ビットコイン運用のハードフォークとはなに?その詳細と注意事項

ビットコイン運用のハードフォークとはなに?その詳細と注意事項

家計の知恵 2018.11.26

ハードフォークは通貨の配布イベントではない

ハードフォークを通過の配布イベントと誤解している人がいるようですが、決してそうではありません。それはあくまでも仮想通貨が二つに分裂する現象を指したものであり、分裂した通貨が誰かに配布されることはありません。
仮想通貨が無料で配布されるイベントは「Airdrop (エアドロップ)」と言います。混同しないように注意しましょう。本記事ではハードフォークを知らない人向けに、その定義と現象の仕組み、そして原因について詳しくみていきます。そしてハードフォークが起きたときに、ユーザーが損失せずに対応する方法についても掘り下げてみていきます。

ハードフォークとは

ハードフォークは、仮想通貨にとって完全に悪い現象というわけではありません。システムを改善するための改良の一環としてハードフォークが行われるのです。これにはきっかけとなった仮想通貨のハッキング事件があります。これを踏まえて、ハードフォークを受けた仮想通貨の行く末についてチェックしてみましょう。

システムを改善するための改良

仮想通貨は、サイバー空間のデータとしてのみ存在するものであるため、システムのアップデートを受ける場合があります。その方法のひとつがハードフォークです。家でいうところのリフォームに等しいです。仮想通貨のデータが改良されることで、取引履歴を記録するブロックチェーンや関係するネットワークの運用方法が変わり、一つの仮想通貨が二つに分かれます。
世界的にビットコインの知名度が高まっている今、セキュリティの問題が如実化したり、1つのブロックが1MBだけであるために、すぐにデータ容量がいっぱいになり取引のスピードが遅くなってしまったりすることが議論されています。ハードフォークは、そうした問題を解決するための手段なのです (もちろん、ハードフォークなしで解決する事例もあります)。

ハードフォークのきっかけはDAO事件

DAO事件とは、2016年6月、仮想通貨の一つであるイーサリアムがハッキングにより巨額流出してしまった事件を言います。これを教訓としてセキュリティ強化が叫ばれ、2017年8月1日にビットコインのハードフォークの分岐先として、「ビットコインキャッシュ」という新仮想通貨が誕生しました。

なぜ枝分かれをするのか

セキュリティの強化やスムーズな決済のためにはブロックサイズの拡張などシステムを追加、改良する必要があり、それには複数の方法が考えられます。
ビットコインは株やFXと違い、国や企業などのいち組織が中心となって全てのデータを管理しているわけではなく、取引をする参加者全員で管理しています。
改良時に意見の相違があると、それぞれが新システムの構築を強行し、別々の仮想通貨と化してしまう場合があります。こうしてハードフォークが発生します。

枝分かれしたビットコインの種類

DAP事件後、2017年11月には仮想通貨の取引データを真正と認めるべくデータ処理を行うマイニングを行う人、すなわちマイナーが平等に仕事ができるようにシステムを仕立てた「ビットコインゴールド」、スムーズな取引にこだわった「ビットコインダイヤモンド」が誕生しています。
翌月にはスーパービットコイン、ライトニングビットコイン、ビットコインゴッド、ビットコインシルバーといった仮想通貨がハードフォークの末に誕生し、その後もビットコイン系仮想通貨が新たに生まれ続けています。

ハードフォークとソフトフォークの違い

ハードフォークは永続的な枝分かれとして、対象の仮想通貨とは分裂前のものと互換性がなくなり、完全な別物として扱われます。
ソフトフォークも枝分かれを受けた仮想通貨を指しますが、こちらは一時的で、分裂前の仮想通貨と互換性がある仕様変更が行われたものを指します。こちらはアプリのアップデートのようなイメージで、家でいうと、全体のリフォームだけでなく、ほんの一部分を模様替えした感じです。
今までにSegwitによる容量アップと改ざん防止などのためのセキュリティ強化がソフトフォークにあたります。

ハードフォークの種類

ハードフォークのタイプは3種類に分けられます。まず一つ目はユーザーの同意のもとアップデートのために実施されるものです。
次はコミュニティ内の対立をもとにし、それぞれのやり方でアップデートした結果分裂するものです。そして最後の三つ目は、ビットコイン以外の仮想通貨の総称であるアルトコインの一種を開発するためのものです。

同意の上でアップデートのために実施

ブロックチェーンやプロトコル (システム中枢の仕組み)を改善するために、参加者の賛同を得て実行されるケースがあります。これにより、参加者全員が新ルールのもとで仮想通貨を運用することになるため、仮想通貨自体は別物になりながら、分裂はしません。

内部分裂の末のハードフォーク

前述とは正反対のケースで、コミュニティ内で運用などを巡り意見の対立が発生し、それぞれが互いの同意を得られないまま、別々のルールに基づいたブロックチェーンで仮想通貨が運用される結果、1つの通貨が2つに分裂するに至るケースも存在します。
ビットコインから派生したビットコインキャッシュは、このタイプのハードフォークにより生まれました。ただしこのケースは、仮想通貨保有者および運用者にとって、価格下落などの損失を受けかねないリスクがあるため、健全なハードフォークとは言えないでしょう。

アルトコイン開発のためのハードフォーク

ビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインの生成を目的としてハードフォークが作り出される場合があります。これは技術開発的な側面が大きいです。
ハードフォークは元々仮想通貨のシステムをアップデートするもので、住宅でいうところのリフォームに相当しますが、こちらは住宅の新築に相当するやり方と言えるでしょう。

ハードフォークが発表されたらやること

仮想通貨のハードフォークが行われた場合、ユーザーは然るべき対応が必要になります。新しく生まれた通貨に対応する取引所に仮想通貨や現金を預け、シークレットキー付のウォレットに保管しましょう。新通貨の体制が固まるまでは送金などの取引を控えるなどの注意も必要です。

新通貨に対応する取引所に預ける

ハードフォークを知り次第、新規仮想通貨対応を表明している取引所にアカウントを登録し、そこに通貨や現金を預けましょう。
ハードフォークの実施日は仮想通貨のブロックの容量が限界を迎えたときに応じて決まるため、発表されても具体的なスケジュールは不明であることが多いです。そのため、ハードフォークの発表があった地点でこまめに情報をチェックする必要があります。

シークレットキー付ウォレットに保管

ハードフォークにより生まれた新仮想通貨はシークレットキー (秘密鍵)でセキュリティを保証された新しいウォレットに収めましょう。新通貨に交換してくれないウォレットでも別ウォレットとして使用できます。複数のウォレットがあれば、片方がハッキングなどの被害で損失を被っても、ダメージを最小限に抑えることができます。

体制が固まるまでは送金等の取引はしない

ハードフォーク後の新しい仮想通貨は、まだ体制が安定しない状態で送金などの取引を行うと、コインが消失する可能性があります。新仮想通貨の運営がスタートしてもしばらくの間は手を出さず、情報をこまめにチェックし、トラブルがないかを確かめましょう。

ハードフォークによる注意点

ハードフォークが発生した場合、ユーザーには注意すべきことが2つあります。ハッシュパワーやリプレイ攻撃などの技術的問題の可能性と、仮想通貨のルールを巡る倫理的問題です。

ハードフォークによる技術的問題の可能性

ハードフォークにより、分裂でどちらかの通貨が存在しなくなるハッシュパワー、ログイン時にユーザーの情報が盗まれ、不正アクセスに利用されてしまうリプレイ攻撃、アップデート時のバグなどの技術的トラブルが生じる可能性があります。

ハードフォークによる倫理的問題

ハードフォークは特定の銘柄の仮想通貨のルールを変更する行為ですから、ビットコインの誕生当初から決まっていたルールも変えられると解釈できます。これにより仮想通貨を成り立たせている根本の信用性に揺らぎが生じるおそれもあります。
そのため、分裂対象となった仮想通貨のルールをチェックし、おかしな点がないかどうかを確認しましょう。

ハードフォークで無料でコインがもらえる理由

無料で仮想通貨を配布することを「Airdrop (エアドロップ)」と言います。このイベントは認知度と利用者の獲得を目的として行われますが、実行は運営者の意思に委ねられた状態であり、全ての通貨で行われるわけではありません。

ハードフォークを理解して運用しよう

ハードフォークは、仮想通貨に生じた問題を解決するために、通貨内のシステムをアップデートすることで、住宅でいうところのリフォームに相当すると考えていいでしょう。
同意があれば完全な分裂なしに新しい仮想通貨として運営を続けていくことができますが、対立の末に2つの仮想通貨に分裂した場合は、価格下落などのリスクもあります。
ハードフォークで新しく生まれた仮想通貨には、技術面でのトラブルのおそれもあり、話題になるためにサイバー犯罪者の標的になる場合もあります。そのためハードフォークで生まれた新しい仮想通貨は、すぐには手をつけず、しばらく情報を確認して見守るのがいいでしょう。

この記事のライター UKANO 編集部

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