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介護福祉士の給料はどのくらい?
近年、日本社会の高齢化に伴い成長しつつある福祉業界ですが、この業界の中で働いている介護福祉士の給料は一体どのくらいなのでしょうか?ここでは、介護福祉士の給料事情をご紹介していきます。
介護福祉士の年収と給与事情
さっそく介護福祉士の年収と給料事情を見ていきましょう。
介護福祉士の年収
介護施設で働く介護福祉士の年収は250万?400万くらいが一般的です。
男女別の平均年収は、男性が357万、女性が310万となっています。
また、勤務場所や資格の有無によっても年収に差があります。
有資格者や実務研修修了者の方が無資格者よりも年収が高くなっています。
有資格者には資格手当が出るところも。
介護福祉士の初任給
厚生労働省の統計資料によると、初任給の平均額は19歳以下で約16万円、20~24歳で約20万円です。
同年代、全産業の中で比べるとやや低い金額といえるでしょう。
正職員の平均月給
2015年の日本介護福祉会の調査によると、正規職員の平均月給は221,000円となっています。
この金額には残業手当や扶養家族手当が含まれています。
一般的な会社員と比べてやや低いことが分かりますね。
非正規職員の平均時給
厚生労働省の統計によると、パート・アルバイトの平均時給は1,085円です。
少し低いのではないか、と思われた方もいるかもしれませんが、大都市だけでなく、地方も平均した金額となっているので、全体的にみても平均程度となっています。
介護福祉士の平均ボーナス額
厚生労働省の統計によると、平均ボーナス額は490,767円です。
一般的な企業と同様、夏と冬に2回ボーナスが出る施設もあれば、全くボーナスが出ないという施設もあるので、自分が就職したい施設の給与体系を確認しておきましょう。
基本給のみで評価するのではなく、手当の有無やボーナスの有無または金額を1つの評価の指標にしても良いでしょう。
勤続年数による給料の変化
キャリア10年未満では15?20万円未満の人が多く、10年以上では20?25万円未満の人がもっとも多いです。
さらに長く勤務すれば、30万円以上の人もいますが、これは勤続年数の多い人が比較的サービス提供者や現場責任者、管理職に就いていることが多いからでしょう。
給料の高い勤務先
常勤・月給の場合、介護老人福祉施設(特養)の給与が1番高く、次いで介護老人保健施設(老健)が2番目に高いです。
これらの施設サービスは夜勤手当が支給されるところも多く、訪問介護事業所や通所介護事業所と比べて給与が高くなる傾向にあります。
大きめの社会福祉法人は、人件費に予算を回すことができるために給料が高い傾向にあるのかもしれませんね。
介護福祉士の仕事について
介護福祉士の仕事は、高齢者などの、身体が不自由な人の介護をするだけだと思っている人が多いですが、介護福祉士の仕事はたくさんあります。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士の具体的な仕事内容はどのようなものなのでしょうか。
介護福祉士の仕事は大きく分けて4つあります。
身体介護
身体介護というのは、日常生活が困難な高齢者や身体、精神に障害のある人などに対して、食事や入浴、排泄などができるように日常生活のお手伝いをすることです。
この仕事は、介護と聞いて私たちが真っ先に思い浮かぶ仕事だと思います。
生活援助
食事、洗濯、掃除といった日々の家事を肩代わりします。
生活を営むカタチは一人一人異なるので、定型化された業務だけをこなさねばいけないということはなく、要介護者の生活にあわせて業務を行うという特長があります。
介護者の健康管理も含まれます。
社会活動の支援
家族との円滑なコミュニケーションや町会などの近隣住民のコミュニティへの参加といった介護者の社会活動を支援します。
介護施設に入らない介護者にとって、社会活動の支援は重要なものだと言えるでしょう。
介護者とその家族に向けた助言・相談です。
介護をするうえで、どのようなことに気をつけるべきか、家族にアドバイスをします。
例えば、福祉用具の使い方や介護食の調理法を指導することがあげられます。
介護の専門的知識を持つ介護福祉士が、主体的に介護者とその家族の相談にのり、アドバイスをすることで、介護生活の不安を解消したり、介護生活の展望を明確にします。
勤務時間と休日
「日勤」と「夜勤(当直)」のシフト制勤務が一般的です。
利用者の多くは365日常に介護サービスを必要とするため、介護福祉士も決まった休日をとることができるわけではなく、スタッフが交代でとることが多いです。
介護福祉士の仕事の現状と将来性
高齢化や平均寿命の増加に伴い、介護福祉士の需要は高まっていますが、現状では慢性的な人手不足です。
今後は利用者のニーズが多様化するなか、量よりも質の高い介護福祉士が求められると考えられます。
質の高い介護福祉士というのは、資格を持っていて、信頼性が厚いことももちろんのことですが、介護者の生活を観察することで、どのような課題やニーズが存在するのかを見つけるとともに分析したり、介護専門職だけでなく専門職以外の人とも協力しながら介護者のQOL(Quality of? life)を高めていくことができるような介護福祉士のことです。
介護福祉士を目指すには
では、介護福祉士をめざすには、どうしたらよいのでしょうか?方法と適性を解説していきます。
介護福祉士になる方法
介護福祉士の国家試験に合格するか、3年以上介護に従事した者が厚生労働大臣が指定する介護福祉士の養成施設(一般にいう学校)を卒業することで、介護福祉士の資格を取得することができます。
介護福祉士の就職事情
介護の仕事は、どこも人手が不足しているため、就職先に困ることはあまりないでしょう。
失業の可能性は低そうですね。
老人ホームや老人・障害者福祉施設、訪問サービスを提供する企業に就職することになります。
就職先によって給与体系や勤務の仕方は異なるため、自分でしっかり事前に調査する必要があります。
介護福祉士の適性
介護福祉士に適している人とはどんな人なのでしょうか?
1.人と接することが好きで自分の感情をコントロールできる人
人間相手の仕事なので、人と接することが好きな人は向いています。
しかし、どんなに人と接するのが好きでも、介護者の家族から苦情を言われることもあったりします。
様々な人とかかわるので、ストレスがたまる仕事でもあるので、自分なりにストレスをうまく発散できる人や自分の感情をコントロールできる人が向いています。
2.思いやりと忍耐力がある人
介護者のことを第一に考え、どんなことに不自由しているか、どんな痛みがどこにあるのか、というように介護者の立場に寄り添って考えることができる、思いやりがある人は向いています。
介護の仕事は、介護者とのコミュニケーションが容易ではないので、忍耐力を必要とします。
忍耐力がある人は向いているでしょう。
3.体力に自信がある人
入浴や体位変換など介護者の体をもちあげる機会が多く、1日に何人ものの人を抱えることになるため、体力がある人は向いているでしょう。
4.物事を冷静に客観視できる人
介護者に共感するだけでなく、物事を冷静に判断して介護者に助言したり、客観的に記録したりすることが、業務のなかで多々あります。
街中で出会う高齢者の方や障害をもつ方を見て、どのような生活をしているのだろう、生活をしていくうえでなにが難しいのか、ということに関心が持てたり、想像力をはたらかせることができる人は向いているでしょう。
介護福祉士として介護の現場を支えよう
介護福祉士の仕事は多く、大変そうだと感じた方もいるかもしれませんが、一人一人の利用者に寄り添って生活を支えることで、人と人を繋ぐやりがいのある仕事です。
皆さんも介護福祉士として介護の現場に携わってみませんか?