コンテンツ
退職時に避けたい会社からの引き止め
既に転職先が決まっているのに、なかなか辞めさせてもらえず、転職を諦めたり、転職が難航してしまうといったことは、転職活動のなかでもとても多い悩みです。
会社からの引き止めがなければ、最後まで誠意をもって働くこともでき、次の転職先への準備や、会社の引き継ぎもスムーズにおこなうことができるでしょう。
ほとんどの人が該当する、退職時の会社からの引き止めに対して円満にことを収めるためには、どのような対策をとることがいいのでしょうか。
また、こういった引き止めが起こらないような事前準備や対策などの工夫を、あらかじめおこなっておくことはできるのでしょうか。
転職を引き止められたときの対処方法
断るときははっきりと意思を示す
現職から退職を引き止められたときは、まず、転職先が決まっていること、決まっていなくても転職をしたい自分の意思をはっきりと伝えることが大切です。
曖昧に伝えてしまうと、相手は、まだ転職を迷っているのではないか、引き止めたら考え直してくれるのではないか、と期待を持ってしまいます。
期待を持たせてしまうと、相手はあの手この手を使って、退職を引き止めようと躍起になってしまい、断れない状況を作ってしまう可能性があります。
相手を誤解させずに納得させるためには、まず自分の退職の意思は固くて揺るがないものですよ、という姿勢をみせましょう。
有休を使って考える時間をもらう
退職の意向を伝え、引き止められたときに少しでも迷いが生じた場合は、一度有給を使ってじっくり考える日を作ることをおすすめします。
一度引き止められたからといって、迷ってしまい、すぐに退職の意向を取り消すと、せっかく決まった転職先を手放すことになるリスクが生じます。
引き止められて迷ってしまうということは、今の職場に残りたい気持ちも少しあったり、後悔しないか、など不安要素が残っている証拠です。
ですが、引き止められているその場では、空気感に流されて返事をしてしまう可能性があります。
空気感に流されずに、自分の意思で決めるためには、一度時間を取ってじっくり考えられる日をつくりましょう。
迷う場合はもう一度考え直す
現職から退職を引き止められるということは、あなたが必要であるということ、会社にとってマイナスになることもあります。
まだ、転職先も決まっていなかったり、転職先に不安があるというような状況で、現職には不満もなく辞めるのが惜しい、など少しでも迷っている状況があるなら、もう一度考え直してみましょう。
退職の意向を示してから初めて、上司の思っていたこと、自分の思っていたことのすれ違いの共有ができる場合があります。
転職をしようと思ったきっかけが、そこで解消されるとなれば、転職を迷うことも十分考えられます。
一度立ち止まって、今の職場と転職先の職場の条件面や雰囲気など、どちらが自分に合っているのかを再確認してみましょう。
残る場合は転職先へ早めに連絡する
現職からの引き止めにより考え直した結果、やはり転職を辞めて今の仕事を続けたいと思う人も少なくありません。
もし、残ることを決めて転職先の内定辞退をしたい場合は、決めた時点で早めに連絡をしましょう。
転職先の会社は、内定が決まった人のために、入社日までに備品や制服や書類などの用意、手配をして準備をしてくれています。
内定辞退の連絡が遅くなることで、転職先の会社に準備物の面で損失を与えてしまう可能性や、次の内定者がなかなか決まらない、入社日が近すぎて応募がこないといった状況を招いてしまう可能性もあります。
転職先に迷惑をかけないようにするためにも、連絡は早めにしておくことが大切であり、マナーでもあります。
転職による引き止めを未然に防ぐための準備
繁忙期や決算時期を避ける
転職をする時期はよく考えて物事を進めましょう。
繁忙期や決算時期は、社内が忙しい時期でもあり、空気感もあまりよくないことがあります。
忙しい時期に、退職の話を持ち出してしまうと、なかなか話を聞いてくれなかったり、威圧的な態度で引き止めをおこなってくるところもあります。
もし、前もって転職を検討しているのであれば、転職をする時期と、退職を伝える時期も考慮した閑散期などの比較的にゆったり仕事ができる時期を選ぶことをおすすめします。
余裕のできる時期だと、その分退職交渉もしやすく、転職のための準備や転職活動もしやすくなります。
引き止めを未然に最小限にするためにも、時期は重要な項目の一つと考えておきましょう。
余裕を持って退職届を提出する
退職届は、会社の規定にもよりますが、民法では14日前までに意思表示をすればいいとされています。
ですが、遅くとも1カ月前には出しておくことをおすすめします。
また、退職届の提出先は上司となります。
退職を決めたあとに、退職届を早めに出したほうがいい理由としては、退職までに、書類の手続きや貸与分の返却、業務の引き継ぎなどやるべきことが残っているからです。
退職届の提出が遅くなると、それだけ会社の退職の手続きも遅れたり、退職日ギリギリとなってしまい、退職後も手続きに追われてしまい、転職先にも迷惑をかけてしまうことになりかねないので注意が必要です。
周囲への引継ぎは早めに終わらせる
退職届を出したあとは、引き継ぎ作業に専念しましょう。
引き継ぎの業務は、周りの人と相談しながらできるものや上司と相談しながら進めていくものもあります。
自分が持っていた仕事が多ければ多いほど、引継ぎには多くの時間がかかってしまいます。
また、引継ぎをすることで、周囲の人の負担や業務が多くなってしまうこともあるため、早めに引継ぎをして、対応しやすい体制を作ってもらいましょう。
さらに、引継ぎをする際には、引継ぎのためのマニュアルを作成したり、なるべく細かく詳細を伝えることで引き継ぎをした人への負担軽減や、ミスを無くすことにも繋がります。
仕事をしやすくするためにも、相手に分かりやすく伝えることはとても大切です。
上司の引き止めがしつこいときの注意点
口約束の条件は信じない
退職の申し出に対して、どうしても引き止めたい会社側は、引き止めるための条件を出してくることがあります。
一番多いのは給料や残業代アップ、残業なしにする、などの給与面や時間に対しての条件提示です。
もし、給与面で転職を考えていたのであれば退職を迷う理由となる可能性がでてきます。
ですが、退職の引き止めの際に出された条件は口約束である可能性が高く、実際に退職をすることをやめたときに本当に反映されるかは分かりません。
もし、引き止めの際に、有益な条件提示をされた場合、それによって転職をやめることを検討するときは、口約束ではなく紙やメールなどで確実にその条件をしてくれるような証拠を取り、再検討をするといいでしょう。
時期の引き延ばしはできる範囲で応じる
引き止めの際に退職については納得してもらったものの、時期を延ばせないかの交渉をされる場合があります。
理由は、会社の繁忙期であったり、引き継ぎが間に合わないなど会社によってさまざまです。
会社からの引き止めを円満に解消するためには、時期の引き延ばしなどの対応ができそうな条件であれば、応じることをおすすめします。
時期を延ばすことができれば、退職をすんなり承認してくれることもあります。
また、引き継ぎをする時間も増えるでしょう。
また、周囲の人への負担も最小限に抑えられ、退職の準備にも余裕が出てくるため、可能な限り時期の相談は受けてみましょう。
時期を引き延ばすことで新しい人が入社するまでの期間を稼ぐことができるため、会社にとっても有益なものとなります。
脅迫されたときは労働基準監督署へ通報する
退職をなんとか止めたい会社は、あの手この手を使って引き止めてきます。
そのなかで、退職の意向を示すと、「会社に損害が出るので損害賠償を請求する」、「ほかの企業に、あなたを採用しないように圧力をかける」などの脅迫まがいのことをいわれる可能性もあります。
あらかじめ、就業規則を確認して、退職の際の手続きを進めることで大きな混乱は避けることができますが、腹いせに給与の減額やパワハラなど理不尽な態度を取られた場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。
労働基準監督署に相談すると、法律に基づく最低労働基準を遵守しているかなどを調べてくれます。
もし遵守されていない場合は、労働者の労働条件の確保ができるように動いてくれるでしょう。
一人で悩まずにすぐ相談しましょう。
事前の対策で理不尽な引き止めは回避しよう
退職時の引き止めは、事前に対策しておくことで、円満に辞めることができたり、しつこい引き止めをなくすこともできます。
転職先が決まり、退職時期も明確に分かれば、すぐに上司に話しましょう。
もし引き止められても、どのように対処すればいいかが事前に分かっていれば、焦ることもなく、引き止めをかわすことができます。
事前に理不尽な引き止めを回避する方法を考えておくことで、今の会社への負担も最小限に抑えることができ、自分の身を守ることにも繋がります。
引き止めに流されることのないように、事前準備はしっかりとしておきましょう。