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家計の見直しは「収入」「支出」「貯蓄」のバランスが大事
家計の見直しをするにあたりまずやっておくべきなのが、月々の収入と支出、そして貯蓄のバランスを見ることです。
収入に対し支出が少なければ貯蓄を増やせますが、収入よりも支出が多いほど貯蓄に回す分が少なくなるのは必須です。
生活に必要なお金を減らしてしまうと、貯蓄ができても生活に支障が出てしまい本末転倒…。
いかに収入・支出・貯蓄のバランスを取るかが重要となります。
家計を改善するための3つポイント
家計を改善したいなら、まずは収入・支出・貯蓄という3つのポイントをチェックし直しましょう。
収入を増やす
家計見直しの一つ目のポイントは、収入を増やせるかどうかを考えることです。
今の仕事でもらう給料では家計の見直しが難しいなら、収入を増やすのが一番です。
ただしいきなり給料を上げてくれと頼んでもそれを認めてくれることはないでしょう。
現実的なのが残業を増やして残業代で稼ぐか、もっと給料のいい会社に転職するかのどちらかです。
副業をするという選択肢もありますが、会社が副業を禁止している場合はリスクが高くなります。
時間はかかりますが仕事に役立つ資格を取得して、資格手当をもらえるようにするという方法も。
資格により仕事の幅が広がれば昇給も可能です。
妻が専業主婦でも働けるなら、パートをして収入を増やすという方法もあります。
資産は必要ですが、不動産を持ち不動産投資で不労働所得を得ることも可能です。
支出を減らす
支出に関しては、毎月必要になる固定費、多少の変動がある生活費、毎月ではないが必要になることもある特別費の3つに分類されます。
- 固定費
毎月固定で必ず必要になる支出には、家賃or住宅ローン・光熱費・保険料・通信費・学費などがあります。
家族構成や年齢によっても個々の違いはあるものの、毎月必ず必要になるので安易に減らすことができません。
- 生活費
生活費としてかかるのは、食費・交際費・生活に必要な日用品費などに分けられます。
毎月必要とされるイメージですが、実は一番無駄が多く見直しやすいのも生活費です。
生活費は子供の成長や環境の変化でも変わってきますので、定期的な見直しが必要です。
- 特別費
毎月ではないものの、必要になることがあるのが特別費です。
持ち家の場合は固定資産税、車を所有している場合は車の保険や税金、生命保険や医療保険の保険料、家電が故障して使えなくなったときの買い替え費用など、毎月ではないけれど必要になることもある費用で、一部は比較的見直しやすい支出です。
お金を貯める
毎月の収入から支出を除けば、残りは貯蓄に回せます。
しかし支出と収入のバランスが悪いと、見直しをしない限りいつまで経っても貯蓄する余裕は持てません。
お金を貯めたいなら、支出の見直しの他にも、給料天引きの財形貯蓄や先取り貯蓄を考えて見てください。
給料が口座振込なら、積立投資信託を始めれば財形貯蓄感覚で確実に貯蓄を増やせます。
簡単に言えば先に貯蓄分を収入から引いてしまうので、後は支出とのバランスを見直しやすくなるというものです。
家計の見直しを始める前に現状を把握する
家計を見直すにしても、まず最初にどこに問題があるのか、どこに改善すべき余地があるのかを知っておく必要があります。
見直しする前に現状を把握してください。
把握すべきポイントは次の通りです。
世帯の収支を確認する
世帯全体の収入はどのくらいか確認する
まずは世帯全体でどのくらいの収入があるのかを年単位で確認しましょう。
共働きなら夫と妻の両方の収入を合計しておきます。
児童手当や年金などがあるならそれもプラスしておきましょう。
ポイントは1年単位で確認することです。
1月~12月区切りでもいいですし、年度区切りで4月~3月まででもOKとします。
ボーナスが出る場合はそれも含めた月々の給料x12ヶ月分、手当なども全部含めた合計金額を割り出してみましょう。
給料が銀行振込なら、通帳を見ればすぐに分かりますので、12ヶ月分の合計を出しておきます。
何円単位まできっちりではなくてもOKですが、できるだけ正確であるよう意識してください。
毎月お金を何にどのくらい使っているか確認する
次に毎月何にどのくらいお金を使っているかという、支出を割り出します。
家計簿をつけていればそれを見直せばいいので意外に簡単、家計簿を付けていないと支出がきちんと把握できないので、この機会に家計簿を付けるようにするといいでしょう。
支出は細かいものでもすべて記録します。
家計簿を付けていても、見直すと意外に無駄遣いが多いことに気づきます。
本当に必要なものなら無駄遣いにはなりませんが、そうでない場合は無駄な買い物は控えましょう。
いくら貯蓄できているのか確認する
収入と支出の詳細を確認したら、次は貯蓄の確認です。
何も見ずに去年の貯蓄額を言える人は、家計を把握できている証拠です。
もしも全く貯蓄額がわからないなら、家計を把握できていない危険サインと考えられます。
よくわからないなら通帳を見て確認すれば分かります。
メモとペンを用意して、過去2年間の通帳をすべてチェックして残高を確認してください。
1年区切りを境にして、残高を引き去年1年でいくら貯蓄できたかを割り出せば答えが見えてきます。
思っていた以上に貯蓄ができていないなら、早急に家計の見直しが必要です。
意外に貯蓄できていたという結果でも、家計を把握できていないならこの機会に把握できるよう考え直してみるといいでしょう。
ライフプランを立て将来の必要費用を確認する
お金が必要な時期や費用額を把握しておく
普通に生活できていれば、わざわざライフプランの見直しをする必要はないと思ってしまいます。
しかし今は良くてもこの先何があるかわかりませんし、家計の現状を把握できていればイザというときも、慌てずに対処できます。
まずはいつどんなときに、いくらのお金が必要になるのかを把握することから始めてください。
ライフプランとか将来設計という言葉は難しく聞こえてしまいますが、どこの家庭でも必要になってくることです。
子供の成長と共に掛かる費用
子供がいる場合は、子供にかかる費用は必須となります。
成長とともにかかる費用の内訳も変わるので、ライフプランを考えるにあたり欠かせない項目となります。
出産から大学に進学して卒業する場合、私立と公立でもトータル費用は変わってきます。
進路 | 22年間の基本養育費 | 大学卒業までの教育費 | 合計 |
全て公立 | 1,640万円 | 1,043万円 | 2,683万円 |
全て私立 | 1,640万円 | 2,508万円 | 4,148万円 |
住宅を購入するのに掛かる費用
いつかはマイホームを持ちたいと誰もが夢を持っています。
夢を実現させるためにもお金が掛かりますが、これから住宅を購入する予定があるなら、いくらかかるのかを知っておく必要があります。
住宅を購入するにあたりどのくらいの費用がかかるのか、住宅金融支援機構・フラット35利用者を例にかかる費用を見ていきましょう。
土地付注文住宅 | 建売住宅 | マンション | |
全国平均 | 3954.7万円 | 3337.8万円 | 4266.7万円 |
首都圏平均 | 4652.1万円 | 3646.4万円 | 4754.2万円 |
近畿圏平均 | 4077.4万円 | 3270.4万円 | 3866.6万円 |
東海圏 | 4,122.0万円 | 2955.5万円 | 3620.9万円 |
その他の地域 | 3551.6万円 | 2699.7万円 | 3308.3万円 |
出典:(公財)生命保険文化センター<住宅金融支援機構「フラット35利用者調査2016年度」>より)
家計の改善に必要な見直しポイント
家計の現状が把握できたら、次は改善するにはどこを見直したらいいのかをチェックしていきます。
見直しポイントをさまざまな角度から見ていきましょう。
まずは見直しの基本「固定費」から
固定費の見直しポイントと方法について解説します。
住宅費を収入の20%以内に抑える
固定費は見直しが難しいものの、絶対に不可能というわけではありません。
対処法はいくつかありますので、その中からできることを探してみてください。
住宅費を見直す際、収入の20%以内に収まるようにするのがポイントです。
住宅費は以下の通り。
- 住宅ローン
- 固定資産税
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場代
住宅ローンがある場合は、繰り上げ返済で金利を節約したり、借り換えなどでも対処できる場合があります。
賃貸住宅なら今よりも家賃が安いところに住み替えすれば節約につながります。
ただし初期の敷金や礼金・引越し費用がかかるので必ずしもベストな選択とは言い切れませんので、時期を見極めることも大切です。
加入している保険の見直し
保険に加入していれば安心ですが、契約時はベストな保障内容だったとしても、時間が経過するとあまり必要のない保障で月々の保険料が無駄になっている可能性も出てきます。
今の保障内容が本当に必要かどうかをもう一度見直してみてください。
必要最低限に変更すれば、少し保険料を節約できます。
保険に関しては、貯蓄型にして固定費として試算するという選択肢もあります。
通信費を見直す
スマホや携帯など通信費を見直すと、意外に無駄が多いことに気づくでしょう。
しっかりと見直せば節約できるところは多いと言えます。
仕事や生活において欠かせない固定費としての見方もできますが、スマホなら格安SIMに乗り換える、パソコンならプロバイダーを変更することで、月々の通信料を節約できることがあります。
ただし2年契約などで縛りがある場合は、期間内だと解約金がかかります。
解約金が発生するようなら、少し待ってから格安SIMに切り替えるといいでしょう。
もうひとつ、今の料金プランを見直すことでも、節約が可能になります。
契約時に必要と言われて契約したオプションでも、何ヶ月か継続すれば解約できるものなら解約してしまいましょう。
不要なオプションでも月々の料金がかかっていれば無駄になってしまいます。
車にかかる固定費を見直す
車は購入するときも高い費用がかかりますが、維持にも費用がかかります。
車が必要不可欠という場合には固定費として扱いますが、固定費でも見直しは可能です。
それ以前に車がなくても生活できるというなら、もう一度必要性を考えてみるのもいいかもしれません。
滅多に乗らないのに維持にばかりかかるようなら、思い切って処分するのも選択肢のひとつです。
自動車保険は任意でもやはり何があるかはわからないので、加入しておきたいところです。
保障は充実しているほど安心ですが、月々の保険料も馬鹿になりません。
今の保障内容を見直してみるといいでしょう。
車は必要でも軽自動車にすれば税金が安くなるので、維持費のトータルも普通車よりは安くなります。
塾や習い事が本当に必要かもう一度考える
子供の習い事は必要と決めつけがちですが、見直し対象でもあります。
本当に必要なら仕方ありませんが、子供が望んでいないのに親が押し付けているようなことはありませんか?もしそうなら子供と話し合って、習い事を辞めさせるという選択肢があります。
もちろん子供が望んでいるならそのまま続けさせるのが一番ですが、家計を圧迫するような習い事が果たして必要かどうか考える余地はあります。
食費や光熱費は削減目標を明確にする
家計の見直しをするにたあたり、食費や光熱費は一番見直しやすいと言えます。
ただし基本生活費でもありますので、無理をすると生活に支障が出てしまいます。
闇雲に節約するのではなく、どのくらいの無駄があり、どこまで削減できるのかという目標を決めておくといいでしょう。
どの程度まで削減できるかは家庭による違いは大きいものの、支出の10%程度までなら十分目標にできるでしょう。
光熱費は使っていない電気を消すとか、コンセントを抜くなど家族の協力が欠かせません。
削減するにあたり、家族で話し合い皆が意識することが大切です。
カンタンに家計の見直しをするには
家計を見直すのは大変なことというイメージがありますが、簡単にする方法がいくつかあります。
簡単になれば苦手意識もなくなり、思っているよりも簡単に家計の見直しができると理解できるでしょう。
簡単に家計簿がつけられるアプリを利用する
家計管理に苦手意識を持っている人には、アプリの使用をおすすめします。
今はアプリを利用して簡単に家計管理ができるようになっているからです。
レシートを見て何にいくら使ったかを家計簿記入するのが面倒なら、アプリのレシート読み取り機能を使いましょう。
レシートを瞬時に読み取ってくれるので、1つずつ何を買ったか記入する手間を省けます。
アプリによっては、銀行口座やクレジットカードと連携させることで、家計管理をもっと手軽にする機能もついていますので、便利な機能は大いに活用してください。
共有機能を使って家族と家計簿を共有するのもいいでしょう。
無料でも便利な機能が付いたアプリはたくさんあるので、使いやすいものを見つけてください。
webサイトの家計シミュレーションを利用する
今は不安や問題がなくても、この先何が起きるかわかりません。
家計の見直しをするなら、将来の収支もイメージしておくといいでしょう。
ちょっと難しくて専門家に相談しなければいけないイメージですが、web上のシミュレーターを使えば、簡単に将来の家計をシミュレーションすることができます。
あくまでもイメージですが、何もないよりもある程度イメージできるものがあれば、将来設計もしやすくなります。
各家庭の状況に応じて、世間の平均から割り出すので、大体の金額を把握できていればOKです。
条件を変えて何度でもやり直せるのがいいところです。
適正な出費額を把握して家計バランスを整える
貯蓄を増やしたいが収入を増やすのが難しいなら、出費を減らすしかありません。無駄な出費はないか?今の出費は適切かどうかをもう一度見直してみてください。
手取月収に理想のパーセントを掛ける
今の生活が収入に見合っているかどうかを把握していないと、余裕があると思っていても実は赤字だった…というケースも少なくなりません。
収入が多くても支出が多ければ貯蓄に回す余裕はなくなります。
各費用の適性をもう一度見直してみましょう。
家庭による違いはありますが、各支出が適切かどうかは理想のバランスを元に計算できます。
手取りに理想とされるパーセンテージを掛ければ、月々の支出が身の丈に合っているかどうかを確認できます。
出費の多い費目を把握して家計を立て直す
今の出費が適切どうかを見極める、家計の理想バランスを紹介します。
家族構成によってもパーセンテージに違いはあるので、ここでは夫婦と小学生以下の子供という家族構成と、夫婦2人という家族構成で見ていきましょう。
4人家族 | 夫婦2人家族 | |
食費 | 14% | 15% |
住宅費 | 25% | 25% |
光熱費 | 6% | 5% |
通信費 | 5% | 6% |
小遣い | 8% | 10% |
趣味・娯楽費 | 2% | 3% |
教育費 | 10% | 0% |
被服費 | 3% | 3% |
交際費 | 2% | 3% |
雑費 | 2% | 2% |
保険料 | 8% | 5% |
貯蓄 | 12% | 20% |
その他 | 3% | 3% |
上記の合計が100%になるという仕組みです。
家計見直しの参考にしてみてください。
家族構成により多少割合は変わってきますが目安として覚えておき、今の生活とどのくらい差があるのかをチェックするのに便利です。
家計の現状をしっかり把握してから見直そう
家計の見直しを考えているなら、最初にすべきことは現状の把握です。
現状を把握できれば、問題点も見えてきます。
問題点がわかれば必然的に解決すべき点も見えてくるというものです。
見直す点が多いほど、出費が適切ではないということも理解できるようになります。
家計の見直しをするなら、賢い方法を見極めてください。