よりも収入が減ってしまう可能性も…。
なんだか、今後の働き方を考えると不安要素ばかり浮かんでしまいがちです。
派遣やパートといった働き方がある中で、主婦が正社員として働き続けること。
今後を考えるうえで、そこにどのようなメリットとデメリットがあるのかをより明確に把握することが大切です。
そのうえで、自分の未来を想像してみましょう。
今後も正社員を続けていくかもしくは辞めるかを悩んでいる主婦の方に、正社員として働くことでどのようなメリットとデメリットが発生するのかを詳しく解説します 。
ぜひ、今後の働き方を判断するための参考にしてください。
主婦が正社員として働くお金のメリット
はじめに、派遣・パート・正社員と、さまざまな雇用形態があるなか、主婦が正社員として働くことで得られる「お金」のメリットを見ていきましょう。
世帯年収が増える
正社員で働く1番のメリットは、なんといっても世帯年収が大きくアップすることです。
共働きによってダブルインカム(収入源が2つあること)体制となることで、家計がより安定します。
生涯賃金を考えると、出産後も正社員として働いた場合と、出産後にパートとして働いた場合とでは、約1億円もの差が生じると言われています。
子どもが産まれると何かとお金がかかってしまうもの。
正社員として働いていくほうが、お金に余裕ができる点は大きなメリットと言えます。
また、ダブルインカム体制の場合、どちらかがケガや病気で働けなくなった場合でも、収入が途絶えてしまうことがないので、安心につながります。
派遣やパートより給料がよい
一般的に、派遣やパートよりも正社員の方が給与が高くなります。
また、派遣やパートの場合は、ほとんどが日給や時給で働くために長い祝日がある場合などは給料が発生せず、毎月安定した金額を得られない場合も。
正社員の場合、福利厚生が受けられるうえに、会社によってさまざまな手当が付きます。
さらに、勤続年数や実績などによって昇給が見込めるので、派遣やパートより多い給与を安定的にもらえるというメリットがあります。
ボーナスがもらえる
派遣やパートとの違いはボーナスがあること。
正社員として働けば、基本的に年2回のボーナスを受け取ることが可能。
さらに、会社によってさまざまな手当がつくので、派遣やパートよりも多くの収入が見込めます。
退職金がもらえる
退職金がもらえることも大きなメリットとなります。
正社員として長く勤務すれば、退職する際に、勤務した年数に応じた退職金を受け取ることができます。
共働きであれば、夫と妻の両方でまとまった金額の退職金を受け取れるので、老後の暮らしに安心感が持てます。
年金が増える
正社員として働いた場合、国民年金のほかに厚生年金に加入することになります。
そのため、働いている間は年金保険料として給与から多めに引かれることになりますが、その分、65歳から国民年金と厚生年金の両方の年金を受け取ることができます。
専業主婦の場合は国民年金のみの受給となるので、正社員として働いたほうが老後の収入が多くなります。
一般的に、男性より女性の方が長生きすると言われていますので、受け取れる年金が多いことは、老後の安心につながります。
正社員としての働きがい
次に、正社員として働いた場合の「働きがい」にポイントをあてて見ていきましょう。
キャリアアップを目指せる
正社員として働いた場合、優秀な成績や成果物を残すなどの自分の頑張りが昇給や昇格につながり、正当な評価を受けることができます。
一般的に、派遣やパートの場合は、決められた日給や時給から昇給されることがなかなかありません。
正社員登用をしている会社もありますが、昇格できるケースはそれほど多くないようです。
そのため、派遣やパートよりもキャリアアップを目指すことができ、働くことのモチベーションを高めることができます。
雇用が安定し長く勤められる
派遣やパートで働いている場合、会社の売り上げや組織変更などの影響を受けやすく、意に反して契約が終了となってしまうリスクがあります。
正社員で働いている場合は、基本的に定年を迎えるまで働くことができるので、雇用が安定し長く務めることができます。
産休や育休が取得できる
派遣やパートの場合は、一般的に働かなけば給料が発生しませんが、正社員の場合、産休や育休を取得することができます。
産休や育休制度を利用することで、仕事を休んでいる間にも給料の5~7割の手当金を受け取ることができるので、子育て中も収入がゼロになることはありません。
金銭面以外でも、女性にとって出産やその後の子育ては心身的に大きな負担ともなるので、休む期間が保障されている点は正社員で働くメリットといえます。
主婦が正社員として働くデメリット
主婦が正社員として働くことは、メリットばかりではありません。
デメリットについてもしっかりと把握しておくことが重要です。
では、どのようなデメリットがあるのかを深く見ていきましょう。
家庭との両立が難しい
正社員として働いている場合、子どもが病気やケガをして学校から急な連絡があったり、行事で学校が休みになったりした場合でも、仕事を早退したり休むことができない場合が多くなります。
また、責任のある仕事を任されるようになると、業務量が増え、残業をしなければならないこともでてくるしょう。
そのため、仕事の比重が多くなり、しっかりと子どもを見てあげられなかったり、家事がおろそかになったりすることがあります。
せっかくの休日も家事に追われて終わってしまった、なんてこともあるでしょう。
正社員になると拘束時間の長さがデメリットとなり、家庭と仕事の両立が難しさに悩んでしまう主婦は多いようです。
扶養から外れる
主婦が正社員として働く場合、一般的に夫の扶養から外れて、勤務先の健康保険や厚生年金に加入することになります。
そのため、扶養としての優遇措置を受けることができなくなり、自分で社会保険料(健康保険・厚生年金)を負担し、さらに、夫の税金(所得税・住民税)負担が増えるというデメリットが発生します。
そのため、扶養から外れることなっても、妻の収入によっては世帯収入が減少し、損をしてしまう可能性があるので注意が必要です。
正社員と働く場合は、社会保険料や夫の税金などの負担を補える程度の収入が見込めるかどうかを、しっかりと検討してみましょう。
精神的な負担が多い
正社員として働いていくと、派遣やパートと違って、責任のある立場となり大きな仕事を任されることが増えていきます。
仕事のやりがいでもありますが、その分、仕事量が増え、場合によっては残業や休日出勤などが必要になることも。
そのため、家庭との両立が難しくなり、仕事と家庭のストレスを二重に感じてしまうことがあります。
子どもがいる場合、その負担はより多くなり、正社員として働くことと、家庭を両立することの難しさに精神的なダメージを受けてしまう主婦は少なくないようです。
家族と相談しながら働き方を選ぼう
働く意義って何でしょう?お金や生活のため、キャリアアップのため。
仕事をして社会とかかわるこで、家事や育児とのメリハリがつき気分転換になる場合もあるでしょう。
しかし、働くことが自分にとっての大きな負担になってしまうようでは意味がありません。
今後の働き方を決めるには、メリットだけでなくデメリットをしっかりと理解することが大切です。
そして、そのデメリットをカバーするためには、家族(主に夫)のサポートが必要不可欠。
扶養から外れる際の収入についてや正社員で働く場合の家事・育児について、どのように対処していくことができるのかを家族でじっくりと話し合いましょう。
収入や家族の状況、働くことが可能な時間など、自分が働くうえで必要な範囲を把握して、さまざまな雇用形態の中から自分に合った働き方を選びましょう。