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30歳以上の転職で大切なことは何か|女性特有の転職のコツも知ろう

30歳での転職は有利か不利か

「この会社、業績が悪いから先行きが不安だ」、「もっとたくさん給料がもらえたらいいな」、「残業が多くて毎日が辛い…」。
30歳またはそれ以上の年齢の会社勤めの方たちは、今、このようなことで悩み、転職を考えていないでしょうか。
さらに、30歳以上だと、転職に有利か、または不利かと考えているかもしれません。
今回は、30代の転職事情について詳しく掘り下げていきましょう。

最近の転職市場の状況

現在の社会における、30歳以上の人の転職事情について解説します。

転職求人数は多く比較的転職しやすい状況

現在の転職市場は、売り手市場の傾向となっているそうです。
仕事を求める「求職者」に対し、仕事をしてくれる人を応募する「求人」の割合を求めた有効求人倍率の水準が高い傾向にあるからです。
つまり、今、求人倍率が1を上回っていて、求職者一人に対し、選り好みさえしなければ確実に求人が一つはあるということです。

しかし、求人を出す側は、日雇い労働のように誰でもよいわけではなく、相応の経験やスキルを持った人を求めているのです。
そのため、求人情報は、会社側がどのような人物像を望ましいと考えているか、しっかりと目を通すようにしましょう。

30歳の8割は転職したことがある

30歳以上になると、転職が上手くいきづらいというイメージをお持ちではないでしょうか。
実は、2014年に「ミドルの転職」が調べたデータによると、30代の8割が一度は転職を経験、さらに全体の半数以上が、2回以上の転職を経験しています。
このことから、30代の転職は決して珍しいことではないことが分かります。

30歳は2回までなら転職の成功率は高い

それでは、30代のうちなら、何度転職してもよいのかと思われる人もいるようですが、そのようなことはありません。
転職も3回目以上となると、企業側もその人材に対し何か問題があるのではと感じ、採用を渋る傾向があるそうです。

実際、先の統計データでも、30代の転職経験者8割のうち、転職回数が2回までの人が半数以上を占めています。
つまり、転職が成功する可能性が高いのは2回までと考えられます。

外資系やベンチャーは転職回数を気にしない傾向

それでは、どこの業種も転職回数は2回までのほうがよいのか、と思われる方もいるでしょうが、実は転職回数を気にしない業種も存在します。
それは、外資系やベンチャー企業です。

外資系は外国資本の会社であり、日本と国民性の違う海外との関わりが深いです。
そのため、日本企業と比べて自主性を重んじる傾向があり、年齢や転職回数にはこだわらない場合が多いようです。
またベンチャー企業も即戦力を求めているため、年齢や転職回数へのこだわりはみられない傾向です。
従って、現在勤めている会社以上のやりがいを求めている人にはおすすめといえます。

30歳の転職で重要なこと

30歳からの転職活動において、気をつけるべきことを5つあげました。

優先順位を決める

30代の転職には、さまざまな理由や動機が考えられます。
転職の際に重要視されるポイントは、給料、労働環境、残業がないことなど、人それぞれです。
しかし、理想の条件が多すぎると、なかなか目当ての転職先をみつけられなくなります。

そこで、自身にとって転職先に求める大切な要素は何かを順位付けし、それを念頭に求人を探してみましょう。
例えば、労働環境のよさを一番としたならば、労働環境のよさそうな求人のデータを集め、その中から給料、やりがいなどを考え、自身が働くに最もふさわしい転職先を選ぶのです。

経験やスキルなど自分の強みを見つめ直す

30代は、20代よりも人生経験が豊富である場合がほとんどでしょう。
そこで重要なのは、これまで自身が歩んできた経験やスキルのうち、何が一番得意かを見つめ直すことです。
30代での転職では、経験やスキルが重要視されがちであり、それらがないとやや不利となる場合もあります。
しかし、自身の経験やスキルをポジティブに考えることで、未経験の職種でも、自身が役に立ちそうな思いがけない発見を得られる場合もあります。

例えば、商品開発から広告系への転職を考えているなら、売れそうな商品の作りの観点から、人の興味を引きやすいキャッチコピーを考えることができそうだ、と考えるのです。

転職理由を考え直す

自身が本当に転職したい理由がそれでよいのか、考え直してみるのも一つの手です。
そもそも、その理由で転職して人生が変わるかどうかまで考えるべきという場合もあります。

例えば、仕事内容や人間関係への不満というネガティブな理由での転職は、面接で正直に話すと悪印象になる場合があります。
不満を語る人は、自己での努力よりも人のせいにすることを優先していると思われ、採用を渋られる場合があるのです。

現在の職場では、本当に転職しなければ自身の望みが叶えられないのかどうか、まずは詳細に分析してみましょう。

辞職から次の転職先まで1年以上空けない

転職を望んだ人の中には、前の会社を辞職してからも転職活動が上手くいかず、そのまま1年が過ぎてしまうもいるそうです。
しかし、辞職から1年以上と間が空き過ぎると、転職先により採用されづらくなります。

それを防ぐためにも、転職活動は、思い立ってもすぐに現在の職場を辞めないまま行うべきです。
その方が、経済的にも余裕を持ちやすく、辞職してからの間も大きくは空きづらいので、採用されやすくなります。

担当してきた業務の情報管理はきっちりと

転職を志す中には、同じ業種の別の会社への転職を考える人もいるようですが、これには注意が必要です。
会社の中には、「競合禁止義務」として、退職した後も、一定期間は同じ業種の仕事を得てはいけないことを定めているものもあります。

直接のライバル会社への転職には、うっかり前の会社の機密情報を漏洩し、損害賠償を支払わなければならないほどのトラブルに至るリスクもあります。
そのため、転職の際は、その時取り扱っているデータを整理し、全て上司に引き渡しておきましょう。

30歳で女性が転職する際のポイント

続いて、30歳からの女性の転職における特有のポイントを3つみていきます。

職種によって年齢が不利になることも

30代で転職したい人の中には、女性も多いことでしょう。
しかし、女性にとっては、年齢が高いと不利になる職種が存在することも忘れてはなりません。

特に、営業職や技術職など、企業による社員教育が前提となっている職種は、転職するなら20代のうちがベストとなります。

1?2年以内に結婚や出産を考えているなら転職は見送るべき

結婚や出産をしても働きたい女性は少なくないようですが、結婚や出産を1~2年以内に考えている場合は、転職はおすすめできないと考えられます。

転職先の企業に慣れるには基本的に1~2年が必要となります。
その中でプライベートでも、結婚や出産などによる変化がある場合は、両方に適応しなければならないため、生活状況がより厳しくなりがちです。
自身の生活の保全のためにも、結婚または出産と転職のタイミングはなるべく重ならないようにしたほうが賢明です。

働きの主張はできるだけ避ける

30代になると、体力面や、育児などのプライベートの面から、自身にあった環境を転職先に求めがちです。
しかし、そうした場合でも、転職先の面接の際は、「働き方のペースをダウンしたい」、「育休などが充実しているとろで働きたい」など、働きに関する主張は行うべきではありません。

企業が求めるのは、常にその企業に尽くしてくれる存在ですので、自身だけの都合になるような発言は、面接では慎むべきです。

年齢以上に大切なポイントに目を向けて

30代になると、転職がしづらくなるというイメージを抱えている方もいるようですが、そのようなことはありません。
むしろ、30代であるからこその経験と強みとは何かを見つめ直して、転職に生かすことが大切といえるでしょう。