個人型確定拠出年金の手数料。信託報酬率が決め手となります。

February, 09, 2018

記事が良かったらシェアして下さいね♪

個人型確定拠出年金の特徴

掛け金を積立し金融商品で運用する

個人確定拠出年金は、iDeCo(イデコ)の愛称で呼ばれる国民年金基金連合会が運営する年金です。
20歳~60歳の人で、日本に定住する人であれば、基本的に誰でも加入できます。
3階建てと呼ばれる日本の年金制度で第3階層目にあたります。
1階層目である国民年金と2階層目である厚生年金は、強制加入ですが、3階層目の個人確定拠出年金は個人の意思で加入をするかしないかを決めることができます。

個人確定拠出年金(iDeCo)は、個人で毎月積立を行い、個人で投資信託等の金融商品に投資し、資金運用するところが大きな特徴です。
また、毎月積立てた掛金が全額控除の対象となるため、確定申告・年末調整により税金の還付が受けられることも特徴のひとつです。

平成15年からはじまった個人確定拠出年金(iDeCo)の加入者総数は年々増加しており、平成29年3月末時点で約77万人。
少額の毎月積立ではじめることのできる手軽さから、平成28年度には、新規加入者数が53,814人と過去最高となり今注目の年金制度といえます。

【参考リンク:https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/join_overview_H2909.pdf

60歳以降に年金や一時金で受け取る

個人確定拠出年金(iDeCo)は、基本的に60歳以降になると、老齢給付金としての年金や一時金を受け取ることができます。
ここで注意したいのが、60歳から給付を受けるには一定の条件があります。
その条件とは、通算加入期間の長さにより受給可能年齢が繰り上げられる点です。
通算加入期間と受給可能年齢の関係は、次のようになります。

●通算加入期間が10年以上は、60歳から受給可能
●通算加入期間8年以上10年未満は、61歳から受給可能
●通算加入期間6年以上8男未満は、62歳から受給可能
●通算加入期間4年以上6年未満は、63歳から受給可能
●通算加入期間2年以上4年未満は、64歳から受給可能
●通算加入期間1年以上2年未満は、65歳から受給可能

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html

60歳になるまでは引き出せない

公的年金の3階層部分である個人確定拠出年金(iDeCo)は、60歳になるまで、定期預金や保険、投資信託のように解約して資金を引き出すということはできません。
公的年金には、「60歳を超えた時、働くことによって収入を得ることが困難になっても、老齢年金を受給することで収入を確保する」という目的があります。
したがって、一度加入すると通算加入年数に応じて、受給できる年齢が決められていることも、一つの特徴といえます。

掛け金は月額5,000円以上で上限がある

個人確定拠出年金(iDeCo)は、毎月積立の掛け金は、5000円以上からになります。
また、1,000円単位で金額の変更が可能です。
この手軽さのため年々加入者が増えているのが現状です。
また、各職種によって、毎月積立の掛け金には、上限があります。
その上限とは、次のようになります。

●自営業者・学生(国民年金基金と国民年金付加保険料との合算で):6万8千円/月
●会社員(会社に企業年金がない会社員):2万3千円/月
●会社員(企業確定拠出年金に加入している会社員):2万円/月
●会社員(企業確定拠出年金と確定給付企業年金の両方に加入している会社員):1万2千円/月
●会社員(確定給付企業年金にのみ加入している会社員):1万2千円/月
●公務員:1万2千円/月
●専業主婦:2万3千円/月

【参考リンク:https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

個人型確定拠出年金のメリットと注意点

自分で金融機関や運用商品を選べる

個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大のメリットは、金融機関や運用商品を自分で選べることにあります。
運営管理機関とは、iDeCo(イデコ)を取り扱っている金融機関のことで、都市銀行・地方銀行・信用金庫から証券会社、保険会社と全国で990の金融機関が取り扱いをしています。
また、貯蓄タイプのものや投資信託タイプのもの、更には、保険と連動するタイプのものと運用商品も様々です。
自分の資金や資産運用の状況にあわせて商品を選ぶことができます。

また、運用商品を選ぶ際に、受給時の受け取り方も考えておくことが大切です。
受給が始まるとき、年金で受け取るか、一時金で受け取るかを選ぶことができます。
しかし、個人型確定拠出年金は、受け取り方によって課税される金額が違ってきます。
年金の場合は、雑所得として、一時金の場合は、退職所得として扱われます。
公務員や大企業に勤めていて、年金の月額受給額が多い人や、個人型確定拠出年金(iDeCo)以外で退職金のある人は、税理士等の専門家に相談するのも一つの方法です。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/un-eikanri.html

運用の結果で損失が生じることもある

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリットとしては、元本割れする可能性があることです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、月々納める年金積立金を、投資信託などの投資に運用します。
したがって、運用の結果によっては、マイナスとなり元本割れして、損失が生じることもあります。
逆に、運用結果が良いと増額年金や増加年金として、受給開始後、基本年金に上乗せした金額を受給することができます。

金融機関により各種の手数料に差がある

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、口座の管理・運用に手数料がかかります。
手数料には5種類あり、加入手数料、口座管理手数料、給付事務手数料、還付事務手数料、信託報酬となります。
金融機関によって、各種手数料に差がありますので、加入時にしっかりと調べる必要があります。

【参考リンク:http://www.dcnenkin.jp/search/commission.php

金融機関は簡単に変更できない

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、基本的には資産の移動は可能です。
しかし、実際に、資産の移動となると全ての運用資産を一度現金化する必要があり、金融機関の締め日に間に合わなかった場合、1カ月近くかかる場合があります。
また、金融機関によっては、信託財産留保額といって、解約時に手数料を取られる場合もあります。

平成29年に厚生労働省は、個人確定拠出年金(iDeCo)に限らず、確定拠出年金のポータビリティー(持ち運び)の拡充の方向での法案を進めております。
つまり、長期運用の高い信託報酬による元本割れのリスクについて、ポータビリティーの拡充によって、改善する方向にはあるようです。
金融機関と運用商品を選ぶ際は、信託報酬についてよく調べて加入しましょう。

【参考リンク:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/189-46.pdf

税制の優遇を受けられる

個人型確定拠出年金(iDeCo)には、税金面での優遇制度があります。
まず、年金積立時は、掛金がすべて所得控除の対象となります。
例えば、月に2万円づつ積み立てていたとします。
年間24万円ですが、この24万円全額が所得控除となります。
所得税・住民税ともに10%とすると、年間48,000円の税金が戻ることになります。
これを30年間続けると、144万円となります。
長く加入することで大きなメリットが得られるといえます。

また、運用で得た利益も非課税となります。
通常、株や投資信託、定期預金で得た利益には、20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)の税金がかかります。
しかし、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、運用利益に税金がかかりません。
例えば、10万円の運用利益が出たと仮定します。
通常、20,315円の税金がかかり、受け取れるのは79,685円ですが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合は、非課税のため10万円満額が受け取れます。

さらに、受給時の税金も優遇されます。
受給時には、「公的年金控除」もしくは、「退職所得控除」を受けることができます。
例えば、公的年金として1,000万円を10回に分割して受け取るとします。
その場合、年間受給額は100万円となります。
公的年金控除の場合、年間所得が700,001円から1,299,999円までであれば、控除額は70万円となります。
したがって、課税対象は30万円となります。
195万円以下の課税対象額の税率は5%ですので、税金は、1万5,000円となります。
つまり、個人型確定拠出年金(iDeCo)で増やした資金1,000万円を10回に分割して受給した場合、税金は総額で15万円になります。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で増やした資金1,000万円を一時金として一括で受け取る場合(勤続年数が30年の場合)、「退職所得控除」は、800万円+70万円×(勤続年数×20年)で計算されるため、勤続年数が30年の場合、控除額は1,500万円になります。
一時金としての受取金額が1,000万円ですので、控除額を引くとマイナスになります。
したがって、1,000万円を一時金として受け取った場合の税金総額は、0円となります。

【参考リンク:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1600.htm

【参考リンク:https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm

【参考リンク:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

【参考リンク:https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/39321/faq/39383/faq_39475.php

個人型確定拠出年金に必要な手数料

加入時や移換手続きによる手数料

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、加入時や移転時に手数料がかかります。
実際の加入手数料ですが、加入時もしくは、移転時に国民年金基金連合会に払う金額として、2,777円(税込)がかかります。
また、金融機関によっては、金融機関への加入金が必要な所もあります。

【参考リンク:http://www.npfa.or.jp/

口座を維持管理する手数料

口座を維持・管理する手数料として口座管理手数料がかかります。
まず、国民年金基金連合会に払う事務手数料と信託銀行に払う資産管理手数料が、2,004円(税込)かかります。
これに加えて、運営管理機関である金融機関にも運営管理手数料として支払う必要があります。
また、この運営管理手数料は、各金融機関によって差があります。
この口座管理手数料は、運用期間中継続してかかります。

【参考リンク:https://ideco.morningstar.co.jp/compare/compare.html

給付金を受け取る際の事務手数料

さらに、給付事務手数料があります。
これは、年金受給時に給付を受けるときにかかる手数料で、1回給付を受けるごとに、432円の手数料がかかります。
また、還付がある際は、国民年金基金連合会に1,029円、金融機関に432円の還付事務手数料がかかります。

金融商品の運用に関わる手数料

最後に、信託報酬になります。
信託報酬は、投資信託を運用している間、投資信託会社に支払う報酬になります。
これは、保有資産が多ければ多いほど、また、保有期間が長ければ長いほど信託報酬料も高くなります。
また、投資信託会社によって異なるので、運用商品を選ぶ時の重要なポイントになります。

【参考リンク:http://www.dcnenkin.jp/search/commission.php

個人型確定拠出年金運用商品の比較ポイント

信託報酬の金額が低い商品を選ぶ

個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用商品の比較のポイントは、信託報酬が低い商品を選ぶことがポイントです。
いくら利回りが良くても、信託報酬が高いために運用利益が目減りする場合があります。
信託報酬は、運用金額が多ければ多いほど、運用期間が長ければ長いほど高くなります。
利回りだけでなく信託報酬についてもしっかりと計算して、商品を選びましょう。

信託報酬率は債券より株式が高い傾向がある

信託報酬率は、債券より株式が高い傾向にあります。
また、運用商品によっては、諸経費を安く設定している消費もあります。
諸経費の安さよりも信託報酬率に注意を払う必要があります。

個人型確定拠出年金運営管理機関の選び方

運用実績とコストパフォーマンスがある

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する際に、運営管理機関である金融機関の選定と商品の選定はとても大切です。
金融機関を選ぶとき、まずは、運用中手数料をはじめ、運用商品を運用したときの商品コストはしっかりと計算しましょう。
運用実績は、言うまでもなく重要ですが、利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。
商品コストに加え、正味現在価値での実質利回りで計算し、コストパフォーマンスがある商品の多い金融機関を選びましょう。

金融商品の豊富なラインナップがある

金融商品には、国内外の株式や債券等、ハイリスク・ハイリターンのものから、ローリスク・ローリターンのものまで、さまざまな商品があります。
金融機関を選ぶとき、自分の資産状況や年金目標額に合わせて、金融商品を選べるだけの豊富なラインナップがあることもポイントの一つとなります。

アフターフォローも充実している

相談窓口等のアフターフォローが充実していることも需要です。
特に、加入して間もないころは、いろいろわからないことも多く、相談窓口に問い合わせることが多くなります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入した際は、金融機関と長い付き合いになりますので、アフターフォローも充実している金融機関を選ぶことが大切です。

使いやすいサービスが提供されている

使いやすいサービスが提供されていることも、金融機関選びには重要なポイントとなります。
近年では、インターネット上で、商品を選び発注できるところも増えてきております。
わかりやすい商品説明に加え手続きの簡単な金融機関を選びましょう。
また、特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会が、インターネットにわかりやすいガイドを公開しています。
金融機関選びの際の参考にしてください。

【参考リンク:http://www.dcnenkin.jp/

おすすめのiDeCo運営管理機関

楽天証券の個人型確定拠出年金

楽天証券が提供する個人型確定拠出年金(iDeCo)は、投資初心者でも選びやすい、28本の商品ラインナップが特徴です。
また、運営管理手数料が、継続的に0円で加入時には、楽天スーパーポイントのポイントも付与されます。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)に限らず、株や為替、債券やNISAも取り扱っており、投資に関心のある方で初心者の方には、お勧めです。

【参考リンク:https://dc.rakuten-sec.co.jp/

SBI証券の個人型確定拠出年金

10年の実績を誇るSBI証券が提供する個人型確定拠出年金(iDeCo)も商品のラインナップは、豊富でインターネット上で加入手続きから、運用まで可能です。
SBI証券のWebサイトは、非常にわかりやすく、運用状況のポートフォリオ診断や人工AIによる投資のアドバイスも可能です。
こちらも、株や為替、債券を取り扱っており、投資に関心のある方にはおすすめです。

【参考リンク:https://www.sbisec.co.jp/

イオン銀行の個人型確定拠出年金

イオン銀行の提供する個人型確定拠出年金(iDeCo)も管理手数料が0円となります。
投資に関する無料セミナーを開催しているのも特徴です。
投資について勉強したい方にはおすすめです。

【参考リンク:http://www.aeonbank.co.jp/ideco/

みずほ銀行の個人型確定拠出年金

みずほ銀行の提供する個人確定拠出年金は、信託報酬が安いのが最大の特徴です。
信託報酬の業界平均は、年0.97%であるのに対し、みずほ銀行は、年0.24%と業界最低水準です。
また、「SMART FOLIO」という運用アドバイスツールで、自分の資産状況にあった商品選択をアドバイスしてくれます。

【参考リンク:https://www.mizuhobank.co.jp/insurance/kakutei/index.html

スルガ銀行の個人型確定拠出年金

スルガ銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)は、幅広いニーズに応えたファンドがあることです。
また、スルガ確定拠出型スーパー定期は、1年・3年・5年とあり、通常、5年か10年しかない確定拠出型定期の選択肢も豊富にあります。

【参考リンク:https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/service/401k/

手数料を検討して自分に合う個人型確定拠出年金を

個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入数は、年々増えています。
自分で運用商品を選べるというメリットがあるものの、運用実績の良し悪しは自己責任となります。
また、運用実績が良くても、高い信託報酬のために思い通りの金額を受給できないケースも少なくありません。
信託報酬は、運用金額の大きさと長さに比例して金額も大きくなります。
信託報酬を含めた手数料を検討して自分に合う個人型確定拠出年金(iDeCo)を選びましょう。

Sponsored Link

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでukano358をフォローしよう!

記事が良かったらシェアして下さいね♪